許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて…   作:ナマハゲィータ

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第5話:ヴラド3世の姿か…これが?

廻り者は基本的に表に現れない。才能に取り込まれてる割にはそこら辺弁えているのが多い。

 

野良の廻り者が大っぴらに動き始めたのはノイマンらが宣戦布告してからだし。

 

表で暴れるのは基本的に才能に飲まれた罪人格くらいで偉人格は人に害をなすにしても気づかれないように立ち回る。

 

あと作中に出て来た廻り者って殆どが偉人の社または項羽傘下の会所属で廻り者同士徒党を組んでいる。

まぁ黒鋭隊みたいに対廻り者の部隊もあるしやはり一般人とは違う存在なので廻り者同士で集まった方が良いのだろう。

 

まぁ良くも悪くも一般人と一線を引いてるのが廻り者なのだがそんな廻り者である俺が今何をしているかというと。

 

「さあ皆さんご覧ください!私の手には釘がございます。これを鉄の串に変えて見せましょう!ワン・ツー・スリー!」

 

自分の才能を使って手品師として路上で手品を行いお金を稼いでいるのだ。

 

ヴラド3世の姿か…これが?とか誇りとか無いんか?こんな大っぴらに活動したら偉人の社や黒鋭隊に目をつけられないか?と自問自答したくなるがこれにはどうしようもない事情がある。

 

無いのだお金が。

いずれ完全な廻り者として自立するにしてもそれまではホームレスのおっさんだ。

そして不完全な廻り者なんで腹は減る。

かといって才能使って銀行強盗とか間違いなく偉人の社か黒鋭隊に目をつけられるので詰む。

最近は親父狩りも現れないので資金難なのだ。

 

どうしようかと悩んでいたら「串刺し公」って手品に使えそうじゃないか?と閃いたのだ。

 

手品の内容は右手に釘を持っているのを見せて、これを鉄の串に変えると宣言、マントで手を隠しワン・ツー・スリーのスリーのところで右手を振るいあたかも袖から鉄の串を出すかのように見せつつ才能行使によって手に持った釘を鉄の串に変化させる、というものだ。

こんなんでもある程度は稼げる。大体2000円ほどなのでこれでその日を凌ぐ。

 

他の廻り者が見たら恥を知れ恥をとか言うだろうなぁと思いながら今日も路上で手品を行い路銀を稼いでいく。首の花弁はマフラーである程度ごまかし貴族っぽい服装にちなんで『ジェントル・ブラッド』を名乗っている。

 

何日か続けたら稼いだ路銀の一部を交通費に変え移動する。

無論廻り者状態が解除されないよう移動距離は短いが。

こうしないと飽きられるからね仕方ないね。

 

ちなみに廻り者化に関しては抵抗がない。というかホームレスの体にホームレスとしての知恵やノウハウが一切ない俺が入っているのでこうしないと野垂れ死ぬのだ。才能に魅せられてではなく生きるために躊躇いなく首切りを繰り返すのはかなり異質だなぁと思う。

 

そして何回も首斬り…輪廻返りを繰り返しているが自分が何のために廻り者となったかはいまだに覚えている。

 

もう毎日のように首を切っているのだが才能に取り込まれる事なく元気に手品師できてるし…もしかして神様が転生特典として自我が揺るがないようにしてくれたのかもしれない。

サンキュー神様!

 

 

手品師として活躍をしてから早一月、久々に転生した場所である公園へと戻って来た。一応路銀を稼ぐ傍ら銭湯やコインランドリーを利用したりでホームレスとしては清潔な姿で戻って来た。

 

最近は手品でしか才能使ってないしいつか他の廻り者と相対するのも考えてシミュレーションでもしなきゃなと思っていたところ。

 

「探したぜぇ!!」

 

大声で呼ぶ声を聞いて振り返るとそこには明らかに一般人とはかけ離れた衣装に身を包み首から赤い花火が舞っている男であった。

 

廻り者との初エンカウントだがどうなる事やら。

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