私はG級ハンターになる為なら死ぬ覚悟も、この身体を師匠に差し出す覚悟もできていた。
【番犬】の噂はよく聞いている。
だがその殆どはいい話ではない。
モンスターを殺す為ならば、自身と組んでいたパーティーメンバーを囮にすることや、モンスターの足を止める為に村一つを潰し、それが原因で村の住民が全員犠牲になった話。
他にも初対面の女性に何故か性行為をせまってくるなど、悪い噂が後を絶たない。
だが、これは裏を返せば師匠はG級の中でも1番人と関わっていることを意味する。
他のG級ハンター達は滅多に人前に現れない。
その理由のほとんどは1年のほぼ全てをモンスターを殺すことだけに費やしているからだ。
ギルドの指示や、金や、権力のためでは無い。
狩りが好きという、ただそんな単純な理由だ。
故にG級ハンターの噂はまるでおとぎ話のようなものばかりで信憑性など無いに等しい。
最初は誰でも良かった。
初めて会ったG級ハンターの人に弟子入りを申し込もう。
それがたまたまダンテ・ヒガンという男だっただけ。
だけどその思いはあの日、初めて師匠に出会った時、私は心の中で「この人のようになりたい」と、本気でそう思った。
「これから1週間、その姿でハンターナイフだけで生き延びろ」
「ぴぇ?」
もの凄い変な声出た。
遡ること少し前。
▷▶︎▷
遺跡平原。
赤い地質と灰色の地質の岩が混在しており、その中にはかつて人々に造られたと思われる遺跡の破片が土に埋もれ、平原ではケルビやアプトノスが平原の草を食べている。
「···············次のラブラブ天国の内容は美少女の弟子と師匠の野外プレイものかぁ」
「あの、何言ってるんですか?」
『ラブラブ天国』とは俺が執筆している娯楽小説(R18)だ。
人気小説『狩の心得』に比べれば俺の小説はあまり人気は無いが、そこそこのマニアに人気というレベル。
だがそんなことは気にしない、俺は好きだから書いているんだ。
そして弟子よ、なぜそんなに青ざめながら距離をとるのだ。
「なんだ、ラブラブ天国を知らないのか?」
「いえ、そこではなくその後の···············」
「あぁ、あくまでそれは設定だ。それにラブラブ天国はフィクションだから現実の人とは全く関係ない、安心しろ。ただその弟子がアザミそっくりなだけだから」
「何故!?」
「やっぱり実際のモデルがあった方が書きやすいから」
「え?え?」
「何そんなに驚いてんだよ」
顔を赤くしながら、目の前の男の言ってる事があまり理解できないアザミ。
その目はまるで信じられないものを見る目だった。
「えっと、つまり師匠は私を、その··········えっちな目で見てるってことですか?」
「何馬鹿なこと言ってんだ」
「そ、そうですよね、師弟関係でそんなやましい事···············」
あくまで小説はフィクションであり、妄想。
師匠という立場でありながら弟子をそう言った目で見ているわけが無いとホッと胸を撫で下ろし安心したのもつかの間。
「バリバリ見てるぞ」
「えぇ!?」
「なんなら昨日の夜はアザミの妄想でお世話になった」
「は、はいぃ!?」
とんでもないカミングアウトにアザミは体を押えながらダンテから数歩後ずさる。
「いい反応速度だな」
感心しているダンテとは裏腹に、ガタガタと震えるアザミ。
ダンテは腕を組みながらゆっくりと歩を勧め、アザミとの距離を近づけ、それと同時にアザミはさらに距離をとる。
アザミが下がり続けると、そのままキャンプのベットに躓いてそのまま倒れ込むが、ダンテの進む足が泊まることは無い。
そうして目の前まで来たところでダンテは足を止めた。
「それじゃぁまずはその装備を脱いでもらおうか」
「···············これが貴方のやり方ですか」
キッと睨むアザミに対して、ダンテは「ふんっ」と鼻で笑う。
「そうだ。G級になりたかったら俺に従え」
「··········はい」
アザミは下唇を噛みながら、自身の装備であるキリンSシリーズに手をかけ、一つ一つゆっくりと外していく。
まさか目の前の男がこんな最低で低俗な男だったとはと思いながら、自身の顕になっいく身体に、恥辱で顔を赤くしながら、下着同然であるインナーに手をかけた時、ダンテは口を開いた。
「これから1週間、その姿でハンターナイフだけで生き延びろ」
「ぴぇ?」
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