許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて…   作:ナマハゲィータ

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第64話:秘密兵器

とはいえ状況が好転したわけではない。

相手は才能で簡単に炎を放つことができるがこちらは手持ちの道具が尽きたら負けだ。

だって『悪魔公』は飛んでる相手には距離の問題で難しいし、フーシェは武器すら持ってなさそうだ。

 

「おいお前なんか武器持ってないのか?」

 

「ないです。強いて言えば舌が武器ですね。」

 

やはり持ってないようだ。

つまりフーシェは現状お荷物であり俺は不利という事だ。

 

「お前俺から離れるなよ。今の私は調子が良いのでな。」

 

「わかりましたピッタリ後ろについておきます。」

 

「お話は終わりましたか?一回防いだくらいで良い気にならないでくださいませ。私の炎は尽きる事はないのですから!」

 

俺達が話終わったのを見たお七は高笑いしながら自身の才能を自慢する。

 

壁に使った鉄の串は熱で熱くなってるので回収できないのでこっちは炎を防ぐ度に不利になっていく。

 

「それにその杭は飛んでいる私を貫けるのですか?私に攻撃出来なければ意味はないのでは?」

 

彼女は嘲笑うように言葉を投げかける。

確かに鉄杭の伸びる距離には限界がある。

対してあっちは限界距離よりも高く飛べるのだろう、じゃないとあんな自信満々な態度は取らない。

 

まぁこっちも対策はもちろん用意してるがな!

そうやって取り出すのは1mほどの長い筒だ。

 

俺は筒の片側に口を当てもう片側の先を飛んでいるお七に向ける。

 

「まさか吹き矢ですか?ふふふ確かにそれなら私に届くでしょうね。ですが。」

 

そんな俺を見た彼女は感心したような表情を浮かべるも余裕は崩さない。

彼女は自身の前に炎を浮かべ壁の代わりにした。

 

「仮に鉄の矢であってもこの距離、そしてこの炎の壁を抜くことなど出来ないのでは?」

 

確かに彼女の言う通りだろう。

吹き矢は長ければ長いほど飛距離と威力は増すが持ち運びも考えるとそんなに長い物は持ち運びできない。

あと長い分肺活量も必要になるためそんな長い物を用意しても宝の持ち腐れだ。

 

仮に飛んでもこの距離なら威力が死に始めた時に炎に突っ込みそのまま威力が殺される可能性も高い。

 

そんな彼女の嘲笑を無視し狙いを定め俺は吹き矢を放つ。

 

矢は空飛ぶお七、その前にある炎の壁に突っ込んでいく。

 

そして炎の壁に刺さった瞬間矢が鋭く伸びていく。

 

そして勢いが死にきらぬまま伸びた鉄の矢は彼女の右腕を貫いて行った

 

「ギャァァァァァァァ」

 

けたたましい叫び声をあげながら落下していくお七。

しかし吹き飛んだ右腕から炎を放出し無理矢理落下を防いだ。

 

「はぁはぁ…。まさか炎の壁に当たった瞬間に伸びるなんて。」

 

「ちっ、落ちんか。そして気付くのが遅いな。まぁ遠目では私が鋭利物を鉄杭に変えているのは分からんかったようだな。」

 

お七は矢が伸びた理由は分からないようだった。

俺は仕留めきれなかった事に舌打ちしながらネタバラシを行った。

 

「それでも吹き矢のスピードは目視出来るようなものではないはず!」

 

「私はヴラド3世、ワラキア公国の統治者だ。この程度コントロールすることなど容易だ。」

 

「狂人が!」

 

「カルト教祖の愛人に狂人などと言われたくはないな。」

 

「貴様ぁ!偉大なる大元任様を愚弄するかぁ!」

 

そのネタバラシを聞いても彼女は理解できないかのように叫ぶ。

いやおかしなことを言うな。

俺はヴラド3世だぞ?

俺の才能を自在にコントロール出来ないとかありえないだろ。

 

そんな風に反応したら狂人だと罵倒されたのでこっちもカルト教祖の愛人だと罵倒し返した。

そしたらめっちゃブチギレた、解せぬ。

 

しかし教団の名前から予想はできていたが大元任って呼び名で確信が出来た。

 

教祖は全龍海の廻り者だろう。

周りを女ばかりで固めた理由も分かった。

 

まぁ一旦それは傍に置いて俺は奴を見据える。

 

片腕をぶち抜いたは良いが炎を放出することで補っているようでやはり奴を即死させないと止めることはできないようだ。

血が地面に滴る様子も無いのであの感じでは失血死は期待出来なさそうだ。

 

「右腕を貫かれても血が流れないのを見るに貴様を止めるには殺すしかないようだな。」

 

「ふふふ。落下死を狙ったのでしょうがそうはいきませんよ?私の炎は大元任様への愛が尽きぬ限り止まることはないのですから。」

 

正直最初からヘッドショットを狙ったがブレにブレて右腕を貫いただけだが誤解してるようなので黙っておこう。

 

とはいえあちらも余裕のある表情はしなくなった。

ここからが本番だろう。

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