許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて… 作:ナマハゲィータ
泊まっていた宿のテレビでニュースを見ている俺たち。
「これ、間違いなくお七が関わってるでしょうね。」
「まぁ、可能性は高いだろうな。」
テレビで流れているのは昨日の真夜中に起こったとされる火事についてだ。
被害者はいずれも若い男性でありいままでの放火事件と違い火元が家の中である事から無関係の放火殺人の可能性が高いと報じられていた。
「彼らがお七をナンパしそれに彼女が乗っかり自宅に乗り込みそこで才能行使して家ごと焼き殺した…というのが私の予想ですが。」
「当たってるだろうな。先に彼らを燃やしてから家を燃やしたのだろう。」
テレビでは被害者達について語る人達の映像が流れているが聞いてる限りまぁ良くも悪くも陽キャという感じだ。
以前ケッチから聞いたがお七の見た目は江戸時代の町娘という感じだがどこか儚げな感じらしいので一人佇む姿が気になり声をかけたんだろうな。
まぁ実際は美女のガワを被った怪物だったがために犠牲となったのだろう。
「これ以上野放しには出来んな。今日見つけておきたいものだ。」
「そうですね。ただもう現場付近から逃げてる可能性があるのが厄介です。」
「ケッチから聞いたが奴は飛べるらしいからな…。」
正直早く捕まえたいしその気持ちにフーシェも同意してくれたがそう簡単にはいかないという感じであった。
実際そうだ。
ケッチから聞いた話だがお七は炎を纏うことで火の鳥のような姿となり飛べるらしい。
これが厄介だ。
空から炎飛ばされたら防ぎ辛いし、こちらの攻撃が届かない場所まで飛ばれたら厳しい。
俺の『串刺公』は結構伸びるがそれでも限界はある。
「まぁとにかく奴を見つけない限りは取らぬ狸の皮算用だ。まずは朝食を済ませてからにしよう。」
これ以上は考えても埒が開かないので一旦思考を切って俺たちは宿の朝食を取る事にした。
西耶少年はテレビで見た放火事件について考えていた。
「ここ最近この辺りで放火事件が続いているけどもしかして廻り者による犯行なのかな?」
彼が引っかかっているのはいくつも放火事件が続いているというのに警察は一向に犯人の足取りすら掴めてないという事だ。
廻り者になる前なら深く疑問に思う事は無かったのかもしれない。
しかし自分が廻り者となり常人が持たない異能を得てからはこういった事件の影には廻り者が居るかもしれないと考えるようになった。
「それに引っかかるのは昨日会ったあの二人だ。この放火魔が廻り者なら…彼らは追って来たのかもしれない。」
彼が思い浮かべるのは昨日あった大人の男性二人についてだ。
自分に輪廻の枝を見せたのはその放火魔を探してるからかもしれないと感じた。
となると自分の反応は不味かったのではないかと振り返る。
「いやいやいや!もしかしたらあの二人は悪者かもしれないんだ!だって一人は怖そうだったし!」
だが彼はそれは流石に甘く考えすぎだと首を横に振った。
思い返すのは質問してきた男のじっとこちらを見る目だ。
その目はじっと自分を見据えていたがどこか遠くを見てるようだった。
そんな彼の目を見ていたらどんどん怖くなった。
そうして逃げ出した。
やはり逃げて正解だったかもと振り返る。
でも良い人だったら…と揺れてしまう、まだまだ中学一年生であるためその辺りの思考はまとまらない西耶少年であった。
放火事件は気になりつつ彼は一旦その事を頭から消して通学路を歩く。
今はそれが正しいと信じて。