お待たせいたしました。楽しんでいただけると嬉しいです。
それではどうぞ。
惑星クレイでの件から後日。放課後の夕方、金澤総合病院にて。
『学校終わって、時間も計算して、走ってきた来たのに、まさか検査終わるのがこんなにかかっちゃうなんて……』
『地球の医療の待ち時間は、平日だというのにも関わらず、こんなに混むのか?』
『…病院通うとあるある。平日でも特定の曜日が混んでる説』
病院の廊下を歩きながら念話をするソラとギーゼ。
『時に何故この場所に?
『ううん。ちょっとした検査。体が弱いとかそういうのじゃないから安心して』
『なら良い』
そう。
ちょっとした検査みたいなものをソラは受けに来たのだ。ちなみに至って健康である。
「おっ」
「あっ……」
直後、見知った人物と遭遇した。思わずお互いに声を小さくも出してしまった……
「久しぶり、ソラ君」
「こんにちは、お久しぶりです、タイゾウさん」
先に声を掛けた青年、
『ソラ。奴の後ろを見よ、奇跡の運命者と連れの少女がこちらを見てるぞ』
『? ほんとだ。よく見たらアキくんが病室の入口からこっち見てるし! 後ろの黒髪の女の子は誰か知らないけど』
『あの少女の視線から察するに、興味半分と警戒半分のようだな』
『なるほど』
ギーゼに念話で指摘され、何事かと思えば、タイゾウが出てきたと思われる病室から、何故かアキナと黒髪の少女がこちらを見ていたのが確認できた。
「今日は非番なんですか?」
「いや。ちょっと個人的な用事と休憩も兼ねて立ち寄らせてもらったんだよ。それにしても学校の制服で病院って……体調不良とかかい?」
「いえ、そういうわけじゃないんですよ。ちょっとした検査です。うーん、学校や会社でもよく聞く健康診断に近いでしょうか?」
「ああ、なるほどね。…健康診断か……俺の会社も時期的にもう少しだったけか? …後でスケジュールも確認しておくか……」
「ボクも人の事あまり言えませんが、定期的……とはいきませんが、確認しないと副社長さんにもお小言を言われますよ? 社長さん?」
「確かにそれは容易に想像できるわ」
何故タイゾウが『社長』なんて呼ばれてるかというと、彼は大手ゼネコン『清蔵グループ』の御曹司で若社長だからだ。ちなみにここ最近らしいが、念願だったヴァンガードの事業も始めたそうで、ビジネスマンとしても多忙と最後に会った時に本人から聞いた事がある。
「おっと。噂をすればキョウマからメールだ。そろそろ帰らないと」
「あらら、相変わらず、お忙しそうですね」
「これでも落ち着いたほうなんだよ。それじゃソラ君、またね」
「はい」
お気をつけてと言って、ソラはタイゾウを見送った。
「…で? アキくん達はいつまで覗いてるの?」
「バレてましたか。すみません、気になってしまって……」
「気にしてないから大丈夫だよ~」
とりあえず、アキナに声を掛けるソラ。自分の声がしたので、普通に気になって聞いてしまったらしいが、特に気にしてないよとソラは返す。
「……」
「えっと~……そんな興味半分と警戒半分な視線で見られても、ボクも困るんだけど」
「えっ!? そんな目してましたか!?」
「してたしてた。あとボク、性別は男だからね?」
「西塔さん、ソラさんって……ああ見えて、年は俺と近いけど、学年は俺より先輩だから」
「ええっ!?」
アキナが補足して、ソラは一応、先輩だと知ると、黒髪の少女はすみません!すみません!と何度も謝ってきたのは余談である。
◇
その日の夜。ソラは魄山の近くに来ていた。もちろん今回もバレないよう岩場に隠れつつ、ギーゼと念話で状況確認も行う。
『万化の運命者、
『昨夜に対戦カードの通知がきた件か。』
そう。実は昨夜の惑星クレイが終わった夜に運命大戦の第二回戦の通知が届いたのだ。【万化の運命者】対【標の運命者】と表示された文章が。
『なんとなく予想はしてたけど、標の運命者カードの持ち主は、やっぱりタイゾウさんか……』
『まさか万化の運命者の持ち主が、お前のクラスでも話題になっていた人物だとは思うまい』
『それはボクも思った』
そして今回の対戦カードの持ち主が、片方は知り合いに加え、もう片方はクラスで話題になってたアイドル、
ちょうど今、ガブエリウスが運命大戦の第二回戦の開始前進行をしている最中だが。
『しかしこうも早く、お前の対策が実現するとはな。我も驚いた』
『単純に時期が早まっただけかもね。この後の展開は分からないけど』
『そろそろ試合が始まるようだな』
そんな会話をしてる間に、いつでも行けるように準備もしつつ、ソラは運命大戦の第二回戦の行く末を見守る事に。
◇
「勝者! 標の運命者!」
「タイゾウさん、ありがとうございました。めちゃくちゃ楽しかったです!」
「いいファイトだった」
運命大戦の第二回戦、勝者は標の運命者のカードを所有するタイゾウだった。対戦相手のミコトも笑顔で、どこか吹っ切れた表情だった。
~♪~♪~♪~
「「「「?」」」」
対戦を見に来ていたアキナにナオ、そしてタイゾウとミコトのスマホの着信音が鳴り響く。
そこには早くも運命大戦の第三回戦、【奇跡の運命者】対【標の運命者】と表示されていた。
「これが運命らしいぜ?」
観客席に居るアキナを見上げながら、タイゾウは呟いた。
~♪~♪~♪~
更にその直後、再び4人のスマホが鳴り響く。
「「「!」」」
「!」
先程の空気とは一変して、4人……特にミコトの表情が変わる。そこには【万化の運命者】対【竜神の担い手】と画面に表示されていたのだから。
「ふむ。来たか。しかしタイミングが良すぎないか?」
「別に時間通りは良い事じゃない?」
「まあ、それはそうだが……」
丁度いいタイミングで現れたソラを見たガブエリウスが声を掛ける。いつもの表情で返すソラ。
「西塔ミコト、今から君には彼……羽根山ソラとファイトをしてもらう」
「消化試合……なんですよね?」
「理解が早くて助かるよ」
そしてソラが指を鳴らす。ナオの時と同様、ソラとミコト、ガブエリウスの3人だけを囲んだ虹色の結界が展開された。
「あのさ、ガブエリウス。今回からこの結界は二重にさせてもらったから、その辺よろしく」
「この結界を二重にしただと!?」
「…うん。運命大戦の第一回戦から、何かを嗅ぎまわってる人物が居た。
「仮面の人物だと? しかし西塔ミコトや他の3人も居るというのに、今の事を話しても大丈夫なのか?」
「そこは安心して? 告げ口が絶対にできないよう、術式は既にかけてあるから」
「なるほど。そうなのか……っておい! サラリと物騒な事を言ったな!?」
この結界を二重にした理由をソラはガブエリウスに話す。例の仮面の人物についてだ。
「お待たせ。始めよっか? あ、先攻と後攻、どっちがいい?」
「…じゃあ先攻で……(運命大戦で見かけた時や病院の時もそうだったけど、掴めなさそうというか何というか……)」
ファイトテーブルにライドデッキを置き、メインデッキをシャッフルするソラを見て、自分も準備をするミコト。
「先輩がどれだけ実力を持ってるのか私は分かりませんが、勝たせてもらいます」
「…そっか」
お互いにライドデッキからファーストヴァンガードをセットする。
「スタンドアップ・」
「Z」
「「ヴァンガード!」」
そして今、運命大戦の第二回戦の終わり、竜神の担い手と万化の運命者がぶつかり合うファイトが開始されるのであった。
読んでいただきありがとうございます。
次回、ミコトとのファイト回です。この回は2回か3回に分けて書いてみようかなと思っています。
頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。