梅雨最中の快晴、日の光を雲が程よく遮ってくれる。
「よく晴れましたね。昨日豪雨注意報が出た時はもうダメかと思いましたよ」
「わーーい!!!楽しみましょう!!!」
休日の某大型ショッピングモールにて、生徒会全員が集結していた。
どうしてこうなったのかは1週間前の放課後に遡る。
□■
「交流会?野球かサッカーでもすれば?」
来週行われる、フランスのパリにある姉妹校との交流会。
校長からセットアップを強よーーお願いされた生徒会のメンツは遊びに来ていた黎人に何をするかを相談していた。
「あ、良いですね!!スポーツでお互いの距離間を縮めましょう!!!」
「いや、そういうやつじゃないんだ」
内心で白銀は慌てていた。
(やばいィィィ!!このままでは俺の運動音痴が四宮だけでなく向こうの学校にも知れ渡ってしまう!!もしそうなれば•••)
『あら会長、運動音痴だったのですね•••お可愛いこと。』
(ダメだぁぁぁぁぁぁ!!!絶対言われる•••何としても止めなくては!!)
「えぇ〜」
「冗談ですよ。確かフランスにある姉妹校との交流会ですよね?ポロでもやりますか。」
ポロとは馬に乗って行う団体球技の一種。世界で最も古い歴史をもつ競技の一つである。ちなみにあの有名なポロシャツはポロの選手が着ていたシャツだ。覚えておこう。
「あれはイギリス発祥のスポーツだろ・・・」
「イギリスもフランスも同じものでは?同じヨーロッパ欧州の国々だし。あまり大差ないでしょう?」
「いいえ?イギリスとフランスは大きく違いが見られるものですよ。公用語や文化にはかなりの相違点が見られます」
「俺は英語とフランス語だったら、英語を選びますけどね〜大体の映画は英語が基本じゃないですか」
目からハイライトの消えた黎人が笑いながら呟く。
「お前何か恨みでもあるのか?」
「イギリス及びフランス軍に喧嘩売られました。まぁその後叩きのめしましたけど」
マジである。
「あはは!面白い冗談ですね〜あっ、何ならコスプレ大会なんてどうでしょう!!」
「「「「コスプレ?」」」」
「はい!!フランスと日本はコスプレ大国、なのでコスプレして迎え入れましょう!!!」
「流石に醜態晒すのは・・・」
「え〜そもそもコスプレって言っても最近じゃそこまでガチじゃないのも多いですよ?ナース服とか婦警さんのコスプレとかは普通に仕事で来ている物ですし〜」
(((それもアウトなんだよなぁ)))
男たちの心の声が漏れ出すことはなかった。
彼らも思春期。
「何故看護服や警察衣装と言わなかったのかは見逃すが、俺達なら学ランやブレザーでもコスプレになるだろ」
「はぁーこれだから会長は〜そういうと思って助っ人も呼んどきましたよ!!!」
バンッと大きな音で扉を開ける藤原、そして入ってくる助っ人・・・黎人には見覚えのある人物だった。
「3年の子安つばめです!!おっ、黎人くんおひさ〜」
「どうも、つばめ先輩」
「えっ!?家入くんつばめ先輩と知り合いなんですか!!?」
「うん!映画の趣味が偶然同じでね!!」
「ん、この人ホラー映画苦手なのにホラー映画好きって面白くない?」
事実である。実はつばめは黎人が勧めたホラー映画6本のうち6本を途中でリタイアしたのだ。ちなみに黎人は特級呪霊に睨まれるよりはマシ、と言って笑いながら観ている。
「も〜怖いから好きなんだよ。ジョーズは怖いけどキャビアはスキヤキみたいな。」
え・・・?
つばめ語!!
子安つばめはときに、概念で会話する。
(キャビアはスキヤキ•••キャビアはチョウザメの卵、スキヤキは好きととっていいかな。そしてジョーズは歴史に名を残すサメ映画。"サメ映画は怖いけどチョウザメのキャビアは好き"って理解で多分OK)
「まぁ分かーーーなんだよ石上?」
「お前ぇ・・・あの日誓い合った友情は嘘だったのかぁ!?」
石上、完全に友人だと思っていた人物が実はリア充だったことに怨霊と化していた。
「はっ、ばか言うな。もし仮にそうだとしても、友情と恋情は別物だよ、優?」
「うわーーーお前ホストになったら直ぐに天下取れそうだな・・・」
「褒め言葉として受け取っとく」
白銀ら生徒会メンバーがコスプレに興じていた頃、黎人は頭の思考を巡らせていた。誰に衣装借りるか、実際彼の周りにはコスプレに近い格好をした人が多い。京都の加茂憲紀や庵歌姫、究極メカ丸、こっちじゃ虎杖の兄の壊相、メンヘラストーカーこと来栖華、パンダじゃないパンダ、そして・・・
「知り合いにセンターマンの格好してる芸人がいるんだけど、衣装借りたい人いる?」
「センターマンとは?」
「左半身はタイツ、右半身は全裸。ちなみにそいつは現時点で何度も警察のお世話になってる」
「「「「却下!!!」」」」
というわけでコスプレ用の小道具とパーティー会場で必要となる物を買いに出かけることになった。
「ヒドイぜ!!」
何処かで芸人が叫んだ。
□■
「男子と女子で分れましょーー」
ギロッ!!
「ーーやっぱなんでもないです」
かぐやからの冷たい殺意に一瞬だけだがビビり、白銀とかぐやチームとその他に分れることになった。因みにアドバイザーとしてつばめも同行することになった。
白銀&かぐやチーム
「会長、飾り付けのリボンは・・・」
「あぁ多分、あっちの方じゃないか?」
(まさか四宮と2人きりだとは・・・家入の奴機転をきかせたのか?不味い緊張する・・・)
(家入くんが私と会長を2人きりにセッティングしてくれるとは、脅しが効いたわね。会長と2人きり、これは良いチャンスだわ!)
尚、この後壮大に何も進展しなかった。
その他のチーム
「それにしても何で会長とかぐやさんだけ飾りを買いに行かせたんですか?」
「後で刺されたくないんですよ。誰にとは言いませんけど・・・」
パーティーセットなどを置いているエリアで、石上&藤原ペア、黎人&子安ペアに分かれた。
「ネコミミ、イヌミミ、あっ!ミミズミミってあるよ!」
「ミミズ、ミミ?」
「あーでも可愛くないしなー」
「いや、ミミズミミってなんですか?」
何やら気になるようなワードが聞こえたのだが、つばめがささっと視界から消えたため慌てて追いかけた。追いつくと、つばめはカチューシャの試着をしていた。
「ねぇ、似合うかな!」
子安つばめ×ネコミミ
打撃と呪力の衝突が0.0001秒の瞬間起こる空間の歪み並みの
(・・・ウッッッッッッッソだろオイ)
「似合う、と思う」
「え!そう?黎人くんも付けてみない?」
「どうですか」
家入黎人×ネコミミ
(はわわわわわわわっっ!!!?)
照れた黎人の顔とネコミミの破壊力に、つばめのたくらみは打ち破られた。その後、カチューシャや飾りなどを買った黎人らは一旦広場の噴水に集合していた。
「んじゃ、買い物も終わったんで適当にぶらぶらしましょう!!つばめさん一緒に行きませんか?」
「いいよ!スイパラ行こう!!」
「黎人、一緒にゲーセン行かね?」
「いいけど、俺結構強いよ」
ゲームセンターにて
『格闘企業戦士』という名前のアーケードゲームを2人プレイで楽しむ黎人と石上。
「ふはははっ!!どうですこのハメコンボ!!」
「うわぁ陰湿。」
「これはもう負けを認めーー「隙あり」えっ!?ちょ、まっーー」
数十分後
黎人の姿はベンチの近くにあった。ベンチには項垂れる石上が座っている。
「ちくしょう、何で僕あんなクソゲーに1000円も使ったんだろう・・・」
「だから言っただろ。大体の格闘ゲームは操作方法が一緒だって。ほらコーラ飲め」
黎人が開けたコーラ缶を持って、石上は一気飲みする。
「ちくしょ〜もう二度と格ゲーなんーーー何か眠くなってきた・・・」
ベンチに背をもたれ、意識が朦朧とした石上。すると背後に座っていた男が口を開いた。
領域展開・誅伏賜死
最初から2人を尾行していた日車。黎人がこっそり睡眠薬を入れたコーラを石上に渡し、石上が眠ったところで領域を展開した。
「被告、石上優は、去年●月■日同級生の女子生徒にストーカーを行い、当時女子生徒と交際していた男子生徒に暴行を与えた疑いがある」
領域が消え、日車の手には石上優の資料が握られていた。内容を把握できる日車は眉間に皺を寄せていた。
「・・・んで?」
「彼は、重度のお人好しだよ。虎杖悠仁みたいにな・・・」
じゅじゅさんぽ
黎人の猫耳姿に対する反応。
美夜「に、似合うんじゃない?笑笑笑笑」
明星「頭打ったんですか?」
硝子「控えめに言って可愛い」