個性【ボイスデーモン】のヒーローアカデミア 作:ねぎトロ丼ねぎ多め
「デッッカ!!」
「恵まれし子らのー!」
家庭訪問からしばらく経った八月中旬。オレたちは雄英敷地内に建設された学生寮、『ハイツアライアンス』の前に集合していた。
「てか爆音久しぶり!!元気か?」
「おう」
「お前だけ色々ありすぎてあの後即入院からの面会謝絶だったもんなー」
そう、オレは敵連合に誘拐されニトロの細胞を注入されたのに加え敵共の親玉を倒した事からの敵連合の残党からの報復を未然に防ぐ為に入院から今まで面会謝絶外、そして外出禁止だった。
「ここ数日どうだった?」
「暇すぎて死ぬかと思った」
「おはよう諸君」
駄弁っていると相澤が珍しく集合時間より少し遅れてやってきた。
「…よし、全員いるな。何はともあれ1年A組無事にまた集まれて何よりだ」
「あ、確かに全員いる」
「皆許可降りたんだだな」
「私めっちゃ苦戦したよ…」
「私もですわ…」
「葉隠さんはガスで直接被害あったしヤオモモは脳無に攻撃されたもんね」
相澤の言葉に全員から安堵の言葉が出る。
「さて……これから寮について軽く説明するが、その前に一つ」
相澤が手を軽く叩いて、話を進める
「当面は合宿でやる予定だった仮免取得に向けての訓練を再開する」
「そういやあったなそんな話!」
「色々ありすぎて頭から抜けてたわ……」
…前も思ったがいやに早いな。ねじれのは確か2年の時に取ったっつってたぞ。本来の予定より前倒しっつうことか?
「そして大事な話だ。…轟、切島、緑谷、八百万、飯田。この5人はあの日あの場所へ爆音と爆豪の救出に赴いた」
「「「「「「!!?」」」」」」
「お前らあん時いたか?」
見かけてねえし声すら聞こえなかったんだが。
「すまんが爆音、少し黙っていてくれ。…その様子だと行く素振りは皆も把握していたワケだ」
普段のやる気がないような声とは比較にならないほど重みのある声色で話を続ける相澤。
「色々棚上げした上で言わせて貰うよ。オールマイトの引退がなけりゃ俺は爆豪・爆音・葉隠以外は全員除籍処分にしてる」
その後も相澤によるガチの説教が続いた。
「正規の手続きを踏み正規の活躍をして信頼を取り戻してくれるとありがたい。…以上!さっ中に入るぞ。元気に行こう」
(((((((いや待って行けないです……)))))))
何してくれてんだ相澤。誰か死んだくらいの勢いの空気じゃねえか。
「………」
「…おいアホ面。来い」
「え?何やだちょっと」
爆豪が上鳴を掴んで草むらの方に入って行った。
「…もしかしてアイツら草むらでs「それ以上はダメよ峰田ちゃん」あっ…」
「ナイス梅雨ちゃんん!」
何か言おうとした峰田を蛙吹が舌でぶん殴って気絶させる。
BZZZ!!
「「「!!?」」」
突然爆豪達が入っていった草むらの方から電気が漏れ出してきた。
「うぇ〜い…」
「!?」
「ブッ…!」
草むらから出てきたのは爆豪と電撃を放ったのか阿呆になった上鳴。
「切島」
「え!?何カツアゲ!?」
「違えよ!俺が下ろした金だ」
…アイツなりの精一杯の励ましってトコだな。
「素直じゃねえな、爆豪」
「黙っとけや口裂けぇ!!」
「皆すまねぇ!詫びになるかわかんねえけど…今夜はこの金で焼肉だ!!」
「その言葉忘れんなよ?」
「悪い!やっぱ無しで!」
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「学生寮は1棟1クラス。右が女子、左が男子と分かれている。ただし、1階は共同スペースだ。食堂や風呂、洗濯などは此処で行う」
「「「おおおおおおおお!!!」」」
「中庭もあんじゃん!」
「広っ!キレイ!ソファー!」
「豪邸やないかい」
「麗日くん!?」
相澤が寮内の説明を始める中、麗日があまりの豪華さに気絶した。
「聞き間違いかな……?風呂、洗濯が共同スペース?夢か……?」
「男女別だ。お前いい加減にしとけよ?」
「はい……」
「なあ相澤、コイツだけ外にほっぽり出しときゃ良いんじゃねえか?」
コイツは敵に襲われようが死のうが自業自得だろ。
「部屋は2階から。1フロアに男女各4人の5階建て。1人1部屋。エアコン、トイレ、冷蔵庫にクローゼット付きの贅沢空間だ」
「ベランダもある!凄い!」
「我が家のクローゼットと同じくらいの広さですわね」
「豪邸やないかい!!」
「麗日君!?麗日くーん!!?」
「 AED! AEDもってこい!」
また麗日が気絶した。コイツも別の意味合いで中々イカれてんな。
「部屋割りは此方で決めた通り。各自事前に送って貰った荷物が部屋に入ってるから取り敢えず今日は部屋作ってろ。明日また今後の動きを説明する」
「以上!解散!」
「「「ハイ先生!」」」
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ーー
部屋造りを終えロビーに戻ると、部屋を完成させた奴等が寛いでいる。
「何とか終わったな!」
「お疲れ〜」
「経緯はどうあれ、共同生活って何かワクワクしちまうよな!」
「うん!」
「共同生活……これも協調性や規律を育む為の、訓練!」
「気張るな飯田!」
皆で話していると、女子たちが此方に近づいてきた。
「男子〜部屋出来た〜?」
「ああ!今寛ぎ中!」
切島がそう答えると、芦戸と葉隠が1つ提案を持ち掛ける。
「あのね、さっき女子で話してて」
「提案なんだけど!」
「お部屋披露大会しませんか?」
「「「え?」」」
突然の事に、一部の男が固まった。主に緑谷と常闇。
◾️◾️◾️◾️
最初の餌食となったのは緑谷。
「ウワァァァァ!?待って待って待って待って!」
動揺する本人を無視して無慈悲にもドアを開けると、フィギュアは勿論、ポスター、カーテンなど様々なオールマイトグッズが飾られていた。そういやコイツそんな奴だったな。
「「おお〜〜〜!!」」
「オールマイトだらけだ!オタク部屋だ!」
「あ、憧れなもので……恥ずかしい」
部屋を見られた緑谷は赤面になった顔を俯く。
「何か始まったね」
「けどヤベェ、楽しくなって来た」
苦笑する俺に瀬呂が何処かワクワクした顔をする。
緑谷の部屋を一通り見て、次に移る。次は常闇か。
「フン、くだらん……」
「「………」」
自身の部屋のドアに背を預ける常闇。
「ふんっ!!」
「なっ!?黒影!!ドアを死守しろ!」
『アイヨ!!』
芦戸ど葉隠が無理矢理どかせようとするが常闇は黒影を使って必死に防ごうとする。
「そりゃっ!!」
『ヒャンッ!?』
「な!?懐中電灯だと!?」
「こうなることを見越して持ってきていたのだー!」
『ヒーン、マブシイヨー』
奥の手すら封じられた常闇はそのまま部屋のドアを突破された。
「「暗っ!?怖っ!?」」
「貴様ら……無理矢理入っておいて…!」
常闇の部屋はその名の通り黒と闇しかなかった。怪しげな髑髏や剣のキーホルダー…中坊のガキかよ。
「てか暗すぎて勉強とかできねえんじゃねえか?」
「放っておいてくれ…!!」
次は青山。
「アハハーーン☆」
「「「まぶしい!!」」」
本当に眩しい。というかむしろ鬱陶しい。
「ノンノン!眩しいんじゃなくて、ま・ば・ゆ──」
「思ってた通りだ」
「想像の範疇を出ない」
「ちょっと黙ってろ」
「爆音くん酷くないかい?」
「楽しくなって来たぞ〜!あと2階の人は──」
あと2階に住むのはあとは峰田。何やら気配を感じたので振り向くと、気色悪いオーラを放つ峰田が血走った目で部屋のドアから顔を覗かせていた。
「入って来いよ……凄えの見せてやるよ……」
「よし!3階行こう!」
手招きする峰田を全員で無視して3階を目指す。
「オレ行ってくる」
「嘘だろ!?辞めとけって爆音!!」
ここまできたらむしろ気になるだろうが。
「邪魔するぜ…ッッ!!!??」
入った瞬間そのことを後悔しながら勢いよくドアを閉める。
「何があったんだい爆音くん!!?」
「…この世の終わりが詰まってやがる……」
「そんなに!?」
ヒーロー候補の部屋じゃなくて性犯罪者の巣窟と言った方が正しいレベルだぞあんなもん。
「なぁ…何で逃げんだよ…?入れよ…なぁ…」
「おい誰か警察呼んでこい!早く!!」
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続いて3階。
トップバッターは尾白。
「普通だ」
「普通だ!」
「これが普通なんだね」
特に何か言うことはない。普通としか言いようがない部屋だ。
「特に言う事なければ言わなくて良いんだよ……」
次は委員長飯田の部屋。
「「おお〜!」」
「難しそうな本がズラッと、流石委員長!」
「おかしな物なんて無いぞ!」
「ブフッ!眼鏡クソある……!」
「何を言う!激しい戦闘による損傷を考慮してだな!!」
「ケースに入れとけ」
「あっ…確かにそうだな!!以後ケースに収納するようにするよ!」
次は上鳴。
「チャラい!!」
「手あたり次第って感じだナー」
適当に色々詰め込んだみてえな部屋だな。
次は口田。
「「兎いる!可愛いいい!!」」
「非常食か?」
「食べないよ!!?」
部屋の中でペット飼って良いのか?
「釈然としねぇ」
「ああ……奇遇だね。俺もしないんだ釈然……」
「そうだな」
「男子だけが言われっぱなしってのは変だよなァ? 『大会』っつったよな? なら当然! 女子の部屋も見て決めるべきじゃねぇのか!? 誰がクラス一のインテリアセンスか全員で決めるべきなんじゃねぇのかぁ!?!?」
一部の奴らが騒ぎ出した。だがまあ言い分には一理ある。
「良いじゃん!!」
こうして女子も交えて部屋王決定戦が再び始動した。
◾️◾️◾️◾️
次に4階。
最初は爆豪なのだがアイツはもう寝たということで切島からだ。
「どーでもいいけど多分女子には分からねぇよ……この男らしさは!!」
「……うん」
「彼氏にやってほしくない部屋ランキング2位くらいにありそう」
「なんか汗臭えぞ」
「アツイね!アツクルシイ!」
「ホラな!チクショー!」
続いて障子。
「何も面白いものはないぞ」
「面白い物どころか!!」
「最低限しかねえな」
備え付けのクーラーと布団と机くらいしかねえな。
「ミニマリストだったのか障子」
「まァ幼いころからあまり物欲がなかったからな」
「こういうのに限ってドスケベなんだぜ」
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男子最後の5階。
トップバッターは瀬呂。
「おお!! エイジアーン!!」
「ステキー!」
「瀬呂こういうのこだわる奴だったんだ」
「へっへっへ。ギャップの男瀬呂くんだよ!」
アジア風の家具で揃えてるみてえだな。
次は轟なんだが…
「さっさと済ましてくれ……ねみい」
「……え!? 和室だ!!」
「造りが違くね!?」
「実家が日本家屋だからよ。フローリングは落ち着かねぇ」
「当日即リフォームってどうやったんだお前!?」
「がんばった」
「頑張るの範疇超えてんだろ」
そして男子最後はオレの部屋だ。
「やばい…想像もつかない」
「そもそも爆音自体よくわからないからなぁ」
ドアを開けて部屋を見せる。
「…普通だー!」
机と冷蔵庫、あとベッドぐらいしか置いてねえ。
「冷蔵庫の中は…コーラしかねえ!!不健康すぎねえか!?」
「てかロッカーの中カップ麺とかレトルトカレーばっかだ!!」
「腹が減った時用の非常食だ」
「フードファイターかな?」
念の為防音処理はしておいたがな。
「…なあ、なんかベッド爆音用だとしてもデカくねえか?」
「「「!!?」」」
「あー…ねじれにコレにしろって言われてんだよ」
(((あっ…)))
峰田とオレの一言でなぜか空気が死んだ。
◾️◾️◾️◾️
そして女子棟。3階の女子フロアから。
まず耳郎。
「マジで全員やるの……? 大丈夫?」
「大丈夫でしょ多分!」
「ハズいんだけど……」
部屋の中には大量の楽器が。
「思ってた以上にガッキガッキしてんな!?」
「うおー! 耳郎ちゃんはロッキンガールなんだねぇ!」
「天井までしっかりと装飾されてますわね……」
「これ全部弾けるの!?」
「まァ一通りは……」
だとしたら凄えな。
「女っ気のねぇ部屋だ!」
「ノン淑女☆」
余計なこと言った馬鹿2人に耳郎はプラグを刺した。妥当だな。
次に葉隠。
「どーだ!」
「おお……フツーに女子っぽい! ドキドキすんな!」
特筆することはねえ普通の部屋だな。あと峰田は下着を盗もうとして女子全員から飛び蹴りを喰らわされていた。
◾️◾️◾️◾️
4階、芦戸の部屋。
「じゃーん!! カワイーでしょーが!!」
「おお!!」
「色合いがピッタリな部屋だね!」
カラフルすぎて目が痛え。
次は麗日。
「味気のない部屋でございます……」
「おお……!」
「初日にして生活感が…!!」
葉隠の部屋をシンプルにした感じだった。
「なんかこう……あまりにもフツーにフツーの女子部屋見て回ってると背徳感出てくるね……」
「禁断の花園……」
5階への移動中、そんな言葉が漏れる。まあ普通入ることがねえからな。
◾️◾️◾️◾️
5階、まずは蛙吹だが体調が優れないということでパス。ラストの八百万の番になった。
「それが……実は見当違いをしてしまいまして。皆さんの創意あふれるお部屋と比べて少々手狭になってしまいましたの」
オレの部屋のベッドよりデカいベッドがド真ん中に鎮座していた。
「でけぇー!! 狭!! どうした八百万!!」
「私の使っていた家具なのですが……まさか部屋の広さがこれだけだとは思っておらず……」
「セレブーー!!」
「どうやったらコレが部屋に入るんだ…?」
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ーー
「それでは爆豪と梅雨梅雨ちゃんを除いた第一回部屋王キング暫定一位の発表です!!」
「ドキドキしてきた」
「得票数4票!! 激戦を潜り抜け勝利したその部屋は──轟 焦凍ォォ!!!」
「お」
「だー!負けたあ!!」
和室の衝撃には勝てねえな。
「ちなみに2位が同率で瀬呂と耳郎!3位が爆音です!」
「3人も結構インパクトあったもんなー」
「終わったか?寝ていいか?」
「ウム!しっかりと歯を磨いてから寝るんだぞ!」
「オカンかな??」
夜は更けていく中、第一回部屋王決定戦は轟の勝利という形で幕を下ろした。
☆ゼブラの部屋の家具紹介☆
ベッド…クイーンサイズのクソデカベッドだぞ!500kgまでの重量に耐えることが出来るほど頑丈なつくりの特注品だぞ!ねじれちゃんの手により音が全く出ない盗聴器とカメラが取り付けられているぞ!
冷蔵庫…寮に備え付きのやつともう一つ実家から使わなくなった持ってきたやつの2つがあるぞ!中身はほぼコーラなどのジュースや調味料だぞ!ここにも隠しカメラが付けられているぞ!
クローゼット…服より非常食の方が多いぞ!たまに下着が何着か消えて新しいものに入れ替わるぞ!隠しカメラが取り付けられているぞ!
テレビ…普通のテレビだぞ!もちろん盗聴器と隠しカメラが取り付けられているぞ!