第5話
こんにちは、有馬です。
とりあえずあれからの話をしようと思います。
初の公式戦が終わり、皆でお祝いの飯を食べようとなり近くの定食屋さんに向かおうとしたのですが、いきなり後ろから声がかかりました。
声を発したのは今日対戦したあのセッターくん。
彼の名前は影山飛雄くんと言うらしく、僕に何か言いたい事があるらしい。
その内容は「高校では絶対負けねぇ!!」だった。
どうやら彼の中では僕がバレーを続けるのは決定事項らしい。まぁ日向にも「一緒の高校行ってまたバレーやろうぜーーー!!」って誘われてるからやるつもりではあったが。
一応僕も「楽しみにしてる」とだけ返した。
さらに日向にも「ついでにお前もだ!!1番!!」と言っていた。
日向も「今度会った時は「ついでに」なんて言わせねーからな!!」と返し、影山と別れた。
その後、試合は2回戦、3回戦と何とか勝利できたが、準々決勝にて僕たち雪ヶ丘中は敗退してしまった。
正直、僕たちがここまで勝ち進めたのは大金星だったと思う。でもどうせなら優勝したかったけど。
特に日向は誰よりもそう思っていたはずだ。
大会が終わってからは高校に向け勉強とバレーの練習に明け暮れた。
それと僕をスカウトしたいと三つの学校が来てくれたのだが、全てお断りさせていただいた。日向と同じ高校に行くって約束したしね。
それから時は流れ、僕らは高校生になりました。入学するのは烏野高校。かつて日向が憧れた「小さな巨人」がいた高校である。
入学式が終わり日向とは別のクラスらしいので一旦別れる。
担任の先生からの軽い挨拶とクラスメイトの自己紹介となった。一人ものっすごく緊張していた女の子がいたが大丈夫だろうか?
そして放課後日向と合流し、早速バレー部の先輩たちに挨拶しに行こうと体育館へ向かう。
中に入ると練習をしている男子が一人。何か見覚えがあるなと思ったら影山くんだった。
隣の日向も驚いているようで硬直している。
影山くんも驚愕した顔でこちらを見ていたが、すぐさま僕に向かって「倒すっつったのに何で同じ高校なんだよ!!」と叫んだ。
いや、そんな事言われましても………………。
そんなこんな話しているとバレー部の先輩たちらしき人達が来た。
何故か僕の顔を見た瞬間ガッツポーズをしていたが何でだろう?
挨拶と自己紹介をお互いにした。今回会えたのは三年キャプテンの澤村さん。同じく三年副キャプテンの菅原さん。二年の田中さんの三人だ。
他にも三年生の選手が一人マネージャーが一人、二年生が四人いるらしい。
その後先輩たちに得意なプレーとポジションについて話していると、ふと隣の影山くんが僕と勝負がしたいと言ってきた。
え、何で???
先輩たちが止めてくれるかな?と希望を抱き視線を送るが……………「一回だけならいいぞ」とか言っている。希望は潰えたか……………はっ!!まだ日向がいた!!そう思い振り向くが、「俺もやりたい!!!」と汚れなき笑顔で言ってらっしゃる。
……………諦めるか。
勝負の内容はシンプル。お互い順番に一本づつサーブを打ち、上げた方が勝ち。どちらも上げられなかった場合は引き分けと言うモノだ。
まずは影山から。ボールを回し、集中している。
間違いなく以前よりパワーアップしているだろう。だが、それはこちらも同じだ。
影山が助走し、いい音のサーブを放った。
それを僕はしっかりレシーブした。Aパスで。
影山は悔しそうにしているが、何故か笑っている。複雑な表情だ。
次は僕の番、ボールを地面に三回打ち付け構える。
僕はサーブの練習をしている時、特に意識している事がある。
打とうとした時に狙った場所にちゃんと狙いどおりに打ち込む事だ。
その成果を今この瞬間、御披露目するとしよう。
ボールを高く上げ、全身の力が伝わるように打つ。
狙った場所は右側のコートスレスレ。
影山は反応できなかったようで、その場から動かなかった。