許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて…   作:ナマハゲィータ

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第75話:新たな敵の影

こうして宋江の勧誘に成功した俺たちだがその帰路で興味深い事が聞けた。

 

「そういえばお前らってどうやって輪廻の枝を手に入れたか覚えてるか?」

 

きっかけは宋江のこの質問である。

 

「え?いや気づいたら手の中にあったけど…。」

 

「私も同じだ。貴様は違うのか?」

 

まず千佳の方が答え、俺もそれに合わせた。

まぁ俺の場合は元の体の持ち主がアラン・スミシーに輪廻の枝を渡されたあとに憑依転生したっぽいから本当に気づいたら手の中にあったわけなんだがな。

 

しかしそんな事を急に聞いてくるのは珍しい。

もしかしてアラン・スミシーの事を覚えているのか?と注意して聞いていると予想とは違った答えが飛び出した。

 

「俺は軍服を来た男の廻り者に無理矢理廻り者にされたんだ。で、及第点とか言われてそのまま解放されたんだ。」

 

どうやら彼が廻り者になったのは別の廻り者が原因らしい。

 

というか他人を廻り者にしていくって白道教のやり方と同じだ。

しかしその廻り者の性別は男だ。

俺は千佳に顔を向けるが彼女は知らないようで顔を横に振っていた。

 

ただ新たな仲間を得るだけの筈が思わぬ情報が入ってきた。

 

 

 

「その軍服の廻り者なら心当たりがありますよ。」

 

拠点に帰り得た情報を他のメンバーに共有したところフーシェが心当たりがあると言った。

 

「誰なんだよそれ。」

 

「今我々が相手にしている白道教の元となった団体転龍会にて全龍海を祭り上げ裏で動いていた廻り者です。壊滅作戦で取り逃したあと各地を転々としながら廻り者を生み出している男です。」

 

フーシェの口から語られた事は衝撃的だった。

なにせ白道教以外の敵がポップしたのだから。

 

「因みに私が黒鋭隊と協力していたのも彼を排除するためです。廻り者が溶け込むためには彼のように廻り者を次々と生み出し混乱を発生させるような存在は邪魔ですからね。才能をフル稼働させて情報網を構築させていただきました。」

 

フーシェは彼の排除を目標に黒鋭隊と関係を構築し有利な情報を渡していたようだ。

 

「そこまでやって今も生きている理由はなんだ?」

 

「奴がばら撒いた廻り者の数が多かった事からですね。念入りに情報を分析した上で奇襲をしかけてようやくというくらいには力の差はありますからね。」

 

そこまでしていまだその男が生きている理由を聞くと一人の廻り者討伐に時間がかかるからという回答が返ってきた。

まぁ廻り者は罪人格でさえ異常な能力を持っている以上いかにフル装備の黒鋭隊とはいえガチンコバトルは分が悪いようだ。

 

「そもそもそいつはなんでそんなに輪廻の枝を持ってるんだ?」

 

「それは転龍会に集まった廻り者の多くを殺害したのが奴だからですね。どうも転龍会自体奴が廻り者を殺害して輪廻の枝を得るための撒き餌だったようですから。そもそも黒鋭隊はあの作戦では廻り者を殺せはしても輪廻の枝は回収出来てませんしね。」

 

続いて藤原道雅が質問したがそれに対する回答に俺らは驚きを隠せなかった。

 

そこまでして輪廻の枝を集めてその男がやりたかったことが廻り者作りというのが引っかかる。

とにかく新しい敵の情報も得てより警戒しなきゃならなくなったのは間違いない。

 

 

 

 

 

 

千葉県某所

 

「ギャァァァァ!」

 

路地裏にて一人の男が悲鳴を挙げ倒れ、その死体は花弁のように散って行った。

 

「チッ。またダメか。軟弱な偉人格じゃあダメなんだよなぁ。」

 

そう悪態を付くのは毛皮の帽子を被り白い軍服を見に纏い狼のような風貌をした男であった。

彼は勝手に他人を廻り者にした挙句気に入らなかったという理由で殺害したのだ。

 

「ガチャの高レアは低確率だがそろそろ引かせてくれねえと不味いんだよなぁ。そろそろ残弾が少なくなってきた。」

 

そう言いながら彼は落ちた輪廻の枝を拾う。

 

転龍会にて全龍海を使い集めた廻り者の多くを彼ごと殺し回収した輪廻の枝を用いた壮大な実験は全龍海の叛逆という形で一部が未回収となり、その実験も上手くはいってなかった。

 

「生かした連中も殺されるしよぉ。あの教祖の追手ならまだしも普通の人間に負けてんじゃねえよ!」

 

上手く行かない状況に苛立ちがマシ思わず叫ぶ。

 

彼が生かした廻り者は少なくとも戦闘能力は高かった。

だが彼はまさか自分たちの行動が分析され不意打ちされているとは気づいてなかった。

 

「とりあえずここで作れたのは二体…それも罪人格だ。目眩しにはちょうど良いだろうがなぁ…。」

 

千葉にて彼は2体の廻り者を生み出していた。

無論その下にはお眼鏡に叶わなかった者達の死体が積み重なっているのだが。

 

「黒鋭隊ってのが壊滅したのは知ったができればカルト教祖と共倒れして貰いたかったなぁ。」

 

彼は自身に対する脅威が減ったのは知っていたが欲を言えば共倒れしてほしかった。

 

「くそっ。雑魚は転生すれば強者になるんだ俺みたいに!なのに上手くいかねえのは前世まで雑魚な奴らが悪い!」

 

ついには身勝手な妄言まで吐き出した男は次の獲物を探す。

 

「死んで生まれ変われば強者になる…このチンギス・ハーンのように!」

 

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