許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて… 作:ナマハゲィータ
「…明らかに何かが焦げた後、それに血液…これは誰かに殺されたか?」
じっくり休んだ俺は一日飛んで5日目、1人で田中愿蔵と戦った場所の周辺を歩いていると地面に焦げ跡と血液が付いているのを発見した。
警察に射殺されたってんなら朝のニュースで流されてるだろうからこれは俺ら以外の廻り者に殺されたと見るのが妥当だろう。
野良の廻り者かはたまた身内の粛清か、敵かそうじゃ無いかもわからずただ新しい廻り者の存在だけが浮かび上がる現状に溜め息が止まらない。
そいつが推定チンギス・ハーンが持つ輪廻の枝が狙いなら目的によっては敵対もあり得る。というか奴が持つ輪廻の枝を欲しがる連中って…白道教も当てはまるな。
そもそもその輪廻の枝は奴が集めた廻り者のものだし奴の所業は白道教としても許せないはずだ。
うわぁ三つ巴の可能性すらあるの勘弁してくれよ…。
とにかく分かったこと及びそこから見えた可能性について皆と共有しよう。
そう思い帰ろうとした矢先、殺気を感じた俺は咄嗟に物陰に身を潜めた。
次の瞬間悲鳴が上がり救急車を呼ぶ声も聞こえる。
おいおい、今は昼間で一般人も普通に歩いてるんだぞ⁉︎そこで襲撃だぁ?
咄嗟にかわした結果知らない誰かが巻き込まれた…ふざけんじゃねえぞ!
「そうでしょう!許せないでしょう!」
まるで俺の声を代弁するかのように男の声がした。
見るとその男はまるで古代中国の武将のような格好をしており、首からは赤い花弁が舞っている。廻り者だ。
俺は警戒心を引き上げるが、廻り者を知らない人々はコスプレか何かと思いざわつき不信感は持てと逃げるには至らない。
そうこうする内に奴は演説を続ける。
「いきなり人が殺される、可笑しいとは思いませんか⁉︎貴方がたは何も悪くないのに命を落とすなんて可笑しいとは思いませんか?」
周りを煽るように人々に語りかける。
そのうちポツリポツリとおかしいという声が聞こえ初め、最終的にそれは地鳴りのような盛り上がりに変わる。
おかしい余りにもおかしい。
これがこの状況が奴の才能のせいだって言うのか?
そんな時状況を飲み込めない俺に向けて奴は指差した。
嫌な予感がして奴が喋り出す前に逃走を図る。
「アイツが!アイツがかわしたから犠牲者は生まれたのです!だから殺すべきだ!その怒りを悲しみを憎しみを力に変えて!今や貴方方は私と同じ気持ちのはずだ!さあ!殺せ!」
後ろでそんな絶叫に近い演説が終わったかと思うとゾッとする気配が背後から生じた。
あとはもう地獄だ。
殺せ殺せと撒き散らす人々に追われるはめになったのだ。
いやマジでふざけんなよ!所詮煽られた一般人に手を出すなんて俺には出来ないので逃げるしかないんだが奴はそれをわかっていてけしかけてるんだろうなぁクソが!
とりあえず皆には追われてるのとしばらく近づかないよう連絡して逃走を続けながら件の煽動者を殺害せんと決意する。
だがこれは地獄の始まりだとこの時は気付かなかった。