リア充に憧れて   作:荒北龍

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【双星】の崇拝

 

 

 

 

「ウケッ!ウケケケケッ!」

 

「この人がG級でもまだまとも枠…………?」

 

【双星】レッド=シクラ。

かつて突然現れたバルファルクの特殊個体【奇しき赫耀】バルファルクを討伐した双剣使いのG級ハンター。

かつてはG級ハンターの中でも問題のあるハンターとして知られていた。

彼は金でしか動かない。

 

ハンターになる者には様々な理由があるが、そのほとんどが金目当ての者が多い。

レッドもその中の1人であった。

そしてそれが理由で滅んだ街は多くある。

ギルドの要請も「金が少ない」「見合っていない」との理由で蹴ることもしばしばある。

そして街が滅び、その責任を問われた時、決まって

 

───ならなぜ金を積まなかった?金と人の命、選んだのはお前達だ。

 

───金を積めば俺は助けたが、それをしなかったのは、お前たちが人命より金の方が大事だったからだろう?

 

───死んだヤツらの価値を決めたのはお前達だ。

 

そんな問題のあるハンターであるが、比較的他のハンターと比べ話の通じるG級ハンターではあった。

何せ金を積めばどんな高難易度クエストも受注する、言えば扱いやすいハンターではあった。

 

しかし少し前、彼は変わった。

彼は金に全く興味をなくし、突然【天使様ガチ恋ファンクラブ】と言う頭痛がするようなファンクラブを立ち上げ、【天使様】とよばれる者を信仰し、各地に回って布教するようになった。

その際にも村や街の復興の為に多額の資金を自身のポケットマネーから出し、無償で街や村の復興を手伝う事までするようになる。

かつての【双星】ならばありえない行為だ。

 

そしてそんな聖人である彼を慕い、彼の言う【天使様】を信仰する者は増え、今では1万人規模の宗教とかしていた。

 

 

 

───あぁ、天使様………………。

 

この世の全ては金だ。

俺がハンターになったのは金が貰えるから。

そして俺にはハンターの才能があった。

正義や偽善で人の腹は満たされない。

金がなければ人であることすら否定される。

 

俺がモンスターを狩るのは、英雄になるためでも、崇高な理由があるからでもない。

 

金の為だ。

 

割に合わないと蹴った超大型古龍の討伐依頼。

他のハンター達は自分たちには無理だと逃げ出し、俺に縋るやつもいた。

俺には関係ない。

たとえこの街が滅ぼうが、大量の人間が死のうが、俺には関係ない。

 

俺は割に会う仕事以外をする気は無い。

そう思っていた時、”彼女”は現れた。

 

───例え止まりたくても、私は止まらない。

 

───皆が私を英雄と呼ぶ限り、私は皆の英雄です。

 

───どんなに怖くても、無理でも、辛くても、前に進むしかない。

 

───私の憧れ、救ってくれた【英雄】がそうだった様に、私もそうでありたいから。

 

街の人間が逃げ惑い、同じハンター達ですら逃げ出す中、”彼女”はモンスターに向かって進み続けた。

そして彼女は自分が英雄であることを証明した。

 

武器を掲げ、勝利を持ってして自身が英雄であることを証明して見せた。

俺はその時の彼女を見て、思った。

 

───…………天使様

 

彼女は天使様なんだ。

空から生まれ落ちた、迷える人々を救うために生まれた天界の使者。

俺の様な背徳者を導く為に、正しい道をあゆむよう導いてくれるために現れた天使様なんだ。

 

英雄の力を持ちながら、その力を持て余している俺の姿を見かねて、俺の為に英雄の力の本当の使い方を、自身の力でもってして教えてくれたんだ。

俺はその日から各地を飛び回り、救いを求める人々に手を差し伸べ、天使様の素晴らしさを語り、天使様を布教した。

そして立ち上げたのが天使様ガチ恋ファンクラブ(不許可)。

 

あぁ、天使様。

可愛らしくて美しくて強くて神々しい。

俺の前に現れた救いの天使様。

 

俺は天使様のおかげで変わることができた。

皆から慕われ、お金では買えないものを手に入れることができた。

きっとこれが幸せなんだ。

 

これも全て天使様のおかげだ。

あなたは今どこで何をしているのですか?

 

─── 実は副団長の話では【番犬】は弟子を取ったらしく、今回のG級会議には出れないかもしれないといとの事で。

 

───弟子?誰を弟子にとったんだ?

 

───【最優】のアザミ、アザミ=スイセンだそうです。

 

あぁ、天使様…………貴女は何故こんなにもお優しいのですか?

あんな"英雄もどき"、英雄になれなかった出来損ないの異常者にまで手を差し伸べるのですね。

あの男は貴女が憧れた、貴女を救ったと言う英雄から最も遠い存在。

あなたが関わってはいけない存在だと言うのに。

 

俺は天使様があの下半身脳の犬コロ風情の弟子になった時、絶望した。

あの男は可愛いと思った女に見境なく交尾を申し込む変態だ。

 

きっと優しい天使様なら何度もお願いされれば断ることもできず…………

 

───ごめんなさい、私はもう…………彼のメス犬になってしまいました。

 

───ごめんねぇ、コイツはもう俺の番だからw

 

「」(ゴキメキメキメキッ!グチャッ!!)

 

(頭から聞こえては行けない音が聞こえる…………)

 

「フッキャッキャッキャ!!コロスゥッ!ブッコロオ゛ォ゛スッ!」

 

(転職しよ)

 

突然武器を振り回しながら、血涙を流し笑い狂う【双星】を見て、明後日の方向を眺めながら次の職は何処にしようかと考えるギルドナイト。

後日辞職届けを出すも普通に断られた。

ギルドナイトは鬱病を診断された。

 

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