個性【ボイスデーモン】のヒーローアカデミア   作:ねぎトロ丼ねぎ多め

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目覚める悪魔!

 

 

……深い闇に飲み込まれるような感覚。頭はボーっとするし、体も水中にいるみてぇに重たい。……多分今死にかけてんだな、オレ。

 

『———-懐かしい気配を感じて来てみれば……お前はそれで良いのか?』

 

(…誰だお前)

 

『おいおい、忘れちまったのかよ。同じ体にいた仲だろ?』

 

(同じ体だ?んなモンいる訳……)

 

『…テメェ俺の事忘れてんのか!?前の世界・・・・じゃあんだけ手ェ貸してやったのによぉ!!』

 

(前の世界…?)

 

『ハァー…これ見りゃわかるか?』

 

オレの目の前には真っ黒で…首が無い…というより頭から直接腕やらが生えてるような風貌の…ッ!思い出した。

 

(オレのグルメ細胞の悪魔……ボイスデーモンだったか)

 

『ようやく思い出したか……30年近くも同じ体にいたのに普通忘れるかよ』

 

(悪いな。コッチで色々ありすぎて忘れてた。……つーかなんでお前がココにいんだよ。時代どころか世界が違うだろうが)

 

『ハハッ!俺達はグルメ細胞さえありゃ何度でも蘇んだ。そんなことまで忘れちまったのか?』

 

(ソコだよ。この世界にグルメ細胞は存在しない)

 

『ハァ!?じゃなんだよこの細胞コレ!?俺コレを頼りにお前を見つけたんだぞ!?』

 

(オレが知るかよ)

 

慌てふためくオレの悪魔。前の世界じゃ喋ることなんざあまり無かったんだがな……

 

『……まぁそこはもういい。とにかく、お前このままで良いのか?』

 

(良いわけねぇだろうが。まだやりてぇこともあるし、何より————-)

 

……オレの脳内に浮かぶのは水色のロングヘアーで、10年以上付き合っている女…………って違え違え!!

 

(何よりニトロトカゲ野郎如きに殺られてオール・フォー・ワンあのクソをブチ殺せねぇのが許せねえ…!!)

 

『あー……誤魔化してるとこ悪いが、ここお前の体だからお前の心の声全部丸聞こえなんだよ。変わったな、お前』

 

(〜〜っ!!?)

 

クソっ……!!

 

『ま、お前の気持ちはよぉくわかった。いいぜ、力を貸してやろうじゃねえか』

 

(力を貸すっつったってどうやるんだよ)

 

『まぁいいから口開けろ』

 

(口ィ?)

 

言われるがままに口をかっ開ける。

 

『そらっ!』

 

(もがっ!!?)

 

その直後、ボイスデーモンがオレの口に飛び込んできた。

 

(ブハッ!!お前何しっ……!?)

 

『GODの時トリコとオーガーがやってただろ?俺達グルメ細胞の悪魔と宿主は一体化することでもとの倍以上の戦闘能力を手にすることができるんだよ』

 

…確かに、身体中にエネルギーを感じる。

 

(ちょっと待て。たしか一体化したらお前らの意識は消えるんだろ?なんで普通に喋ってんだ?)

 

『わからねえ。まあグルメ細胞がないのはこっちにとっても誤算なんでな、それが原因なんだろ』

 

(テキトーだな……)

 

『俺達自体割とテキトーな存在だからな。オラ、そろそろ構えとけよ。現実あっちに戻るみてえだ』

 

(……あのクソニトロトカゲ、戻ったら速攻でぶち殺してやんよ…!!)

 

『……その殺意は相変わらずだな』

 

 

————————————————————————

 

 

 

「っ!いってえ……!!」

 

体のあちこちから鋭い痛みを感じる。痛みがあるっつうことは生きてんな。

 

「!!?」

 

目の前のニトロは死んだと思っていたオレが突然復活したことで驚いている。

 

「野郎ォ……よくも散々爪突き立ててくれたなぁ……!?」

 

「っ!?シャッッ!!」

 

「逃すかよ!!"ジェットボイス"!

 

「カッ……!!?」

 

逃げようとするクソニトロトカゲの喉元をつかむ。

 

「ギャ「オラッ!」カッ!!?」

 

ニトロの腹に拳を叩き込み、再び風穴を開ける。

 

「っ!!……?」

 

ニトロがさっきやったように腹の穴を急速に再生させるが、そこにオレの腕は無い。

 

「元のスピードとカンを全部とはいかねえが取り戻したみてぇでなぁ……もうテメェなんざのスピードじゃ掠りもねえよ」

 

「っ……!!」

 

それでもニトロはオレに爪を突き立てようと必死にもがく。

 

「もう飽きてんだよ。死んどけ」

 

グシャッ!! 

 

ニトロの頭を叩き潰した。……脈もない、再生する気配も無い。ニトロが完全に絶命したのを確認した。

 

「さてと…… オールマイトのトコあっちへ早いとこ行かねえとな……」

 

 

————————————————————————

 

 

オールマイトside

 

「UNITED STATE OF SMAAASH!!!」

 

ドグオオオオオオンンン!!!

 

「……ハァ……ハァ……!!!」

 

宿敵を殴り倒し、残された僅かな力を振り絞って左腕を掲げる。……私の、オールマイトとしての最後の仕事だ。

 

「ふふっ……あははははは!!!」

 

「っ!なにが可笑しい……オール・フォー・ワン……!!」

 

「まぁ、これを見たまえよ」

 

「っ!!?」

 

私の全身全霊の一撃を受けた筈の奴は何故か笑いながら立ち上がった。

 

「馬鹿な…!?私の、ワン・フォー・オールの全力だったんだぞ!?耐えられる訳が……!!」

 

「【身代わり】……君のパンチが当たるすんでの所であそこの脳無にダメージを肩代わりさせたんだよ」

 

奴が指を指す方向には頭以外が消えた脳無が。

 

「SHIT……!!」

 

「僅かに残っていたワン・フォー・オールの残り火……それすら君の体から消え去った。君はもうただの無個性の人間なんだよ」

 

ゆっくりと私に近づいてくる宿敵。

 

「オールマイト…さようならだ」

 

「っ……!!」

 

(ここまでか…!!!)

 

「……おやおや」

 

奴の拳が私にぶつかろうとした刹那、何かが私を庇うかのように奴と私の間に入り込んできた。それは————-

 

「爆音少年……!?」

 

「驚いた、ニトロの細胞を投与されて死んだものと思っていたよ」

 

「あぁ、いっぺん死んだ。そんで蘇った」

 

サラッと凄いことを言いながら爆音少年はAFOに蹴りを放つ。

 

「おっと、危ない危ない……さっきより格段にスピードが上がっているね」

 

「誰かさんのお陰でなぁ……!!」

 

「っ!逃げるんだ爆音少年!君のような学生の手に負えるような相手ではない!!」

 

爆音少年に逃げるよう告げる。

 

「逃げるかよ」

 

「っ!?」

 

そんな……自分を犠牲にしてまで市民を守ろうと!?

 

「わかった……だが命の危機を感じたらすぐに離脱しなさい!」

 

「わあったよ……さて、おいクソ野郎。よくも散々チョーシ乗ったことやってくれたなぁ……!?」

 

AFOに向き直り、構える爆音少年。

 

ぶち殺してやるよ……!!!

 

かくして、爆音少年悪魔AFO魔王の戦いが幕を開けた。

 

 

 

 

 






現在のゼブラの戦闘能力と推移
初期(雄英入学時)…捕獲レベル7程度
体育祭時…捕獲レベル8程度
林間合宿時…捕獲レベル12程度(プッシーキャッツによる地獄の特訓によるもの)
現在…捕獲レベル40程度(ボイスデーモンとの一体化によるもの)

ニトロ細胞(仮名称)
本来ヒロアカの世界に無いニトロの歪な細胞に個性因子が加わったことで生まれたイレギュラーなナニカ。強力な再生能力を持っていたり人間に投与すると異形の姿になるなど、グルメ細胞と似通った部分があるが根本的に全くの別物。食事ではなく、宿主の強い感情に応じて力が引き出されるという性質がある。実は今まで出てきたニトロ達が全員再生していたのはAFOが与えた個性ではなくこの細胞の性質によるもの。



原作よりボイスデーモンがお喋りなおっちゃんみたいにになっちゃった…
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