許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて… 作:ナマハゲィータ
今まで向かうところ敵なしだった。
粋がるだけのチンピラもデカい顔していたヤクザも俺の才能には勝てなかった。
そりゃそうだ、俺の才能はただ悪の組織の雑魚怪人を作るだけに見えるかもしれないが、そもそも一糸乱れぬ集団行動を取る大人というだけで強く殴られようが刺されようが撃たれようが怯まず襲いかかって来る相手に恐怖しない人間はいないからだ。
故にあの地域でチンピラを襲っては駒に変え、その駒で別のチンピラを襲い時にはヤクザまで襲わせた。
仮に駒の正体がバレても側から見たら馬鹿なチンピラがコスプレして襲撃したようにしか見えないためこちらには火の粉は飛ばない。
そうやって社会のクズを利用して世直しを続けていた。
自分こそが英雄なのだと信じて。
その自信が砕かれたのはあの廻り者に負けたからだ。
あの駒の中身が人間だと分かった時から明らかに動きが鈍ったのは甘さだと断じそんな相手の挑発に乗った結果、無様な負けを晒してしまった。
それ以降あの時の全身を串刺しにされるような恐怖が頭の奥にこびりついて今までのように動けなくなった。
奴に監視されてるように感じ恐怖で身が竦んでしまうのだ。
一度折られた自信はそう簡単に戻らず惨めな生活を送るしかなかった。
そんな俺の前に奴が現れた。
「随分無様な姿だな。私に襲いかかって来たときの自信はどこへ行った?」
「全部テメェのせいだろうが!」
情報収集で当たりをつけ探していたら路地裏でコソコソしていた宋江を見つけ声をかけたら怒鳴られた。
「それは身から出たサビであろう。廻り者も絶対ではないのだ、一度負けた程度でこの様では無駄骨かね。」
「テメェ…俺に恐怖を刻んだのもテメェだろうが!俺に用があるなら俺をこんな様にした責任を取りやがれ!」
奴の怒りをサラッと流しつつ言葉の棘で刺したらなんかr18作品に出てきそうな事言いやがった。
男にそれ言われても嬉しくないんだが?
「ここまでされるような事したの?」
「コイツの才能は他者を媒体に特撮の雑魚戦闘員みたいな奴を作り出す奴なんだがチンピラを媒体にして他のチンピラを潰したりしていた。」
「悪い奴じゃないじゃん。」
「いかに相手がカスでも暴力を振るって良い理由にはならん…が、廻り者にルール無用なのだよな。」
その有様にジャック・ケッチの廻り者である千佳が疑問を口にしたので俺が彼の所業を話したが彼女はそれを悪いとは思わなかった。
そんな彼女を説こうとするも廻り者はルール無用。
そもそもこちらの陣営には頼まれたからとはいえクズを殺す必殺仕事人や詐欺師を騙す詐欺師、それにかつてカルト教団のメンバーとして暴を奮った少女がいるため残念ながら宋江を非難することはできなくなっていた。
「おうおうどうした?あの時はあんな威勢の良い事言っといてよぉ?」
答えに窮した俺を見て奴は調子に乗り出した。
正直ムカつくがむしろメンバーの内情がこれなら奴を仲間にしても何も違和感ないと確信した。
「いや何。あの時は貴様を怒らせ策に嵌めるために言っただけだ。そして今の私はお前の所業に蟠りはない。故に貴様も我々の仲間にならないか?」
「は?」
だから奴の挑発をかわしてカウンターとして奴を勧誘した。
そしたら鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていた。
「は?お前俺を勧誘するのか?」
「元々そのつもりでね。そもそもあの時は君の方から非のない私に喧嘩を売って来たのだから逆恨みも甚だしい。」
「テメェ…。」
奴は口をパクパクさせながら声を絞り出したのでこっちは奴の発言を肯定しつつ、その怒りは逆恨みだと指摘した。
それを受けてか奴は黙ってしまった。
「まぁ今日すぐに決めろとは言わん。次来た時までには決めておくのだな。」
そんな彼を見て今日中では決まらないと見た俺は期限を与えて今日は退散することにした。
さて次来たときには受けるでも受けないでも良いからきちんと決めてくれれば良いがね。