許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて… 作:ナマハゲィータ
アインとアルベルトの件もあるの問題はないかなと思いましたがここに書かせていただきました。
全龍海の目的は今も昔も変わらず自分だけのハーレムを構築しそこで酒池肉林の生活を送る事である。
無論ハーレム要員となる女性達の意思はガン無視であり、反抗的な態度を取ったり逃げ出そうとした場合だけでなく彼が飽きてしまった場合も彼女達は背教者として処分されるのだが。
そんな身勝手なハーレム願望を持っている彼だが教祖としての才能は脅威である。
才能行使『閉じた楽園』は簡単に言えば自身に有利なフィールドを展開し他者を洗脳するものなのだが洗脳には段階がある。
第一段階は直接的な洗脳
これは心が弱った女性ほど効きやすく、フィールドである真っ白な部屋にて言葉を交わすだけで信者にする事ができる。
第二段階は共鳴する洗脳
これは男女問わずかかる分手間がかかる。
信者の集まりの中に非信者を突っ込み、彼が説法する様を見せる。
すると沸き上がる信者達に釣られ非信者も染まっていき気づけば信者になるというものだ。
これは信者となった家族や友人を芋蔓式に信者へと変えるのに便利であり、転龍会の頃はこの力で拡大していった。
ただ先に言ったように彼の本心はハーレム構築なので男は邪魔だし女も若い方がよかった。
それでもそんな事をやっていたのは当時転龍会には強力な廻り者が居て、彼が全龍海を教祖に仕立て上げ人を集めていた。
まんまパブロフがやろうとした事をすでにやられていたのだ。
そんな境遇に嫌気が刺し更にその男の真の目的を知った事で彼は生き残るために転龍会壊滅の為に動き、そこに転龍会潰しを画策したフーシェの働きも重なり無事転龍会は潰れたが肝心の男は逃げ切っていた。
そんな彼が再び白道教という教団を作り人を集めていたのはパブロフの差金もあったがやはり都合の良いハーレム計画が諦めきれなかったからというのがある。
そうやって白道教を作り女性救済団体を隠蓑に酒池肉林の生活をしつづけていたが度重なる幹部の死亡と黒鋭隊の攻撃による拠点放棄によってその生活は終わりを迎えかけていた。
彼は泥舟から逃げ出したパブロフを折檻しつつこの先について考えていたところメリクールがやってきた。
「大元任様、折檻の途中で申し訳ないんだけど奴がどこに潜んでいたかようやく分かったってさ。」
メリクールの報告に彼の機嫌は一気に良くなった。
彼女が言う奴こそ転龍会の立ち上げに関わった廻り者であり彼としては意地でも殺しておきたかった相手であった。
「どこに居ると?」
「千葉県だってさ。県は跨ぐけど遠くないね。」
居場所を聞くとメリクールは千葉県と答えた。
ここは都心であるため彼女が言う通り県を跨ぐが遠くはない。
それを聞いた全龍海は仕置きしていたパブロフに声をかける。
「最後の機会を与えよう。全霊を持って奴を殺せ、でなければ死ね。」
そう言って彼が右手で何かを握るようなジェスチャーを取るとパブロフは首を絞められたかのように呻いた。
『閉じた楽園』は洗脳だけでなく信者の生殺与奪も握れる。
水晶玉には常に信者の場所が白点で記されるためいつでも把握できるため逃げるのも不可能だった。
彼がジェスチャーを止めるとパブロフもまた解放され激しい呼吸を繰り返す。
「あ、ありがたき幸せ…我が命に変えても成功させます。」
そう言った彼女はボロボロの身なりで部屋を出て行った。
そんな彼女を一瞥し全龍海は言葉を溢す。
「もう誰にも邪魔されないよう、我々も閉じた楽園を作り上げる必要がある。」
「じゃあまた引越しだね。まだまだ放棄された廃村は都心でもいくつかあるから不自由しないしね。」
「そうか。では任せた。」
その言葉を受けてメリクールは活動を始める。
全龍海は今度こそ理想のハーレム王国を作らんとしていた。
無論その下に多くの血が流れようとどうでも良かった。
女なんて女性救済団体を利用すればいくらでも集まるし、その信仰は高橋鑑房の才能でいくらでも集められる。
今はここにいない幹部二人も充分役に立つのでパブロフの切りどきでもあった。
「誰にも誰にも邪魔はさせんぞ。」
そう彼は一人呟いた。