リア充達
『カンパーイ!!』
集会所。
そこはハンター達が狩りと出会いを求めて集まる場所。
普段からハンター達で賑わっているが、今日は一段と賑わっていた。
その理由は
「ダレン・モーランを倒した我らが女神に乾杯!」
緊急クエスト、古龍であり天災であるモンスター、ダレン・モーランの討伐。
この街、バルバレの近くに突如として現れた超巨大モンスターであるダレン・モーランに街には避難勧告が鳴り響き、多くの市民が逃げ惑う中、ハンター達は船に乗り、多くのハンター達がダレン・モーランに挑んだ。
死んだ者もいた。
しかし、その中で生き残り、古龍の討伐と街を守ることに成功したも者は、歓喜に満ち溢れ、報酬金で戦友たちと共に集会所のありったけの酒をを飲み続けていた。
そして一際目立っている少女こそ、今回のダレン・モーランの討伐で活躍したキリン装備の少女。
彼女こそ最前線でダレン・モーランに立ち向かい、トドメを指した今回のMVP。
普段からこの集会場でも1目置かれ、次期G級との声も名高い。
皆が少女に拍手喝采、言葉で表せるありったけの賞賛をした。
そんな中、集会所の片隅でポツンと1人座りながら酒のつまみで用意された豆を食べている俺。
「死ねリア充どもが」
俺こそ世間では賞賛や憧れの目を向けられる存在であるG級ハンター。
そう、G級ハンター最強と名高く、モンスター達に恐れられる【番犬】ダンテとは俺の事よ。
絶賛狩友募集中。
「口が悪いですよ」
「俺だって古龍ぶっ殺したのに!」
「森林に突然現れたクシャルダオラの討伐、お疲れ様です」
「俺はもっとたくさんの人に賞賛されたいんだ」
「···············チッ」
「ア、すいません、調子乗りました」
俺の態度に怒りを露わにする受付嬢に、俺は先程までのリア充共への嫉妬や怒りがスンッと消えてなくなり、それ以上の恐怖によって塗り替えられた。
「そんなにいいものなんですか?"アレ"が」
受付嬢が指さす方を見る。
「ほれイッキ!イッキ!」
大きなジョッキに入った酒を一気飲みする大男達。
それを見てテンションを上げている外野のハンター達。
「俺が憧れてるのはそっちじゃなくてあっち」
そう言って俺は指を指す。
「あ、あのさ」
「何よ」
「この後一緒に飲まない?」
「···············あんたの奢りよ」
「う、うん!」
そこにはレイア装備とレウス装備の上位ハンター達のやり取り。
この後レイア装備の娘が酔って介抱しなさいとか言ってマイハウスに言って交尾するに決まってる。
「俺もあんなリア充になりてぇ!そして交尾してぇ!」
「とりあえず死んでください」
受付嬢がまるで汚物を見るような目になっている。
「なんで誰も俺を崇め奉らないんだ」
「あなたの様な下半身で生きている男が慕われるとでも?」
「男はみんな下半身で生きてんだよ!」
俺はそう言いながら、受付嬢に食べていた豆の代金とクエストを渡した。
「第三王女からの依頼ですか、良くやりますね」
「もしかしたら王女が俺の働きぶりに惚れてくれるのを信じてる」
「第三王女がいちいちハンターを気にかけるとでも?」
受付嬢は現実を突きつけながらクエスト用紙に受領の印を押した。
「G級個体のディアブロスとディアブロス亜種の捕獲ですか。相変わらずふざけた内容ですね」
「ふっ、このクエストで俺はボッチを卒業する」
「何言ってるんですかあなた」
「この二体は恐らく番だ」
「はぁ··········」
「つまりこの二体のモンスターを知れば俺もすぐに番を作れ───」
「一回死ねよ」
そう言って受付嬢は俺にクエスト用紙をぶん投げた。