「なぜ俺には仲間が居ない」
「だってご主人怖いにゃー」
「俺のどこが怖ぇんだよッ!?」
「··········」スッ(鏡
「ウワッ、何こいつ怖っわ」
「そう言うことにゃ」
砂漠でオトモアイルーであるタイヤキと、G級狩人ダンテがコントをしている中、目の前でディアブロスの首を串刺しにするディアブロス亜種の瞳に二人が写っていた。
おそらくつがいと思われるディアブロス通常種を串刺しにしているディアブロス亜種。
ディアブロスには群れを成す生態はなく、ディアブロス自体が縄張り意識がとても激しく、気性も荒い。
同種同士での縄張り争いは日常茶飯事と言ってもいいだろう。
そして雌であるディアブロスは、繁殖期になると自身の気性の荒さを周囲に知らしめるために堅殼を黒く染める。
要はヒステリック状態のディアブロスという事だ。
おそらく交尾を終わらせ、腹に子供を孕んだが、縄張り意識が通常時よりも格段に上がっているディアブロス(♀)がヒステリックでディアブロス(♂)を殺したのだろう。
ギャルゲふうに言うと、好感度0の状態のヒロインの家に入ろうとしてぶち殺された感じだ。
「君は美しい!俺の番にならないか?」
「運び屋アイルー呼ぶかにゃー?」
「もうこの際リア充になるためなら人外で良いかなって」
「目がマジにゃ」
かつてラオシャンロンと単騎(ソロ)で戦う日の前夜の時と同じ目をしているダンテにドン引きしているタイヤキ。
そうこうしてるうちに、こちらを向くディアブロス亜種。
右足で数回砂を蹴ると、頭部を高々とあげ
グオオオオオオオオオォォォオオオォッッ!!!!
鼓膜を破らんばかりの咆哮。
大地が揺れ、声だけで体が吹き飛ばされそうになる。
流石、古龍と同等レベルの危険度を誇るモンスターは格が違う。
身体に見られる幾つもの歴戦の傷。
この個体はおそらく相当な数の修羅場をくぐり抜けた、この砂漠の主だろう。
何より目を引くのはその大きさ。
おそらく通常種のメス個体より一回り以上デカイ。
歴戦種として見て間違いない。
「てかさ、ディアブロス(♂)死んでるしクエスト失敗じゃね?」
「あくまで捕獲は王女のわがままで、ギルド側としては討伐でもいいそうにゃー」
「へー」
そうこう喋っているうちに、その巨体に似合わぬスピードで突進してくるディアブロス亜種。
しかしダンテは焦ることなくハンマー、古龍ラオシャンロンの大爪によって作られたドラゴンデストロイの最終強化版、ダークバニッシャー3の持ち手にゆっくりと手をかけ。
「そおぉいッ!!!」
まるでソフトボールをバットで打ち上げる様に、ディアブロス亜種の頭部をかち上げた。
「タイヤキ!」
「了解にゃー!」
そう言ってタイヤキはすぐさま大タル爆弾Gに火をつけ、かち上げられ、上をむくディアブロス亜種の頭部に大タル爆弾を投げつける。
頭部に当たる直前で大タル爆弾Gは弾け、ディアブロス亜種の頭部を黒煙が包む。
ドォォォォォンッ!!!
そのまま巨大な身体は数度揺れると、そのまま砂漠に倒れる。
すかさずダンテはダークパニッシャー3を頭部に叩きつけ、ディアブロス亜種の大角を叩き折った。
ディアブロスを象徴とする大角は5m先まで飛ばされ、そのままズンッと砂漠に刺さる。
ディアブロス亜種はすぐに頭部を乱暴に振り、ダンテを振り払おうとする。
ダンテはすぐに後退すると、続いてタイヤキがディアブロス亜種が起き上がろうとするタイミングを見計らい、落とし穴を設置した。
ディアブロス亜種は立ち上がろうと足に力を込めた途端、落とし穴によって下半身が地面の底へと落とされ、再び身動きが取れなくなる。
「決めるぞ!」
「はいにゃッ!」
ダンテは渾身の一撃をディアブロス亜種の頭部に2、3発当て、ディアブロスは脳震盪による混乱を起こし、そのまま上半身が脱力する。
更にタイヤキの鬼人笛による身体強化、間髪入れずタイヤキのビーストモードによる自身の強化でディアブロス亜種の重殼を砕き破壊する。
それに続いてダンテは更に反対のディアブロス亜種の大角を破壊する。
「オオオオォォッッ!!!!」
「ギニャアアアァッッ!!!!!」
1人と1匹の渾身の一撃をディアブロス亜種の眉間に叩き込み、ディアブロス亜種の頭蓋が砕け、タイヤキの爪がディアブロス亜種の眉間に深く突き刺さっていた。
それと同時に、ディアブロス亜種は痙攣しながら、そのまま動かなくなる。
「討伐完了だな」
「お疲れ様ですにゃー」
そうして俺はこちらを見ている龍歴院の気球にクエスト完了の合図を出した。