許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて…   作:ナマハゲィータ

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第91話

このまま物陰に隠れていても良いが見通しの良いところに出たい。

ということで俺は手に持った釘や針を宙に放り投げ『串刺公』を発動する。

すると狭い路地裏に串が刺さり即席の梯子が完成した。

ただ串刺しにするだけじゃなくこういう応用も出来るよう頭を捻った甲斐があった

そうやって即席梯子を登っていき建物の屋上に辿り着く。

しかし自分が高所恐怖症じゃなくて良かったと思うわ。

それだと梯子登るのもキツかっただろうし。

 

屋上から下を覗いてみるとまぁ必死に俺を探す姿が見えるわけよ。

何言ってるか分からないがおそらく探せだの殺せだの言ってるんだろうなぁ。

 

さてどうすっかなあ…敵がなんの廻り者か分からんからどう対処すりゃ良いか分かんねえんだよなぁ。

奇襲かけて不意打ちしてアサシンで終わりなら良いんだがああいう精神に干渉するタイプって洗脳元潰してもそのままって事もあるから慎重にならざるを得ない。

降りたらリアル逃走中だろうし。

かといって奴らも気付くかもしれないから一箇所に留まるのも得策とは言えない。

こりゃ上の方を転々としながら今日は凌ぐかなぁ。宿の皆にはその事を伝えて俺は根比べを開始した。

 

そして案外早く決着した。

結局三時間も掛からず下の喧騒は鎮まり俺を探す人の姿も疎になった。

あの中華野郎がいた場所から結構離れたのもあるだろうがそれでも早かったなぁ。

徹夜で鬼ごっことか考えていたから助かるし奴の精神干渉は長時間持続出来ない可能性ってのが分かっただけ収穫だな。

ほとぼりが冷めたところで奇襲をかけて終わりってのが出来るってだけで俺も気が楽になる。

とはいえここで気を抜いて見つかりましたは間抜けだからもうちょい粘るがな。

 

野晒しで寝ていたらすっかり夜になっていた。

もう俺を探す姿も無いので安心して地上に降りる。

降り方は釘を一つ落として『串刺公』を発動し長い鉄杭をせり立たせる。

そしたら杭に抱き付き、杭を小さくさせる。ここで伸縮自在なのが活きる。

そうして地面に降り立った俺は帰路につく。

 

「おいテメェ待ちやがれ!」

 

まぁ一件落着とは行かなくて背後から俺に乱暴な声かけがされる。

 

「なんだね?いきなり人を止めるなど。」

 

「テメェも廻り者だな?しかも俺たちのナワバリを荒らしてるのはテメェだろ?もう3人も殺されてる!これじゃああの人に俺も殺されかねないんでね!ここでテメェを殺して落ちた輪廻の枝を手柄にお目溢しを狙うとしようじゃねえか!」

 

どうやらコイツは自称チンギスハーン配下の廻り者らしいが…3人だ?まず会ったのは2人でこちらが殺したのは1人だけ…。

こりゃ明らかに第三勢力居るなぁ。

 

「1人はともかく残りは知らんな。まあ君達の存在は今の世には害になりそうなのでね、正義の廻り者として見てられなかったのだ。」

 

「正義の廻り者だぁ⁉︎はっ笑わせやがる。過去の無様な自分から逃げて廻り者になったんだろう⁉︎なら周りの目なんか気にする方が可笑しいだろうが!」

 

「一度逃げたからこそ正道を進みたいというのはエゴかね?これも廻り者らしいとは思うがね。」

 

「ハッ!言いやがるなぁ!その澄ました面切り刻んでやる!」

 

一通り問答が済み奴の身から殺気が迸る。

その見た目はまさしく新撰組というものだった。

 

「俺の名は芹沢鴨!貴様を切り刻んで死んでった奴の手向けにしてやる!」

 

「我が名はヴラド三世。ならばこちらは貴様を貫きチンギスハーンに虐げられた者達の手向としよう。」

 

お互い名乗りを上げ構える。

これより戦が始まる。

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