愛と呪いは紙一重【改】   作:ランハナカマキリ

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更新遅れました。


家入黎人は調べたい②

 

自分がもし濡れ衣を着せられたら?

 

んまぁ、殺しはしないが半殺しにはするだろうな•••

 

石上優、去年複数の女性と交際していた同級生によって暴行犯に仕立て上げられ、当時の想い人を守るためにそのイメージを受け入れた。犯人である同級生は退学、想い人の大友京子は成績不振によって別の高校に行った。しかし、石上の暴行犯のイメージは払拭されることはなかった。

 

お人好しもいたもんだな・・・

 

俺にはそんなバカみたいな真似はできない。黎人は五条悟とは違って周りの人間を同じ生物として認識することができたが、状況においては仲間以外の他人なら平然と切り捨てる。自分のことを顧みずに自分にとって利益のない他人のために汚名を背負うなど、愚の骨頂だ。

 

自分は、根っからの善人(お人好し)にはなれないから、羨ましい。

 

「ーーは!?え、寝てた!?」

 

睡眠薬の効果が切れた石上が慌ててベンチから飛び起きる。隣には黎人が座っていた。

 

「おはよう優•••お前は良いやつだよ」

 

「ーーーえ、何?ひょっとして口説いてる?」

 

「••••気が変わった。羽根折り腕固め(ダブルリストロック)いっきま〜す」

 

「え、ちょ待ってやめて二千円あげるからあああぁぁぁぁぁ!!!??」

 

道の真ん中で関節技を決められ断末魔を上げる石上。野次馬が遠巻きに見る中、見知った声が聞こえてきた。

 

「あれ?黎人じゃない!!」

 

顔を上げると、買い物袋を持っている片目に眼帯をつけた茶髪の女が目の前にいた。

 

「お、釘崎」

 

「薔薇姉ぇ〜!!って家入黎人ぉ!?」

 

元呪術高専福岡分校1年、現東京校2年の『竜胆サキ』

 

「•••なんでそんな嫌そうな顔をするんだよ、竜胆」

 

「ぐぬぬぬ••••折角の薔薇姉ぇとのショッピングに水差しやがって!!!つーかテメェの下で伸びてるそいつは誰だ!?」

 

「あ、なんか吉野に似てるわね•••生き別れの兄弟?」

 

「いや違う。石上優、衆知院の後輩。俺を●モとかB●とか言ってくるから粛清してんの」

 

「言ってないですよぉぉぉいだだだだぁぁぁ!!てかこの人たち誰!?」

 

「去年まで通ってた学校の級友だよ。茶髪の眼帯してる方はど田舎ヤンキーの釘崎。怒らせるとトンカチとネイルガンでボコボコにしてくる」

 

「おいお前覚えとけよ?」「ボソッ、エル●スの新作」「許す!!」

 

「んで、そっちが釘崎の舎弟兼負け知らずの最強ヤンキーこと竜胆」

 

「ーーちっ」

 

「あともう1人•••元宮城県警の刑事崩れの『雨宮静流(しずる)』って舎弟がいるんだけど•••あいつは?」

 

「静流なら、地元に帰って墓参りに行ったわよ」

 

「へぇ〜•••何どうした「いや、もしかしてその•••黎人って元ヤン?」

 

疑い深い目を向けてくる石上。面倒なことになったなと思い、必死に言い訳を考える黎人。

 

「ーーいや「正解じゃない。同中の不良どもを冬のプールに突き刺したんでしょ?」••••美夜か?美夜が言ったんだな?」

 

「美夜って誰ですか?」

 

「コイツの妹っすよ」

 

▽▲▽

 

「あ!!あの時のドジカップル!!」

 

((カッ、カップルぅぅぅ!!?))

 

交流会の買い物を終え、他のメンバーと合流する前にカフェで一息入れよう•••そして会長or四宮との距離を縮めようとした白銀とかぐや。だが、彼らの計画は狂うこととなる。なぜなら、そこには虎杖悠仁*1がいた。

 

〜〜〜

 

これは黎人がまだ生徒会のメンバー達と関わりを持ったばかりの頃の話。

虎杖悠仁は『TEITO CINEMA』と書かれた映画館に来ていた。

 

「よし、着いた着いた!!えーと、上映までまだ時間あるしポップコーンとコーラでも買うか。あ、新しい映画のポスター置いてんじゃん!」

 

何故彼がここにいるかと言うと•••

 

『あ、悠ちゃん!このチケットあげる〜金ちゃんがいっぱい貰ってね、だからお裾分けしようかなーって!後それからこの映画、男女2人で観に行くとその2人は結ばれるってジンクスがあるんだって〜面白くない!?じゃねー』

 

と、呪術高専4年『星綺羅羅』から貰った招待券を手に彼は映画を、1人で観に来ていたのだ。

 

実は何人か誘ったのだが•••

 

伏黒恵の場合

 

『悪い、俺その日任務あるから無理だ』

 

釘崎野薔薇の場合

 

『噂とかジンクスと知らないけど、お前みたいなゴリラと恋愛映画見に行くなんて死んでもごめんだわ。京都のゴリラでも誘えば?』

 

吉野順平の場合

 

『あ、その映画なら僕昨日観たよ。面白かったな〜』

 

その他同じように断られる。

 

尚、東堂と脹相とは観に行けない。そもそも脹相は九十九由基と、東堂は高田ちゃん*2と観に行った。というわけで1人で来たのだ。3年の先輩達は任務で不在、仲良くなった高羽と甘井とカッシーなどの死滅回游組は任務or連絡不可、教師である日下部篤哉や五条悟は倫理的にアウトである。つーか虎杖自体オッサン共と恋愛映画を観たくない。

 

「つーか男1人で見る恋愛映画って虚しいな」

 

 

映画開始前の、予告編が流れ始めた頃。四宮かぐやと白銀御行の顔はどんよりとしていた。理由は簡単、座席の場所がズレたのだ。白銀が座ったのは『G-12』彼は四宮にわかるように色々とヒントを出したのだが彼女が座ったのは『H-13』国民的マスコットであるペンタンと、化学物質であるペンタンを間違えたのだ*3。つまり天才ゆえに深読みしすぎた、ただのドジである。

 

「四宮•••ポップコーン食べるか?」

 

「あっはい。ありがとうございます」

 

(•••どうしてこうなったんだろう)

 

まるで葬式のような顔の四宮の前、白銀の隣にある人物が座った。

 

「あ、隣失礼します」

 

「えっ、あ、どうぞ」

 

ピンク色の髪の根明そうな少年が、ポップコーンとコーラと数枚の映画のポスターを載せたトレーを持って現れた。そして白銀の隣、元々四宮が座るつもりだった場所に座った。

 

「•••会長、ポップコーンありがとうございます」

 

「だ、大丈夫だ四宮。別に、問題なーー「えーこの映画、ヒロイン変わるんだ。まぁ監督と色々あったらしいからな〜」

 

と、呟きながらポップコーンを食べる少年。そんな彼をかぐやは怨みがましい視線で見つめていた。

 

(ーーこの平民め。本当だったら、私がそこに座るはずだったのよ?あぁ、その席に座るためにこの私がどれだけ思考を巡らせ努力したと思っているのかしら。たった1人でこの映画を観に来たくせに、何て図々しーーっ)

 

「なぁ、あんたら。ひょっとして2人で観に来たのか?」

 

((ギクッ!!))

 

「いや、まぁな。それにしても、よく気付いたな、君」

 

「いや他人だったら席挟んでポップコーン渡したりしないだろ•••あ、ひょっとして席間違えたのか?あんたらドジだな〜」

 

(ーーうふふ、さようなら名も知らない雑草)

 

かぐやの脳内で虎杖の死刑が確定した。

 

「それはーー「じゃあ俺、席変わるわ。えっと、四宮さんだったっけ?こっち座っていいよ。俺そっち座るから」

 

((えええええーーー!!!?))

 

幸運の女神は2人に微笑んだ、この少年の姿をした恋のキューピットを通じて。

 

「い、良いのか?見ず知らずの相手のためにわざわざ•••」

 

「いや良いって、せっかく恋愛映画を2人で観に来たのに離れ離れで見るなんて嫌だろ?」

 

「あ、ありがとう。それじゃあ、四宮。こっちに来るか?」

 

「は、はい」

 

(ごめんなさい、私は心の中で貴方のことを始末しようとしたのに、見ず知らずの相手に席を譲ってくれる優しさを向けてくれるなんて•••私はなんて心が捻くれてたんだろう)

 

 

この日かぐやは産まれて初めて、見返りを求めない優しさというものを知った。

 

〜〜〜

 

しれっと座って話しかけてくる虎杖。

恐れ多くて話しかけられることのない白銀と地雷を踏みたくないという理由で話しかけられないというか話す話題が思いつかないかぐやにとって、虎杖悠仁は藤原千花に並ぶコミュニケーションお化けだった!!

 

「えっ!?付き合ってないの!?すっげ〜お似合いなのに!?」

 

((おっ、お似合いぃぃ!!?))

 

四宮は四宮財閥の令嬢であり、その四宮家の"教育"の影響で他者の気持ちが理解できず、無意識に他人を見下したりしていた。過去には氷のかぐや姫というあだ名すらあった。

一方で白銀は善人ではあるが、プライドが高くやや思い込みが激しい点があり、他人からの評価をあまり正当に見れないところがある。

 

 

だが!!目の前にいるのは虎杖悠仁!!

 

2018年に特級呪物『両面宿儺の指』を取り込んだことで秘匿死刑となり、黎人と天童寺真白による指導によって反転術式とシン影流を習得し、12月24日に完全習得した赤血操術と黒閃による覚醒状態にのみ使える御厨子を使い、両面宿儺を打ち破った一級術師最強。

 

眉にある傷と口元の傷など目に入らないし、人懐っこい笑みにかき消される。

 

そして圧倒的善人!!

 

何の裏も悪意もない褒め言葉が、目の前の2人にダイレクトヒットする!!

 

「にしても2人とも顔面偏差値すげぇな!!俺の同級生と先生も顔が良いんだけど俺だけ芋っぽくて浮いちゃうんだよな〜羨ましい!!」

 

「「へ、へぇぇ////」」

 

「なぁ、その制服って秀知院の制服?あのボンボン学校の?」

 

「ボンボン学校・・・まぁな。俺は秀知院生徒会の会長だ。四宮は副会長なんだ」

 

「ふ〜ん・・・じゃあさ、2人はカップルで学校牛耳ってんの?」

 

「「かっ、ぷ!!?」」

 

とうとう口に出てしまうレベルになってしまった。このままでは白銀と四宮が恥ずかしさで爆発しかねない。

 

(やばいぃぃぃぃ!!!恥ずかしくて死ぬぅぅぅ!!!)

 

(会長と、かっぷる!!?なんて!!!たしゅけてはやしゃかぁぁぁ!!!)

 

「会長〜!!かぐやさ〜ん!!必要なもの買えましたか〜?」

 

「あれ、お友達?」

 

そこに藤原とつばめが現れた。2人とも両手に買い物袋をぶら下げている。

 

(藤原書記と子安先輩•••この2人に虎杖のマシンガントークを、特に藤原になすりつけられるのでは!?)

 

(藤原さん!!あなたと友達になれて本当に良かった!!)

 

渡りに船!!2人の脳は、『いかに虎杖を藤原になすりつけるか』という結論に辿り着いた!!

 

「ふ、藤原さん。こちらは必要なものは買えました•••こちらの方はーー」

 

「ども、虎杖悠仁です!!2人とは前に映画館で会って、さっき再開したばかりだけど友達になれそうでーす!!」

 

「え〜そうなんですか〜!!映画館って、私があげた恋愛映画のチケットのやつですか?」

 

「ん〜そうそう面白かったよな!!けど俺的にはその後に観た『とっとり鳥の助』の方が面白かったな〜」

 

「え、そうなの!?黎人君にオススメされてたけど、今度見よっかな〜」

 

「え?黎人と知り合い!?そいつって片目隠してる黒髪の美男子!?」

 

「え、そうですけど•••」

 

「俺同級生だったんですよ!!あいつ良いやつだよな〜」

 

「え、うそ!!分かります〜!!」

 

((打ち解けるのはやっ!!?))

 

「あ、白銀くんとかぐやちゃんはどんな映画が好きなの!?」

 

「教えてくださいよぉー会長とかぐやさん〜!!」

 

「「え、えっと••••」」

 

虎杖悠仁(超陽キャ)の戦績、ここに刻む!!

 

□▲□

 

「あれ、会長たちと•••誰?なんかめっちゃつばめ先輩と話してますけど•••黎ーーひぃ!?」

 

「あれって虎杖ですよね•••薔薇ねっ!?」

 

モヤモヤモヤ「「••••ちっ」」モヤモヤモヤ

 

 

本日の勝敗、よくわからない

 

(かぐやと白銀は会話に付き合わされ、黎人と釘崎はモヤっとした)

 

 

*1
ゲーセンでパチンコを打ちに来た

*2
東堂の妄想

*3
ちなみにペンタンとは炭素数5個のアルカンの総称である





じゅじゅさんぽ

虎杖「おっ釘崎!!奇遇だーー「荷物持て。そして私の3歩後ろを歩け」

つばめ「あっ黎人くんーー「ムスーーーー」ーーどうしたの?」



黎人、釘崎「「別に?」」
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