許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて…   作:ナマハゲィータ

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第6話:初戦闘

「私と君は初対面のはずだがね。」

 

明らかに抗戦的な態度を崩さない相手に対しこちらは冷静な態度を取り質問する。

 

「ああ、そうだな。だけどこの間しばいた奴らから首から花弁が舞ってる奴が居るって聞いて探していたんだよ!すぐ見つかると思ったがここまで見つからないとは思ってなかっぜ!」

 

相手の返答に俺は眼光を鋭くする。

俺の知り合いなんてのは殆ど居ない。居るとしたら廻り者になって直ぐに絡んで来たチンピラと数日後に襲って来た仲間と思われるチンピラくはいだ。

 

「ふむ、それで私に辿り着いたのか。しかしその態度は剣呑だな、少し落ち着いたらいかがかね。」

 

明らかに戦う気満々な相手に対しこちらは終始冷静な態度を崩さず対応する。ただそれに対する返答は頬を掠める矢であった。

よく見ると後ろには弓を構えた顔に星のマークがついた全身黒づくめの人物が立っていた。

 

「ごちゃごちゃうるせえんだよ!!俺はなぁ、廻り者と戦うためにアンタを探していたんだ!チンピラをぶちのめすだけじゃあもう足りないんだよ。」

 

男は興奮した様子で語る。明らかに才能に飲まれ全能感に浸っているのがよくわかる。

俺をその気にする為にわざと外したのだろう。

 

 

「そこまでして戦うというのなら仕方ない。こちらも無抵抗で死ぬつもりはないのでね…。」

 

相手がやる気ならこちらもそれに応えざるを得ない。手に持った釘を鉄の串に変えそれを槍のように持ち構える。一部は廻り者を守るように武器を構え立っている。

 

見ると向こう側にはさっきの射手と同じような姿をした人が30人以上いた。手は剣や槍など武器を持っている。

あの奇怪な姿をした特撮のザコ戦闘員を生み出すのが奴の才能行使という事だろう。

 

「やれぇ、テメェら!俺は英雄になるんだ!」

 

奴の号令を合図に戦闘員はこちらに襲いかかる。

それをこちらは迎え撃つ。

 

「まぁ馬鹿正直に相手するつもりはないがね。」

 

相手の突撃を見て俺は懐からガラス片や画鋲といった鋭利な小物が入った袋を取り出し中身をぶちまけながらバックステップで距離を取る。

構わず突っ込んで来る戦闘員が鋭利物が散らばった地点に到着したのを見て『串刺し公』を発動する。

鋭利物が鉄の串に変わり侵入していた戦闘員を貫きその動きを止める。

 

「なっ⁈テメェ卑怯だぞ!!正々堂々相手するみたいな態度を取りやがって!」

 

「多人数相手に馬鹿正直に突っ込むわけないだろう?巻き込めたのは最前線の5人ほどだが牽制には十分。」

 

俺の戦法に怒りを露わにするがそもそも廻り者の戦闘はルール無用だろ。

相手の土俵にご丁寧に上る必要はない。放たれた矢を鉄串で弾きつつ観察する。

そして奴が俺への抗議のために護衛を退かして少し前に出たため射線が通っていた。

 

相手がやる気な以上こちらも手を抜くつもりはない。

 

それを確認した俺は痛い目を見てもらおうと、槍投げの要領で鉄串を投擲する。

 

「クソがっ!」

 

奴は近くにいた戦闘員を肉盾にしたがそれでも鉄串は奴の脇腹を少し貫いた。

 

「グァァァ…」

 

「これ以上痛い目に遭いたくないだろう?どんな廻り者か知らないがその程度では私には勝てんよ。」

 

こちらは勝利を確信していた。弓矢にさえ気をつければ『串刺し公』で戦闘員を排除し肉薄することも可能だ。

そう考えていると肉盾にされた戦闘員の様子がおかしいのを見た。

貫かれた傷を押さえ震えていたかと思ったら顔の白い星が割れた。

 

すると戦闘員の姿が崩壊し現れたのはいかにもチンピラという風貌の男だった。

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