後悔はしてない。
嘘、三割くらいしてる。
てか、実家の犬が知らないうちに増えてたんだけど?
2019年一月上旬
「うっーーーオエッ・・・」
おかしい。今まで酒で酔って吐いたことなんて一度もない。それに、私の体内に入ったアルコールやタバコの煙は反転術式による分解で綺麗さっぱり消えるはずだ。なのに何で去年の11月くらいから気分が悪い?
死んだ
「・・・・・・もしかして」
「やばーーー厄介な呪いを残しやがって・・・」
陽性反応を示した"妊娠検査薬"を片手に、家入硝子はため息を吐いた。
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生徒会室にて
「恋愛相談?」
「はい!会長にも聞いてるんですけど、やっぱり別の人の視点も大事かなぁって!!」
彼を呼び止めている男子生徒、彼の名前は『田沼翼』、父は名家や政治家などのかかりつけ病院の院長、祖父は世界の名医10選に選ばれるほどの天才心臓外科医で、小児心臓バイパス手術の第一人者として知られる人物である。
「別に良いですよ。俺中学までは結構告白とかされてたんで」
「え!?厨二病の人でもモテるんだ・・・・」
「・・・厨二病じゃねぇよ。ていうか白銀会長って百戦錬磨だったのか。すげぇな初耳だな」
そんな会話を繰り広げている翼と黎人。そしてその横で白銀は焦っていた。
(俺も百戦錬磨呼ばれてるの初耳なんだが!?!)
白銀は焦りを感じていく。
白銀御行は生まれてから一度も交際経験も告白されたことすらない。だからこの相談だって不安要素しかない。なら、この相談を断ってしまえばいい、と頭の中でそう思うがそれはそれで変な噂が出るような気がする。
『会長、相談してくれなかった』
『えー、ひどっ!?』
『まじ幻滅』
しかし、受けたら受けたで一度も付き合ってないのバレてボロを出したらなんかしたら・・・
『会長、童貞だった』
『えー、童貞!?』
『まじ幻滅!』
と、こんなことになるかもしれない。
「・・・分かった。どうにかしてやる!!恋愛のことなら俺に任せろ!!俺は今まで一度も振られたことがないからな!!」
「流石会長ですね!!」
マジなようでウソである。
尚、一度も告ったこともないので嘘ではない。
そんな白銀に対し、扉から見守る一つの影があった。
(会長が恋愛相談?これは会長の恋愛観を知るチャンスなのでは?)
四宮かぐやであった。
かぐやにとって白銀の恋愛観を知る絶好の機会だ。見逃すわけにはいけないし、次この機会を逃したら次はいつになるか分からない。だからかぐやはかなり真剣な顔つきで三人の会話に聞き耳を立てた。
「そう言えば黎人。さっきお前、何回か告白されたとか言ってたがその時はどうだった?」
「どうだったとは?」
「いや、告白してきたのはどういう人だったんだ?一応相手方がどうアプローチしてきたとか今までどういう関係だったのかとかは大事だろ?」
白銀、まずは情報収集からスタート。告白された経験を持つという黎人からなら、今この危機を脱するヒントを得られるのではないかと思っての行動だ。
「•••そうですね。たまに話す程度の奴もいましたけどしょっちゅう話しかけてくる奴もいました」
「じゃあ、その中で交際に発展したことは?」
「1週間くらいお試しで付き合って終わりですね」
(ええええ!!?)
「えっ!?たった1週間だけ!!?何で何で!?」
翼の質問に、黎人はうんざりした顔で答える。
「いや、付き合う前に知れる事と付き合った後に知る事ってかなり差があるんだよ。顔はいいけど性格がクズとかしょっちゅう、記憶に残ってるのは、6股してた奴とかだな。振ったら振ったでめんどくさい奴だったな」
「お、おう•••」
(不味い!?黎人は別のタイプで女慣れしてる奴だ!!!)
「別れる時とか大変だぜ?ヤッてもないのにあなたの子供を妊娠したって陽性の妊娠検査薬持ってくる奴とか、別れるなら一緒に死んでって教室で包丁取り出してきた奴とか。あ、実際刺されかけたな、薄皮一枚で回避しましたけど」
そう言って捲られた制服の下には薄い傷跡があった。白銀は何だこの男からヒントを得ようとしたんだろうと後悔した。だがここで後悔しても意味がない。完全に黎人に引いている翼に意識を移す。
「•••それで相談とはどんな事だ?」
「僕と同じクラスに柏木さんという子がいて、その彼女に告白しようと思ってるんです。でも・・・余り話した事もないし、告白して断られた事を考えると怖くて。」
「成程な。因みに接点はあるのか?例えば、何か貰ったとか。或いは渡したとか」
「あ、バレンタインにチョコを貰いました!!」
「みなみにどんな?」
「•••チョコボール3粒です」
えぇ•••っと黎人は思った。完全に脈なし、いやそもそも告白しても振られる未来しか見えない。黎人の頭の中には翼が告白して盛大に振られ、卒業するまでずっとその事をネタにされるビジョンまで見えた。
「あーうん、それはもう間違いなく惚れてるな!!」
(は?)
こんなバカでも分かる事案も分からないコイツは本当に生徒会長なのかと疑問が脳を埋め尽くした。いや、コイツが生徒会長だったわ。
「いいか!女ってのは素直じゃない生き物なんだ。常に真逆の行動を取るものと考えろ。つまり!その一見義理に見えるチョコも!?」
「逆に本命!?」
(いやないだろ、その理論だったら今年のバレンタインに歌姫先生が五条にチロルチョコ郵便で送りつけたアレも本命扱いなの?あれ?ひょっとして白銀会長って恋愛面に関しては五条と同じ?)
黎人の頭に最悪の想像が浮かび上がり、どこか胃がキリッとする感覚に駆られた。
「だけど、彼女にその気なんてないと思います。こないだも、彼女が居るかどうか聞かれたんですけど、友達に笑いながら、僕に彼女が居ないことを報告してて。からかわれてるだけなのかなと」
(そりゃねえよ。てか、こいつ結構まともだ。流石に白銀も無茶なことを言うわけーーー)
「お前、モテ期来てんな!!」
(ダメだった!!!!)
黎人、心の中で絶叫する。
「も、モテ期!?」
「田沼くん。よく、もう一度思い出してくれ。君を笑っていたと言う彼女と友人たちのことを。どうだ、聞こえて来るだろう?強がりで素直になれない彼女たちの君への本当の想いが。良いか。君は今、モテ期が来ているんだ!!」
「そんな、馬鹿な・・・・・・」
黎人の意識は飛びそうだった。どう考えようがそんなふうに考え付くのかが分からない。壁ダァンという謎の行動をし始めた白銀を尻目に黎人は結論付けた。
(もうやだ、勝手にしろよバカども•••)
本日の勝敗
白銀の勝ち(メンツを守ったのと、四宮を壁ドンでドキドキさせた)
「•••まぁ、告白する前とした後で印象変わるってのはよくあるから。そこの所気をつけろよ?」
「え、はい!!」
▲△▲△▲△▲△
週末、黎人の姿は実家に続く道路の坂道にあった。目の前の電柱の横に見慣れた人影が二つあった。
「お、久しぶりだな」
「よっ!兄さん元気そうだね」
中学2年生の妹、『家入
「潜入は順調ですか?兄貴ーー兄さん」
小学6年生の弟、『家入
「・・・お〜?どしたんだ明星?言えよ〜"兄貴"ってさぁ?」
「死滅回游の後から"兄さん"呼びになっちゃって〜」
「しかも一人称"俺"だったのに、"僕"にしちゃって〜」
「「可愛いな〜この野郎〜」」
ニヤニヤした兄と姉に指摘され、明星は顔を真っ赤にした。
「うっ、うるさいです!!ていうか、何で僕たち集められたんですか?」
彼らを召集させたのは彼らの母だった。
「確かに・・・兄さんひょっとして、母さんの秘蔵日本酒コレクション盗んだ?」
「いや。というかお前、母さんの化粧品借りパクしたじゃん。それじゃね?」
「あ、アレか・・・てか明星が母さんお気に入りのワイン破壊してたよね?」
「あ!?あれ姉さんも関わってるじゃん!!」
「あぁ、明星がワイン頭から被って正座させられてたアレか。でも高級プリンで怒りは収めたはず・・・神のみぞ知る、か」
黎人の実家に着き、中に入るとリビングのテーブルに座る家入硝子がいた。
「やっほ〜母さん。それでなんの用?」
「おかえり。とりあえず座りな」
3人が座ると、硝子は真新しい母子手帳とエコー写真を机の上に置いて、にっこりと笑った。
「私、妊娠した」
「「「は????」」」
家入三兄弟は猫ミームになった。
じゅじゅさんぽ
パンダ「最近、みんなにぬいぐるみ扱いされるんだけど」
乙骨「誰に?」もふもふ
パンダ「まず憂太だろ?棘、真希、悠仁、野薔薇、恵、加茂、西宮、三輪、幸吉、綺羅羅、秤、建人、硝子、悟、鹿紫雲、日車、脹相、九十九、あとは色々」
乙骨「結構多かった」もふもふ
パンダ「触られすぎるとハゲーー「マジ!?」