個性【ボイスデーモン】のヒーローアカデミア 作:ねぎトロ丼ねぎ多め
なんだよ、「うい麦畑でつかまえて」って曲。
聞いてたら30分くらい持ってかれたんだが。
「そらそらそらぁ!!」
「チッ…!!(スピードはそこそこ、避けられんことはまず無い。だがやはり…)」
「オラァッ!!!」
ドカッッ!!!
「っぐぅ…!!?」
この"直感"が厄介極まりないな…!!回避してもまるでそこに来る事が分かっていたかのように蹴りを入れられる…!
「はっ!どうしたゼブラァ!!動きが鈍いぞ!?」
「クソッタレが…!てかお前こんな早くなかっただろうが!何したんだよ!」
"直感"の衝撃で最初気付かなかったが、パワーやスピードも以前闘った時より遥かに増していやがる…!
「…んあぁ、コレだよ!確か…なんとかシールド?って名前の博士が作ったサポートアイテムを改良したモンなんだとよ!あたしはサポートアイテムなんか使うのは御免だけど運営からコレ付けないとお前とは勝負にならないから付けてろって言われてんだ!」
シールド…?あぁ、思い出した。I・アイランドの時の銃で撃たれてたおっさんか。逮捕されたんじゃ無かったか?
「ったく、あのクソハゲ親父…減俸とか反則だろうが…おっと!ぼーっとしてる暇あんのか!?」
「うおっ!!」
コイツ前もそうだったが、容赦ってもんが無えな!…面白え!
「オラッ!!」
「うわっとっと!!危ねえな!」
「チッ!避けたか…!!なら!」
この猛攻の中じゃチャージする時間なんざほぼ無えが、音なら避けられねぇハズ…!!
「"サウンドバズーk「させねーよっ!!」っっ!!?(ヤベッ…!?)」
野郎、下から顎に蹴り入れて"サウンドバズーカ"を無理矢理止めやがった…!!?
GOOOMMM!!!
「ガバァッッ!!?」
"サウンドバズーカ"が閉じられたオレの口内に放たれ、口の中が血塗れになる。口が鉄臭えし血が止まんねぇ…わりと重症だな。
「…テメー本当に人間か?」
「違え!私は…」
ガキッッッッ!!!
「……兎だ!」
笑みを浮かべながら尚もオレの横腹に蹴りを喰らわせようとしてくる。…オレが言えたことじゃねえが、人の心捨て去ってんのか?
「やっぱお前と闘るのは良いな!他の奴より俄然やり応えがある!!面白くなってきた!!」
ーーーーーーーー
ーーーー
ーー
「ゼー…ゼー…ぐうっ!?」
「お?なんだ?もうガス欠かぁ?」
…おかしい。かれこれ十数分は拳を交えているが、オレはもうピーク時の半分も体力がないのに対してミルコの方は疲れどころか全く体力が削れている気配が無い。攻撃も殴っても最低限の動きで避けられ、音で攻撃しようにも範囲外に逃げられる。
「(マズイな、このままだとジリ貧で負ける…!)ミルコ…テメー体力どうなってんだ…!!」
「ハハっ!こればっかりは"個性"と経験の差だな!」
「…どいうことだ?」
「兎ってのは持久力がある!種類にもよるが、ノウサギなんかに至っては時速50kmのスピードを維持したまま長時間走れるやつもいるぐらいな!それにさっきも言ったが個性増幅装置もつけている!もうわかるだろ?」
「そーいうカラクリか…!」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべながらミルコは跳ねて再び距離を詰めてきた。
「そらそら!!説明終わり!まだまだ行くぞ!満月乱蹴!!」
ズドドドドド!!
「グゥゥゥゥ!!?("サウンドアーマー"で防御してんのにこんだけ喰らうか…!?どんな馬鹿力してんだコイツは!!)」
「もう終わりか?せっかく体あったまってきたトコなのに…よっ!!」
ミルコはお構いなしにガラ空きのオレの頭追撃を喰らわせようとする。
「(死っ………!!!)」
ミルコの蹴りがオレの脳天に当たる直前、オレの頭に天啓のごとく一つ起死回生のアイディアが浮かび上がった。
(上手くいくかは全くわからねえが…"直感"に身を委ねる!!)
「っっっ!!!」
ドゥルンッッ!!
「んなっ!?なんだそりゃ!?気持ち悪ぃ!!」
ミルコの蹴りがオレの頭に当たった瞬間、当たった場所がぐにゃりとミルコの脚を避けるようい崩れていき、脚が離れた瞬間元に戻った。
「フー…殆ど博打だったが、上手くいったみてえだな」
今の今まで忘れてたが、グルメ界のエリア7にいた猿共の猿武…あれを真似た。流石に全身の細胞を統一はできねえから、本家の猿武とまではいかなくても多少は受け流せたみたいだな。…猿共の猿真似なんざ正直腹立たしいが、この際どーでもいい。
「…さて、コレでオレはもうテメーの蹴りを回避する必要が無くなったなぁ?」
「んー…ま、ようやく互角ってトコだな!」
「五月蝿え、テメーは道具使ってやっとだろうが」
お互い再び臨戦対戦を整える。
「よっしゃあ!いくぞコrビーーーーッッ!!!
『えー、只今を持ちまして配属されたHUCが全員危険区域より救助されました。まことに勝手ではございますが、これにて仮免試験全行程を終了となります!』
オレとミルコが殴り掛かろうとした瞬間、目良の声で試験終了を告げる放送が流れた。
「…タイミング悪過ぎだろうがぁぁぁ!!」
「ふざけんな!私まだ不完全燃焼だぞーー!!」
________________________________________________________________________
「皆お疲れーー!」
「おー爆音!お前ミルコ相手にサシで…ひっ!?」
「めっちゃ苛立ってる…!?なんかあったんか!?」
「なんか滅茶苦茶イイとこで試験が終了したせいで不完全燃焼気味なんだって」
マジでイライラする…!!なんであんなクソイイとこで終了すんだ!!折角ミルコを仕留める算段がついたってのに…!!
『えー、皆さん長いことお疲れ様でした。これより発表を行いますが…その前に一言』
各々が自分の失態を嘆いたりしている中、目良から試験の採点方式が説明される。…最初のガキがやたらアドバイスしてたりなんとなく視線感じると思ってたらそう言う事だったのか。
『…とりあえず合格者の方は五十音順で名前が載ってます。ご確認ください』
目良の言葉の直後、デケェモニターに合格者の名前が一覧で表示される。
「みみみ…!み…!…あったぁぁ!」
「オイラも合格してたぞぉぉ!!!」
「俺もあったぞ!」
「ウチもあった!良かったぁぁ…」
「ば…ば……お」
あった。様子的に他の奴らも大体受かったみたいだな。…だがオレの後ろに『爆豪』という文字は無い。てことは…
「無ェ!!」
「俺も…無い……」
案の定爆豪は落ちたらしい。ついでに轟も。
「マジか!!」
「ウチのツートップが両方落ちるとは…」
コイツらも流石に驚きを隠しきれていない。爆豪はともかく、轟は終始良い動きをしてたと思うんだが…
「轟ィ!!」
「「「!!?」」」
「……夜嵐か」
「お前が落ちたのは俺のせいだ!!本当にすまんかった!!!」
そう言って絡んできた坊主は轟に対して朝やったような地面が割れる程頭を下げて謝罪する。
「おい緑谷、アイツら何かあったのか?」
「えっ?えっと… ちょっとエンデヴァー関係でイザコザがあって喧嘩してたみたいなんだ」
…試験中に何やってんだ馬鹿共が。ま、二人ともスッキリした感じの顔してるし…何はともあれ結果オーライだな。
「えー、今回の試験の点数と備考を記した成績表配ってます。各自で確認してください」
「はいドーゾ」
「おお」
近くにいたおっさんから成績表を受け取る。
「うわ、俺71点か…」
「見て!俺84点!何気に優秀じゃね?」
「待ってヤオモモ94点!?凄っ!」
「爆音は…80点か、結構高得点じゃねえか!」
備考欄は…『戦闘面は文句なし。ただし、一人での対処が難しい敵との単独の交戦はなるべく避け、増援を待つのがベスト。また、要救助者をいきなり移動させるのは混乱を招く恐れがある為、一度声をかけてから移動させること』、か。…移動させる前に声をかける、か。マトモにやったことねえな。
『…以上です。皆さんお疲れ様でした』
あ、やっべ。集中してて目良がなんか言ってんの全部聞き逃した。
ーーーーーーーー
ーーーー
ーー
「先生ー!俺受かりました…よ…?」
「あれ!?いねえ!!」
集合場所に戻ってきて相澤に試験の結果を報告をしようとしたが、相澤の姿がどこにも見当たらない。
「あ、おーーい!!」
「あ、傑物の!どうしたんですか?」
「実はウチのジョーク先生がいなくて…イレイザーの方に行ってると思ったんだけど……」
「……待て、なんか聞こえる」
耳を澄ませると、500mくらい先の方から相澤の息切れと走っているような音が聞こえてくる。
「…あっちだな」
「あ、ホントだ!」
「おーい、先生ーー!!」
「…あれ?なんか先生めっちゃ必死な顔してね?」
「確かに!何かから逃げてるような……」
「…イレイザーを追っかけてるの…間違いない、あれジョーク先生だ!!!」
「うわマジだ!!何やってんだあの人!」
なるほど、通りで必死な形相をしてる訳だ。捕まるイコール強制子作り&結婚だからな。
「はぁ、はぁ……お前達!結果なら後でいくらでも聞いてやる!!だから今すぐ出発するぞ!!」
「せ、先生!?何があったんですか!?」
「説明は後だ!!良いから一刻も早く此処からはなr「消太ァ…?」うわぁぁぁぁぁぁ!!?」
「相澤先生!?」
「怖がり方がガチだ!!」
試験の間に一体ナニをされたんだよ…
「ひっひぃぃぃ!?」
「さぁ…いっしょにホテルでしっぽr「「「「そうはさせるかぁぁぁ!!!」」」」のわあっ!?」
「!?君達……!!!」
Ms.ジョークが相澤の肩に手をかけようとした瞬間、傑物の奴らが全員でMs.ジョークを拘束した。
「イレイザー!俺たちのことは良いんで、早くバスに乗って逃げてください!!」
「っ!ありがとう…!!お前達!!早くバスに乗れ!!!」
「ハイ!!みんな!!今すぐバスへ乗り込むんだ!!」
飯田と相澤の言葉に全員が頷き、試験後で疲れ果てた己の体に鞭を打ち、全速力でバスに駆け込む。
「18、19…先生、全員います!!」
「よし!運転手さん!!早く出発してください!!」
相澤の必死な声のすぐ後、バスは急発進して多古場競技場を出発した。
「…怖かった…本当に怖かった……!」
「あ、相澤先生!!?」
息を吐くのも束の間、突然相澤が膝から崩れ落ちて泣きだした。
「…あと少し逃げるのが遅れてたら…●●●で●●●●されて●●●●●に●●●●を入れられて…●●されるとこだった……怖かったよぉ…!!」
(大人がガチ泣きしてる!!?)
(何やったんだMs.ジョーク…!!)
(なんだろ…相澤先生なんかに興奮する訳無いのに…なんか…オイラ…変なのに目覚めちまいそう……)
相澤のオレ達の視線を気にしないマジ泣きに何故か股間を抑える峰田以外の全員が困惑の表情を浮かべ、相澤に同情した。
ーーーーーーーー
ーーーー
ーー
「…色々ありすぎて疲れた」
あの後泣きじゃくる相澤を職員室までMs.ジョークが来ていないか見張りながら送り届け、戦闘服から着替えてシャワーを浴びて飯を食って…としているうちにもう夜になってしまった。
コンコン…
「…窓?」
いきなりベランダの方から窓を軽くノックするような音が聞こえてきた。
…敵か?
「誰だおm「来ちゃった♡」ピシャッッッ!
……落ち着けオレ。今のは疲れすぎてベランダにねじれがいる幻覚を見ただけだ。まさかここまで来る訳が「声野ー?なんで閉めちゃったの?なんで?ねえ、なんで?」…幻覚じゃねえか。クソが。
「…チャージ満タン、出力50…」
「今開けるからエネルギーを溜めるのを今すぐ止めろ!!!」
結局ねじれをオレの部屋に入れちまった…
「…なんで来た?」
軽くベッドに腰掛けながら(一応だが)聞いてみる。
「えー?恋人の部屋に入るのに理由なんている?」
「…………」
「なんちゃって♪声野が仮免合格したって聞いてお祝いに来たんだー!ハイコレ合格祝い!」
そう言ってねじれはオレの首に何かを巻き付けた。
「ネックレス…?」
「うん!クローバーが可愛いでしょ?」
よく見ると遠目では気づかない、ささやかな程度だが緑色のクローバーの装飾が付いている。
「中々良いデザインじゃねえか、気に入ったぜ」
「良かった!…ん?」
突然、ねじれがオレの首周りの部分にずいっと顔を近寄せてきた。
「…どうした?」
「…他の女の人の匂いがする……」
「!!?」
「女の人だけじゃないや…なんというか、動物っぽい匂い……もしかしてまたミルコ?」
嘘だろ、なんでわかんだ!?せいぜい15分くらいしか交戦してねえのに…!
「…私さ、前も言ったよね?他の女の人とあんまり話したりベタベタしないでねって……それなのに…しかもよりによってミルコかぁ………」
「…ねじれ?ミルコは試験官で交戦しただけ…… 」
「…もういーや」
「は?……うおっ!?」
ねじれはオレをベッドに押し倒した。
(この構図…何処かで……)
「声野は口でどれだけ言っても分かってくれないみたいだし…
体でわからせてあげるね?」
翌日朝3時
「……ア……アア…………」カッスカス
「…ごめんね?声野が可愛いくってかっこいいからヤりすぎちゃった。…あ、もうこんな時間!私寮に戻るね!おやすみ声野♡」
……『もう二度とねじれを怒らせまい』。仮免を取った翌日の朝、そう誓った。
ネックレス(恋人へのプレゼント)の意味…「ずっと一緒にいたい」、「あなたは私だけのもの」など
クローバーの花言葉…「幸運」、「幸せ」、「私のものになって」など
緑…古代ギリシャなどでは「生命」、「嫉妬深い」という意味を表したりする
ゼブラはこの後(ナニとは言わないけど)色々ありましたが、なんだかんだでこのネックレスを大事に飾っています。