今回短めです。次回は文字数が倍になるように頑張ります。
「君が、転校生か?」
黎人はタバコを踏み消し、匂いを術式を使って浄化して、中庭の噴水付近を散策していると、金髪の男子生徒に話しかけられた。だれだ?と思った黎人は男子生徒の胸に金色の飾緒がついていることから、何かしら上のポストにいる人間だと推測した。
「•••そうですけど?」
「俺は生徒会長の白銀御行だ。転入したてで分からないことだらけだろう?何か困り事があったら俺になんでも聞いてくれ。生徒会は、いや俺は生徒全員の味方だからな」
珍しい、黎人はそう思った。見返りを求めない虎杖か津美紀さんくらいの善人はこの学園では少ない方だろう。コイツ目つき悪いくせに口説き文句に近いこと言うなと考えた。とはいえ、先ほどの差し伸べを無視するほど捻くれてはいない。
「••••ひょっとして口説いてんの?」
「えっ!?あ、いいいやっ!?誤解すんな!!俺はその!!「悪ぃな、俺は年上のお姉さんがタイプなんだ・・・」ーーお前の趣味は聞いてねぇよ!?」
先程の頼りになる生徒会長ぶりは何処へ行ったのか、慌てふためく白銀は弄りがあるいいオモチャになりそうだと黎人は思った。彼はニヒルに笑いながら、手を差し出す。
「お前面白いな・・・これからは友達としてよろしく頼むよ」
「え?あ、あぁ•••」
白銀、黎人にオモチャ認定される。
当たり前だが、黎人は転校生だ。
普通の学校なら、普段の何気ない学校生活の中に吹く突風と捉えるだろう。だが、ここ秀知院学園では、内部生が外部生を『混院』などと呼んで下に見る文化が暗黙のうちに了解されている。しかしながら、家入黎人が見下されることはなかった。
家入黎人は東京都立呪術高専の専属校医である家入硝子の養子であり、本名は『五条黎人』である。彼は呪術界で高位の権力を持つ"御三家"の五条家当主の一人娘『五条梅』と禪院家当主の弟の息子『禪院真佐』の息子でありながら、大正時代の加茂家当主、加茂憲倫によって制作された特級呪物『伊邪那美ノ胎』から誕生した
御三家について、一般社会においては秘匿されている。だが、一般社会の上級階級、つまりこの学園に通う生徒たちには名家の産まれとして認識されているのだ。そして顔に着けているハーフマスクについては幼い頃に火計に遭ったため、火傷の跡を隠すために着けていると申請している。
とはいえ、とある風紀委員にギャーギャー言われるのであった。
「つーか、何だよこの学園?」
黎人の姿は学園内の廊下にあった。彼の視線の先にあるのは、生徒達の真上に浮かぶ蝿頭や三級呪霊の群れ。
「赤点、どっぢゃっだぁぁぁ」
「とうと、尊いぃぃぃぁぁ""!!」
「ここは魔境か?」
ハロウィンの渋谷と見間違う程の呪霊の群れが、彼方此方に蠢いている。正直に言うと気持ち悪い。呪術高専が霊場として登録している比叡山や原爆ドームに匹敵する呪霊の濃さだ。
黎人はそれもそうかと開き直った。この秀知院学園には嫉みや憧れといった様々な感情が向けられる。それに定期考査で低い点数をとると一切の救済措置無しで留年、最悪の場合退学になってしまう。故に呪霊が大集合するのだ。そう、まるで集合フェロモンに群がるゴキブリの様にだ。
「あーヤダヤダ・・・・ん?」
目の前を歩く少年に目が行く。ヘッドホンをかけて気だるげな雰囲気を放つ彼の背にはかなりタチの悪そうな呪霊が憑いていた。
「気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い。」
複眼のようについた無数の目と蜘蛛のように関節が折れ曲がった腕。見るだけで嫌悪感を引き立てる。
「・・・うっわ、きっしょ」
呪霊を片手で掴み、一気に反転術式を送り込む。反転術式とは、負の感情である呪力の反対で正の感情を使う呪力操作。簡単に表すなら、
(-1)×(-1)は1
負の感情を掛け合わせることで、正の感情に昇華させる。これには治癒能力だけでなく、アウトプット出来れば負のエネルギーからできた呪霊を消滅させられるのだ。反転術式のアウトプットができるのは、彼の義母である家入硝子と心から尊敬する乙骨憂太だ。ポロポロと崩れていく呪霊を投げ捨てて彼は校舎に向かう。
「え、今キッショって言われた?」ガーン
彼『石上優』を知らない間にディスったことを彼はまだ知らない。
本日の勝敗
白銀の負け
黎人の勝ち(なお、石上に誤解された)
▼△▼
潜入から1週間後。
「見つからない・・・」
妙だ。呪物どころか呪具も見つからない。特級相当なら気配だけでわかるはずなのに。考えられるパターンは2つ、1つは封印されていて呪力の感知ができない。もう1つは誰かが持ち出した。そもそも無い可能性だってある。
「・・・どうしようか」
一旦別の術師の応援を要請する手もある、だが今は呪術師も繁忙期。呪物探しを手伝うほど暇な連中なんて・・・
「・・・いたな」
問題児過ぎて手がつけられない生徒が集められる東京都立呪術高専"静岡"分校2年生、黎人の同級生であると同時に呪術高専の中で1番の問題児共3人が・・・
準一級術師『南雲晶』
普通に悪口が辛辣過ぎて対人関係が壊滅的。狗巻家の分家の生まれであり、悪口を呪言にして発することができるため呪詛師や呪霊を精神的に終わらせることができる。なお、本人は素行の悪さから分校行きになったのだが、真白の教育のお陰で普通の素行になった。
同じく準一級術師『篠崎要』
他人にダメージを肩代わりさせる術式の影響で自傷癖あり。自分に圧倒的に自信がなく、過去に何度も自殺未遂を起こし、周りの人間にダメージを肩代わりさせた。他の生徒への影響があるとして、分校行きとなった。
一級術師『柏山零』
音を反復させるエコーの術式を持つ日系ロシア人。本名はカラシニコフ・レオニードだが、本人は日本人の母のつけた偽名を好む。500メートル先の鉛筆の芯の先端をノースコープの村田銃で消し飛ばした記録を持つ。そして、一切何も喋らない。黎人は1年間の中で一回だけ話すのを聞いたと言う。
アイツらに来られたらこの学校が魔境から地獄になる。首輪を外した狂犬を放つようなものだ。絶対に嫌だしそんな事態にさせたくない。むしろさせるつもりはない。だが、五条悟ならどうする?
『えーまだ見つからないの〜?じゃあ晶と要と零にも行かせよ〜っと。だってその方が効率上がるし〜』
『
(・・・クソ野郎が)
絶対に見つけなければならない。その為なら腎臓の一つや二つくれてやってもいい。ストレスで胃に穴があく事態だけは避けなくてはならない。平穏な生活のために、何としても見つけ出さなければ。そんなことを考えながら、噴水前のベンチに座る。
「ん?・・・あ」
「え・・・あっ」
かつて出会った気だるそうな少年が居た。
じゅじゅさんぽ
『伏黒恵の災難』
伏黒「最近、ストーカーにあってる気がする」
虎杖「え?どんなの?」
伏黒「使わない肌着、古くなった箸やスプーン、後それから俺の部屋のゴミの入ったゴミ袋。たまに飯とか用意してあるし、洗濯物が全部干されてる」
順平「えぇ?それもうヤバいよ?日下部先生に相談しようよ」
伏黒「それがな・・・・」
日下部『あ?ストーカー?いや、そんなことするの来ーーーーワカンネーナ・・・・』
伏黒「〜って」
虎杖・順平((犯人来栖じゃん!?))