個性【ボイスデーモン】のヒーローアカデミア   作:ねぎトロ丼ねぎ多め

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神野事件〜仮免試験編
神野の悪夢!


 

 

「…………?」

 

目が覚めたら知らねえ場所にいた。動こうにも体中を椅子のようなものに縛り付けられているせいで身動きが取れない。

 

「お目覚めのようだな、爆音くんに爆豪くん。早速だが…俺の仲間にならないか?」

 

「っ!!」

 

「寝言は寝て死ね!!」

 

目の前にいるのはUSJん時の手まみれのヴィランと黒いモヤのヴィラン、それといきなりオレの目の前に出てきた手品師のようなヴィラン。それとコイツらの仲間と思わしき奴が数名。

 

「っ……!?」

 

隣に同じように拘束された爆豪を確認し、巻き込まないように音で攻撃しようとするが、なぜか声が全く出ない。よく見るとオレの口周りに訓練の時つけられたマスクのようなものが装着されている。

 

「おっと、無駄な抵抗はやめとけ。ソイツはドクターがお前対策に作った特注品……対象の声を完全に封じることができる」

 

(……クソッタレ共が…!!)

 

「まぁ落ち着いてコレでも見ろよ」

 

そう言って手まみれのヴィラン……死柄木はテレビの電源をつけた。

 

『この度——我々の不備からヒーロー科一年生27名に被害が及んでしまった事、ヒーロー育成の場でありながら敵意への防衛を怠り社会に不安を与えた事、謹んでお詫び申し上げます。まことに申し訳ございませんでした』

 

「これって……」

 

「雄英の謝罪会見だよ。お前らが俺たちに攫われたことに対する、な」

 

テレビの中では記者がスーツ姿の相澤に答えの分かりきっているような質問をしている。

 

「不思議なもんだよなぁ…何故奴らヒーローが責められてる!?奴らは少ーし対応がズレてただけだ!守るのが仕事だから?誰にだってミスの一つや二つはある!『お前らは完璧でいろ』って!?現代ヒーローっていうのは堅っ苦しいなァ、御二方よ!!」

 

死柄木が力説する。今もトカゲ頭がくっちゃべってるが……どの世界でも力が無いクセに口だけは一丁前の奴はいるもんだな。

 

「荼毘。二人の拘束外せ。」

 

「は?暴れるだろコイツら」

 

「いいんだよ、対等に扱わなきゃな。スカウトだもの。それに……」

 

ギロリ、とこちらを睨むように見つめる。

 

「この状況で暴れて勝てるかどうかわからないような男じゃないだろ?雄英生……!」

 

……荼毘と言われていたツギハギの男はオレ達に触れるのを嫌がり、結局トゥワイスと呼ばれる覆面の男がオレ達の拘束を外した。

 

「……あー…あー…」

 

よし。声は戻ってきてるな。

 

「……ここにいる者は事情は違えど、人に…ルールに…ヒーローに縛られ…苦しんだ。君たちならそれを———-」

 

BOOOM!!!!

 

「そらよっ!!」

 

「ぐっ……!!?」

 

くっちゃべってる死柄木の顔面に爆豪が爆破を叩き込み、怯んだ隙にオレが回し蹴りを横腹に入れた。

 

「っ……!!」

 

蹴りを入れた衝撃で死柄木の顔面に付いていた手のようなものが一つ外れ、死柄木はそれを血走った眼で凝視する。

 

「ハッハー、よく分かってんじゃねぇか爆豪!お前とは仲良くなれそうだぜ!!」

 

「ケッ!要するに『嫌がらせしてえから仲間になってください』っつうことだろ!?無駄だよ!」

 

爆破で威嚇しながら爆豪が続ける。

 

「俺はヒーローが勝つのに憧れたワケじゃねぇ… オールマイト・・・・・・が勝つ姿に憧れた!誰が何言おうがそこだけはもう曲がらねぇ!」

 

「……お父さん…………」

 

突然死柄木が訳の分からないことを呟きだした。

 

「!いけない、死柄木———ッ!?」

 

黒霧が死柄木の方に向かおうとすると、突如死柄木から周囲の全ての人間が思わず身構えるような殺気が発された。

 

「…お前らとは分かり合えると思ってた……」

 

「ねぇよ」  「ある訳ねぇだろ馬鹿」

 

「……仕方がない。ヒーロー達も調査を進めているんだ。悠長に説得してられないんでね……」

 

そう言いながら死柄木は顔面に手を付け直し、ゆっくりと砂嵐が映っているテレビに体を向ける。

 

「先生……力を貸せ」

 

 

「……良い判断だよ、死柄木弔」

 

「「ッ!!」」

 

テレビから禍々しい気配を感じ取り、オレとほぼ同時に爆豪が警戒体勢に入る。

 

「先生だぁ?テメェがボスじゃねぇのかよ、白けんなぁ!」

 

「結局は保護者に頼んのか?このタコ!!」

 

「……はぁ……黒霧、コンプレス。また眠らせとけ。コイツら人の話聞く気無いみたいだ」

 

「聞いて欲しけりゃ土下座でもしてみろよ!」

 

「もっとも……土下座する暇があるならなぁ…!!」

 

Knock Knock

 

「どーもぉ、ピザーラ神野店ですー」

 

オレと爆豪が敵共に飛びかかろうとした寸前、ドアがノックされた。

 

「……チッ!誰だこの状況でピザ頼んだ馬鹿は!今忙しいから後で——」

 

SMASSH!!!!!

 

荼毘と呼ばれていた敵がドアを開けようとすると、周りの壁ごとドアが吹っ飛ばされた。

 

「っ!アレは……!!?」

 

「先制必縛……!ウルシ鎖牢!!

 

「どわっ!?」  「きゃっ!?」  「ぬうっ!」

 

ぶち抜かれたドアから木のような物が入り込み、敵共を捕える。

 

「もう大丈夫だ、2人とも!なぜって?」

 

見覚えのある巨体、金髪、ヤケに濃い顔面。

 

「我々が来たァ!!」

 

「オールマイト……!!」

 

 

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