許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて…   作:ナマハゲィータ

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第7話:初戦闘②

「は?」

 

突然の事に俺は一瞬思考が止まった。

そのせいか中華刀を持った戦闘員の接近に気づくのに遅れ袈裟斬りを浅く受けてしまった。

 

「ぐぅっ…。貴様それはなんだ!」

 

俺はその廻り者を怒鳴りつけたが奴は手に持った石版を掲げ飄々とした態度で答えた。

 

「あ?テメェ何をギャーギャー言ってやがるんだ?こいつらはなぁ俺の力で下僕になったんだよ!『星受好漢』によってなぁ!」

 

『星受好漢』というのが奴の力のようだがその能力名からある人物の名が浮かぶ。

 

北宋末に36人もの将を傘下にして暴れ回った山賊であり後に降伏し官軍となった男。そしてその活動からのちに水滸伝という物語の主人公となった男。

 

「お前、まさか宋江の廻り者か。」

 

「お?まぁ隠す気はなかったが話すタイミングも無かったしなぁ。そうだ!俺こそは大好漢宋江様だ!」

 

俺の問いに奴は意気揚々と名乗った。その態度が癪に触った。

 

「何が好漢だ。チンピラとはいえこいつらは一般人だろう?」

 

「甘いなぁオッサン。こいつらは人様の役に立たずむしろ害を及ぼすカスだぜ?オッサンだって被害に遭ってたんだろ?」

 

奴の主張に俺は何も言えなかった。それでも一般人を犠牲にするなんて許せないなんて高尚な精神は持ってないからだ。

 

「ククッ。口では立派な事を言っても所詮はそういう扱いなんだよ。だから俺が使ってやるんだよ。」

「『星受好漢』はなぁ。屈服させた奴にこの石版を押し付ける事でそいつを俺の下僕に変えられるんだ!」

「暴れるしか能がない連中なんだからこそその腕っぷしを使ってやるっつってんだよ!ほら行けテメェら!」

 

散々語った奴は戦闘員をけしかけてきた。見ると思考停止した拍子に能力が解除されたのか針や画鋲なんかが散乱し鉄串で貫かれていた奴らもこちらに向かってきていた。傷も治ってるように見えた。

 

(ある程度のキャパシティがあってそれ以上のダメージを受けると変身が解除されるって事か。それが分かったとしてもやりづらいんだがなぁ!)

 

相手がチンピラとはいえ廻り者ではない一般人、しかもチンピラと言っても串刺しにされて殺されるような悪行は無してないだろうからさっきみたいに『串刺し公』を使うのも躊躇ってしまう。

 

事故とはいえ一般人を巻き込んだら偉人の社や黒鋭隊に目をつけられかねない。それだけは避けるために防戦一方となる。

 

「どうしたようオッサン!いやヴラド3世さんよぉ!そんなんじゃ死んじまうぞぉ⁈」

 

後方でヤジを飛ばす宋江。

その姿は野蛮な賊そのものだ。

名前がバレてるがまぁこんな串を生み出して相手を貫く能力みたら余程歴史に疎くない限りは気づくだろう。

 

ただあの態度はムカつく。

 

「お前英雄になりたいって言っていたなぁ?そうやってヤジを飛ばすだけでは英雄になんかなれんぞ?所詮お前は賊将宋江の廻り者であって水滸伝にて語られる好漢宋江ではないのだからな。」

 

奴の態度にムカついた俺は奴の姿勢を批判した。そもそも廻り者はあくまで歴史上存在した人物を前世とした才能を得る。

故にこいつの前世は北宋末に暴れ回った賊でしかない。

官軍になったって言ったってろくな活躍してないしなんならその官軍宋江は別人説だったり捏造説だったりもある。

 

奴の顔が赤くなるのを見て、敵の攻撃を捌きつつある地点に移動しながら追撃を加える。

 

「そもそも英雄からこんな他者を苦しめ踏み台にするような能力が生まれるわけないだろう?所詮は賊、罪人格に過ぎんのだ。」

 

「うるせぇ!!なら俺の手でぶっ殺してやる!こいつを抑えろ!」

 

ブチギレた宋江は俺を抑えるように戦闘員に命じた数を武器に袋にされたらなす術もなく俺は取り押さえられた。

 

それをみて歪んだ笑みを浮かべた宋江は戦闘員から中華刀を奪い取り俺の首を落とそうとした。

思った通りノコノコとやって来た奴相手に俺は笑みを抑えられなかった。

 

「なんだ気が狂ったか?」

 

「いや、ここまで上手くいくとは思わなくてね。ここがどういう場所なのか気づかずにいてくれてありがとう。」

 

何が、と奴が言うのと同時に俺は『串刺し公』を発動した。

そうここは一度戦闘員共を貫いたトラップをしかけていた地点だった。

俺の思考が止まったせいで能力が解除され辺り一面に散らばっていたのに気づいた俺は奴を誘き寄せるために罵詈雑言を並べたのだ。

 

串によって足を貫かれ奴は絶叫をあげる。

それと同時に手に持っていた中華刀と石版を落とした。

その石版を破壊すると周りの戦闘員共が苦しみだした。

そしてその姿が崩壊していき辺り一面にチンピラ共が転がった。

幸い意識はあるようである。

 

「さてお前は少々やり過ぎた。敗者にはそれ相応の末路が待っている。」

 

何殺すつもりはない。

怯える奴の頭に右手を添える。

 

あの時と同じ感覚だ。おそらくトリガーは俺に対し恐怖を感じた相手が近くにいる事なんだろう。

 

『悪魔公』

 

奴が何かを言おうとする前に俺は才能を行使する。

 

瞬間奴はさっき以上の絶叫を上げそして気絶した。

 

こうして初めての戦闘は俺ヴラド3世の勝利によって幕を閉じた。




戦闘描写が拙い部分はありますがこれにて初戦闘終了です。

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