個性【ボイスデーモン】のヒーローアカデミア 作:ねぎトロ丼ねぎ多め
AFOside
僕は……僕は一体何処で間違えたんだ!?
「"サウンドバズーカ"!!!」
「っ!」
(【耐震】+【防音】×2【硬質化】×3…!!)
BOOOOOM!!!!!
「っ……!!!(まさか安眠の為に使っていた【防音】が役に立つ日が来るとはね…!)」
今まで貯めてきた個性をフル活用してようやく防御できるほどのケタ違いな威力…!!確かに彼はそこらのプロヒーローを凌駕する戦闘能力を有している。だがついさっきまでの彼にはここまでの破壊力は無かった筈…!ニトロとの戦闘で一体何があったんだ…!?
(【空気を押し出す】+【筋骨バネ化】【瞬発力】×4【膂力増強】×5【巨大化】×2…!)
「ふんっ!!」
「どこ狙ってんだバカ」
「っ!!?(来る!【受け流し】×4【硬質化】×5…!!)
「"ビートパンチ"!!」
バキッッ!!
「ぐぅぅ!?」
本当になんなんだこの破壊力は!!?今の僕は全盛期のオールマイトの攻撃すら余裕で耐えうる程の硬度なんだぞ!?
「うっ…ガハッ!!」
「おーおー、血ィ吐いてんじゃねぇか。大丈夫かAFOさんよぉ?」
憎たらしい顔で挑発してくる。
(駄目だ、乗るんじゃないぞ僕!彼の狙いは僕の判断能力を失わせること…!!)
「君も無駄口を叩く暇はあるのかい!?」
(【音速】+【速度上昇】×2【硬質化】×3【膂力増加】×3……!)
「ふっ!!」
(彼の個性は音速が限界の筈…!これなら…!)
「遅えよ」
「なっ!?」
いつの間に背後に…!?
「君の個性は音速が限界の筈だ…それに対抗して僕は音速を更に超えたスピードで君を殴ったんだぞ!?一体どうなっているんだ!?」
「さあな、オレにもよくわからねえ。まあ強いて言うなら……あのニトロに刺された時からすこぶる調子が良くてな。それじゃねえか?」
「っ!馬鹿な…!ニトロの細胞に適応したとでも言うのか!?」
「……知らねえ」
ともかくそれが本当なら彼は今オールマイト……いや、全盛期の僕をも超えているという事に…!?
「……最初は君のことを弔の踏み台程度に考えていたが…たった今その認識を改めたよ。君は立派な脅威だ……!!」
「そらどーもっと!!」
「ぐぅ…!?」
ただの蹴りでもこの威力…!個性抜きの素の身体能力だけでも現在のオールマイトより少し劣る程度か…!加えて超高速による打撃と移動能力の強化…出し渋る余裕はもう無さそうだ。
「仕方がない…逃走用にほんの僅かでも体力を残しておきたかったんだが……」
(【速度上昇】+【硬質化】×3【筋骨バネ化】×3【瞬発力】×6【膂力】×5【増殖】【肥大化】【鋲】【槍骨】【エアウォーク】【音速】【加速】【纏炎】……!!!)
「僕が持っている個性を限界以上に掛け合わせた…この拳で君を確実に仕留めさせてもらう…!!」
「ほおー……ならこっちも…本気を出させてもらうかなぁ…!?」
っ!?気配が変わった…!?
「スゥゥゥゥゥゥゥ…!!」
僕が驚き戸惑っている間にも彼はチャージを始めている。
「これは早々に決着をつけないとまずそうだ…!」
駆け出して彼に音速を超えたスピードの拳を振るう。
「”レーザーボイス”!!」
DGOOOOOOOOOOOOM!!!!!!!!!!
刹那、僕と彼の全身全霊をかけた大技がぶつかり合った。
(残りカスとは言えワン・フォー・オールの全力と互角だったモノをさらに強化した…!この後の事完全度外視のコレなら…!!)
ブチブチブチッッッ!!!
「…!!?」
次の瞬間、僕の腕は根本から消し飛んでいた。
「ば…馬鹿な…オールマイトを…OFAを超越したパワーなんだぞ!!!それを何故ワン・フォー・オールの後継者でもないお前が!?」
「ゴホッウエッ!!あ゛ーノド気持ち悪ぃ…つかさっきから何だよワン・フォー・オールって、んなモン知らねえよ。…お前の相手すんのも飽きたし、もう終わらせていいか?」
「ま、待ってくれ!そうだ!君に何か強力な個性をプレゼントしようじゃないか!何が欲しい?増強系か!?洗脳か!?何でもあげようじゃないか!だから———」
「んなもん要らねえよタコ」
魔王として恐れられてきた僕の尊厳をかなぐり捨てたみっともない命乞いすら無視してじりじりと歩み寄ってくる彼の姿はまさに——————
「あ…悪魔…!!」
「何言ってんだお前…」
「ヒィィ!!?」
やめろ…!来るな…!ぼ…僕の…!
「僕のそばに近寄るなああーッ!!!」
「わ゛っ!!」
「あっ…」
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ゼブラside
「爆音少年!奴は…AFOはどうなったんだ!?」
ガリガリの骸骨みてぇな野郎が問いかけてくる。
「誰だよお前。…コイツは気絶してるぜ。オレの顔にビビりすぎたんじゃねえか?」
「ビビリすぎてって…そんな馬鹿な…」
「生物…特に割と高い知能を持つ奴っつうのは緊張が極限まで高まった時に外部から衝撃が与えられると脳処理が追いつかなくなって気絶しちまうんだとよ。それをやってやったんだよ、とびっきり怖え顔でな」
確か…クラップスタナーってやつだったか?
「…それはわかったんだが、何故わざわざ怖い顔で決着をつけたんだ?もっとこう必殺技とか、そいういう方が相応しかったんじゃ…」
金髪骸骨が聞いてくるが…愚問だな。
「世紀の敵が怖え顔で負けたってなったら面白えだろ?」
「……君結構敵寄りの考えだよ、ソレ」
「ケッ…おい、そろそろ警察とかがくるみてえだぞ」
10kmぐらい先からサイレンやらヘリのエンジン音が聞こえてくる。
「そうか…爆音少年!」
骸骨がでけえ声でオレを呼ぶ。
「平和の象徴として…オールマイトとしてではなく、私個人からもお礼を言わせてもらう!本当にありがとう!」
「フン…」
かくして魔王と悪魔の決戦は悪魔の勝利という形で終幕を迎えた。