今回、例の如くフロムネタ多数です。ご了承ください。
月隠を抜いたあなたは、目の前の敵と睨み合う。さあ、久方振りの強者との戦闘だ。
「そ、それは!いつぞやの魔法の刀!?」
「……なるほど、見た所かなりの業物の様ですが。……果たして、貴方に使えますか?」
当たり前である。各種必要能力値……筋力12、技量18、知力23は余裕で満たしている。扱いも慣れているので、───
「───手加減せず、かかって来い」
「っ……良いでしょう、貴方を倒して、先生の魅了を解いて見せます……!待っていて下さいね、貴方様!」
「"え、ええっと、別に魅了されてる訳じゃ……。星見君、ワカモの相手をお願い。皆はヘルメット団……ヘルメット団?の相手を!"」
「「「「「了解!」」」」」
『あ、私はここで先生を守っておくね!皆頑張ってー!』
「"ありがとう!"」
『……戦闘か。良いだろう、力を貸してやる。私の護りだ。活かすと良いだろう』
……冷気系の魔術など、今は記憶していないのだが。
『えっ』
何はともあれ、かくして海岸は銃弾飛び交う戦場となった。
刀を構えるあなたに、ワカモは一瞬のうちに距離を詰めた。銃に取り付けられた脇差を、あなたに向けながら。その速さたるや、戦技『猟犬のステップ』にすら届くだろう。……だが、その程度の突撃、あなたは見飽きている。
その攻撃を回避しようとしたあなたに、しかし狭間の地で培ったある種の直感が告げる。
───待て、ああした強者は攻撃に
……確かにその通りだ。うっかり失念していた。彼女の様な強者は、何故か攻撃が非常にゆっっっくりとしている物だ。相手が剣を振り上げてから、大体1~3秒後に振り下ろされる。これは1つの常識「ぐはっ!?」
『……我が王?なぜ棒立ちで攻撃を受けた?』
ああ、これは気にしないで欲しい。ちょっとこの護りの効力がどれ程の物かを検証したくなっただけだ。決して貴女を信用していないという訳では無いので安心して欲しい。
『……そ、そうか』
「……?なんです、この感触……?まあ、それなら」
と、ワカモは左の手であなたに掴みかかった。さてどうするか。回避するべきだろうが、生憎どのタイミングで掴まれるのかが分からない。もっと観察が必要だ。
掴みであるから、ガードは無意味。回避も困難。さて、本当にどうするか。
判断は一瞬。あなたの下した決断は───攻撃。
以外にも、彼女は掴みを中断し、思い切り後ろに跳んであなたの攻撃を回避した。
「っ……やはり、その武器……!相当の業物、ですね……!?」
当然だ。鍛冶師ヒューグの手により、限界まで鍛え上げられた神殺しの刃───それが、あなたの持つ『名刀・月隠』だ。
さて、攻撃を畳み掛けたい所だが、敵の攻撃パターンが未だ見切れていない以上、こちらから攻撃するのはかなりリスキーだ。……普段なら。
だが今は違う。ラニの護りに、高い生命力、さらに『モーゴットの大ルーン』の効果。ちょっとやそっとでは死にはしない。銃弾程度、おそらく余裕で耐えられる。
「……なるほど、良く分かりませんが───加減は不要、と。でしたら……こういうのはいかがでしょう!」
ワカモはあなたに向けて銃弾を放った。武器でガードしようとした、その刹那。
凄まじい速度で駆け寄ってきたホシノ先輩が、その身を呈してあなたを庇った。
「今度、こそ……私は……」
銃弾を受けた───受けた筈の彼女は、しかしさしたる反応も無くワカモへと接近。
先輩の反撃は、まさしく目にも止まらぬ、といった表現が適切だろう。銃撃と体術を絡めた連撃に、ワカモは防戦一方だ。
だが待って欲しい。護ってくれたのは本当に有難いのだが、今は周りのヘルメット集団の相手をして欲しい。流れ弾に気を向ける必要が無くなるので、ワカモとの戦闘に集中出来るのだ。
「……わかっ、た。何かあったら、直ぐに呼んで」
「了解した」
「……良いのですか?まあ、それならこちらも敵が減ってありがたいのですが。手加減は致しませんよ?」
彼女に向かって駆け出したあなたの足元を狙った銃撃を、あなたは跳び上がって回避した。そのまま落下の勢いを乗せ、切りつけ。
ガキン、と激しい金属音を鳴らし、銃の先に取り付けられた脇差で攻撃を逸らされた。続く切り上げは身を捻り回避、袈裟斬りはやはり脇差によりガード。バックステップで距離を離された。
凄まじい身のこなしだ。マレニアを彷彿とさせる。
距離を取った彼女は、どうやら体勢を整えている様だ。……だが、この離れた距離こそ、あなたの本来の間合い。
左手に取り出した死王子の杖で、あなたは輝石の大つぶてを唱えた。杖先から飛び出した魔術に、彼女は回避を余儀なくされる。
回避後の隙を突くべく、あなたは距離を詰め、ダッシュの勢いを乗せた突きを見舞う。だが……
「っ見切りました!」
……信じられない事に、あなたの突き出した刀をワカモは踏みつける事で対応した。崩れる体勢、両膝を地に付けたあなたの首根っこを掴んだ彼女は、あなたを投げた。蛮地の王顔負けの投擲である。
キヴォトス人の膂力で投げられたあなたは、かなりの速度で空を駆けた。落下地点を確認したあなたの両目は、驚愕に見開かれる。
あなたの眼下に待ち受けるもの。
それは、大きな、余りにも大きな懐であなたを待ち受けていた。
青く蒼く、どこまでも透き通る様な───海だ。
待って欲しい。少し待ってくれないか。
これは少し酷いのではなかろうか。確かに掴まれる様なヘマをしたあなたが悪いのは確実だが、何も護りやら大ルーンの恩恵やらその他諸々をまるっと無視して即死させるのは少し酷いと思う。死の霧だってもっと猶予があった。
死にたくない。ここで死んではルーンの弧が完全に無駄になる。何かとれる手段は……!そうだ!『祝福の記憶』だ!
狭間の地の外で死んだあなたに再びの生命を与え、そして狭間の地へとあなたを導いた最初の祝福、その導きの記憶は、それに想いを馳せる事で最後に訪れた祝福へと帰還する能力を有す。
代わりに所持しているルーンを全て失ってしまうが、背に腹はかえられない。大ルーンの恩恵を失う方が困る。さらば、なけなしの5000ルーンよ。
あなたの右眼から金色の光の粒が溢れ出し、そして全身が同じ様に崩壊し───
無事に転移を完了したあなたは、最後に訪れた祝福───キヴォトスで死んだ際に訪れる事になる祝福、狭間の地でもキヴォトスでもないあの場所で目を覚ました。
足首程の深さの湖がどこまでも広がり、空に暗く冷たい満月の登るあの空間に。
足元にはぽつりと漂う金色の光、祝福。
近くには、魂をあなたの持つ小さなラニ人形に移しているために意識のないラニの身体───と言っても、やはりこの身体も人形の物だが───が椅子に座っている。
特にこの場所に用はないので、さっさとキヴォトスに戻ろう。
行きたい場所、あの海岸を強くイメージし、閉じた瞼の裏が黄金の光で埋め尽くされ───
再び戦地に戻ってきた。ワープ先は、運良くワカモの背後だったらしい。
あなたは躊躇なく背後に忍び寄り───
「っ、瞬間移動まで!?」
───しかし発見されてしまった。勘の良い敵は嫌いである。
かくして戦闘は再開された訳だが、あなたの胸中に1つの考えが浮かび上がる。
即ち、『接近戦たーのしー!』である。
湧き上がる愉しさに身を委ね、あなたは左手に十文字薙刀を取り出した。
「行くぞ、ワカモ!」
「待って下さい、理解が追いつかないと言いますかそれ何処から出したんですか!?」
問答無用、あなたは右手の刀を鞘に収め、代わりにリボルバーを取り出した。神殺し1歩手前まで鍛えられたこの銃の威力は正直人を殺しかねないが、まあワカモならば耐えられるだろう。
射撃した5発中、3発が躱され、あるいは防がれ、残りは命中。その威力に大きく仰け反った彼女に対し、あなたは左手の薙刀で『牙突き』を放った。
あらゆるガード、あらゆる障壁を突破して(回避されない限り)確実に相手にダメージを与えるこの戦技は、やはり今回もその効果を発揮した。よろめく彼女を更に吹っ飛ばす。
「っ……中々、やりますね。……しかし、
更に闘志を燃やす彼女と、銃を仕舞い、刀に手をかけ居合の構えを取るあなた。
渾身の魔力を込め───束の間の月影。
あなたが引き抜いた月隠は、地を這う魔力の光波を飛ばした。
その光波に対し、ワカモは。
「お待ちください、先生……!」
ヘイローの護りに身を任せ、前へと踏み込んだ。
光波が命中。しかし彼女の勢いは止まらない。
低い姿勢から、ライフル銃の先端の脇差であなたを切り上げる。反射的に、あなたは刀でガード。しかし、当然ながらあなたとワカモの間には大きな筋力差がある。
為す術なく刀を捻り上げられ、無防備なあなたの脇腹に斬撃。
「……見事、だ……ワカモ………」
『……おい。……おい!お前、まだ生きているだろう!?生きる事を諦めるな!』
はっ。
申し訳ございません、次回の投稿はかなり遅れると思います。別に作品書くのが嫌になった、もうアイデアが浮かばない、という訳では無いのでその点はご安心ください。いい加減にブルアカのシナリオを読み進めないと……。
3章の新ストーリーも更新されましたし、この機会にぜひ褪せ人の皆様もブルーアーカイブを初めてみてはいかがでしょうか!
もしも主人公がやって来たのが、原作開始前(アビドス編が始まる前)のゲヘナだったら?
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給食部ルート
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美食研究会ルート
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温泉開発部ルート
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激長!便利屋ルート
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やっぱり激長!風紀委員会ルート
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全部書いて♡