すごく興味あるね   作:あほみね

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第2話

裏道使って魔晄炉から脱出。

腐ったピザの上に戻ってきたぜ。

 

「そんじゃあ各自解散!列車でまた会おうぜ!」

 

家に着くまでが魔晄炉爆破。

歩き回っている警備に見つかったら戦闘になる。

油断をしている暇はないね。

 

まだまだ辛えわ!

早く家に帰りたい〜あったかい我が家が待っているんだ〜

布団の中でじっとしていた──

 

そういえば俺の家、まだありませんでした!

今日は野宿!

帰ってもやっぱ辛えわ!

 

「⋯⋯ボーナスとか出ないのかな」

 

「ごめんね。うちはあんまりお金持ってないんだ」

 

「知ってる」

 

「たはは。本家の方は割とあるみたいなんだけど⋯⋯

お金じゃないけどこれあげる。

助けてもらったお礼」

 

クックックッ⋯⋯マテリアか。興味あるね。

魔晄炉でコンクリに足を挟んだ辛そうなジェシーを助けたのは仕事の内だ。

気にしなくてはいいけどもらっておこうか。

後には引くなよ?

 

「助かる」

 

「──魔晄炉の爆破、想像以上に大きいみたい。

計算だともっと小さくなるはずだったのに⋯⋯

 

っていけないいけない!考えるのは家に戻ってからにしなくちゃ。

とにかくありがとね。クラウドのおかげで何とか生き残れた!」

 

「生き残るのは強いやつか運のいいやつだけだ⋯⋯

あんたがどっちかは知らないけど」

 

「しみる〜!

私は運のいいほうかな?

ちなみにクラウドさんは〜?」

 

「強いほう」

 

「よっさすが元ソルジャー!」

 

「ふっ」

 

昔クイーンズブラッドのパックを箱買いしてレアが一枚も出なかったときがあった。

その日は食事がまともに口を通らなかった。

 

だが翌日の高難易度任務を俺はなんなくこなして生き残ったのだ。

つまり運がなくても生きていける⋯⋯なぜなら俺は強いから。

元ソルジャーを舐めるな。今晩の野宿は辛えけど余裕だ。

 

 

 

ジェシーの言った通り魔晄炉爆破の被害は大きかったようだ。

近隣の建物が壊れて通りに出た人が暗い顔をしている。

怪我をしている人は早く医者に行け⋯⋯

魔晄炉爆破、やっぱ辛えわ⋯⋯

 

だが後には引けない。

やってしまったことはしょうがない。

30分くらい前を悔いることには興味ないね。

 

あのときティファに頼まれたことなら何でもしていたと思う。

何でも屋だからね。

レールの上を走る列車のように再開した幼なじみのお願いを聞くのは抗うことのできない運命。

これが分からないバカは医者に行け──

 

「ねえねえ。お花 買わない?」

 

「えっ?」

 

「ほらこれ。きれいでしょ?

ミッドガルじゃなかなかお目にかかれない」

 

花とか興味ないね。

あときれいなのはあなたですいきなり話しかけてきたお姉さん⋯⋯

連絡先とか興味あるね!

それに所持金ゼロだからお花も買えないんだよな⋯⋯

 

ところでさっき落とした花を通行人に踏まれていたよね?

あいつには人に必要な何かが欠けている。俺には分かるんだ。

 

「売る場所、間違えてると思うぞ」

 

「そうかな?」

 

「魔晄炉が爆破されたそうだ。

今日はもう帰ったほうがいい」

 

「おやおや〜心配してくれるのかな〜?

ついでにお花 買ってかない?」

 

買う気はないね。

なぜなら無一文だから。

貧乏はやっぱ辛えわ。目の奥が熱くなってきた。

高い銃弾撒き散らしたさそりには文句があるね。

 

「値段は相手 見て決めるの

あなたは──

うん、タダでいいや!」

 

やったよ!それなら無一文の俺でもお花を買える──

 

「えっ?」

 

「花言葉は再会。大事にしてあげてね」

 

「どうして」

 

出会ったばかりなのにいきなり花をタダでくれる⋯⋯

それじゃ商売上がったりだろ?

こいつ大丈夫か?医者に行くべきではないだろうか?

 

いやこの腐ったピザの上、何か裏に隠した狙いがあるに違いない。

そう!例えばこの思わずきれいだ⋯⋯とか言ってしまいそうな少女を餌にして裏から反社会組織の一員がメンチを切って出てくるとか──

 

いやついさっき魔晄炉爆破した反社会組織の一員が俺です。言い訳の余地がないね!

あと巻き上げられるお金もないね無一文だから!

今の俺にあるのはどんなときにも手放さないソルジャーの誇りだけ⋯⋯

 

「脅しには屈しない」

 

「もしかして、怖いお兄さんくるとか思ってる?

ないない(笑)」

 

「俺は強いぞ」

 

「うん そう見えるよ?」

 

「運はないけどな」

 

「きれいなお花 タダでもらえたのに?」

 

──こいつにはただならないレスバの才能があるね。

まあタダでもらえるならもらってしまおうか。

怖い人が出てきても問題ない。元ソルジャーを舐めるな⋯⋯

 

この花はティファに渡すことにしよう。

花言葉は再会らしい。5年ぶりに会った俺たちにふさわしいと思わないか。

ティファ、お前への贈り物を考えていた。再会の花を贈ろうか⋯⋯

 

「助けてっ!」

 

「えっ?」

 

なんか急に暴れ出したぞこのお姉さん?

何もないのに体のまわりを腕で振り払っている⋯⋯

怖いのはお前だよ。医者に行け。

 

おっと腕を掴んできましたか。元ソルジャーの上腕二頭筋を舐めるなよ?

やっぱり医者には行かずこのままじっとしていようか⋯⋯

 

「えっ!?」

 

何この黒いうじゃうじゃ!

触られた瞬間目の前に変な奴らが出てきたんだけど?

厚い皺だらけの黒マントみたいな奴らが周りを取り囲んでいる。

 

一体俺はどうしてしまったのか?医者に行くべきか?

いやこいつが見えているのは俺だけじゃない。

今元ソルジャーのたくましい上腕二頭筋を掴んでいるお姉さんにも見えている。

 

接触をきっかけに俺にもこいつらが見えるようになったわけだ。

その正体に興味あるね。

 

おっと通行人たちが俺たちのことを痛々しい目で見ているぞ?

何もないとこで剣構えているやべえやつとでも思われているんだろう⋯⋯

目の奥が熱いんだ!

 

だがさっさとこいつらを追い払ってしまえば問題ない。

喧嘩を売る相手を間違えたな?

元ソルジャーを舐めるな!不運を恨め!

 

「とぅあ!」

 

ダチャオの如く攻めていく。

先手必勝ブレイバー!!

 

おっと一発で倒せてしまいました。

おまえ大したことないね?

幽霊みたいだし当たらなかったらどうしようかと思ったけどちゃんと攻撃は通るらしい。

この調子で斬り刻む!惨劇に踊れ!

 

「よし」

 

「わっ⋯⋯本当に強い!

怖いお兄さんが来ても平気そう」

 

「ふっ」

 

元ソルジャーはやっぱ強ぇわ。

このくらいの戦闘は余裕。問題ない。

ところでこいつらは一体何者なのか?興味あるから教えてほしいね。

 

「今のは一体──うっ!?」

 

な、何か頭が急に痛くなってきたぞ!?

脳に多分問題があるね。今すぐ医者に行きたい!

ぐぅぅすげえ辛えわ!脳が何かやべえ電波受信しているよこれ今すぐアルミホイルまかなくちゃ⋯⋯

 

「おまえには誰も守れない。自分さえもなクラウド」

 

──本当に俺はどうしてしまったのだろうか?

こいつはとっくに死んでいるはずなのに⋯⋯思い出の中でじっとしているはずなのに⋯⋯

どうしてここにいる!?

 

「セフィロス!!」

 

「えっ!?怖いお兄さん本当に来たの!?」

 

「待て!」

 

裏路地に逃げるな!戦え!卑怯者!

今一度俺の前に姿を現した以上、後に引けるとは思うなよ!?

今からお前を斬り刻む!

 

ぐぅぅぅ!!!

あ、頭が、頭がやっぱ辛ぇわ。目の奥が熱い⋯⋯

いや熱いのは目の奥だけじゃない。体全体が熱い。

 

何だこれは?ミッドガルの街が燃えている?

この炎には見覚えがある。ニブルヘイムをセフィロスが焼いたあの夜の光景。

その炎を進んだ先にセフィロスが待っている⋯⋯本当に待ってるんだけど?

待てって言ったけど俺に何の要件があるというんだ?いやそんなことはどうでもいい!

 

「おまえはあの日、死んだはずだ!

俺がこの手で殺した!

故郷を焼き、母を燃やし、ティファを斬ったおまえを!」

 

「もちろん覚えているとも。

我々の大切な思い出だからな。

さてクラウド、おまえに頼みが──」

 

「斬り刻む!とぅあ!」

 

おまえの話に興味ないね!

そんけいしていたのに⋯⋯あこがれていたのに⋯⋯おまえは皆を裏切った!

ソルジャーの誇りを手放したおまえと交わす言葉はない!

バハムートの如く攻めていく!思い出の中でじっとしていろ!

 

「威勢がいいなクラウド?

だが今は話を聞け。

おまえに頼みがあるんだ。

この星が死のうとして──」

 

「3秒後を悔いろ⋯⋯せぇえええええいい!!」

 

セフィロス相手に出し惜しみをしている余裕はないね!

頭はさっきからガンガン鳴りっぱなしでやっぱ辛えけど、全力で行くぞ!

凶斬り!!

 

「当たった!?」

 

だが手応えがなかった。剣から人の肉を斬る感触が伝わってくることはない。

さっきのうじゃうじゃとは違って攻撃が通っていないのか?

 

剣を振り下ろした場所から消えたセフィロスはいつの間にか背後に回っていた。

その場でじっとしていればよいものを⋯⋯

 

「狂犬かおまえは?

いいか?この星が死のうとしている。

星が死ねばこの艶やかに燃えるおまえの故郷が──」

 

「ちょっとそこのチョコボみたいな髪したあんた!

夜中なのにうるさいよ!

何もないとこで剣をぶんぶん振り回すとか頭いかれてんのかい!?」

 

「セフィロスがいるだろ!」

 

「いるわけないだろお馬鹿さん!」

 

窓からヤジを飛ばしてくるババア!家の中でじっとしていろ!

セフィロスはそこにいる!

斬られて3秒後を悔いることになっても知らないぞ!?

 

「おまえの故郷が消えてしまう。

息子だけは助けてくれと──」

 

「惨劇に踊れ!せやああああああ!!」

 

もう無駄話をするのやめなよ。

俺はもう騙されない。お前に贈るのはバスターソードの斬撃だけだ!

 

ってまた空振りですか?どこに行ったセフィロス!?

 

「いい加減にしてえええええええ!!??

キンキンキンキン!!さっきから金属音が鳴り響いて耳が痛いのおおおお!!??」

 

「いいからここを離れろ!

俺はセフィロスと戦っているんだぞ!?」

 

「だからそんなのいないって!」

 

「いる!」

 

「いない!!」

 

「いるっ!!!」

 

「ダメだこりゃ!

あんたは神羅の兵士さんに連れっててもらうことにしたよ!」

 

電話をかけるのやめなよババア。

頼むからじっとしていてくれ。セフィロスとの戦いで後に引くなんて選択肢はないんだよ。

というかあんたがいる家燃えてんだけど大丈夫なの!?

 

「全く、落ち着きがない⋯⋯

最後にこれだけ伝えておく。

クラウド──

走るんだ。逃げて、生き延びて」

 

「ふざけるな!」

 

それは母さんがニブルヘイムで最後に残した言葉だ。

どの口がそれを語る!?やっぱお前には人の心がないね!

地獄に行け!

 

「とぅあ!!」

 

渾身の一撃、ブレイバーは確かにセフィロスを捉えた。

だがやはり手応えはなく、霧のようにその姿は虚空に消えた。

空からは黒い天使の羽が一枚舞い落ちる。

 

「いいぞ。それでいい。

私を忘れるな」

 

その言葉を最後に辺りからセフィロスの気配は消えてなくなった。

ついでに辺り一帯を包んでいた炎の海も消えてなくなった。

ミッドガルの冷たいコンクリートだけがそこにある。

 

「⋯⋯」

 

え?もしかして今の全部幻覚?

 

ババアの言っていたことは全部正しかったの?

セフィロスはいなかったとでもいうのか?

おいおい冗談はやめなよ⋯⋯

 

「疲れているのかな」

 

念のため、この後本当に医者に行こうと思う。

症状は重度の幻覚症状。

英雄セフィロスが故郷を燃やした場面が鮮明に街中で再現されました。

セフィロスめっちゃ喋ります。すぐそこにいると思わずにはいられないくらいリアリティありました。

 

これ信じる医者は医者に行ったほうがいいレベルの内容だな⋯⋯

 

「あ?兵士さん!

あいつよあいつ!

夜中にひとりで剣を振り回してる不審者。

早く連れてって!」

 

ババア⋯⋯マジで神羅兵呼びやがったのか⋯⋯

なぜじっとしていてくれなかったのか?

はぁ。魔晄炉爆破しちゃったし身バレして戦闘せざるをえないんだろうな。

 

まだちょっと頭が辛えけど頑張ります。

 

「おい!

そこのお前!剣を下ろせ!」

 

「後に引くなら今のうちだぞ?」

 

「なにっ!?

もしかしてお前、魔晄炉を爆破した逃走犯か!?

 

⋯⋯いやちょっと待て。

その髪型、チョコボみたいな髪型──

 

クラウド、おまえクラウドじゃないか!?」

 

「えっ!?」

 

なんか俺のこと知ってる神羅兵が出てきた。

ちょっと興味あるね!

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