すごく興味あるね   作:あほみね

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第4話

神羅兵の追跡を振り切って何とか列車に飛び乗りました。

元ソルジャーを舐めるなよ?

だけど扉が閉まってて車内に入れない。問題があるね。

 

この速度で走る列車から飛び降りるのは自殺行為。

途中下車はできねえんだよな。

後には引けない。ここは突破する。

 

「とぅあ!」

 

かたああああああい!!

この扉、無駄にいい素材を使ってやがる!

 

もう一回勢いをつけて一気に突破するぞ!

俺たちは負けない!

俺たちは最強だ!

行くぞォ!3秒後を悔いろ!

 

「せぇえええええい!!」

 

ガラッ!!

 

あれっ!?扉が中から開いた!?

ありがたいけど勢いつけたままだと問題があるよ!?

 

「っあ!?」

 

はい列車の壁に衝突。中に入れたのはいいけど体がちょっと痛えわ。

おっとアバランチの皆さんが気まずい目で俺を見ているね。

目の奥が熱くなってきた⋯⋯

 

感想はいらない。他に方法がなかった。

一般車両の窓ガラスから飛び乗ったら騒ぎになるから仕方ないだろお!?

 

「元ソルジャーを舐めるな」

 

「兄貴って割とドジっすよね?」

 

「3秒後を悔いろ⋯⋯」

 

「ぐああっ!?お腹の贅肉つねらないでくださぁあああい!?」

 

あと兄貴って言うな!他の方法を考えろ!

医者に送ってやろうか!?

 

「ったく心配したじゃねえか⋯⋯」

 

「えっ?」

 

「っあ!⋯⋯神羅の兵士に後つけられてねえだろな!?」

 

「ふっ⋯⋯元ソルジャーを舐めるな。

治安維持部門をかき回してやった」

 

「やるぅ〜」

 

バレットの心配とか興味ないね。

急にどうした?おまえも医者に行くか?俺はちゃんと行ったぞ?

 

しかしこれでようやくじっとしていられる⋯⋯今日は色々あって疲れた。

神羅兵を百単位で斬ったんじゃないだろうか?

これで報酬2000ギルは割りに合わない〜

魔晄炉爆破はやっぱ辛えわ。列車の車両を変えてじっとしてようね〜。

 

 

 

「魔晄炉爆破は星の命を守るために決まってんじゃねえか?

アバランチは魔晄を吸い取る神羅を懲らしめようとしたんだ。ええ?」

 

「ひぃ!?わ、わたしは脅しには屈しないよ!

精一杯変わらない日常を守り続けてみせる!

神羅社員は負けない!」

 

「そ、そうだ!」

 

バレットと神羅社員が揉めてるよ〜?ちょっと目を離したすきに恐喝ですか。

アバランチだってバレたらどうすんだバカ医者に行け!

というかこれもうほぼ確実にバレてるよね?右腕が銃で強面の男が魔晄炉爆破擁護してたらそれもう十中八九アバランチだろぉ!

 

だがもう後には引けない。通報されたら不運を恨め⋯⋯

いや、不運を恨む前に一応できることをやっておこうか。3秒後を悔いたくない。

 

「その辺にしておけ」

 

「あぁ?何だおめえかよ」

 

「すまなかったなあんた達。

気が立っているんだ。

悪いが少し離れてくれ」

 

「ああ。そうさせてもらうよ!」

 

そそくさと離れていく神羅社員達。面倒ごとには興味ない他の皆さんは寝たふりを始めてますね。

これで俺もやばいやつの仲間入り。目の奥が熱いんだ!

 

ん?ちょっと待てよ神羅社員のあのポケットの膨らみ。

今チラリとそこから除いたカードの切れ端は⋯⋯

 

間違いないこいつはバウター!クインーンズ・ギャンビットの戦士だ!

おいおい血がたぎってきたぜ⋯⋯

金はないがデッキなら持っている。バウターはどんなときにもデッキを手放さない。いらっしゃいませー!

 

「バレット」

 

「何だ文句あんのかよ?」

 

「リーダーなんだろ?

あんたはどっしり構えてろ」

 

「⋯⋯けっ!」

 

「俺はカードバウトをしてくるから」

 

「ああっ!?」

 

隣の車両に行った社員を発見。

おっと目があったね?目があったらそれはカードバウトの合図。

これバウターの常識だから。

 

「まだ何か用があるのか──

そ、それはっ!」

 

ポケットからデッキをドロー!

間違いない。おまえはカードバウトに興味があるね?俺には分かるんだ。

 

戦いを挑まれたら応えるのがバウターの作法。これが分からないやつは医者に行け⋯⋯

 

「どうする?」

 

「こ、この私にバウトを挑むというのかねキミィ⋯⋯」

 

「当然だ」

 

「くっくっくっ⋯⋯いいだろう!いいだろう!

 

悪いが手加減はできないぞ少年?

バウトが下手くそな上司との接待プレイに付き合わされ続けた私の我慢はとうに限界を超えている!

このわたしの全力を受け止めてくれ⋯⋯」

 

「か、課長!

すごいぞ課長の本気が遂に見られる!

パルマーさんとの接待で赤ちゃんプレイを強いられ続けてきた課長が遂に牙を剥くのかァ!」

 

こいつも神羅の犠牲者だったか。バウターのプライドまで上司に踏みにじられるとは心中お察しする。

だがすまないな。勝つのは俺だ。

何でも屋は何でもできる。カードバウトもできて当たり前だよなぁ?

 

負けて泣くなよ?一度バウトを始めたのならバウターたるもの後には引けない。

バウターとしての誇りをチップにかけて俺たちは最後まで戦うのだ⋯⋯

さあ!前口上をあげようか!

 

「何でも屋のクラウド!

惨劇に踊れ!」

 

「ひぃーひっひっひっ!

社畜の神羅課長!

おまえのデッキを破壊するゥ!」

 

「「バウトッッ!!」」

 

 

 

「うおっしゃー!!戻ってきたぜ!」

 

「全員無事帰還!」

 

「やりぃ〜」

 

「星を救う!でっかいはじめの一歩だ!」

 

「この俺が負けただと?⋯⋯

あんなカードは見たことがなかった。

いつの間に環境が変わっていたんだ⋯⋯

 

うっ!頭が!?」

 

帰ってきたぞ七番街スラム。だけど全く嬉しくないね。

カードバウトでぼろ負けしたから。惨劇に踊ったのは俺でした。

 

くううう目の奥が熱いんだ。まさかモンスターをああも次から次へと破壊されるなんて⋯⋯

おかしい。バウトとは先に陣地を占領し、いかに大型モンスターを召喚するかの戦いではなかったのか?

俺の記憶ではそのはずだったのに⋯⋯いつの間にパラダイムシフトが起きたんだ!?

 

切り札が無惨に破壊されていく様を前に俺はもうやめなよとしか言えなかった。

あれはもはやバウトではない。一方的なワンサイドゲームだ。

神羅課長は勝敗が決まった後も狂ったように俺のモンスターを破壊し、コインを限界まで増やし続けた。

その表情はまさに修羅。日頃よっぽど鬱憤が溜まっていたのだろう。

 

俺は眠れる虎の尻尾を踏んでしまったのだ。

しかしそういったまだ見ぬ出会いもまたバウトの魅力。

一度の敗北如きでは屈しない。バウターを舐めるな⋯⋯

またいつの日か戦おう社畜の神羅課長⋯⋯

 

「んじゃ、後でな」

 

「えっ?」

 

「報酬だ。

セブンスヘブンに来い。

ティファに顔を見せて安心させてやれ」

 

「ああ」

 

報酬!興味あるね!その金でデッキを更新して環境に追いつく!

踏み倒されるかもしれないと思っていたが、ちゃんと払ってくれるようだ。

まあ2000ギルくらいはちゃんと払ってもらわないとね?作戦で色々金を使ったのかもしれないけどさぁ。

 

あとはティファとこのあと会うのか。距離縮めろ言われたけどなあ⋯⋯いきなりはやっぱ辛えわ。

あ、付き合う云々は本当興味ないからね?勘違いするなよ?

 

だが別に嫌いというわけでもない。ゆっくり距離を縮めていくのは悪くないだろう⋯⋯本当に付き合うのには興味ないからね!?

さしあたっての問題はこの再会の花をどう渡すかだ。

こう違和感なく、下心あるとか疑われることもなくスムーズに行きたい。

 

練習しておくか⋯⋯

 

再開を祝して──

 

いやこれはキザすぎるな。もっとこう自然な感じがいい。じゃないと惨劇に躍ることになる。

あくまで偶然を装って、そうお姉さんにたまたまお花もらったけど飾り場所に困ったから的なのがいい。

 

でもそれを自分で言うのもな?なんか理屈色々捏ねるのは元ソルジャーっぽくない⋯⋯

まずいまずい。自分から切り出す方法が全く思いつかないぞ?

もうセブンスヘブンは目の前だ。バレットが猫撫で声でマリーンとか叫んでる。親バカには興味ないね。

くそっ。指先がチリチリしてきた。

 

「クラウド、無事でよかった」

 

「当然だ」

 

魔晄炉爆破の危険な仕事いきなりふったのティファだけどなあ!?

まあそれはいい。敷かれたレールに乗って幼馴染のピンチを助けたまでだ⋯⋯

あああ!?それよりなんて言って花をティファに渡せばいいんだ!?

 

ティファ、おまえへの贈り物を考えていたんだ⋯⋯だけど贈り方は何も分からないっ!

もう渡さなくてもいいかな?変な目で見られるくらいならいっそ。

さっき会った友達も言ってたよなクラウドのキャラじゃない的なこと⋯⋯まあそれ言ったらLOVELESS連れていく方がキャラじゃないにも程があるんだけどな?

 

「さあ入って入って」

 

入ります〜。

ええいもうなるようになれ。3秒後のことなんか興味ないね!

 

「あれ?クラウドその花どうしたの?

本物でしょ?めずらしいね」

 

「!!」

 

興味あるか?興味あるよなティファ!細かいところに気づくのナイスゥ!

元ソルジャーを舐めるな。どんなときでも掴んだチャンスは手放さない。

3秒後を楽しみにしてろ。

 

「ん」

 

んって何だよ?

 

咄嗟のことで言葉が出てこなかった⋯⋯

医者に行けバカ!再開を祝してとか言ったほうがよかっただろうが!?

 

「──意外だな。

クラウド、こんなことするんだ(笑)」

 

あっ⋯⋯

ああああああっ!

 

ティファくすって笑っちゃったよ今!勇気出した贈り物を笑うのはやめなよ!

再開した幼馴染みにいきなり花を渡すのはハードルが高すぎたんだって!

何でもできる何でも屋でも元ソルジャーでも超えられないハードル。

ああああ目の奥が熱いんだ!

 

まずいまずい。このままでは惨劇が始まってしまう。

早くカバーしなければソルジャーの誇りを手放すことになる⋯⋯

 

「ご、五年ぶりだ。

少しは変わるさ(震え声)」

 

「え?(笑)」

 

「(死亡)」

 

はい惨劇に躍りました。

もう報酬だけもらって今すぐ帰りたい。ティファの目の前から一刻も早く立ち去りたいんだあああ!!

 

──今日帰る場所まだ用意してませんでした。こんな辛いのに野宿かよ!

 

「それじゃあクラウドはマリンの相手、よろしくね」

 

「はい。分かりました」

 

「どうして敬語?」

 

「マリン。お兄さんと一緒に遊ぼう」

 

もう幼女にしか興味ないです。

俺の傷ついた心をケアルすることに興味はないかマリン?

今このときほど3秒前を悔いたことはない⋯⋯なぜ先走ってしまったんだ。医者に行けバカ⋯⋯

 

「いやっ!」

 

「えっ?」

 

そんなマジの拒絶するのやめなよ⋯⋯

幼女にまで拒否られるのか俺は?おまえら元ソルジャーを揃いも揃って舐めやがって⋯⋯

目の奥が熱ゥイ!!

 

「てめえマリンに何しやがった!?」

 

「バレット!」

 

何もしてません。何もしてないのに全力で逃げられました。

何なんだこの惨劇は!?運がないにも程があるっ!

え?ないのはコミュ力?そんなものに興味ないね。

 

ソルジャーに必要なのは強さ。運もコミュ力も必要ない⋯⋯

言ったよなジェシー?生き残るは運のいいやつか強いやつかだって。

俺は強いぞ?だから幼馴染と幼女に拒否られても強く生きていくんだ⋯⋯

 

「父ちゃん知らない人と話しちゃダメって言ったもん!」

 

「ん?おおおお!?

父ちゃんの言ったこと守れて偉いなマリーン!!」

 

やったよ。父ちゃんの言いつけ守っただけなんだね。

出会って3秒で嫌われたわけじゃない。よかったよかった。

でももうちょっと優しく断ってくれたら惨劇は起こらないと思うんだ。

 

ティファもちゃんと花を飾ってくれている。

その贈り物、気に入ってくれたかな?贈り方には問題があったけど⋯⋯

じゃティファに言われた通りマリンと遊ぶか。

幼女に興味があると言ったがあれは嘘だ。お兄さんは安全。興味があるのはおっぱい大きな幼馴染だから。

 

「クラウドだ。よろしくマリン。

これで知り合いになったから大丈夫」

 

「あっ!本当だ!

じゃあねじゃあね?

ちょっとしゃがんで?」

 

「?構わないが⋯⋯

これでいいか?」

 

「えいっ!」

 

ちょっとマリンさん何俺の肩に跨ってるんですか?

左肩パッドのネジで怪我しないように気をつけろよ!

 

ていうか降りてくれませんかね?バレットの顔がやばすぎて惨劇起こる3秒前なんですけど?

 

「それいけチョコボー!」

 

「えっ!?」

 

人のことチョコボとかいうのやめなよ!自分で言うのはいいけどさ!

というかそんなにこの髪はチョコボに見えるのか?

魔晄炉爆破したときからどいつもこいつも俺のことをチョコボの髪のやつで認識してくる⋯⋯

 

「GOGO!チョコボー!」

 

「やめなよマリン」

 

「クラウド知らないの?

チョコボはしゃべらない。

チョコボは鳴くんだよ」

 

「ティファ!」

 

「クラウド頑張れー!」

 

ソルジャーの誇りを手放したチョコボに興味があるのかティファ?

絶対に見ない方がいいと思う。惨劇が起こるぞ?

あとマリン、おまえにはいいチョコボ乗りになる才能があるね。ゴールドソーサーに行け!

 

「チョコボ!チョコボ!」

 

「いや、本当⋯⋯」

 

「ねえ?どうしてチョコボは動いてくれないの?

マリンの言うことは聞けない?」

 

「クラウド!てめえいい加減にしねえとぶっ放すぞ!」

 

バレットいいぞ!その調子でマリンと俺を引き離してくれ⋯⋯

ちょうど目の奥が熱くなってきたんだ!

 

「父ちゃん?」

 

「マリンの言う通りとっとと走りやがれ!

何を照れてんだ!」

 

「えっ!?」

 

そっち側かよふざけるな!

あんたに期待した俺がバカだった医者に行きます。

俺はもう騙されない。元ソルジャーを舐めるなよマリン?

 

「いいかマリン?

お兄さんはチョコボみたいな髪をしてるけどチョコボじゃないんだ。

だからチョコボにはなれないんだ」

 

「そんな⋯⋯

チョコボみたいな髪をしているのにチョコボにはなれないの?」

 

「ああ。だから降り──」

 

「クラウド。マリンのお願い、聞いてあげることはできない?」

 

ティファ⋯⋯

これ以上恥をかかせるな──

そう面と向かって言えたらどうれだけよかったでしょう。

幼なじみには逆らえないんだよな。

 

「⋯⋯クェー」

 

「!!!聞こえないよチョコボ?もっと大きな声で!」

 

「⋯⋯クエー」

 

「もっと大きく!お腹の中から声を出して!」

 

後には引けなかった!

 

「クエエエエエエ!!」

 

「意外だなクラウド。

本当にこんなことするんだ(笑)」

 

「なんつって!」

 

チョコボよ、飛び立つのか?我らを憎む世界へと。待ち受けるはただ過酷な明日、逆巻く風のみだとしても⋯⋯

 

俺チョコボにはなりきれませんでした。

結局この程度ってことか⋯⋯

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