個性【ボイスデーモン】のヒーローアカデミア 作:ねぎトロ丼ねぎ多め
更新遅れました。
三日目 昼
「があ゛っっ!!」
DOOOOOOOM!!!!
「ハァ……オエッ!!!」
三日目もあいも変わらず"個性"の強化に励む。昨日からつけられっぱなしのマスク加えて今日は身体中におもりを付けられている。そろそろ肺と喉が本気で潰れそうだ。
「補修組、動き止まってるぞ」
「オッス…!!」
補修組は昨晩の補修がよほどキツいのか全員キツそうな顔をしている。
「ねこねこねこ…それより皆!今日の晩はねぇ…クラス対抗肝試しを決行するよ!しっかり訓練した後はしっかり楽しいことがある!ザ!アメとムチ!」
……それをやる気力と体力が残される程この地獄の訓練は甘くねぇと思うんだがな。
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「爆豪くん包丁使うのウマ!意外やわ…」
「意外って何だコラ包丁に上手い下手なんざねぇだろ!!」
晩飯の時間、またしょうもないことで爆豪が麗日にブチキレ散らかしている。
「皆元気すぎ…だよな爆音……」
「…………」コク
切島の言葉に無言で頷く。
「あれ?爆音どうした?何で喋らねぇんだ?」
「昨日以上にハードな訓練のせいで完全に喉が潰れたんだってよ。もう一言も喋れねぇんだって」
「えっ!?…補修がある分、俺達が一番キツイと思ってたけど……爆音の方がよっぽどだな」
「君たち手が止まってるぞ!!最高の肉じゃがを作るんだ!」
「へーい!爆音、これ切っといてくれ」
飯田に注意されて駄弁るのを止め、肉じゃが作りに再び取り掛かった。
「…さて!腹も膨れた、皿も洗った!お次は……」
「肝を試す時間だー!!」
テンションが上がったのか、芦戸が大声をあげる。
「その前に心苦しいが、補習連中は…これから俺と補習授業だ」
「ウソだろ!?」
「すまんな。日中の訓練が思ったより疎かになっていたのでこっちを削ることにした」
「うわああ!!堪忍してくれえ試させてくれええ!!」
……補修組の奴らが相澤に捕縛されてコテージの方に引きずられていった。
「…はい、というわけで脅かす側先攻はB組。A組は二人一組で3分置きに主発。ルートの真ん中に名前を書いたお札があるからそれを持って帰ること!」
連れて行かれた補習組をよそに、ピクシーボブが肝試しのルールを説明する。
「二人一組…あれ?20人で5人補習だから……一人余る……!」
そう言った緑谷が一人で周るハメになっていた。
「ねぇ待って、ウチのペア爆音なんだけど。脅かす側よりこっちの方が怖い」
「……うん。まあその…ドンマイ」
……んだとこの耳が。
10分後
「うらめし……いやぁぁぁぁ!!?」
「ばあああああああ!!?」
「助けてぇぇぇぇ!?」
……オレの顔面を見るたびにB組の奴らの方が怖がってるんだが。
「夜中の森で爆音見たらそりゃ誰だって泣くって…」
オレの隣で耳郎がぼやく。
「てかさ、なんかさっきから焦げ臭くない?」
「…………?」
言われてみれば、何か燃やしたような匂いがする。森の奥の方から煙も来ている。
「……ッッ!!」
「えっちょっ何!?んむ……!!」
咄嗟に耳郎の口と鼻を手で覆う。ほんの一呼吸……それだけしか吸い込んでいないが、オレの直感が告げている。コイツはアウトだと。
『皆!!敵二名襲来!他にも複数いる可能性アリ!動ける者は直ちに施設へー会敵しても決して交戦せず撤退を!!』
……ビンゴ。
「今のってマンダレイの…?というか敵……!?ここはバレてない筈じゃ…!?」
「喋るな。無駄にこの煙吸うだけだ」
飯を食ったことでほんの僅かだが戻ってきた声を使い、耳郎に警告する。
「とりあえずココを移動すんぞ」
「うん…」
十数分後
「ねぇこれウチの勘違いかな?なんか煙濃くなってきてない?」
「…………」
多分道間違えたな。
「……逆に考えろ。こんだけ煙が濃いっつうことは……煙出してる奴が近くにいるっつうことだ」
「っ!マンダレイの言ってたこと忘れたの!?極力戦闘を避けて早く施設の方に———-」
『A組B組総員!! プロヒーローイレイザーヘッドの名に於いて、戦闘を許可する!!!』
「……だ、そうだが?」
『敵の狙いの一つが判明!! 生徒の「かっちゃん」と「爆音くん」!「かっちゃん」と「爆音くん」はなるべく戦闘を避けて単独では動かないこと!!二人ともわかった!?』
「………………」
なんでだよ。
「ホラ、てかアンタ名指しじゃん!早く逃げ——-んむっ!?」
「……どうやらそう言うわけにはいかないらしいぜ」
オレが指さす方向の先には、ヤケにチビなガスマスクをつけた学ラン姿の敵がいる。
「お前はそこで待っとけ」
「ちょっ爆音……!!」
なけなしの声を使い、"ジェットボイス"を発動させて気づかれないように学ラン野郎の後ろに回り込み、抵抗されないように腕を掴む。
「っ!?なんだお前———」
ボベキッッ!!!!
「っ!?ぎゃぁぁ!!?」
そのまま腕を握りつぶした。
「僕のっ僕の腕がっ……!?」
抵抗されないうちに学ラン野郎の首を握り潰すようにして締め上げる。
「っ〜〜〜!!?」
少しの間ジタバタともがいていたが、ほんの十秒ほど経つとぐったりとして動かなくなった。
「ちょっ!爆音、まさか殺し———-」
「なわけねぇだろ。気絶してるだけだ」
「てか爆音なんか声小さくなってない!?」
何か情報でも持っていないかと学ラン野郎の服の中を漁ると、内ポケットの中から拳銃が出てきた。
「っ!これって……」
「あれ?爆音じゃねえか」
木々の間から鉄哲と初日に物間を気絶させたオレンジ髪の女が出てきた。
「っ!ソイツは……!!」
「コイツがさっきの煙出してた張本人で「クソッ!先を越されたか!」……え?」
鉄哲が何やらトチ狂った事を言い出した。
「先を越されたって…どういうこと?」
「お前たちA組にあって俺達B組になかったもの……それはピンチだ!! このピンチをお前らA組みたいにチャンスに変える!! 俺がヴィランを見つけ出してブッ叩く!!そう思ってたんだけどよ……ブベッ!?」
言い切る前に鉄哲の顔面を殴った。
「いってぇ!何すんだよ!」
「黙って聞いてりゃ何がピンチをチャンスに、だ…」
「爆音……?」
「いいか、オレたちは別に好きでお前の言うピンチになってる訳じゃねぇんだよ。突然何の拍子もなく、いきなり殺されそうになってんだよ」
「…………だけどっ!」
「それをなんだ?『お前らだけピンチがある』だと?命狙われたこともないようななまっちょろい奴が……」
鉄哲の頭を持ち、無理矢理立たせる。
「チョーシ乗ってんじゃねぇぞ…!!!」
「っ!!!」
……今のオレの声は恐らく普段の半分もないぐらいに小さいだろう。だが鉄哲にはキッチリ聞こえているハズだ。
「…………」
頭を離してやると鉄哲はへたりと座り込んだ。
「…悪かった!!お前達ばっか注目されてるから…何か結果を残したくて……頭に血ィ上ってた…!!本当にすまねぇ……!!」
「ケッ……わかりゃいいんだよ」
「ていうか早く施設の方に行った方がいいんじやない?爆音って確か狙われてるっぽいし…」
「そうだった……爆音、早く施設に…」
ズズズズズ……
「「「「っ!?」」」」
施設に向かおうと話し合っていると、突然黒いモヤがオレの背後に現れた。
「ターゲット一人目発見っと…」
そこから出てきたのは変な仮面をつけ、シルクハットをかぶったマジシャンのような男。
(誰だコイツ……とにかく応戦を「俺がもっと輝ける舞台に連れてったげるよ」
その男が手をこちらに向けた瞬間、オレの意識は闇に包まれるようにして消えていった。
文才が……文才が足りないぃぃ……!!