出航! Lyrical Gyze   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
こちらの投稿が遅れてしまって申し訳ありません……

それではどうぞ。


第14話 クリスレイン(2)

その日の夜、ソラは見知らぬ場所に立っていた。

 

「……何コレ?」

『惑星クレイに、イメージ拉致されたと言えば解りやすいか?』

「なるほど」

 

ギーゼの言葉を聞いたソラは直ぐに納得した。噂に聞くイメージ拉致というやつだ。

 

『しかしお前の予想通りになったな』

「自分でもびっくりしてる。…ちなみにこれって、現実の時間の概念ってどうなってる扱いなの?」

『その辺は問題ない。用件が終われば、時間は正常に動き出す。……我も早くお前と共に献立を考えたいのが本音だが』

 

自室で今日の夕飯の献立を考えていたら、ギーゼから念話があり、ソラの所有するリリカルモナステリオのユニット達が彼に重大な相談事があるという伝言を受け取ったのだ。

 

そして今に至る。

 

「この常に移動してる気配、それに天蓋ドーム……リリカルモナステリオだね」

 

ソラがイメージ拉致された場所……それは惑星クレイの第6国家、リリカルモナステリオだったのだ。

 

「そういえば気になってたんだけど、トリクハートと仲が良かったこの空飛ぶクジラって名前ってあるの?」

『不明と答えた方が正しいだろう。我が知る限りだが、実際には古代に『力ある名前』を持っていたらしい。』

「ふ~ん……」

 

なんかそこのところも色々ありそうだなとソラは思った。

 

「とりあえず……ボクが今居る現在地って分かる?」

『尻尾方向だ。厳密にはクジラの右翼側の尻尾方向……ソラの正面から見て、右側に学園エリアと呼ばれる場所がある。我らが今居るのはそこだ』

「うん、ボクの世界でいう学校っぽいのが見えた。それでどこに向かえばいいの?」

『導きの塔と呼ばれている、クジラの頭部方向……厳密には鼻先に建つ塔だ。あからさまに高く煌びやかな塔がここからでも見えるだろう?』

「……うーん、目立つね。いかにも偉い人とお付きの人しか居なさそうなイメージ。とりあえずボクに連絡をくれた彼女達に今から目的地に向かうって伝えといて」

『心得た』

 

ひとまず大通りを探す事にしたソラ。道中、リリカルモナステリオの生徒達に遭遇してしまっても問題ないだろうと思いながら、歩いて行くのだった……

 

 

 

 

「……(視線を感じるけど、目立ってる?)」

『いや、当たり前だ。お前の自然体過ぎる行動は、我ですら驚嘆に値する』

 

学園エリア内にある近くにある購買で、この学園都市名物の『ヒジキサンド』を食べながら呑気にくつろいでいた。それも自然体で。

 

そしてまあ当然だが、

 

ちなみに澄みきった海底のようなブルーグリーンの制服がリリカルモナステリオの生徒の特徴で、デザインもその生徒の種族に対応したものになっている。

 

「実はボクね? 今回の為に対策を考えてきたんだよ。聞いてくれる?」

『ほう? 我もそこは興味ある。どのような策なのだ?』

「えっとね~……」

 

ヒジキサンドも食べ終わり、目的地まであと少しの道中、ソラはギーゼに自分を呼んだ人物に対しての対策を話す。

 

『……一理あるが、ソラよ。よく知り合いに発想が怖いとか言われたりしないのか?』

 

その内容を聞いたギーゼは軽くドン引き……というより恐怖に近いものをソラに感じた。内容が内容だけに思わず聞き返してしまう。

 

「うーん、偶にあるかも。でもさ? ちゃんと正しい使い方で、お話というか交渉するんだよ?」

『……偶にあるのか。しかし何をちゃっかり平然とした顔で、我に『呪いって使えるよね?』と問うものだから、思わず我もフリーズしたぞ』

 

その内容が、ギーゼが持つ『呪い』を相手にかけると平然とした表情でソラが言い出したのだから、この反応も当然である。

 

「だから言い方を変えると、()()()()()()だよ。一応ギーゼも内容を確認してみて?」

『ふむ……一応、優しめだな。深読みすると程よくエグいが』

「でしょ?」

 

そんなやり取りをしている内に、目的地である『導きの塔』に辿り着いた。

 

この塔の主のお付き?と思われる獣人(ワービースト)人魚(マーメイド)悪魔(デーモン)の3人に塔の内部を案内されるソラ。

 

『他に気配は?』

『今のところない。この内部の装飾を見るに、殺風景という感じではないのも伝わる』

『なるほど』

 

案内してくれてる3人にバレないよう、ソラはギーゼと念話する。

 

「失礼します。例のお客様をお連れしました」

「どうぞ」

 

そして執務室と思われる場所。声の主の許可を聞いたソラは中に入る。

 

「初めまして。ご足労いただき感謝します。貴方の事は生徒達から話はよく聞いております」

 

中央にゆらめく水球の中、そこに居たのは人魚。右手には杖。夜明けの海のような薄紫のドレスを着用した人物がソラに声を掛ける。

 

「こちらこそ初めまして。それぞれの生徒を通じて、ボクをこの場所まで呼んだのは貴女ですよね? 学園の創設者さん……否、運命者さん?」

「確かに、私こそ万化(ばんか)の運命者。ようこそリリカルモナステリオへ」

 

その声色を例えるなら、冷たくもあり温かくもあり、深淵の無辺と浅瀬の明瞭、潮流の激しさと穏やかさ。更に音で例えるなら、盤石でありながら千変する海の多様性をも感じさせる妙なる音色。

 

ソラをこの場所に呼んだ張本人……クリスレインは自分を正体を見透かしたソラを見て、ふっと微笑んだようだった。




読んでいただきありがとうございます。
ちなみにギーゼ様特有の『呪い』やソラが発言した『契約書』については後ほど……
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。

※次回予告

惑星クレイでの件から後日。運命大戦第二回戦。対戦する運命者のカードは万化vs標。カードの持ち主は学校でも話題になってた西塔ミコトと清蔵タイゾウ、片方は知り合いだったのだ。そして予めソラが事前に対策してた事とは?

────次回、第15話『万化立ち塞がるは竜神の(そら)
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