許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて…   作:ナマハゲィータ

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ハーメルンではさっぱりだがpixivでは結構な数の2次創作小説が投稿されている人気コンテンツリィンカーネーションの花弁
やはり皆偉人+異能って要素が大好きなんですよね

アニメも始まったことですし、この機会に自分の好きな歴史上の人物を廻り者にして好きなだけ活躍させられる作品を作ろう!


第96話

「次の質問だが…そもそもパブロフの才能はなんだ?パブロフと言えば犬を用いた条件反射が有名だ。だがこれまでの経験から奴のそれは条件反射というより都合の良い催眠や洗脳のそれとしか思えん。そこのところ実際に食らった貴様に尋ねておきたくてな。」

 

俺が次にした質問はパブロフの才能についてだ。

パブロフと言えばまず出てくるのは当然パブロフの犬だろう。

あれは刷り込みによって特定の行動に対する反応を生み出すというものだ。

しかし俺が把握している限りだとアレはただの条件付与なんて生優しいものではなく催眠や洗脳といっても差し支えないだろう。

という訳で今回の標的となるパブロフについてもっと知るために才能行使された事がある郅都から情報を聞き出そうと考えた。

これまでの反応からどう見てもパブロフを庇うような真似はせず素直に情報を吐くと予想出来るからこその質問だ。

実際郅都は俺の問いに対し口を開き知ってることを話し始めた。

 

「完全に奴の能力を把握している訳ではないがなぜ忠実な下僕と言っても差し支えないような者達を量産できるかの理由は分かる。奴は自身が調教を行う場所を外部から隔離する能力を持っている。」

 

「隔離ですか。」

 

「そうだ。私が拉致された場所はどこかのマンションだった。そこで気が狂うほどの長い時間ひたすら反復行動と暴力を繰り返された。はっきり言って悪を許さぬ心を奮い立たせ自分の才能でなんとか意識を保っていなければすっかり奴の術中にハマっていたはずだ。」

 

奴が話すにはどうやらただ相手をコントロールする能力だけでなくそのためのフィールドを用意する能力も持っているらしい。

フーシェが隔離という言葉に興味を示すと、郅都はまず自身の身に起こった事から話し出す。

狂うほどの長い時間と語るが隔離という言葉から考察すると、おそらく実際外に出ると対して時間が経ってなかったというオチだろう。

おそらく音も外部には全く漏れてないはずだ。

 

これは脅威だ。

拉致でもされれば余程の精神力が無ければ絡め取られる可能性が高い。

逆を言えばそれだけ自身の才能に自信があるのだろうから罠に嵌める事も可能だろう。

まぁその罠というのも俺が敢えて捕まって内部から破壊するという自分の精神力に揺るぎなき自信が無きゃ成り立たないだろう狂気的な代物なんだがな。

 

「それで隔離ってどういう事だよ?」

 

「宋江よ。これまでの話から予想は出来るぞ。おそらく脱出した後そう時間が経ってなかったことに気づいてそう結論付けたのだろう?」

 

「ほう、分かるか。そうだ。どうにか意識を保ち駒になったフリをして外出の許しを得た私はすぐにどれだけ時間が経ったか確認しにいった。具体的な時間は覚えてなかったが拉致されたのは夜だった。しかし外に出た時はまだ夜が明けてはいなかった。日時を確認しても次の日に跨いですらなかった。体感では数日は経過していたものだから流石の私も驚いた。」

 

「なるほど。だから拉致された場所が隔離されたと判断したと。しかしこれは厄介ですね。ここまで聞いた限り外よりも時間の流れがかなり緩やかというのが予想されますが、そうなると拉致された時点で終わりと見て良いでしょう。郅都さんは既に廻り者として完成しており揺るがぬ精神を持っていたからこそ、こうして正気でいられたのでしょうから。」

 

「だろうな。まぁ私ならば揺るぎなきヴラド3世への想いから乗り越える事が出来るだろうからいざとなれば私がわざと捕まり内部から破壊するなんて策もあるがどうだ?」

 

「正気ですか?」

 

「それで俺たちの最高戦力が洗脳されたら終わりだからやめろ。」

 

「お前は最優先抹殺対象だからそれは無理だ。」

 

「すっかり警戒されているな。まぁそれだけ暴れたのだから当然だ。」

 

郅都がもったいぶっていると判断し急かす宋江に対して俺はこれまでの話から予想は出来ると伝えその予想を話す。

感心したような反応をした奴は詳しく話す。

やはり予想したようにそのマンションの内と外で時間の流れがかなり違っていたようだ。

しかし夜中に拉致され夜がふけないどころか日すら跨いでないとすると長くても5〜6時間しか経ってないのに内部では数日経っていたと思うほど時間が経っていたというのは恐ろしい事実だ。

 

フーシェは郅都が完全な廻り者となり精神が完成されていたからこそ正気を失わずに済んだと評し俺もそれに乗っかる。

その序でに俺の策を披露したがフーシェと宋江から非難され郅都からはパブロフに最優先抹殺対象に指定されているから無理だと真顔で返された。

良い策だと思ったが…残念だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて最後の質問だがパブロフ一味の数とその詳細及び潜伏拠点は知っているか?奴の潜伏拠点が分かるなら襲撃を仕掛けさっさと三つ巴の状況を打破したい。」

 

「こちらが自称チンギス・ハーンの陣営とやり合ってる最中に背後から襲われるのはゴメンですし、逆もまた然りですからね。」

 

「ほら、キリキリ吐きやがれ。」

 

ひとしきりパブロフの能力について理解できたため俺は最後の質問を行う。

内容はパブロフ一味の数とその詳細及び潜伏拠点についてだ。

敵の数とどんな廻り者かそしてその潜伏拠点について聞き出し、可能ならば敵の拠点を襲撃しパブロフ一味を壊滅させる。

そうすればまだ実像が定かではない自称チンギス・ハーン一味との集中出来るからこちらとしては都合が良い。

 

「場所についてはこの水戸駅から歩いて5分ほどの距離にある高層マンションだ。」

 

「…近過ぎるな。これこっちの拠点が割れてる可能性もあるか?」

 

「そこはご安心を。既に次のホテルの予約は済んでるので明日の朝ここを出て次のホテルに移動しましょう。」

 

 

敵の潜伏拠点は思った以上に近かった。

水戸駅から徒歩5分圏内はもう目視でも分かる距離じゃないか?

そんなところに敵が潜んでいたのは驚きもあるが、同時にこれまでパブロフ陣営に襲撃されなったのが奇跡とも言えそうだ。

フーシェは既に別のホテルの予約を済ませていたようで水戸滞在6日目の朝にここを出て次のホテルに移る手筈のようだった。

とはいえ敵が目の前にいるのにこれを見逃すのはちょっとなあ。

 

「それはそれで敵が目と鼻の先にあるのを見逃すのも…。やるか襲撃。」

 

「お前もしかしなくても馬鹿だろ?」

 

「まだ敵の詳細も分かって無いのだから逸らないでください。」

 

「済まんな。」

 

俺が襲撃への意欲を見せると二人に止められた。

まぁまだ敵の数や詳細な能力について知らないのだから少々急ぎすぎたかもしれんな。

 

「さて話の腰を折って済まない。それで敵の数と才能の詳細はわかるか?」

 

「随分血気盛んだな。で、数に関しては私も含めて7だ。私が覚えている限り脱落した者は居ないはず。首魁のパブロフに同じ教団幹部と思われる廻り者、それに私と同じパブロフの手駒が5という内訳だ。」

 

「7か。自称チンギス・ハーン一味がどれだけ居るかは分からんが三つ巴を展開すると考えるとまあ多いな。」

 

「基本的に外に出て探索するのは私を含めて4人だ。一人はパブロフの秘密兵器とやらで基本的にマンション内に居る。パブロフら教団幹部も動かん。また探索部隊も基本休む時にはマンションに帰っている。やはり安定した寝床というのは大事だからだ。帰る時間はまちまちでバラツキがあるため襲撃はおすすめ出来ん。」

 

「秘密兵器…それが黒鋭隊を壊滅させた廻り者なのでしょうね。」

 

「だろうな。外に放つにしても自称チンギス・ハーンにぶつける時くらいだろう。」

 

次に郅都が話すのは敵の数と行動ルーティン。

敵の数は7だが外に捜索に出るのは郅都含め4であいつが知る限り脱落者はまだ居ない。

ただ外に出るメンバーもずっと外出している訳ではなくマンションに戻り休んでまた出るを繰り返しており帰る時間もまちまちなようだ。

となると下手に飛び込んでも袋叩きに合う可能性が高いな。

 

「またマンション内の人々は既にパブロフの手駒にされた可能性が高い。一般人にはまず耐えられんだろうからな。」

 

「なら襲撃は無理か。洗脳された者達を気にしながら戦えるほど器用な才能では無いのでね。」

 

加えてマンション内の住人はすでにパブロフの実験を受けて手駒になっているだろうと言われたためマンション襲撃は諦めざるを得なかった。

洗脳された一般人を手にかけるのは流石に堪えるし、それを避けるために周りを意識しながら戦えるほど器用な才能じゃない以上マンション襲撃は論外と言わざるを得なくなった。

 

「となるとその3人を潰してパブロフらをテリトリーの外に引き摺り出すのが優先になるな。それでその3人の詳細は分かるか?」

 

「一人目はマシンガン・マクガーンを名乗る廻り者で見た目も中身も無法者だ。自身の生存に対して異常なまでに執着しているが用心深い訳ではなく粗が目立つ。とはいえ奴は殺しても死なないらしく油断は出来んだろう。」

 

最初に名前が上がったのはマシンガン・マクガーン。

典型的な罪人格の廻り者でありその性格から付け入る隙はありそうだ。

不死身のカラクリについても前世に関する知識からおおよそ予想は付くから対処の仕方は簡単だ。

 

「二人目は臧洪を名乗る廻り者。古代中華の鎧を身に纏う武将のような廻り者だ。だが奴が厄介なのは武芸ではなくその才能だ。詳細は分からんが奴は自身の感情を周りにうつすものらしい。これによって一般人の盾を作り戦闘時には殺意などをうつし周りの人間を敵にぶつける事も出来る。正面から当たるのは得策じゃない。」

 

「これは私が昨日最初に会った廻り者だな。となれば明日からは本格的に我々への捜索が開始されるかもしれんな。」

 

二人目は臧洪。

いわゆる英雄格に当て嵌まるのだろうが、確かに郅都が話すように正面からぶつかるのは得策では無いだろう。

俺が昨日最初に会った廻り者はおそらくコイツで確定。

となれば俺らについての報告も既に済まされ本格的に捜索されそうだから、このタイミングでの移動は都合が良かったかもしれない。

あと感情をうつすというなら真っ向勝負になったとしてもおそらく打ち倒せるだろうからこれも問題は無いな。

 

「三人目は松山主水。枯れ木のような老人の姿だが間違いなく外に出している手駒の中では最強だ。奴の剣術の腕はかなりのものでこれまで著名な武芸者や廻り者を打ち倒してきたと豪語する強者だ。そんな強者すら手駒にするとは改めてパブロフの才能の強力さは恐ろしい。」

 

最後に出てきたのは松山主水。

一応偉人格…で良いだろう。

おそらく俺以外では勝つのも厳しい相手だろう。

奴が収めている二階堂平法は皆伝にまで至らなかった者も強くあの宮本武蔵が試合を捨て逃げ出したなんて伝説があるくらいだ。

加えてとある漫画でもネタにされた二階堂平法の奥の手『心の一方』は瞬間催眠術、いわゆる金縛りの術のようなものであり武蔵と同等の剣術と絡めて仕掛けてくる可能性が高い以上最大まで警戒するに越した事はないだろう。

 

 

最後だけ別格と言えるがとにかく敵の手の内の一部は把握できた以上は対策するしかない。

ただ今日は次の日の移動に備え休むことにした。

 

もう水戸に来てから1週間も経つがそろそろ敵に痛打を与えたいところだ。

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