許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて… 作:ナマハゲィータ
突然の重大ニュースに思わず目を見開いてしまった。
「…どうやってそれを?」
「まぁそう怖い顔をせずに一つ一つ話していきましょう。」
冷静を取り繕って奴に質問したがどうも動揺は収まってないようだ。
これは彼方のペースに呑まれないことを意識した方が良さそうだ。
「さてまずこの情報をどうやって手に入れたかという質問でしたがまずどうやって?という問いに答えます。まあこれはそちらも予想して居るでしょうし引っ張らずに答えますが私の才能です。」
一つ目の回答はまあこちらの予想通りだった。
ジョゼフ・フーシェという人物は保身と勝ち馬に乗るのに長けており、歴史では彼を排除するために狙い撃ちの決議が行われたほどであった。
そして秘密警察のトップでもある事から奴の才能は情報収集に強いものというのは予想済みである。
「では黒鋭隊はなぜ負けた。準備はしていたのであろう?」
「ええ準備はしっかり行ってました。ジャック・ケッチの廻り者から敵の拠点の場所は脅威となりそうな廻り者について聞いていたようですし。ちなみにこれは彼女自身から聞きました。」
なるほど以前ケッチが居たのは彼女が白道教について彼らに教えたからという事か。
なぜ彼女が黒鋭隊に情報を流したかは結局あの後詳しく聞く前に引き離されたから分からなかったが何かあったのは間違いなさそうである。
というかこいつサラッと彼女にも接触したと言ってやがる。
「準備も完了し彼らは秘密裏に作戦を開始しました。序盤は相手の情報を得た黒鋭隊側が有利に立っていたようです。用意していた放水車が刺さったようで外にいた敵の無力化に成功しそのまま拠点に襲撃を仕掛けました。」
フーシェは作戦について話し始めたがやはり相手のことを知ってるなら単純な身体能力に勝り武装した黒鋭隊の方が有利だったようだ。
しかし放水車が活躍したとはどういう事だろうか?
「放水車が刺さったとはどういう事だ?」
「まず相手側の廻り者のうち一人は火を放つ才能を持っていました。故に黒鋭隊を焼き殺そうしましたが放水車の活躍でこれを阻止。次に相手は洗脳した女性達を全面に押し出して黒鋭隊の動きを鈍らせる作戦を取りましたが文字通り冷や水ぶっかけられて混乱するうちに制圧されました。」
俺の質問への回答を聞いた感想は放水車刺さったなぁ…である。
単純に才能でゴリ押ししてくる敵相手に特殊能力を持たないが故に持てる物で対策し勝利しているというのは流石としか言えない。
「ここまでは良かったですがここから彼らは苦戦していきます。まず突然真夜中に太陽が出てきたりその状況で雪が降るという異常気象に情報を得ていた上で翻弄され加えてその廻り者はそれとは別に戦闘系の才能も持っていたので突入した第一陣が壊滅しました。」
だがそれでは済まなかったようで徐々に彼らは押されて行ったようだ。
というかなんだそのはちゃめちゃな才能。そんなファンタジーな奴が居るのかよ恐ろしいな。
「次に情報に無かった廻り者による攻撃です。これにより情報に対する不信感が噴出し足並みが乱れ始めます。」
情報のない廻り者というとおそらく病院内で戦ったような連中がまだ居るという事だろう。
というかアイツらどれだけ輪廻の枝持ってるんだよ怖すぎる。
「おそらく病院内で戦った連中のようにパブロフによって押さえつけられていた手駒と見て良いだろうな。彼女の事だからそう言う事も言っていたのではなかろうか。」
「おっしゃる通りです。まぁ元から廻り者に対する偏見を持っていた連中ですしそれは仕方ないでしょう。で、話を続けますがそうして混乱しているところに本部が強襲を受けて壊滅しそのまま地獄の撤退戦です。」
俺の意見にフーシェも賛同した上で黒鋭隊をこき下ろす。
そのまま続きを話したが急に場面が転換したかのように本部が壊滅し黒鋭隊は敗北してしまった。
「急に話が飛んだな。誰が襲撃したかとか分からんのか?才能とか見た目とか。」
「仕方ないですよ。私が聞き出したのは命からがら逃げ出した隊員からなんですから。」
俺がそう言うと彼はやれやれと肩をすくめながら返す。
しかし廻り者というのは脅威と見られても仕方ないなあと感じてしまう。
いくら個人の身体能力で負けても才能でひっくり返すことも可能でありこの結果はカルト教団が自衛隊の一隊を壊滅させたに近い戦果だからだ。
「さて私から出せる事は以上ですが…グループの形成に前向きになっていただけたでしょうか?」
「奴らが黒鋭隊に勝利したというのは非常に大きい。その戦果を宣伝し厄介な廻り者がその下に加わる前に潰しに行かねばならないと私は判断した。その上でグループを作るべきという意見にも賛同するしかない。」
話を一旦締め再度フーシェは俺にグループ結成をするか否かを聞いてきた。
奴らの勝利はより廻り者の肩身が狭くなるのは間違いないしより厄介な連中が集まるのを防ぐために積極的な行動は必要だ。
その上でやはり単独では限界がある。
グループを作って対応すべきだ。
となると奴の案に乗るしかなかった。
絶対こうなるの分かっていて俺に接触しただろコイツ。
「ありがとうございます。早速グループの名前決めと行きましょうか?」
「いやまだ私と貴様だけなのだから時期尚早であろう。とりあえずそちらの伝を使って集めてはくれんか?」
風見鶏の頭がブンブン回転しているのが喜びを表してるみたいで愉快だった。
まぁちょっと前のめりだったのを嗜め彼に人材集めを頼んだ。
いやこっちには伝殆ど無いし頼親と道雅に接触するのはまた後でにしたかった。
「いや伝とは言われましてもケッチくらいしかいませんよ?接触出来る廻り者なんて。今まで黒鋭隊のコントロールに専念してましたから。そもそも私が信用出来るとでも?」
「は?」
尚そんな俺の頼みに対してこいつはそう言ってのけた。
こいつ俺に何から何までやらせる気かコノヤロー!
ムカついたので『串刺公』で脅しをかけた上でとりあえずジャック・ケッチの廻り者の元へ向かう事にした。