個性【ボイスデーモン】のヒーローアカデミア   作:ねぎトロ丼ねぎ多め

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神野の悪夢! 其の3

 

 

黒いモヤが消え、視界が開けた。

 

「…何処だここ」

 

周りを見渡しても見覚えのない…というかむしろ普通に生きているなら見ることが無いような謎の機械や真緑の液体で満たされたカプセルのようなものしかない。

 

「なんだこのカプセル……ッ!?」

 

カプセルの中には何とも形容し難い、ドス黒いモノが入っている。……だが何となくわかる。

 

「人間…!!?」

 

中央の方に今にも消えそうなほど薄らとだが顔のようなものがある。その顔は余程酷い目に遭ったのか、苦痛に満ちた表情をしている。こんなことやんのは……

 

オール・フォー・ワンあのクソ野郎か……ケッ、胸糞悪いな。早いとこんな気味悪い所出ていかねぇと……」

 

BEEEEEEE!!!!!

 

「うるせっ!?」

 

オレが出口を探そうとその場から動き出すと、突然辺りからバカデカい警報が鳴り響いた。

 

『監視システムより報告。研究施設ラボ内部に侵入者を感知しました。只今より警備システムを起動します』

 

「警備システムだぁ?」

 

放送が流れた次の瞬間、奥の方から爆発音のようなものが聞こえた。そしてそのまま何かが走ってくるような音が。

 

(……何か近づいてきてやがんな)

 

そう思って身構えていると、ソイツは姿を現した。

 

「ぐあぁじゅぶるる……!!」

 

「……なんだ、またニトロお前かよ。芸が無えな」

 

奥から出てきたのはまたしてもニトロ。またかよ、せめて脳無ぐらい配置しとけよ。ここ最近だけで3回は見かけてんぞ。

 

「シュッ!!!」

 

「うおっと…!」

 

考えなしに突っ込んでくるニトロ。

 

「んな動きはもう見飽きてんだ…よっ!!」

 

バキッッ!!

 

「ギャンッ!?」 

 

避けたついでにカウンター気味にガラ空きのニトロの脇腹に拳を叩き込む。この調子なら10分も…いや、5分もいらねぇかもな。

 

「とっととテメェを片付けてオール・フォー・ワンあのクソ野郎ブチ殺しにいかにゃならねぇんでな。とっとと片付けさせてもらうぜ…!!」

 

 

ーーーーーーーー

ーーーー

ーー

 

数分後

 

「……弱えな」

 

明らかに手応えがない。確かにそこらのヴィラン共と比べればかなり厄介だが、今まで戦ってきたニトロ共と比べると異常なまでに弱い。

 

「だからっつって手ェ抜く気なんざ微塵も無えがなぁ!!」

 

ニトロにトドメを刺そうと駆け出す。

 

「そらよっ!!!」

 

グシャッッ!!

 

「ギャア゛ア゛ア゛!!!?」

 

音を纏わせたオレの腕がニトロの腹を貫いた。

 

「汚ねぇな……っ!?抜けねぇ…!?」

 

腕を引き抜こうとしたが何故か抜けない。よく見ると腹に開けた穴が少しずつだが塞がっていっている。

 

「っ!テメェ……!!」

 

「カロロロロ……!!」

 

ニトロを見るとまるでオレを嘲笑うかのような顔をしている。

 

(…コイツ、再生系の個性隠し持ってやがったか…!!)

 

「しゃっ!!」

 

グサッッッ!!

 

「いって!?」

 

突如ニトロが指をオレの首元に突き立てた。

 

「テメェ、何しやが…る……!!?」

 

直後、オレの体を途轍もない激痛と全身の血液が沸騰したかのような高熱が襲った。

 

「ぬ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!???」

 

「シャッ!!」

 

ニトロはのたうち回るオレを気にも留めずに爪で追い討ちをかけてくる。

 

(クソ、意識……が———————)

 

オレの意識はそこでぷつりと途絶えた。

 

 

———————————————————————

 

オールマイトside

 

「SMASH!!」

 

「ふんっ!」

 

私とオール・フォー・ワンの拳がぶつかり合い、辺り一面に衝撃波が伝播する。

 

「!……ははははは!!」

 

「っ!何がおかしい!!」

 

私と命のやりとりをしている筈の宿敵は突如無邪気な笑い声をあげた。

 

「君の大切な教え子……爆音くんは何処に行ったかわかるかい?」

 

「……!」

 

「今はもう使っていないが、僕とドクターの共同研究施設さ。そこにニトロ……あぁ、君にはわからないか。脳無の一種を配置しておいたんだ」

 

「それがどうした!」

 

彼なら脳無を倒すことぐらい容易い。そんなこと奴ならわかりきっている筈…何が狙いなんだ!?

 

「そのニトロには【注射】という個性を持たせているんだ。……自分の細胞や血液を指を介すことで対象に投与することができるだけという本来ならどうしようもない個性だ。だがニトロの細胞には特殊な性質があってね」

 

奴が懐から小さな機械を取り出す。

 

「ニトロの細胞を普通の人間に投与すると…戦闘能力が上昇する代わりに身も心も異形に成り果てるんだよ」

 

「っっ!!!??」

 

奴が手の上にある機械から映像が写し出される。そこに写っていたのは、四肢がぐちゃぐちゃに変形した状態のつい先日失踪したプロヒーローだった。

 

「貴様ぁぁ!!!」

 

「おっと、危ない危ない」

 

私の拳を簡単そうに避ける。

 

「はは、君は相変わらず短気だね。…さて、話を戻そうか。ニトロの細胞にはちょっとした法則があってね。投与する対象の戦闘能力が高ければ高いほど投与後の戦闘能力の上昇値が大きくなる。そして、それに比例するかのように投与後は理性を失うんだ」

 

「……もし仮に並のプロヒーローを凌駕する戦闘能力を保有する彼がそんな細胞を投与されたら?」

 

「っ!!!そういうことか…!!だが私がそんなことをさせると思「そしてたった今、細胞の投与が完了したという連絡が入ったんだ」……!!!NOOOO!!

 

頼む…!爆音少年、無事でいてくれ!!

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