許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて…   作:ナマハゲィータ

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ヴラド公が登場するカッコいいPVが公開されたので初投稿です
きっと主人公たちを苦戦させるカッコいい敵なんやろなあ
2026年アニメ放送予定のようなのでその時が来たら皆見よう!



第92話

人通りのない夜道にて2人の男が相対する。

 

1人は黒い長髪で目は赤く整った顔で黒い紳士服を身に纏ったまるで吸血鬼のような男。

つまりは俺ヴラド3世。

 

1人は浅葱色の羽織を見に纏いその風貌はさながら狼のように獰猛であり刀をもう1人の男に向けて構える。

奴は芹沢鴨と名乗っていた。

 

 

「疾!」

 

少しばかり睨み合いがあって先に仕掛けたのは芹沢鴨だった。

一回の踏み込みで一気にこちらへの距離を詰め斬りかからんとする。

 

「ふっ」

 

「ちぃっ!」

 

当然こっちは斬られる訳にはいかないから後ろに下がりつつ才能行使により鉄の杭を三本ほど相手に放つ。

奴はかわしきれなかった一本を刀で受け後ろに転がる。

 

「貰った!」

 

「甘えよ!」

 

「なっ⁉︎」

 

俺はその隙を突くように手に持った針をばら撒き、それを杭に変え追撃を行う。

ただ奴は体勢を立て直すと攻撃をかわし、なんと刀で向かってくる鉄の杭を曲げ軌道を変えて見せた。

おいおい、そんなのありかよ。

 

「大人しく串刺しになって貰いたかったのだがね。」

 

「ははっ!そうは行くかよ!」

 

俺は余裕そうに振る舞うが内心は今までの敵とはレベルが違いすぎると焦りを滲ませていた。

『恐怖公』による恐怖デバフもそれをばら撒く前にこちらが真っ二つにされそうで迂闊に近づけない。

 

というか心なしかデカくなってねえか?

 

 

 

こちらもあちらも攻撃をさばきさばかれで決定打を欠いていた。

ただ明確に違っている部分はあった。

 

いやこいつ明らかにデカくなってやがる!

それにかなり狼っぽくなってやがる。

 

そう奴は最初に会ったときより一回り大きくなっていた。

なんなら毛深くなり顔はより狼らしくなっていた。

 

「ぐはは!よく粘ったな!だがもう終わりだ。」

 

「随分強気ではないか。」

 

「ぐはは!見て分かるだろ!俺が大きく強くなっている!才能行使『壬生狼士』によってなあ!」

 

相手は完全に勝った気であり高笑いをしながら自身の才能について語っていく。

これは有難いから体力を回復させながら黙って聞いてくか。

 

「この『壬生狼士』は夜の間、戦い続ける事で自身の肉体をより屈強に頑強に変化させていく!その姿はまさに狼男だ!」

 

なるほど。

つまりこの襲撃は奴の狙い通りなのかもしれねえ。

それに今の廻り者は基本的に目立つのを嫌うから人目の少ない夜に動きがち。

そんな状況だとこいつの能力は万全に力を発揮する。

というか狼男なのに月じゃなくて夜が条件なのか。

 

いや、新撰組って基本的に夜での活動及び凶行が目立つからこういう形になったのか。

史実の芹沢鴨が殺されたのも真夜中だったはずだ。

 

 

「おいお前。俺に杭を放ってみろ。」

 

すると奴は不意に攻撃してみろと挑発してきた。

だから一旦奴に向けて針やガラス片を投げつけそれに対応しようと奴が刀に手をかけたのを見て、奴の側面に急いで移動して手に持ったまま針を杭に変えて放つ。

 

だが奴は投げた物が囮と気づくとすぐこちらに向き直り放たれた杭を真っ二つにして見せた。

うん、反射神経も攻撃力も桁違いに跳ね上がってやがる。

いやあ完全に殺す気だったのが対応されるとはなあ。

 

「てめえ!」

 

「いや何。そんなに自信満々ならこれくらい容易に捌けると思ってな。あわよくば殺せたらと思ったがそううまくはいかんか。」

 

余裕そうな態度は崩さないが明らかにこっちが劣勢だ。

相手も不意打ちの可能性は頭に入れていただろうがそれにしたってフィジカルだけでこうも簡単に攻略されてしまったらたまったものじゃない。

 

「そっちがその気なら次はこっちの番だ!」

 

さっきの不意打ちが気に障ったのか奴は今度はこちらの番だと宣言したかと思えば俺のすぐ右隣まで接近していた。

そのまま薙ぎ払いで俺を真っ二つにしようとしていたが俺は回避行動を取りながら咄嗟にマントを奴に向ける。

次の瞬間マントから無数の杭が伸び出し奴向けて襲い掛かる。

 

「なにっ⁉︎がっぐっぅ。」

 

完全な不意打ちだったが奴はギリギリのところで回避し致命傷は避けていた。

いや避けんなよ。

そこは大人しく死んどけよ。

 

「しぶといな。さっさと死ねば苦しまなかったものを。」

 

「テメェ!マントに仕込んでやがったか!」

 

「マントだけではない。君が長々と喋っている間に地面にも仕掛けさせて貰った。これでもう迂闊に近づくことも出来ぬ。」

 

「テメェ!」

 

奴は不意打ちを喰らって怒りのボルテージが上がっている。

長々と喋ってくれたおかげで俺の周りの地面にガラス片をばら撒く事もできた。

いくら奴が俺より足が早く俺より力が強くても獲物が刀である以上近づかないと攻撃は届かない。

そして奴の頑強さはこっちの攻撃を無効化出来るわけではない。

加えて時間が経ち朝になれば奴は弱体化する。

なんか一気に勝機が見えてきやがった。

 

と思ったら奴は刀をこっちに向けて構える。

刀を力一杯振り抜くと一直線上に強風が巻き起こり散らばっていたガラス片は吹き飛ばされた。

野郎力技で解決しやがった。

 

 

そうして奴は高速で刀の届く距離まで近付く。

 

「終わりだ!」

 

「貴様がな!」

 

奴が刀を振り下ろす前に奴が降り注ぐ無数の杭に貫かれた。

風で吹き飛ばされた段階で俺は奴が来るであろう位置の真上目掛けてガラス片を投げていた。

相手は明らかに怒りで視野が狭くなっていたから通るとは思ったが、実際こうして見事に刺さったら気持ちが良い。

 

「て…テメェ。」

 

「因みに君が飛ぶ斬撃を放っていたらこちらが負けていたかもしれないとだけ言っておこう。」

 

「まだ…まだ俺は負けてねえ!」

 

「いや終わりだ。」

 

数本の杭に体を貫かれながら奴はまだ刀を振る気力があるらしく俺を斬り殺さんと暴れ回る。

だがそれでは届かない。

俺は奴の命が尽きるまで杭を妨害に用いつつ鬼ごっこを敢行し無事逃げ切りに成功した。

 

 

 

いやあちかれた。

俺は奴が倒れ伏した場所に落ちていた輪廻の枝を手に帰還しようとする。

 

しかしそうはいかないようだった。

 

 

「見つけたぞ?咎人よ!貴様もまた私の裁きを受けるが良い!」

 

2人目の廻り者のエントリーだった。

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