Tarnished Archive   作:助動詞

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お久しぶりです。そしてお待たせしました。この1週間の間に、主人公にフルネームが生えてきました。違和感やなんかやだなぁ、などありましたら感想欄にてお願いします。不評であれば、次回から無かった事になるので。

と、言うことで、イベント『アビドスリゾート復旧対策委員会』with褪せ人+ラニ様&ユメ先輩です。アンケートへのご協力、本当にありがとうございました!

そして今回、冒頭で特定の種族に対する差別的な表現がありますが、あくまでもゲーム中のある種族に対しての、エルデンリングプレイヤー達の身内ネタの様な物です。この作品に人種や宗教、国籍などの差別を助長する、或いはそれらのメタファー的な意図はありません。ご了承下さい。


レッツゴートゥバカンス(死への旅路)

 

 

モーグウィン王朝、そこへ至る崖路。

 

多くのしろがね人が佇み、対岸には血の池を大鴉が闊歩する、一部の褪せ人から『聖地』と呼ばれるそこに、今日も異変が起こっていた。

 

大鴉の頭上に矢の雨が降り注ぎ、黄金の巨大な波が、しろがね共を薙ぎ払って行く。その矢の雨は、黄金の波は、どうやら奇声を上げながら駆け回る一人の青年が放っている様だ。

 

お察しの方も多いだろうが───彼こそが『星見 ユウ』*1、アビドス廃校対策委員会所属、同校一年生、そしてエルデの王となった褪せ人その人である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒャッハー!しろがね人(劣等種)共は抹殺だァーー!ついでにカラスは落ちろォ!

 

そんな様な叫びを上げつつ、あなたは『王朝へ至る崖路』にてしろがね人の虐殺劇を繰り広げていた。対策委員会の皆や先生には、ちょっと絶対に見せられない光景である。

 

右手にはつい最近手に入れた『神の遺剣』、左手には戦技『アローレイン』を付与したロングボウ、タリスマンには獲得出来るルーンの量を増やす『金のスカラベ』、対岸のカラスに矢を届かせる為の『遠矢のタリスマン』を装備し、かれこれ……3日間か4日間、或いはそれ以上、カラスを矢で誘導し崖から突き落とすついでに『黄金波』でしろがね人(劣等種)を消し飛ばす作業に勤しんでいた。

 

さて、一体なんの為にこの様な事をしているのかと言えば、狭間の地の通貨にして能力を向上させる効果(経験値)を持つ『ルーン』を集める為だ。この場所でこのやり方をするのが、あなたの知る限り最も効率が良い。

 

以前はモーグウィンの聖槍の『血授の儀』を使っていたのだが、少し前にようやく交換する事のできたエルデの獣の追憶から生成された黄金波───神の遺剣に乗り換えている。

 

理由は3つ。

 

戦技の黄金波がとても広範囲への攻撃である事。

 

攻撃範囲が地形と非常にマッチしている事。

 

しろがね共を一撃で仕留められる威力を備えている事。

 

剣を一振り、黄金の波を発生させれば、視界の殆どのしろがね共がその命を散らして行く。なんともすがすがしく、そして心が躍る光景だ。

 

どうやらしろがね共は聖属性が弱点の様で、その点でもこの剣はしろがね狩りに適していると言えるだろう。

 

奴らが聖属性に弱いという事は、つまり奴らは存在してはいけない命である、という事。大いなる意思の元に、よってあなたは彼らを滅さねばならないのだ。

 

そうだ、その通りだ。奴らは存在してはいけない。あのオルディナに居たしろがね共のお陰で、あなたの脳にはその様な考えが焼き付いている。

 

しろがね人は滅ぼせ。

 

しろがね人は見つけ次第殺せ。

 

奴らに流れる白銀の血───あんなもの、まともな生命に流れるものか。言ったのはカッコウの騎士だったか。実際、奴らは聖属性が弱点である事が、『まともな生命』ではない事を見事に証明して見せている。カッコウは正しかった。彼らに敬礼を。そして感謝を。

 

カラスとしろがねから回収したルーンの額は、数字をそのまま円に変えれば現在のアビドス高校の抱える借金を一発で返せそうな程に膨れ上がっていた。

 

祝福のそばに座り、思案する。

 

さて、この大量のルーンで一体自分のどの能力を上げようか。生命力を上げるのは必然として………いや、どうせラニが敵の攻撃を防いでくれるし、生命力には振らずに継戦能力を高める精神力や持久力、魔法の詠唱を速める技量を……いや、いつでもラニが守ってくれる訳では……だがキヴォトスにおいて復活出来る場所は自由で……

 

よし、決まった。こうしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

『………それで、2、3分居なくなったと思ったら、どうしてユウくんはいつになくハイテンションになってるの?』

 

「えーと……新しく手に入れた武器が、とっても素敵な性能をしていたから、だそうですよ」

 

「へぇ〜、新しい武器、ねぇ……」

 

『神の遺剣』……!エンヤ婆……私に贈り物をくれたのですね……!素敵だ……♡新しい武器……楽しい時を過ごしましょう♡エンヤ婆……あなたはいつも私に新しい出会いをくれる。素敵だ……!

 

「ん、様子のおかしい人……」

 

「……皆さん、お揃いでしょうか?」

 

と、ガラガラと扉を開け、アヤネが入室して来た。素敵だ……!何か話があるようだ……!

 

「……ホシノ先輩、私は何だか混乱して来ました……」

 

「そうだね~。星見君、ちょっと良い?いや、正座とかデコピンじゃなくてですね、ちょっと、お時間、頂けますよね?」

 

そう言うとホシノ先輩は、あなたにじりじりと距離を詰めてきた。彼女の行うであろう説教から逃れるため、あなたはそれぞれ戦技『猟犬のステップ』『クイックステップ』を付与した2振りのダガーを取り出す。

 

猟犬……猟犬……クイック、クイック、猟犬……   猟犬……猟犬……クイック、クイック、猟犬……

 

「ちょっと星見君!?室内でそんな高速移動しないでよ!?そんな乱暴しないからさぁ〜!」

 

と、あなたの両脚が突然に周りの床ごと凍りついた。動け……私の両脚……!まだだ、これからもっと面白く……!

 

「タカナシ、問題は無い。今のこいつは、お前達程とは言わないが生半には死なぬ様になっている。だから今のうちに思い切りやってやれ、この私が許可しよう」

 

「ラ、ラニさん!?」

 

「……その、皆さん、お揃いでしょうか?」

 

と、アヤネと机上に置かれたラニの発する凄まじい怒気と冷気に圧倒され、あなたは鎮まった。これ以上は本当に良くない事が起こる。

 

「静かになったみたいだね、良かった」

 

「えっと……セリカちゃん以外は全員いますね〜」

 

「分かりました。では、セリカちゃんには後で伝えておきます。………さて、皆さんお分かりの事と思いますが、現在私達が抱える借金は、その額を大きく減らしています。借金自体が減ったという事は、月々返済する利子も連動して減る……つまり、以前よりも『余裕』が出てきた、という訳です。……そこで、あるものを購入しました。アビドス高校初の、大型備品です!」

 

「大型の備品……ああ、校庭にある、あの巨大な乗り物の事か。確かヘリとか言ったな。……人の力で空を飛べるとは、やはりキヴォトスの技術には目を見張る物がある」

 

確かにラニの言う通りだ。狭間の地で空を飛べる物と言ったら、飛竜に古竜に翼を持つ鳥を初めとした生物、それから石棺位の物だ。矮小な人間は、ただ空を見上げるばかり───それが、狭間の常識だった。

 

「え、えぇーと……な、なんと!今回、「み、みんな!!見て!」」

 

と、そこへ席を外していたセリカが戻って来た。異様な程に興奮しているが、何かあったのだろうか。

 

「私……私、ビンゴ大会で当たったの!しかも1等!」

 

セリカが机の上に置いたそれを見れば、『リゾート利用券』とある。……はて、リゾートとは一体なんだろう。

 

「あっはは!ユウ、リゾートも知らないの!?なら私がたっぷり教えてあげるわよぉ!!!」

 

妙なテンションのセリカは、あなたの方に近寄って来た。だが今は気を付けた方が良い、自分の近くの床は現在氷漬けに「ふぎゃん!?」……手遅れか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……というのが、今朝までの状況です」

 

「"なるほど……それは、凄まじい豪運だったね……。その、セリカちゃんはぶつけた所はもう大丈夫なの?"」

 

「……うん」

 

「"そっか。良かったぁ……"」

 

「それで、ほら、先生は私達の顧問でしょ?だから先生も呼ばないとね〜って。……いや〜、私もびっくりしちゃったよ」

 

「それでですね、セリカちゃんが当てたの、『リゾート利用券』だったんです。折角ですし、この機会にみんなでバカンスに行こう、と……」

 

「今までずっと、学校の為に頑張ってきたわけじゃないですか。たまには、こんな休暇も良いかなって☆」

 

「……と言うことで、貴公に連絡したという訳だ。貴公さえ良ければ、共に『リゾート』とやらへ行こうじゃないか」

 

「"なるほど!誘ってくれてありがとう、リゾート、楽しみだね!"」

 

「ああ。……所で、リゾートとは一体?」

 

『それは!もちろん海だよ!青い海、白い砂浜、熱い太陽!う〜ん、楽しみ〜!』

 

「……海、………そうか、海、か……」

 

『リゾート』、そして『バカンス』について、粗方察しがついた。海、つまりタコを初めとする海に生息する敵を狩りに行こう……という事か。

 

だが果たして、それが休暇になるのだろうか。いや、キヴォトス人の強靭な肉体と強力な武器である銃があれば、確かに並大抵の敵など恐れるに足らないだろうが……。

 

とはいえ、ひとまず十分な準備をしなければ。

 

「……準備を整えてくる」

 

「はい〜!では、私達も準備を始めましょうか☆」

 

「はい!私はヘリの点検をしてきます!」

 


 

……さて、準備をするのは良いが、果たして何が必要になるだろうか。魔法は何を記憶しようか、タリスマンは───魔法の記憶スロットを2つ増やす『ノクステラの月』は確定として───何を装備しようか。防具や武器は何を使おう。

 

……銃と言えば、キヴォトスで手に入れたリボルバーと手持ち大砲は、それぞれ+24と+9まで強化を施している。リボルバーは通常の鍛石を、大砲は喪色のものを使用する様だ。

 

このリボルバーを不良の生徒に撃った結果、ヘイロー越しに一発で瀕死になったので、現在人間相手には使えない。大砲の方は狭間の地のトロルを一撃で殺す……つまり、キヴォトスで人に向けてはいけない威力になった。

 

これらがあれば十分だろうか。一応暗月の大剣も装備しておこうか。防具にはカーリア騎士の鎧一式を採用しよう。

 

タリスマンはそれぞれ魔術と祈祷の威力を高める『魔術師塊のタリスマン』『集う信徒の誓布』、生命力、スタミナ、装備重量を大きく増やす『黄金樹の恩寵+2』、記憶スロットを2つ増やす『ノクステラの月』を装備。

 

そして、肝心要の魔法は……

 

『回帰性原理』『黄金樹の回復』『黄金樹に誓って』『ランサクスの薙刀』『輝石の大つぶて』『ほうき星』『カーリアの速剣』『滅びの流星』『魔術の地』『彗星アズール』

 

……これらがあれば、かなり多くの状況に対応出来る筈だ。海に落ちない限り、死ぬ事は多分無い。

 

消費アイテムの確認を済ませ、あなたはヘリへと向かう。

 

……さて、行こうか。(死地)へ。

 

 

*1
名前が『星見』だけだと学籍や各種手続きなどが色々と不便だったので急遽星見を名字として新たに名前をつけた。命名はユメ先輩、理由は『狭間の地では主に二人称で呼ばれていた→英語の二人称はyou→ユウ』だそうだ




という訳で、ここに来て星見君のフルネームが『星見ユウ』に決まりました。期せずして『ホシノ』と『ユメ』に似た名前になりましたね……。

所で星見君の影の地探訪記についてですが、様々な検討に検討を重ねそして検討を加速した結果、ELDEN RING原作の他作品として投稿する事に致しました。ご了承下さい。

……え?エピローグの感想欄での返信で『ゲームとして云々』って言ってただろ、ですって?

……ワ、ワタシノログニハナニモナイナ

そんな事より!(露骨な話題転換)新しくなった主人公のステータスです!

精神力:40
持久力:30
筋力:20
技量:70
知力:75
信仰:75
神秘:50

_人人人人人人_
> 生命力:40 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

もしも『生命力が10以上あるなんてそんなの星見君じゃない!』という方が多い様であれば、次回から9にもどります。


新しくなったアンケートにご協力下さい。活動報告にて頂いたお話にまつわるものです。

もしも主人公がやって来たのが、原作開始前(アビドス編が始まる前)のゲヘナだったら?

  • 給食部ルート
  • 美食研究会ルート
  • 温泉開発部ルート
  • 激長!便利屋ルート
  • やっぱり激長!風紀委員会ルート
  • 全部書いて♡
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