愛と呪いは紙一重【改】   作:ランハナカマキリ

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今更気づいたんだけど、この主人公男ばっか口説いてない?


家入黎人は不貞腐れる

 

昔、五条家の屋敷にて。

 

「おい梅!!あやまればこのけんをふもんにするぞ!!」

 

「・・・」

 

「••••しゃべってくれよ」

 

後の黎人の母と、後の呪術師最強の姿は庭園にあった。

 

五条梅は拗ねていた。

 

五条梅は拗ねると性格が変わる。普段は天真爛漫な性格のくせに、本気で怒ると口をきかなくなってしまうのだ。梅はあらゆる物事に対してあまり気に病まない性格で、どんなに揶揄ってもすぐに言い返してくる反骨心があった。だからこそ、悟は自分に唯一言い返してくる妹の反応を楽しんでいた。

 

ーーーだが、約1ヶ月前に梅のおやつを盗み食いした悟はいつもの傲慢な天上天下唯我独尊の人柄からは想像もつかない弱々しさをしていた。

 

「ねぇばぁや、どうしたらアイツと仲直りできるかな」

 

「そうですねぇ・・・ーーー」

 

▽▽▲▲

 

黎人は拗ねていた。

 

ことの発端は3日前の虎杖による生徒会メンバーとの談話である。

 

あれから、白銀や藤原が虎杖との連絡先の交換をしたりなど、つまり結構仲良くなっていた。んで生徒会でも虎杖の話題が上がったりする。自分が仲良くなるのに1週間かかった生徒会メンバーの城壁をたったの1日未満で崩した虎杖に、去年出来た親友に嫉妬して、脳裏に秀知院メンバーが虎杖と楽しそうに話していた光景が頭にフラッシュバックしていた。

 

「•••ちっ」

 

「黎人?どうした?」

 

「•••いや、つーかおしゃべりとは余裕だな?参考書追加するか」

 

「待ってごめんなさいごめんなさぁぁい!!!」

 

そしてこの数日間、黎人は行き場のない怒りを石上の定期考査対策としてぶつけていた。

 

『お前、次の定期考査で赤点だったら留年らしいな』

 

石上は赤点常習者としてブラックリストに載っている。秀智院では平均点の半分を下回れば赤点と見做される。秀知院に従来の高校のような救済処置はない。1科目で赤点を二回取れば欠点と見做され、必修科目を落とせば即座に留年となる。つまり石上はギリギリのギリギリなのだ。

 

『いや、僕はそれでもいいと思ってーー』

 

『馬鹿かお前』

 

『え?』

 

3()0()()()()()()()、これは命令だ』

 

『•••黎人も、冗談言うんだーーゴシャっ!!ーーーえっ、ちちちち、血ぃ!?』

 

真っ赤な花が咲いた、という比喩が正しいだろう。ヘノヘノモヘジで描かれた石上のマネキンの頭部を、黎人が鷲掴みにして握りつぶしたのだ。周囲に赤い液体が飛び散り、石上の顔にもかかる。

 

『インクだ。もし30番以内に入らなかったらお前がこうだからな?』

 

『ひぇ、は、え、え?』

 

『『いいえ』なんて言う犬は要らない、言っていいのは『はい』と『ワン』だけだ。前者はいたとしても殺すし、逃げ出しでもしたら何処までも追いかけて殺す』

 

『ーーーーーー』

 

「死ぬ気で気張れよ?」

 

▲▽

 

石上優は頑張った。

 

今までゲームに使っていた時間を勉強をする時間に変え、今まで眠っていた授業をクラス1番の態度で聞き、休憩時間や昼食の時間も勉強に費やした。

 

何故なら、もし30番以内に入らなかったら、それは彼の人生終了を意味する。

そして黎人からは1日にノート一冊分の課題を出される。

 

ある日逃げようとしたが、逃げた先で黎人がヘノヘノモヘジな石上の顔が描かれたスイカを正拳突きして粉砕していた。

 

「い〜し〜が〜み〜く〜ん•••もし逃げたらお前の頭がこのスイカみたいにーー「やります勉強します30番以内目指しますから慈悲をください!!!」

 

 

2週間後

 

「あはは、あはは••••」

 

憔悴しきっていた石上は廊下の壁に頭を何度も小突いていた。

 

「え、なにあれ?」

「怖•••呪われてるんじゃない?」

 

「おい石上•••大丈夫じゃーーないな」

 

「会長、憐みの目で見ないでください。こっちが辛くなります」

 

たまたま通りかかった白銀が、石上を連れて生徒会室に向かう。

 

「とりあえず今日は生徒会室で休め」

 

「はい•••『隈?血涙出るまで机に齧りつけ』って、どんなスパルタですか?●IOですよあの人。吸血鬼とスタンドパワーでこの世を支配するタイプの人間ですよ!?」

 

「そうだよな•••なんで最近お前に当たるのか、黎人に直接聞いてみるか」

 

この時、石上の目には白銀が●ースター家の黄金の精神を継いでるように神々しく見えていた。2人が生徒会室に着くと、何やらかぐやと藤原がドアから何かを覗いていていた。

 

「ん?何してるんだ?」

 

「あ!会長!?ちょっとこっち、こっちきてください!」

 

小声で話す藤原に手を引かれ中を覗くと•••

 

「け、圭ちゃん!!?れ、黎人!!?」

 

ソファには白銀の妹である白銀圭と黎人似の"少年"がいた。

黎人似の"少年"はベレー帽の中に髪をしまって圭の頭を撫でていた。

 

「何であの2人が!?」

 

「最初に会長に用があるんですって圭さんが来て、私たちが席を外して戻った時にはもう既に家入くんが!!」

 

 

 

「ねぇ、千花姉ぇとかぐやさん戻ってくるかもしれないよ?」

 

「いいよ別に、むしろ見せつけちゃうのはいけないことか?」

 

「•••もう、知らないよ?」

 

 

 

「うお、なんかエロ」

 

「俺の妹をそんな目で見るな!?」

 

石上は素直な気持ちで言った。

 

ふふっと笑みを浮かべる黎人に似た"少年"は圭を抱きしめながら彼女の腰から足にかけてそぉっと優しく撫で回す。頬を赤めらせた圭がくすぐったいのか身震いする。そして2人は顔を近づけ唇同士をーー(黎人テメェェェェ!!!)

 

(何やってるんですか会長!?そのトイレットペーパーで何をする気ですか!!!?)

 

トイレットペーパー片手に特攻しようとする白銀。

狂変した白銀を制止するかぐや。

とうとう堕ちたな、ジョー●ターの血統よ。

 

(え、うそ!?まさかあの2人もうそこまでいっちゃって!!?)

 

お互い向かい合い唇を重ね、数秒顔を近づけた後に圭の舌からタラァっときらめく液体のようなものが糸を引いていた。その顔は真紅に紅潮し、目にはハートが浮かんでいた。

 

(いやぁぁぁ圭ちゃぁぁぁん!!!?)

 

「圭•••もう我慢できないかも」

 

「えっ、ここ学校だよ?流石にダメだって•••」

 

(会長ぉぉ、あの2人ABCのCまで行ってますよ!!?もう神ってる、もう神ってますよ!!!)

 

(ナニィィィィィ!!!?)

 

(あの、神ってるとは?)

 

(えーと、ここでは神聖なる行いのことを指してまして、ゴニョゴニョゴニョ・・・)

 

(セックっ!!!!???)

 

圭を優しくソファに押し倒す"少年"、優しく受け入れようとする圭。

 

(圭ちゃぁぁぁん!!!俺は認めないぞぉぉぉ!!!)

 

もうその場の空気は限界だった。このまま妹と親友が神っているところを見るか、それとも涙を流しながら走り去るか•••

 

答えはもちろん突撃する。

 

「ちょ、会長静かに!?」

 

「と、取り押さえて!!」

 

白銀に目を奪われた生徒会メンバーは気づかなかった。

 

ガチャッ!!

 

扉の先には、スカートを履き、ベレー帽を脱いだショートボブの女子が立っていた。後ろでは圭が恥ずかしさのあまり赤面している。

 

「ふふっ、あっはははは!!!ど〜も!!中等部2年の家入美夜です」

 

「•••え、家入?」

 

「黎人は私の兄さんです。あ、初めましてお義兄さま?」

 

▽▲

 

「あ〜〜ウチの兄さん拗ねると性格変わるんですよ」

 

「「「「拗ねてる?」」」」

 

黎人の態度の原因、それは単純に拗ねているのだ。

 

「皆さん1日で虎杖さんと仲良くなったんですよね?じゃあ兄さんと仲良くなるのにはどれだけかかりましたか?」

 

「えっと・・・同じクラスだし3日4日くらいだな」

 

「伊井野から助けてもらってすぐ仲良くなりましたけどね」

 

「そうですねー大体1週間くらいですかね〜」

 

「私は会長と同じですね」

 

「そ、自分より短い期間しか一緒にいないのに仲良くなったから拗ねてるんですよ。めんどくさいですよね」

 

石上が恐る恐る手をあげる。

 

「あの、僕は黎人と仲良くなるまでの期間が虎杖くんのと大体同じくらいなんですけど」

 

「あ〜〜兄さんは拗ねるとちょっとだけ人に当たるんですよ」

 

「えぇ••••てかちょっとだけ?アレがちょっとだけ?」

 

「ちょっとだけですよ。本気ならもっと被害がでます」

 

「「「「もっと!?」」」」

 

「まー安心してください。私がなんとかしますんで•••あと石上先輩?」

 

「はい?」

 

「うちの兄、少し利己主義なところがあるんですよ。期待してない他人は容赦なく切り捨てたりする人なんです」

 

「え•••ま、まぁ何となくそんな感じはしてましたけど」

 

「でも期待してる人にはとことん手助けする人なんです。石上さん結構期待されてますよ?」

 

▽▲

 

石上優Aは言った。

 

「こいつは戦争だ」

 

石上優Bは言った。

 

「テストは難しい。今までの経験で分かる。だがやる気では負けない」

 

石上優Cは言った。

 

「時は来たぁ、やるだけだ」

 

友人の期待に、応えるために!!!

 

そして定期考査•••

 

 

「うおおおおおおおお!!!!」(心の声)

 

 

そして結果•••

 

1位、伊井野ミコ

 

 

 

49位、石上優

 

「まぁ、頑張ったと思うよ?今までほぼ最下位だったのにここまで登り詰めるなんて。どんな生き物も窮地に立たされると本気を出すってのは本当だよな?」

 

「れ、黎人ーーー」

 

「どうした、()

 

「これ一体何のプレイですか?」

 

石上は公然の前で四つん這いになり、その背に黎人が座っていた。

 

「ここまで上がるのは予想外だったけど、30位に入らなかったからこれ10分な。返事は?」

 

「は、はい•••」

 

 

「そ、そういう黎人はどうだったんだ?まさか僕より低かっーーー」

 

石上の目の前に差し出されたスマホ。その画面に目が止まった。

 

1位、家入黎人、白銀御行

2位、四宮かぐや

 

「久々に本気で勉強したけど結構チョロいね。あははは」

 

「ーーーえぇ•••?」

 

「てな訳で、はいこれ」

 

彼の目の前に大きな紙袋が差し出された。

 

「何すか、これ」

 

「頑張ったお前へのご褒美」

 

「ーーーえ、これP●5じゃないですか?え、しかも、初回限定版のやつ!?嘘でしょ!!?」

 

とある守銭奴さんに大金叩いて手に入れたものだ。数十万が消えたが特級術師の給料を考えると痛くはない出費だ。

 

(迷惑料としてだが、それ以前に飴と鞭は使い分けないとな?)

 

「裏ルートで売られてたから3つ買っといた。今度一緒に一狩りいこうぜ」

 

「ワン!!(はいぃ!!)」

 

 

 

 

ちなみに、黎人の”拗ね”をどうやって治したのか。

 

それは至って単純で、誰でも思いつく方法だった。

 

「おいバカ兄貴、これを見ろ」

 

「ーーっ!?それは高級和菓子屋の揚げ団子!?」

 

「これやるから機嫌直せ」

 

それは、『食べ物で機嫌を直す』である。

 

ちなみに五条悟は梅に対し、試行錯誤で彼女の好きな食べ物を特定。かりんとう一袋で機嫌を直した。

 

本日の勝敗、家入美夜の勝利

 




じゅじゅさんぽ

白銀「2人は、その•••いつから?」

「「先月」」

白銀「どちらから、その、告白したんだ?」

圭「•••なんでそんなこと聞くの」

美夜「『貴女以外考えられない』って言って押し倒してきたのは誰だっけぇ?」

圭「ちょ///それは言わない約束でしょ!?というか、告白させようと画作しても全然思い通りにならなかった美夜の責任でしょ!?」

白銀「グフっ•••」

美夜「まぁお義父さんにはもう挨拶に伺ったので諦めてください」

白銀「親父ィぃぃぃぃ!?」
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