個性【ボイスデーモン】のヒーローアカデミア 作:ねぎトロ丼ねぎ多め
〜投稿が遅れた経緯〜
三が日明け
作者「よーし!また何ヶ月も読者の皆さんを待たせるなんてことがないように来週までには仕上げるぞ!」
母「あ、言い忘れてたけどアンタ今月英検受けてもらうからね」
作者「え?」
母「あと勉強に集中するためスマホは控えてね」
作者「え?え?」
母「そういや半年くらい前から受ける受けるって言ってたし、落ちたらスマホちょっと制限キツくするから」
作者「」
…と言うわけで投稿が遅れてしまいました。本当に申し訳ございませんでした。
「ハイハイ、肋骨を六本骨折、全身を強打撲、出血多量、声帯の著しい損傷……非常に失礼なことは分かってるけど、医師として言わせてもらうよ。君なんで生きてんの??」
死穢八斎會の一件から数時間後、怪我を負っていたオレ含む数人は最寄りの大学病院へ搬送されていた。
結果から言うと、八斎會はほぼ壊滅した。幹部を含む構成員は全員無力化されて捕縛。敵連合から貸し出されていたとニトロとトガ、あとトゥワイスもまとめて逮捕された。ヤクザも後日正式に廃業させられるらしい。
そしてねじれがぶち開けた大穴の修繕作業のために何人かヒーローが現場に残っているが、オレを含む怪我人は全員この病院に担ぎ込まれた。
「オイ爆音、無事か?」
「…相澤か」
「あ、コラ!さっき言ったばかりでしょうが!君の声帯はまだ治りきってないから、無理に声を出したら治りが悪くなるよ!」
医者からこんこんと説教をされていると、相澤が入ってきた。
早い段階でナイトアイの搬送のために離脱したため怪我が少なかった相澤は、こうして入院する羽目になった奴らを見て回っているらしい。
「他の奴らはどうなってる?」
「あぁ、確か——」
診察室から出て、廊下を歩きながら相澤に質問をする。
話によると、切島は全身打撲と裂傷が酷いが命に別状は無し。通形は全身のあちこちを骨折と背部の打撲があるらしいがピンピンしてるらしい。天喰も同様に全身を打撲してるらしいが、これも命に別状は無し。ねじれは活力の使いすぎでぶっ倒れているが、怪我はないため一日寝れば退院できる程度には健康。緑谷はエリの【巻き戻し】を喰らったおかけで、酷使した右腕以外には問題なしとのことだ。
「…エリはどうだった?」
「…そのことなんだがな」
エリは操作に慣れていない"個性"が暴走した結果、体にとてつもない負荷がかかってしまったらしく、高熱を出して気を失っているらしい。
更に「いつ"個性"が暴走するかわからない」という理由で病院の一角に隔離され、面会も禁止されている。
「あの子の"個性"は無機物には作用せず人にのみ作用したことを考えると、調整の訓練も気軽に行えるものじゃない。…つまり、彼女の"個性"には頼れない」
「頼れないってどういう…」
「相澤くん!!」
オレが相澤の発言に疑問を投げかけると同時に、ガリガリの姿のオールマイトがとある病室から出てきた。息と心音は乱れ、スーツはグシャグシャで、髪はボサボサ。相当慌てていたんだろう。
「相澤くん!ナイトアイはどこに!?」
「オールマイト…」
「病室にいないんだ!相当な重症だったんだろう!?」
「…ナイトアイなら、もう……」
「もうって…まさかっ!!」
「いや、まさかってどういうk「彼は…死んだのか…!?」
相澤からの返答を待たずに、オールマイトの顔はどんどん青ざめていく。
ただでさえ悪い顔色が、ガリガリの骸骨のような顔と相まって最早生者とは思えぬ程酷いことになっている。
「まだ…私は…彼に一言さえ謝れていないと言うのに…!!」
「人を勝手に殺さないでください」
「あいたぁっ!?」
スリッパか何かで引っ叩いたのか、オールマイトの頭からいい音が出た。
その後ろではナイトアイが不機嫌そうな顔をしている。
「…ナイトアイならもう手術が終わって他のヒーローや生徒達の見回りに行った、と言うつもりだったんですがね」
「まあ五体満足、とはいきませんでしたがね」
そう言うとナイトアイはコツコツ、と音を立てるように自分の右足をノックするかのように軽く叩いた。
いくら最先端の医療であろうと、リカバリーガールの"個性"であっても、完全にもげた足を引っ付けるのは不可能だったらしく、その代わりの金属製の義足が付けられていた。
「申し訳ありませんナイトアイ。貴方の右足の細胞は完全に死んでいたため、再接着は不可能でした」
「いえ、命があるだけでもありがたいです。本当にありがとうございます。……さて、オールマイト」
「ピエッ」
そう医者に返しながらナイトアイはオールマイトの方へゆっっくりと体を向けた。
「…私が死ぬかもしれなくなって漸く会いに来るとは…しかもなんで『彼』呼びなんですか。私はヴォル●モートか何かですか?」
「…返す言葉もございません。全て私が悪いことは良く理解しております」
「オールマイトが正座させられてる…!?」
ナイトアイは凄まじいオーラを出しながら親に叱られてるガキのように縮こまってるオールマイトへ一歩ずつ歩を進めていく。
「はぁ…別に私はあなたを恨んじゃいないですよ」
そう言うとナイトアイはゆっくりと自分の思いを吐露していった。
長ったらしいから要約すると、『オールマイトが死ぬ未来を見てしまったからただオールマイトに平和に楽しく過ごしてほしかっただけ』らしい。
「まぁその未来ももう確実ではありませんがね」
「?それはどういう…」
「今回の作戦では私の予知が外れました。もちろん私の"個性"が狂ったのかと思い検査しましたが、どこにも異常はありません。どうやら未来は私が思っていた以上に不確かな概念みたいです。…それが発覚した理由が敵というのは何とも皮肉なものですが」
まあともかく、と言いながらナイトアイはずり落ちてきていた眼鏡をかけ直した。
「未来は不確かで貴方は考えを改めてくれた。それで私は十分ですよ。…心残りが無いと言えば嘘になりますが」
「心残り…?」
「俺のことなんだよね!」
後ろから聞き慣れたバカでかい声が聞こえてきた。通形だ。
病人服の上から「私が心残りです」と書かれたクッソダセェ白Tを着ている。
「んふっ…!」
「お前なんだその妙な服は」
「ん?あぁ、コレはサーから着ろって言われてね!」
「ユーモアはいつでもハリケ…間違えた、大切だからな。元気とユーモア無しに明るい未来はやってこない。…ところでどうした緑谷、何故震える?」
ナイトアイの言う通り、さっきから緑谷が俯いてプルプルしてる。
「ぶふっ!!ふふっ…!!…あっ!す、すみません!通形先輩の格好がツボに入っちゃって…!」
「…ふっ…はっはっは!!そうか!俺の服がウケたのか!嬉しいなぁ!よーし!モストマスキュラー!!」
「ちょっ…ポージングしないでくださ…あははははっ!!」
「ふふっ…あっはっはっは!」
「ふふふっ…!!」
「フンッ…」
緑谷の爆笑を皮切りに、ナイトアイにオールマイト、さらには追いかけてきていた医者まで笑い出して廊下は笑いの渦に包まれた。
「…あの、盛り上がってるとこに水を差すようで悪いんですけど、ここ廊下なんで。お静かに」
「あっ、すみません…」
騒ぎを聞きつけた看護師が全員まとめて注意した。
そういやここ廊下だったな。全員完全に忘れてたな。
「…あぁそうだ、リカバリーガールは呼んでおきました。多分もうすぐ到着すると思います。爆音、緑谷。お前たちもしっかり治癒してもらえよ」
「あーいってえ…寝過ぎて体バキバキじゃねえか…」
あの後一夜が明けた。ナイトアイ以外の面子はリカバリーガールによって治療されて無事に完治、退院の許可が出て帰ることとなった。
つーか俺としては一刻も早く出ていきたい。暇すぎるし何より病院食があまりにもマズイ。いい加減マトモな飯が食いたい。
「あ、おはよう爆音くん」
「おう、緑谷か」
病室からロビーに向かって歩いていると、俺と同じく今日退院することになっている緑谷と鉢合わせた。
「…………」
「…おい、スマホ見ながら歩くんじゃねえよ」
「あっ…ごめん、ちょっと昨日色々あったし何が起きてるのか確認しておきたくて、ニュースでも見ようかと…っ!?えっ!?」
「んがっ!?」
スマホを見ていた緑谷が突然大声をあげた。
不意打ち気味に喰らったせいでめちゃくちゃ鼓膜が痛ぇ…!
「オイコラ緑谷ァ…!オレの鼓膜破るつもりかテメェ…!!」
「ごめん!でもそれよりこれ!見て!」
そう言って緑谷は背伸びして俺のスマホの画面を見せてきた。
写っていたのは、とある有名ニュースサイト。そこにトップにデカデカと表示されているタイトルを読み上げる。
「『敵連合が敵護送中の護送車を襲撃、拘束中だった敵3人のうち2人が脱走、残り1人は重症』…!?」
「2人っていうのは多分トガとトゥワイス… 敵連合が取り戻しに来たんだ…!」
そう言いながら緑谷はさらに画面をスクロールしていく。
記事を読んでいくと、事件の詳細が書かれていた。護送車の警備にあたっていたプロヒーロー、スナッチが殉職したこと。襲われた1人…治崎は襲撃犯の"個性"により、両腕が欠損した状態であること。
…そして、重要証拠品が紛失したこと。
「紛失…ってセンは低いだろうな」
「うん。多分、というかほぼ確実に敵連合のメンバーが持って行ったんだと思う」
緑谷がそう考察する。
確かに、『"個性"を破壊できる』という唯一無二の能力を持つ個性破壊弾は奴らにとっても利用価値の高い、垂涎の品物だったんだろう。
「悔しいけど、僕ら一学生にできることは無い…少しでも捜査が進むことを祈ろう」
「…ああ」
そう返事を返しながら、寮に戻るため緑谷と途中で合流した切島たちと駅に向かって歩いた。
……いつの間にかオレの背中にへばりついていたねじれを背負って。
「おまっいつの間に…!早く降りろ鬱陶しい!!」
「やだー!病室が違うから昨日ほとんど一緒にいれなかったんだもん!今日はずっとここにいるー!」
「なんと言うか、波動さんだけあまりにも平常運転すぎて安心できるよね!」
「コレが平常なんスか…!?」
「信じられないけど、彼女アレでも雄英の最高峰なんだよ…」
「ケロッ…信じられないと言うか、信じたく無いわ」
「波動先輩力強すぎて引き離せんっ…!この華奢な体のどこにこんな通形先輩並みの筋力が…!」
「いい加減邪魔「れろぉ…♡」だっはぁ!!?!?」
「うわぁっ!?うなじ舐め回してる!?」
「あはっ♡声野、うなじ弱いもんね♡」
「え、ちょっとナニよアレ」
「バカップル…って訳でも無さそう」
「待って待って、なんで女の子の方が襲ってんの??」
「警察呼んだ方が良いかな…?」
「もしもし警察ですか?なんか可愛い女の子がクッソ厳つい男のうなじ舐め回してて…え?逆じゃなくて?いやほんとに女の子の方が舐め回してるんです」
「波動先輩!お願いですから公共の場ではそういうの控えてください!!通行人がガン見してます!!」
「だ、駄目だ…!俺の触手でも引き離せない…!!」
「寮で…いややっぱ駄目だ!寮だと俺達が気まずい!!」
「えーっとえーっと…そうだ、自室!せめて自室でヤってください!!」
「えー…?しょうがないなぁ…」
ねじれがそう言った直後、オレのうなじを蹂躙していた生暖かいモノがゆっくりと離れていく。
「っはぁっ…!はぁっ…!」
「爆音くん!?大丈夫!?」
「立てねぇ…腰が砕けた…!!」
「ちょ、どうするの!?流石に爆音くんを抱えて移動するのは…あ、"個性"があった!フルカウルッ!!」
一悶着、いや何悶着かあったが、結局ねじれを背中に引っ付けたままの状態で緑谷に抱き抱えられながら寮に戻る羽目になった。
「帰ってきた!あいつら帰ってきたぞ!!」
「全員大丈夫か!?特に爆音!」
「めっちゃニュースになってたぞ八斎會の事件!!あと爆音の件も!」
途中で三年の寮の前でねじれを無理矢理引き剥がして寮に戻ってくると、作戦に参加してなかった奴らが出迎えてきた。
…それはそうとオレの件ってなんだ?
「ねぇ、爆音くんの件って何?」
「え、緑谷ニュース見てないのかよ!?」
「これだよこれ!」
そう言って上鳴がオレと緑谷にスマホの画面を見せてくる。
それは今日の昼ぐらいに見たニュースサイトと同じだったが、見出しが違った。
「『駅に痴女出没!大柄な男性が被害に!うなじを舐め回す新手の変態か』…」
「モザイクかかってるけど、コレどう見ても爆音と波動先輩だろ!?しかも動画付き!」
「お前のあられも無い姿が全国に晒されてるんだよ!」
流されている動画を見ると、どこからどう見てもさっきのオレとねじれだ。しかもご丁寧に緑谷に担がれて運ばれるとこまで撮られている。
「皆!心配だったのはわかるが!一度落ち着こう!!」
全員わちゃわちゃしてる中、飯田がそう高らかに声をあげて全員を制止した。
「報道で見たんだろう!あれだけの事があったんだ!心も体も擦り減っているだろう!級友なら!彼らを心配するのなら!今は心身共に休ませてあげるべきだ!」
「…飯田くん」
「ム?どうした緑谷くん」
「その、気持ちはすごく嬉しいんだ。でも……大丈夫だよ」
「…そうか。じゃあ俺からも言わせてもらおう」
そう言うと飯田は深呼吸でもするかのように息を吸い始めた。
…嫌な予感がするな。耳塞ぐか。
「とっっっっっっっても心配したんだぞもう!!!君たちが無事とわかるまで生きた心地がしなかったんだぞ!!!」
「うるさっ!?」
「おめーが1番激しいじゃねえか委員長!」
やっぱり的中しやがった。オレの直感も段々取り戻せてるのか…?
てか耳塞いでこんだけ聞こえるなら最悪鼓膜破れてたな。
「ラベンダーのハーブティーをお淹れしますわ!心をリラックスさせる効果がありますの!」
「ヤオモモ、爆音の分はいらないぞー!アイツはコーラでも飲ませておけば大丈夫だから!」
「いや喉酷使した後に炭酸はやばいだろ!」
「じゃあコーラの炭酸を抜けば良いんじゃねえか?」
「どこのグラップラーだよ轟!ヤオモモが淹れてくれるって言ってんだからハーブティーで良いだろ!」
その後、残してあったランチラッシュの晩飯を喰ってから風呂に入ってから自室に戻ってきた。
…完全勝利、とは程遠いが、ともかく死人は出なかった。それだけでも万々歳だ。
そう頭の片隅で考えていると、そのままオレの意識は闇に沈んでいった。
ーーーーーーーー
ーーーー
ーー
翌朝
「ふぁぁ…おはよう、爆音くん……」
「遅かったな」
俺が朝メシを食っていると、緑谷が起きてきた。
普段なら少なくともオレより先に起きてきてるんだがな。
「昨晩はなかなか寝付けなくて…」
「お前もか緑谷…実は俺たちもなんだよ…」
「考え事してたらいつの間にか2時くらいになっとって…」
「色々と思うことがあったものね…特に緑谷ちゃんは」
確かに切島達も普段より遅かった。どうやらオレ以外の八斎會突入組は全員若干の寝不足らしい。よく見てみると全員うっすらとだが隈ができている。
「爆音くんはどうだったの?」
「ああ…ガッツリ8時間は寝た」
「8時間!?」
「ベッドに入ってから10分もかからねぇで寝つけたぞ」
「健康!!」
「…ウジウジ考えんのはオレの性に合わねぇ。パッパと切り替えて別のことする方が良いだろ」
そう言って味噌汁を最後の一滴まで飲み干して立ち上がる。
「うし…行くか」
「デハ、アマリ美シイ問イデハナイガ…コノ定積分ヲ計算セヨ。ワカッタ者ハ挙手シテクレ」
「エクトプラズム先生!爆音が問題見た途端白目剥いて気絶しました!」
「…マタカ。今回デ入学カラ通算シテ30回目ダゾ?トリアエズ保健室ヘ。アト誰カ三年ノ波動サンニ連絡ヲ入レテクレ」
「はーい」
「では私が波動先輩に連絡しますわ」
「なら俺が爆音くんを保健室まで運ぼう!もう慣れてきたから1人で大丈夫だ!」
駄目だった。
質問が来そうなので先に答えときます。
Q.「後で自室でヤる」的なこと言ってたのになんでねじれちゃんはゼブラを襲わなかったの?
A.ヤる気マンマンだったけど、思いの外ゼブラがぐっすり寝てて起こすのが忍びなかったのでマーキング()で済ませてあげました。優しい彼女だね!起きたらどうなるか知らんけど!