投稿後に書き直しました。
今は七月上旬。
今日は午前中は綺麗に晴れ渡っていたが、午後になると晴れてたのが嘘だったように雨になった。
ザァァァァ!!!
ガランとした図書室。
そこに課題をする石上と、スマホ片手に指導する黎人がいた。
「雨ですね•••梅雨終わんねーかな」
「雨だな•••1時間後には雨止むってさ」
スマホの天気情報を確認していると、図書室の扉が開く。
「あ!いた!!」
扉の隙間から子安つばめが現れ、ふたりの前の席に座る。
「ねぇ、3人で怖い話でもしない!?」
((なぜ?))
「怖い話、ですか?」
「今日ね。クラスの友達が怖い話の本持ってきて〜〜」
「なるほど、つまり"怖い"という感情を不特定多数の人にも広めて自分の感情を薄めたいと?」
「も〜違う!!別にビビってないもん!!私は怖い話で私達の仲を深められるんじゃないかなぁ〜って思ったの!!それじゃ最初は私ね!」
〜〜〜
2ヶ月前、とても重大な課題をしてたの。
提出日は明日で、最後の問題を解けば終わり。
けど最後の問題がとても難しくて、頭を悩ませて必死に机に齧り付いてたの。
そしてとうとう問題を解き終わったの!!
次の日、課題を提出しようと机の中に手を入れた瞬間!!
「あ、家に忘れた」
〜〜〜
「・・・」
「それは・・・怖いですかね?」
「え?必死に頑張った課題を家に忘れちゃったんだよ!?怖くない!?」
まぁ、怖いかと聞かれると怖いが•••
「まぁ・・・ビビりますね」
「けど怖いか?」
「えぇ!!?」
「んじゃ、知り合いから聞いた話なんですけど・・・」
〜〜〜
江戸時代に、幕府に仕えていた占い師がいた。
その夏はひどい豪雨が続いた。
このままだとひどい水害が発生し、人も家も流されて多くの人が死んでしまう。
そこで幕府高官は占い師に、この雨を止めろと命じた。
だが、占い師は占い師。
あれやこれや色々な方法を試すも雨は止まず、結果的に1000人の死者を出したとして死罪となり、首を切り落とされた。
その首を役人が掲げると、あら不思議、雨が止んで快晴となった。
幕府高官はいい"まじない"だと、占い師の生首を布で包んで縄で吊るした。
その1週間後、占い師に雨を止めるよう命じた高官の前に、てるてる坊主が現れた。
頭の下から、血がポタポタ・・・
ポタ ポタ
ポタ
ポタ ポタ
ポタ ポタ
ポタ
『コロシテヤル』
〜〜〜
「・・・っていう話」
対面に座っていた2人は青ざめガクガク震えていた。
「・・・この話嘘だよな!?さっきのアホ話と違ってガチで怖い話じゃないですか!!?」
「嘘だよね!?フィクションだよね!?スズメ目アトリ科ウソ属だよね!?」
「ちなみに、この話をしてくれた知り合いは数日後に・・・」
「「ひぃぃぃぃ!!?」」
「・・・胃に穴が空いて入院した」
もちろん伊地知のことである。
ちなみに原因はGTG。
「「ビビらせんな!!」」
「んじゃ次は僕ですね•••これは怖い話というか、世にも奇妙な話なんですけど•••」
〜〜〜
あれは会長に生徒会に入らないかと勧誘される前の話です。
去年10月上旬の深夜、石上優は橋の上にいた。
(何で僕だけがこんな目に、もう辛いや•••死のう)
彼は身投げしようと靴を脱いで告発状を置き、橋の上に登っていた。
(ネットとかで自殺する人は何の躊躇をしないって聞いたことあったけど本当なんだな•••)
「•••馬鹿みたいな人生だったな。」
「そこに立って悟りでも開いたのか?」
「いや別にーーーだっ誰ですか!?」
後ろに誰かいた。恐る恐る振り向く。
「誰って、パンダだけど」
「ーーーぱ、ぱ、ぱ、パンダが喋ったァァァァァァ!!!」
近くの公園、蛾の集まる電灯に照らされて2つのブランコが揺れる。1人は石上、もう1人、いやもう一頭はパンダだった。
「なるほどなぁ•••好きだった女の子を守るために汚名を被ったのか」
「馬鹿みたいな話ですよね。まぁ喋るパンダに打ち明ける自分も馬鹿みたいなもんですけど•••」
(見た感じ背中にジッパーがないから着ぐるみじゃないし、もしかしてほんとのパンダ?ははっ、俺とうとう幻覚まで見えてんのかな•••)
「あぁ馬鹿だな、お前」
「グフッーーす、ストレートに•••この超速球パンダめ、人の心ないんですか•••」
「おう、パンダだからな。人間の好きも嫌いもよくわかんねぇよ。俺の友達にな、目標に向かって頑張ってるくせにサバサバしてんのかウジウジしてんのか分からない奴がいるんだけどな?そいつは自分のせいで人一倍、人百倍辛い思いして血汗流して頑張ってるけど、それでも自分を押し殺したりしないんだよ」
『僕には、悲しみなんかで立ち止まってる暇はないんだ•••僕が、僕の友達に置いてかれないために!!僕は立ち止まれないんだ!!』
「多分、最初に強く決めたことは必ず最後まで叶えなきゃならないんじゃないか?人間ってよぉ。お前は何でその女の子庇ったんだ?強く決めたことじゃないのか?」
「僕は•••」
「まぁ泣いても叫んでも現状は変わんないけど、泣いてみたり、文字に書いたら気持ちが楽になるぜ?何か叶えたいことがあるなら、俺は応援するぜ」
「•••僕世界で最初にパンダに応援された人じゃないですか?そのあなたの友達以外で、こんな、根暗で卑屈なインキャなのに」
「あはは陽キャとか陰キャとかで差別する奴と思うか?パンダだぞ?」
「あははっ、ありがとう、ございます。結構気持ちが楽になりました」
「おうそうかそうか!!じゃあな、頑張れよ〜!!」
〜〜〜
「•••って話です。夢みたいな話ですよね」
「うぅ•••グス‼︎ いい話だね!!」
「ーーそうですね」
(パンダセンパァァァイ!?あんた呪術規定違反してんじゃねぇか!?今度会ったら説教だな•••)
家入黎人は決意した。
先輩面する畜生を、白熊になるまで丸洗いすることを•••
「へクシュ!!!」
「すじこ?」
「いや•••なんか嫌な予感が」
●△○
ザァァァァァ!!!
「全然止まないね・・・」
「やばい・・・家に帰ってゲームしたいのに」
「それならいいもんくれてやろう•••」
あ〜ま〜ガッ〜パ〜!!
「なぜにド●えもん風!?でも助かった!!」
「おう、それじゃまた明日〜」
黎人に手を振りながら雨の中を走る石上。
その数分後、玄関の雨避けの下で並ぶ黎人とつばめ•••
「止まないな•••」
(ひょっとして、恩を着せるチャンス!?)
子安つばめは考えていた。
どうすれば家入黎人を見返せられるのかを。
ここ最近、映画を観ながら人形に感電させられ、黎人による熱血呪術指導、物に呪力を込めるためと言われて木剣握らされて模造槍でボコボコにされる日々を繰り返していた。
だが玲奈さんの呪いを解くためだ。嘆いてはいけない。
でもあの澄まし顔を1回でもいいから、ギャフン!!と言わせてやりたい。もしくは恩を売って頭を上げられないようにしてみたい。
『俺はアンタを信用してない』
『アンタ本当に呑み込み遅いな』
生意気な後輩に先輩の威信を見せつけてやる!!
(家入くんが傘じゃなくてカッパ派なのは驚きだったけど、カッパは一個でも大きいからカバンでも占める範囲は大きい。2つカバンに入れてると圧迫感がやばいから最低でも一つだけ。家入くんのカバンには折り畳み傘は入っていない!!これはいける!!)
「黎人くん?傘ないなら入れてあげーー「よし、晴らすか」ーーへ?」
黎人は一歩だけ雨の中に歩み出し、右腕を上げて、天に向かって人差し指を向ける。
曇天の空から一筋の光が差した。
黎人の周りだけ、晴れた。
「ほら、俺には術式があるんで」
「 」
悲報。超常的な力には凡人の頭脳は通用しない。
「どした•••一緒に帰るか?」
手を差し伸べる黎人。
「あ、うん!!」
本日の勝敗
子安つばめの敗北?
じゅじゅさんぽ
家入硝子の妊活日記
7月4日
妊娠9ヶ月。
定期検査を受けに病院に行った。
どうやら女の子らしい。
認識阻害の呪具を使って見た目は隠しているが、最近はつわりもひどい。禪院(姉)や星には打ち明けたが、そろそろバカ目隠しにも言うべきか?
いや、やめておこう。
なんかアイツ最近はコソコソしてるし。
7月9日
やばい。
アイツ、AMAKONで女物の下着買ってやがった。
とうとう目覚めたか•••それとも気づかれたか?
7月10日
あれから考えて、話すことにした。
日下部と七海はおめでとうと。
伊地知は灰になった。
生徒は大慌てだった。
五条は宇宙猫になった。
歌姫先輩は泣いて喜んでくれた。
決めた。この娘の名前に『姫』をつける。