「トレーナー」
「ん、どうしたユニ……って、それ」
「福の神が、降りてきたね。これは、”
「これは、あれだな。ユニが二回目に引いた温泉旅行券。覚えてない?」
「……”追憶”。ゼンノロブロイと、二人三脚……”買い出し”をしたとき?」
「そうそう。みんなで鍋作るからって食材とかいろいろ買ったから、結構な回数引いたような」
「”インナーブル”を狙うには、試行回数が大切。ところで、期限が近いけど、問題はない?」
「明日まで……! 使おう、今日から行けるかユニ」
「突然、これは
「よし、じゃあ三時間後に出発だ。その間に用意はできそう?」
「アファーマティブ。それだけあれば”POCK”だよ」
***
「それにしても、ユニ。前に比べて、だいぶストレートにいろいろ言ってくれるようになったよな」
「それは、”一度目”が、比較対象?」
「まあ、そうかな。あの三年ともうちょっと経ったけど、そのもうちょっとでまた変わった気がする」
「”報連相”は大事。
「俺もネオの言うことがだいぶ分かるようになったし、嬉しいよ」
「『以心電信』。とっても、スフィーラだね」
「そろそろ着くけど、酔ってない?」
「”ALGN”。トレーナーの”航海”は、すごく上手だったよ」
「隣にユニを乗せてちゃ、下手なことはできないからな」
「その意味……トレーナーは、”わたし”のことを意識している? それとも、”ぼく”と重ねている?」
「どっちも、かな。この世界のネオには、幸せで溢れていてほしいし。時を超えて、時空を超えて、世界線を超えて……それで俺に会いに来てくれたんだとしたら、その想いには報いないといけないしな」
「トレーナーの気持ちは……”ビスマス”。だけど、”AIRY”でもあるね。応えるなら、湯上がりも”ランデブー”する?」
「そうだな。寝るまではいろいろ話そうか」
「”楽しい”をするのは、何度でも飽きないね」
***
「……え。どうしてあなたたちが、ここに」
「どうしてもこうしても、ユニが当ててくれた温泉旅行券、期限が明日までだったから」
「はあ……その様子だと、トレーナー室の片付けをしているところで偶然見つかったんでしょう。そんなに大切なものがずさんな管理で、本当にトレーナーが務まるの?」
「すみません……」
「”仲裁”。トレーナーは、アドマイヤベガと仲が悪い? それとも、夫婦喧嘩?」
「ふッ……夫婦!? ちがっ、……」
「違う違う、誤解だユニ。彼女の担当トレーナーと個人的に仲が良くて。よく一緒にメシに行く仲なんだけど、その縁あってトレーニングとかいろいろ見させてもらってるんだ」
「複数人のトレーニング管理……トレーナーは、”YOKN”なんだね」
「それほどでもないよ」
「私の目の前でのろけ話をしないで……」
「あぁごめん。それはそうと、あいつは? 一緒じゃないのか」
「今日は星を見に来たの。旅館も取ってあるけれど、基本は近くにテントを張って、そこで夜を明かすつもり。そのついでに、少しさっぱりしようと思ったの」
「なるほど」
「あの人は一緒に星を見たいとか、簡単に言ってくるけれど。ここはそう何度も来るところではないし、毎回振り回して、付き合わせるわけにはいかないから」
「あいつならどこへでも、アヤベについて行きそうだけどな」
「だからこそ、よ。あなたも、ユニヴァースさんも。一人の時間が全くないのは、嫌でしょう? だからあらかじめ断っておいたの。これは、私一人でやりたいことだから」
「アドマイヤベガ……今日は、ずっと”独立”をしたい?」
「え? えっと……」
「ネオユニヴァースは、アドマイヤベガと”対話”がしたい。それは不可能?」
「今の話、聞いてたの?」
「星座との”対話”は、
「どうしてそんなに私に興味を示しているのか、分からないけれど……まあ、うるさくしないなら」
「アファーマティブ。ネオユニヴァースは、”大人しい”をするよ」
***
「……ここからでも、星が良く見えるわね」
「……っ!」
「……なに」
「ネオユニヴァースは、驚いた。語りかけが、積極的」
「私と一緒に入るって言ってきたのに、黙りっぱなしなのもおかしい話でしょう」
「”HMNN”……アドマイヤベガは、対話を望んでいる?」
「……私のどこが、気になるというの」
「”あなた”は、『やすらぎ』を得た? ”星”との対話を、最近はしていない?」
「……そうね。どこまで話すべきか、悩むけれど。あなたなら、全てお見通しかもしれないから、今さら隠してもあまり意味はないのかもしれないわね」
「”交信”は、心の隙間を埋めてくれる……でも、”さみしい”の声を、かき消してしまうこともあるから」
「あなたにそう言われると、やっぱり私のことが
「聞いたことがある……”交信”の相手は、”ポルックス”?」
「やっぱり、そこまで知っていたのね」
「”星”は、まだ見える? それとも、”淀の坂”からは、見えなくなってしまった?」
「……いいの」
「……?」
「はっきりとは、見えなくても。あの子が見守ってくれているって、分かれば。それでいい」
「……星は、曇り空でも”わたしたち”を照らしてくれる。アドマイヤベガの考え方は、”MEVE”だね」
「あなたに肯定してもらえると。……なんだか、少し、嬉しいわね」
***
「ネオ。ちゃんと大人しくしてたか」
「大丈夫よ。話し相手になってくれたけれど、邪魔とは少しも思わなかったわ」
「アヤベがそう言うなら、いいんだけど」
「私が言うのもおこがましいのかもしれないけれど、あなたは担当のことをもう少し、信用してあげた方がいいわ。ユニヴァースさんだって、あなたと一生のパートナーになると誓ったくらいには、大人なのだから」
「それは、アヤベには言われたくないな。アヤベこそ、今はもう違うのかもしれないけど」
「私は……大丈夫よ。私は、もう私のために走っていい。あの子にすべてを捧げるのは、あの子自身も望んでいないから……そう、教えてもらったの」
「半分こ、だね」
「……ん、ええ」
「”かなしい”も、”さみしい”も、”うれしい”も、”しあわせ”も。”IYIM”のように半分こにできれば、とってもスフィーラ、だからね」
「……あなたが、望んでくれるなら。これからも、そうしましょう」