リア充に憧れて   作:荒北龍

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───オレは貴方に憧れた。





【伽藍堂】の羨望

 

 

 

 

「終わりか・・・・・」

 

「こ、これが【伽藍堂】のエリオント・・・・・、エリア一帯のモンスターを全て殺し尽くすなんて・・・・・」

 

ギルドナイト副団長代理、オウカは目の前の光景が信じられずにいた。

たった一日で地図に記されているエリアのモンスターを全て狩り尽くした目の前の男の姿に、恐怖すら覚える。

モンスターの返り血で全身を汚し、それでも尚退屈そうに空を眺めている男。

 

金色の髪の毛に、黄金の瞳。

女と見まごう程の美しい顔立ちに、細い身体。

まるで見とれてしまいそうなほどの美しいその容姿。

しかしその影に見える、本能を刺激するような恐怖心。

 

エリオントはかつて【伽藍堂】と呼ばれたG級ハンターの一人息子であり、とある狩で引退してしまった元【伽藍堂】から、その2つ名を引き継ぎ、空いた穴を埋めるようにG級ハンターとして活躍している。

 

彼は1度狩りに出れば、エリアのモンスターを殺し尽くすまで戦い続ける狂戦士であり、ギルドは彼の扱いに非常に困っていた。

下手をすれば生態系を壊しかねない狩の仕方はギルドナイトには到底看過できない事であるが、そんなこと言って暗殺しようものならギルドナイト本部の人間全員が殺されかねない。

口が裂けても「いい加減にしないと殺すぞ」などと文句が言えるはずもない。

 

結局ギルドナイトは彼を常時見張りながら、彼の動向を逐次報告し、クエストに出る度に【伽藍堂】を説得している。

 

そんな誰もが見惚れるような美形のイケメンで狂戦士でもあるエリオントであるが、最近本当に狂ってしまったのではないかと噂されている。

 

理由としては

 

(・・・・・何故ふんどし?)

 

装備が何故か常時ふんどしなのだ。

とある変態常時発情状態のふんどしにレイスSヘルムを被った変態の顔がチラついてしまう。

 

「それで、オレに何の用だ?」

 

「1ヶ月後のG級会議に参加してもらいたく、私はその案内兼見張り役です」

 

「・・・・・・」

 

長い沈黙。

顎に手を当て、まるで何かを考えるエリオントの姿に、オウカの全身に緊張が走る。

相手はG級。

逃げられれば捕まえるのは不可能だ。

ここは素直に「はい」と答えて欲しいのだが、一体何を悩んでいるのか。

 

【伽藍堂】の考えている事など、一介のギルドナイトにわかるはずもない。

 

(・・・・・)

 

───死なないためのアドバイス?んなもんねぇよ。

 

───G級だろうと下位だろうと俺達はハンターだ。

 

───死ぬときゃ死ぬ。

 

───え、サインが欲しい?その顔でラブラブ天国読んでんの?

 

(かっこよかったなぁ・・・・・)

 

難しい顔をしているがこの男、【番犬】の書くイチャラブ天国の大ファンであり、ハンターとしては憧れ、尊敬している。

最近イチャラブ天国の新刊が出ていない心配と、またひと目会ってみたいという願いがあり、しかしダンテ大先生に会うのは少し恥ずかしいというか、緊張する。

 

なのでG級会議にはどんな服装、どんな髪型で行こうかと悩んでいるのだ。

 

(今何してるだろ)

 

そんな感じでまる3日その場で考え続け、ようやく何を着ていくか、どんな髪型で行くかを決めた【伽藍堂】はようやく頷くが、その時には既にオウカは失神していた。

3日の緊張と恐怖による失神。

 

オウカは精神を病んだ。

 







過去編書いてます。

https://syosetu.org/novel/396056/
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