許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて…   作:ナマハゲィータ

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第63話:不意の遭遇戦

俺たちは現在規制線が張られている現場近くへとやってきている。

遠征費がどれだけあるか分からないがそう何日も宿には泊まれんだろうし奴の痕跡が残っていたなら良いと踏んだが。

 

「まあ入れんな。」

 

「まだ警察が捜査してるようですからね。規制線だけまたはいても見張だけとかなら誤魔化せたんでしょうが捜査中に土足で入り込むのを誤魔化すのは難しいですね。」

 

昨日の今日であるためまだ警察が出入りしてるようでフーシェでも中で調べるのは難しい状況であった。

まぁただ誘われたフリして焼き殺して飛び立った奴の証拠なんて焼けた家にあるかは分からんが。

 

「付近を探すにしてもこれでは疑われかねんな。」

 

「まぁ見知らぬ男性二人が現場付近を歩き回るってのは不審に思われてもおかしくありませんから。下手に注視されて私の顔の認識阻害が解けてしまったらそれこそ大問題ですし。」

 

飛び立ったなら火の粉が落ちた跡なんかを辿れるかなんて思ったが見たことない男二人が下を見て云々言う様なんて不審者と言われても仕方ない。

 

そしてそうやって注視されると彼のごまかしがバレてしまうかもしれないようだ。

そうなったら殺人事件とは別に大事件だ。

新聞の一面は怪奇風見鶏男現る!で決まりだろう。

 

「となると次の放火先は当てずっぽうになりますね。」

 

「まぁ予想はつく。間違いなく扇寺邸は狙うだろうな。」

 

「ですから今頃は警察も張っているでしょう。まぁ警察如きでは止められないでしょうがね…。」

 

俺たちは放火現場から一旦離れ、歩きながら次の放火先について考えていた。

二人とも扇寺邸が放火先になるのは間違いないと踏んでいた。

まぁ警察が居て近づくのも難しいとも考えていたが。

 

警察じゃあ頼りにならないし今の扇寺西耶では対処できないだろう。

彼女に対抗出来る才能持ちから教えて貰ってないだろうし。

 

まぁ考えても仕方ないので俺たちは再び扇寺邸へ向かった。

 

 

扇寺邸へと向かう道中、俺らは他愛ない世間話をしていた。

 

「ところでお前はどうやって生計を立てていたんだ?この遠征費だってお前持ちだし。」

 

「簡単です。詐欺師騙して金横取りしました。」

 

何気なくこの遠征費をどうやって出したのか聞いたらフィクションみたいな答えが飛んできた。

ク◯サギかな?

 

「詐欺師が取った金は本来他人の者ではないか。それを取るのはやはり犯罪行為ではないか?」

 

「でも私は彼らを騙したわけではありませんし、金を返すにも住所とかしりませんし。あと酷な物言いですが騙されたのが悪い…って事になりますね。甘い話には裏があるってのは冷静に考えれば誰でも分かることでしょう。」

 

どうやら詐欺師を狩る詐欺師だが結局は詐欺師、漫画見たく騙された人の下に金が戻ってくる訳ではなく狸寝入りせざるを得ないようだ。

俺の視線が鋭くなったのを見たフーシェはこちらに頭を下げる。

 

「不快に思ったかもしれませんが廻り者が生きるにはこういった他者を足蹴にする方法の方が多いんですよ。貴方みたいに自身の才能を応用して金を稼ぐなんて考えに及ぶ廻り者は少ないんですよ。」

 

「まぁ良い。俺も人殺して日銭稼いでいる廻り者を知ってるからな。私は恵まれた方だったというだけなのも分かっている。だがまぁ儘ならぬものだな。」

 

彼の言は一理ある。

 

基本的に廻り者は傲慢で才能に自信を持っているため弱者に厳しい。

 

藤原道雅や源頼親がやってる事も殺人ではあるし廻り者が溶け込んで生活するには他者を踏み台にするしかない。

 

まぁ俺がマジシャンやっていたのも殺傷能力高すぎる能力でどうやって生きるか知恵を絞った結果だがそんなのはレアケースなのは分かっている。

 

ただやはり感情的に呑み込むのは難しい。

というか俺の周りはそういった廻り者ばかりだからやはり俺の方で折り合いをつけるしかないのだろう。

 

そうやって話している時に頭上から火の粉がフワフワと降りて来た。

 

ふと見上げるとそこには両腕が炎の羽となっているまるでハーピーのような女がそこに居た。

 

俺はすかさず輪廻の枝で廻り者へと変わる。

 

「あら?目障りな館を焼こうとしたら意外な物を見れましたわ。まさか貴方…私たちの作戦を邪魔した廻り者だったりしませんか?なら貴方をまず燃やしましょう!ああ見ていてください!私の愛が貴方の敵を燃やし尽くします!」

 

それを見た彼女の口は吊り上がり目は歓喜に包まれていた。

そして感情のままに一人で騒ぐとこちらへと炎を放つ。

 

しかし炎は壁のように現れた複数の鉄の杭によって防がれた。

 

「鋼鉄は炎を防ぐ。故にこうして数さえ揃えれば擬似的な防火壁となる。しかしこのようなとこで出会えるとはな。」

 

「忌々しい!」

 

炎を防いだ俺は奴に出会えたことを喜びながら奴を挑発する。

それを聞いた彼女の口はさっきとは逆に下がり苦渋に満ちていた。

 

こうして不意な遭遇となった俺らはそのまま戦闘へと突入していった。

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