許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて… 作:ナマハゲィータ
宋江は勧誘の返答をどうするか決めかねていた。
感情論としては拒否一択だが、それでは先が無いのは彼も理解していた。
ただやはり納得はいかなかった。
自分をこんな様にしたのはヴラド3世でありそんな彼が頭を張るグループに参加するというのはプライドも許さなかった。
「クソが…。仕掛けたのは俺だがそれを完膚なきまでに叩きのめした奴が勧誘してくるとか頭おかしいんじゃねえか?」
宋江は彼の正気を疑ったが勧誘時の彼の目は正気も正気と言えるようなものだった。
故に疑問だった。
「あの戦闘での発言を奴は挑発とか言っていたが…アレは紛れもなく本心だったはずだ。そんな奴が俺を勧誘すること自体おかしくはねえか。」
以前の戦闘での発言を思い返すがアレは彼の本心としか思えなかった。
ならば自分とは相容れないはずなのにこうして勧誘しに来てることが引っかかった。
そして気づいた、真実に。
「あんな事言いながらなんだかんだで俺の主張を認めたから来たんじゃねえか!」
宋江は目を輝かせながら確信した。
ただヴラド3世は別に宋江のやり方を認めてはいない。
ただ彼の周りに宋江と同じように悪人相手ならなにやっても良いと考え実行している廻り者ばかりであり、今の段階でも殺人衝動を持つ廻り者の沈静化の為に悪人の殺人を許容している時点で実際には宋江のやり方を認めたようなものではあるが。
こうなると宋江は今まで渋っていたのがころっと勧誘に乗り気となった。
そして二日後、再び会った際にはヴラド3世が何か言う前に自分からグループに参加すると表明したのだった。
単純な奴である。
日をあけたらあっさり宋江が加入を表明した。
正直俺に対する悪感情が燻っていたのは見て分かったので急な転換に驚いた。
どうやら奴は俺が奴の主張を認めたと思って凄い気をよくしたようだ。
正直回り回ってスネに傷がついた連中ばかり仲間になるがもうこれは諦めるしかないのかもしれない。
「あっさり終わってよかったねー。」
「まぁよかったはよかったが、奴があそこまで調子に乗ってるのは気に食わんな。」
交渉があっさり終了した事を千佳は喜んでいたが、俺としては急な心変わりが引っかかっていた。
奴の態度もなんかムカついた。
「いやーあんだけ俺を見下していたように見えたがやっぱ悪い奴に人権なんかねーよなぁ!」
「その悪人を更生中なのだ。そういった軽口は控えろ。」
そんな中で共に拠点へと帰る際に放った宋江の発言に千佳がビクッとしたのを見て強めに釘を刺した。
「あくまで必要であるためにそれを成すのは良いがやはりお前のやり方はやりすぎだ。これからはこちらで管理していく。何もするなと言ってるわけではないのだ。」
「チッ。まぁお前のせいでアレ以降才能行使は使えてねえが今の俺なら問題はなさそうだし、それくらいは呑むさ。お前もこちら側に来たって考えたら少しはスカッとしたからな。」
続け様に厳しい言葉をぶつけると奴は舌打ちしたがすぐに笑みを浮かべて俺の要求を受け入れた。
なんかムカつくな〜。
ムカついたので奴に見えないよう歩く先に画鋲を投げ込み、それを奴の目の前で鉄杭に変えて驚かせた。
「テメェ何しやがる!」
「今は私が上なのでね。少々躾が必要と思っただけだ。」
「おじさんも大人気ない事するんだ。」
驚いた拍子に尻餅までついた宋江は俺に詰め寄るが、どこ吹く風と聞き流した。
そしたら千佳が意外そうな顔をしながら大人気ないと言った。
俺は心の中で泣いた。