前回の続きになります。
それではどうぞ。
そして時刻が18時近くになった頃……
~♪~♪~♪~
「?」
ソラのスマホから着信音が鳴った。聴き慣れない音だったので、スマホを手に取る。
「ふーん、なるほどね……」
そこには運命大戦、第一回戦……【奇跡の運命者】対【無双の運命者】と表示されていた。
『ほう。いきなりか』
「こんな感じで送られてくるんだね。えっと場所は……」
『? どうした?』
対戦会場を見つけたソラの手がピタリと止まり、ギーゼが声を掛ける。
「加賀國の霊地、魄山か……ウララがヴァンガードの未来を決する試合会場にもなった場所だよ、ここ……」
『ほう。偶然か?』
「正直、試合会場がここって言うのも怪しすぎる。とりあえず行こっか?」
『電車とやらで向かうのか?』
「途中までね。そこからは最悪の場合、走るかもだけど」
金澤行きの電車、今の時間あるかな?とソラは思いながら、急いで駅に向かうのであった。
◇
「明導アキナ、員弁ナオ。揃ったようだな」
霊場魄山にて。対戦相手が揃ったのを確認したガブエリウスが進行する。
奇跡と無双の運命者カードの持ち主は、アキナとナオだった。
「始める前に確認事項を1つ。此度の運命大戦でイレギュラーが1人、巻き込まれた。その者からの条件として、負けた者は私が立会いのもと、その者とファイトをしてもらう」
「え? 負けた人が前提?」
「うむ。その者曰く、言い方はアレだが、自分とのファイトは消化試合だと思ってくれればいいと言っていた。ちなみにその者との勝敗はカウントされない」
「つまりほんとに消化試合扱いってわけか……」
ガブエリウスから聞いてはいたが、それでその当人が納得してるなら……とアキナとナオも複雑ながらも了承した。
「さあ! 運命者カードを掲げよ! そして叫べ! 開戦の狼煙を!」
そしてアキナとナオは互いの運命者カードを掲げる。
「運命を!」
「この手に!」
「「ディバイン!」」
「ここが運命大戦の舞台! 時は満ちた。これより、運命を変える第一戦を始めよう!」
それに呼応するかのように、アキナとナオのライドデッキスリーブとメインデッキスリーブが運命者の印が刻まれた蒼色のスリーブに変化した!
「いくよ」
「はい。いつでも!」
「「スタンドアップ・ヴァンガード!」」
そして今、運命大戦第一回戦が始まった。
◇
「状況どうなってる?」
『今しがた運命大戦の第一回戦が始まったばかりのようだ。我の能力で現状の映像を送る』
あと少しで対戦会場に着くソラにギーゼが念話映像を介してきた。
「えー……よりにもよって、アキくんとナオさんが運命者カードの所有者なんだ……」
『複雑か?』
「知り合いだから余計にね……」
『そうか。話は変わるが、結界の使い方は大丈夫か?』
ギーゼの言う『結界』とは、例の黒服とファイトした際に使用した代物だ。
「使い方はギーゼに大体は教わったし、まだ不安なところは念話で相談する形で」
『心得た』
そんな会話をしてる内に、対戦会場が見えてきた。ここからはゆっくり歩いてもいいだろう……
『あれ?』
『どうした?』
会場に近づくにつれ、いくつかの気配を感じたソラはギーゼに念話をする。
『いや、今あの会場に居る人間の気配って……何人?』
『……運命者カードの所有者と思われる気配を感じる。ガブエリウスを含めて
『え、じゃあ……会場で見つからないように
ソラが気になった気配の正体はそこだ。
ガブエリウスを除いた気配は恐らく他の運命者カードの所有者達だろう。
……だが、1人だけ。アキナとナオのファイト……正確にはアキナを食い入るように見るフードを被り、仮面を付けた謎の人物が会場の隅に居たからだ。
『向こうはこちらに気づいていないようだ。このまま進むか?』
『…少し離れた場所で、ファイトを見よう。気づかれるくらいなら自然な感じの方がいいだろうし』
『ならばあそこの岩陰に向かうといい。あの場所なら完全に気づかれん』
仮面の人物に接触された場合も考慮し、ソラは少し離れた場所にある岩陰で第一回戦の行く末を見守る事に。
◇
「勝者! 奇跡の運命者!」
「や、やったー!!」
運命大戦の第一回戦の勝者は、奇跡の運命者カードを所有するアキナだった。
「あっちゃ~! 弟子に負けちゃ師匠の立つ瀬がねえぜ~♪ しかもこの後、私はもう1回ファイトをするのか~♪」
負けたのにも関わらず、ナオはいつものペースを崩してなかった。
「そういえば始まる前に言ってたよな? ナオ先輩の対戦相手って……」
「うむ、その相手なんだがな……」
ガブエリウスが2人に説明しようとした時……
~♪~♪~♪~
「「?」」
アキナとナオのスマホから着信音が鳴った。スマホを取り出す2人。
「これは……」
「相手が運命者……じゃない?」
「どのようになるのか、この私も知らなかったとはいえ、まさかこのように表示されるとは……」
そこには【無双の運命者】対【竜神の担い手】と画面に表示されていたのだから。これにはガブエリウスも驚かざるを得ない。
「ふーん……ボクの場合、一応こんな風に表示されるんだ~」
「えっ、ソラさん!?」
「なんでソラくんがこの場に居るのさ!?」
そしてソラが現れた事に驚くアキナとナオ。当然の反応である。何せ暇があればバイト先のファミレスに来てくれる知り合いがこの場に居るのだから。
「員弁ナオ、君には彼……羽根山ソラとファイトをしてもらう」
「最初に言ってた消化試合ってやつ?」
「そうだ。私が立会人になる。して、ここからどうする予定なのだ?」
ここでガブエリウスがソラに話を振る。確かに立会人になれとは言ったが、この後の展開は教えてない。
「えっとね~、とりあえず……」
そしてソラが指を鳴らす。するとソラとナオ、ガブエリウスの3人だけを囲んだ虹色の結界が展開されたではないか。
「なっ!? こ、これは……結界か!?」
「あ~、アキくん、その他の方々。ここからのファイト観賞はボクらが決めたルールで結界の外側からは全く見れないので、その辺よろしくお願いします。公平なルールでファイトしたいから」
結界を張っておいて公平もへったくれもない気がしたソラだが気にしない事にする。
「さて。時間も惜しいので、ナオさん、始めましょうか?」
「おい! 先ずはこの結界について説明しろ!」
「あ、ナオさん先攻でいいですよ?」
「じゃあ、お言葉に甘えて……(ソラくん、思いきり無視してるし)」
ガブエリウスを無視しながらファイトテーブルにライドデッキを置き、メインデッキをシャッフルするソラを見て、自分も準備をするナオ。
「相手がソラくんだからって、お姉さん、遠慮はしないよ?」
「ご忠告ありがとうございます。……ボクもナオさんだからといって、加減する気はないので」
お互いにライドデッキからファーストヴァンガードをセットする。
「スタンドアップ・」
「Z」
「「ヴァンガード!」」
そして今、竜神の担い手と無双の運命者がぶつかり合うファイトが開始されるのであった。
読んでいただきありがとうございます。
次回、ナオとのファイト回です。この回は2回か3回に分けて書いてみようかなと思っています。
頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。