個性【ボイスデーモン】のヒーローアカデミア 作:ねぎトロ丼ねぎ多め
合宿二日目 AM5:30
「お早う諸君」
早えよ。まだ6時にすらなってねぇ。周りの奴らも半分くらい眠ってる。
「本日から本格的に強化合宿を始める。今合宿の目的は全員の強化及びそれによる"仮免"の取得」
仮免…?あぁ、ヒーロー免許みてぇなやつか。確かねじれが持ってたな。
「具体的になりつつある敵意に立ち向かうための準備だ。心して臨むように。…ということで」
そう言いながら相澤は爆豪に体力テストの時のボールを投げ渡す。
「爆豪、こいつを投げてみろ」
「……体力テストの」
「前回の…入学直後の記録は705.2m…どんだけ伸びてるかな」
周りの奴らが囃し立てる。
「んじゃ、よっこら…くたばれ!!」
FABOOOOOM!!!
(((…くたばれ……)))
体力テストの時と同じように、爆破の勢いでボールを飛ばす。
ピピッ…
「…712.5m」
「!?」
「あれ?思ったより……」
…オレも1kmはいくと思ってたが、体力テストの時と大差ない。
「約三ヶ月間様々な経験を経て確かに君らは成長している。だがそれはあくまでも精神面や技術面。あとは多少の体力的な成長がメインで"個性"そのものは今見た通りそこまで成長していない。だから——-」
「今日から君らの"個性"を伸ばす。死ぬほどキツいがくれぐれも死なないように……!」
気色の悪い笑みを浮かべる相澤。…自分で言ってるが、本当に死人が出るんじゃねぇか?
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「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!」
「いてえええええええ!!!」
「クソがぁぁぁぁぁ!!!!!」
金髪のババァ…ピクシーボブが作り上げた特訓場にて各々が己に課された特訓をしている。側からみたら地獄でしかない。そんな中オレに課された鍛錬は…
「ウオオオオオオオオオオオォォォォォ!!!!!!!」
ただひたすらに大声を出し続けることだった。なんでも喉と呼吸器を鍛えるためらしい。
「ゼェ……ゼェ……!!」
本来ならこれぐらいの大声を出したぐらいじゃここまで体力を持っていかれることはない。原因はコイツだ。
「チッ…!邪魔くせぇ……!!!」
特訓を始める前に相澤につけられた顔の下半分を覆う黒いマスク。コイツには呼吸を制限する機能がついているらしく、お陰で通常時の半分も息を吸えない状態で普段通り全力の大声を出さなきゃならねぇ。このままいったら酸欠まっしぐらだ。
「…よし、爆音!大声を出すのはもういいぞ!」
「……やっとか……!!」
かれこれ2時間近くコレを繰り返してたせいでそろそろ喉が潰れそうだ。とにかく一旦休憩…
「次はそのマスクをつけた状態で筋トレだ!虎さんとこ行ってこい!」
「………………」
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PM 4:00
「さァ昨日言ったね『世話焼くのは今日だけ』だって!」
「己で食う飯くらい己で作れ!カレー!」
「「「イエッサ……」」」
ババァ共が声を張り上げるが、返ってくるのは疲労しか感じられない声のみ。全員死屍累々といった様子だ。かく言うオレももう喉と呼吸器が限界を迎え、声が一切出ない。
「アハハハハ、全員全身ブッチブチ!だからって雑なネコマンマは作っちゃダメね!」
「っ!確かに…災害時など避難先で消耗した人々の腹と心を満たすのも救助の一環……!!さすが雄英、無駄がない!世界一うまいカレーを作ろう!みんな!!」
「「おぉ〜〜…」」
飯田が都合が良すぎる解釈をしたことで僅かだがクラスに活気が戻ってきた。
「轟ー!こっちにも火ちょーだい!」
「爆豪爆発で火ィつけれね?」
「つけれるわクソが!!」
BOOM!
「あぁ!積んだばっかの薪が!!」
「変に対抗心燃やすから……!」
ようやく多少だが学生らしくなってきたな。
「皆さん!人の手を煩わせてばかりでは火の起こし方も学べませんよ」
「……(チャッカマン……?)」
「お前道具使っといて何言ってんだ」
「そうだよヤオモモ……てか今の何!?爆音!?何があったの!?」
「なんか訓練で喉が潰れてるらしいよ」
「えぇ……大丈夫なの?」
「飯食って寝りゃ治る。なんならババァ共曰く再生する時により強固になるらしい」
「へぇー……」
まぁそんなこんなでカレーが出来た。
「「「「いただきまーす!」」」」」
全員野生に戻ったかのようにカレーにがっつく。
「店とかで出たら微妙かもしれねーけどこの状況も相まってうめーー!!!」
「言うな言うな!ヤボだな!」
「ヤオモモ爆音程じゃないけどがっつくねー!」
「ええ、私の"個性"は脂質を様々な原子に変換して想像するので沢山蓄える程沢山出せるのです」
(……なんかアレだな)
「うんこみてえ」
「っっ…………!!?」
「瀬呂ぉぉぉ!!!!」
「ぐわぁぁぁ!?」
オレが思ったことと全く同じことを言った瀬呂が耳郎にぶん殴られる。思っても口に出すなよ。
「チッ…!何が"個性"だ…本当…下らん…!!」
「…………」
そう言ってクソガキは森の奥の方へ歩いて行った。
「……僕ちょっと行ってくるね」
その後を追うように緑谷がカレーの入った皿を持って森の奥の方へ歩いて行った。