Tarnished Archive   作:助動詞

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30万UA達成だバンザーーーイ!



『浮き輪』

広く市販される道具
空気を入れた状態で装備すれば、水面に浮かぶ事ができる

キヴォトスにおいて、この道具の世話になる者は嘲笑の対象となる事がある

覚えておけ。海は、泳げぬ者を歓迎していない




黄金の祝福無き穢れた生命(しろがね人)

真夜中、月は高く登り星々はその姿を現す頃。あなたは1人、海岸で星を眺めていた。

 

『星見』───夜空の星、それらから運命を見出そうとした輝石の魔術師達の末裔であるあなたは、やはりこうして星々を眺めるのが好きだった。それこそ、武器の収集と同じ位に。

 

さて、『1人で星を眺めていた』訳だが、これは別にあなただけがハブられた訳ではない。全員、眠ってしまったのだ。

 

……まあ、無理もない。今日は本当に色々あったのだから。ヘリの墜落に始まり、戦闘、清掃、修理……その後、ホシノ先輩の先輩的殴打によるスイカの消失に終わったスイカ割りに、海岸で行った『バーベキュー』、その後は海で泳いで───あなたはキヴォトスに存在する水面に浮かぶための道具、『浮き輪』を用いての参加だった。セリカに「服を着たまま海に入るなー!?」と叱られた───、暗くなってからは花火を打ち上げた。その後には、ユメ先輩の『……こんな旅行の夜と言えば……そうだね、恋バナだね!と言う訳で星見くん、2人の馴れ初めの話の続きをお願いします!』との一言で、ラニとの出会いの話をして。それが終わる頃には、既に日をまたいでいた。

 

キヴォトスは、本当に平和な場所だ。*1あなたがキヴォトスに来る少し前、『連邦生徒会長』とやらが失踪し、犯罪の発生率や不法な武器の流通がとんでもない事になったそうだが、それでもあなたからして見れば本当に平穏な日々を過ごせている。

 

……いや、どうだろうか。あなたが知るキヴォトスは、ほぼ廃墟と化したアビドス自治区のみ。もしかしたら、他の場所は意外とケイリッドよろしく地獄の如き様相を呈しているのかも知れない。

 

……折角だ、今度他の自治区に行ってみようか。風紀委員達の出身であるゲヘナか、阿慈谷の出身であるトリニティ辺りに。

 

『……ん?おい、あそこ……』

 

と、どうやらラニが何かを見つけた様だ。見れば、先生とノノミ先輩とホシノ先輩が何やら会話している。

 

『おや、あれは……修羅場か?よし、物陰に隠れて様子を伺おうじゃないか。……修羅場とは何だ、だと?……そ、それは……』

 


 

暫くそのまま彼らを観察していると、やがてノノミ先輩がリゾート地に戻り、その後で限界が来たのか先生が眠ってしまった。ホシノ先輩と言えば……

 

「……うへぇ」

 

『……気付かれていたか』

 

あなた達が隠れていた茂みの方へ、いつの間にか近づいて来ていた。

 

「……覗き見なんて、感心しないねぇ〜」

 

「……すまない」

 

「ううん!別に大丈夫だよ〜」

 

ところで、どうして先輩はわざわざ自分に話しかけて来たのだろう。覗き見に文句が無いなら、何故声を掛けて来たのかが分からない。

 

「……えっと、それはね。……少し、君と話がしたくて」

 

「……話?何かあったか?」

 

「いやぁ〜……今日は、本当に楽しかったよってお話だよ。だから、その……ありがとう。私の、私たちの後輩になってくれて」

 

「……と、言うと?」

 

「うへぇ、ちゃんと言うの、恥ずかしいな〜……えっと、……君のお陰で、先輩に………今は後輩だけど、とにかく再会できて。それで、こうしてみんなでリゾートにバカンスなんて行っちゃってさ。……本当に、本当に嬉しくて。だから、ありがとう。……アビドスに、来てくれて……」

 

「そうか。……礼を言わなければならないのは、私もだ。あの時先輩が入学を勧めてくれたお陰で、今私はここに居るのだから。……私も、今日は本当に良い1日だった。向こうでは考えられない程に、穏やかで、平穏で、そして……楽しかった。だから、言わせてくれ。……ありがとう」

 

「……うん、どういたしまして。……ねぇ、星見くん。君さえ良ければ、君の故郷の、狭間の地の話を聞かせて欲しいな〜」

 

「別に良いが……何故だ」

 

「……知りたくて。君が、大切な後輩が、ううん、仲間が、今までどんな旅路を辿って来たのか。どうして、旅をする事になったのか。それに……」

 

「それに?」

 

「……その、私って今年で卒業じゃん」

 

「そうだな」

 

「卒業したら、キヴォトスから出て行かないとじゃん」

 

「そうなのか」

 

「だから、なるべく事前情報を仕入れておきたくて」

 

「……?」

 

「いや、『ユビムシ』なんて言うどこから聞いてもバケモノとしか思えない様な生き物……生き物?が居る場所に、事前情報無しで足を踏み入れたくないと言うか、切実に狭間の地がどういう場所なのか知りたくて……」

 

「ああ……」

 

なるほど、彼女の言う通りだ。確かに、未知の場所に足を踏み入れる時、事前情報が有るのと無いのとでは天と地程の差がある事を、あなたは身をもって知っている。

だが、先輩は1つ思い違いをしている様だ。

 

「……へ?狭間の地とキヴォトスは地続きの世界に存在していない?ど、どういう事……?」

 

ラニ曰く、ここキヴォトスと狭間の地は完全な異世界であると言う。

 

……道理でスマートフォンで『狭間の地』と検索しても何もヒットしない訳だ。ちなみに何故あなたがキヴォトスにやってきたのかは謎だ。ラニに分からないのだから、あなたに分からないのも当然だろう。

 

「そ、そうなんだ……。ひ、一安心……。い、いや、別に君の故郷を悪く言うつもりは無くてね!?」

 

「……大丈夫だ。それに、狭間の地は私自身の故郷では無い。正確に言うならば、私の遠い先祖の故郷だ。私の先祖は、その瞳から祝福を失い、『褪せ人』として、狭間の地の外へと追放された……らしい」

 

「あ……前に言ってたね。『定住すら許されぬ身分』って。……あれ?なら、何で星見君は狭間の地に居たの?」

 

「それは……話せば、かなり長くなる。それでも良いか」

 

「うん。もちろんだよ。是非、聞かせて欲しいな」

 

「ああ。分かった」

 

───遙か昔、我らが故郷、霧の彼方の狭間の地

 

───そこに、かつて『大いなる意思』は、流星と共に1匹の獣を送ったと言う

 

───その獣は、やがて姿を変え

 

─────やがて、『エルデンリング』と呼ばれた

 

───そうして、狭間の外より訪れた稀人、マリカを女王とし、多くの戦争の果て、それはいつしか『黄金律』として、狭間を統べるに至ったのだ

 

────貴女には想像もつかないだろう。それは夜空の星をすら律し、命を高らかに輝かせる

 

────だが

 

──────落ちた葉は伝えている。偉大なる、エルデンリングは砕けた。砕かれたのだ。他ならぬ、『永遠の女王、マリカ』の手によって

 

───エルデンリングの砕けた、その大いなる破片『大ルーン』、それを手にしたマリカの子たち『デミゴッド』は、その力に歪み、狂い、破砕戦争を起こし……

 

───王なき戦いの末に、やがて大いなる意思に見放された

 

───だからこそ、それを修復しなければならない。我ら褪せ人が。狭間の外の死者共が。遠い昔に失った祝福が、我らに再びの生を与え、そして狭間へ呼び寄せる

 

───接ぎ木のゴドリック

 

───星砕きのラダーン

 

───満月の女王レナラ、その琥珀のタマゴ

 

───忌み王、モーゴット

 

───血の君主、モーグ

 

───冒涜の君主、ライカード

 

───腐敗の女神、マレニア

 

───彼らデミゴッドを滅ぼして、大ルーンを奪い、砕かれたエルデンリングを、そうして修復しなければならない

 

───豊かな草原を、腐敗の大地を、広い湿地を、かつての王都を旅して

 

───地下深く閉ざされた王朝を暴き、灼熱の火山を越え、隠された聖樹の底で

 

───私は、彼らを滅ぼした。レナラ以外の、全員を。幾度に渡る、死と復活の果てに

 

───そうして、私は掲げるだろう。ラニの、夜の律を。彼女と共に、我々は狭間を遠く離れる。エルデンリングも黄金律も、人々の傍に無い方が良い

 

───神は、人に干渉すべきでは無い。ただ、遠くから見守れば良い

 

「……そっか。…………星見君、とっても頑張ったんだねぇ。『頑張った』なんて言葉じゃ足りない位に。まるで、神話みたいな……そっか。だから、君はそんなに強いんだね」

 

はて、それはどうだろう。10匹の犬に囲まれれば場合によっては死が確定する生物を、果たして「強い」と表現して良いのだろうか。

 

「ええっと……うん。それでも、君は凄い人だよ。魔法も接近戦も、銃の扱いだってお手の物だし、君はなんだってできちゃうからねぇ〜」

 

「……そうか」

 

「……でもね。君は何でも出来るけど……良い?『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』んだからね?私たちは、同じ学校の仲間なんだから。それに、先生も、ね。きっと、先生も君を助けてくれるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日。

 

「"熱っ!?あっっっっつ!?寝て起きたら地面があっっっつい!?"」

 

砂浜の熱さに悶え苦しむ先生を、あなたは見つめていた。

 

「うへぇ〜……もう朝……?あ、あと5分って地面があっついね!?動いてないのにあっついよ!?!?」

 

なおこの場にいるのはあなた達4人(インベントリ内のラニ含めて)のみだ。他の皆はヘリの修理へと向かった。

 

あなたが何故ここに居るかと言えば、正直ヘリのような精密機器の修理の手伝いなど出来そうも無かったからだ。それはあなたの理解の及ばぬ範囲にある事はもう分かっている。だから、こうして眠る2人の警護をしていたのだ。

 

「"あ、そうなんだ。ヘリの修理に……。私も手伝いに行くよ"」

 

「だが貴公、休んでおいた方が良いのではないか?休息は大事だ。この時間まで寝ていたと言う事は、貴公、かなり疲れが溜まっているのでは?」

 

「"ま、まぁ……いや、最近はまだマシだよ。あの、『アビドス帰り』よりはね"」

 

……ああ、先生が正気を失ってしまった。

 

真っ暗な眼で「"あははははははははははははははははははは"」と呟く彼は、やはりもっと休息を取るべきだろう。

 

……今度、彼の仕事を手伝いに『シャーレ』に行くのも良いかも知れない。

 

「"……うん。もう少し休もうかな。今度はちゃんとシートを敷いておこう……"」

 

「あ、私も休もっかなぁ〜……」

 


 

暇つぶしにアイテムの製作に励んでいると、不意に何か警告音が流れ始めた。

 

「「"っ!?"」」

 

その音に飛び起きる2人。

 

『警告。付近に、不明な武装船舶の接近を確認』

 

「うん……?」

 

『……メインシステム 戦闘モード起動。砲門を解放します』

 

と、瞬く間に島のあちこちから機関銃や大砲などが飛び出してきた。

 

……一つくらい持ち帰っても良いのでは無いだろうか。

 

さて、『船舶が接近』という事は、敵は海から来る筈だ。だがこれはどうした事だろう。何かとてつもなく嫌な予感がする。

 

遠眼鏡を取り出し、覗いて見れば、遠くに船が見えた。

 

───それは、あなたに大砲の射出口を向けている。いや……既に発射済み!?

 

「っ!」

 

素早く盾を取り出し、構える。直後、あなたを襲う衝撃。

 

……だが大した事は無い。唯の爆発など、今のあなたの命に届きはしない。

 

「……うへぇ〜、めんどくさいなー。あいつら、あの距離から攻撃してくるつもりだよ」

 

「なるほど、それは面倒だな」

 

「"一応、防衛システムはあるけど……"」

 

……それにしても、奴らの戦法、とてもとても覚えがある。

 

こちらの手の届かない場所から、チクチクチクチク遠距離攻撃を……遠距離……攻撃…………。

 

「……しろがねか?」

 

「"うん?しろがね、って何?"」

 

「ああ、劣等種の事だ」

 

「"ごめん、今なんて……?"」

 

「穢れた生命だと言った」

 

「"ほ、星見君……?"」

 

おお、何という事だろう!キヴォトスに『奴ら』が居たとは!これはもうあらゆる手を使って滅するしかない!

 

「……黄金の祝福無き全てに死を。……運命の、死を」

 

「"星見君!?!?多分あの子達さっきのワカモ達だよ!"」

 

……はっ。

 

確かにその通りだ。この楽園の如きキヴォトス*2に、あの様な汚物が居る訳が無───

 

「気をつけて!第2射!」

 

「っ!?」

 

寸前で盾受け。

 

……今の攻撃で確信した。奴らはしろがね並の、排泄物にも劣る存在だ。

 

「"ほ、星見君、そこまで言わなくても「貴公、とくと見よ。奴らの戦法の穢れたるを。こんなもの、まともな生命のする事か?」君本当にどうしたの!?"」

 

「あ、これは……星見君の地雷が起爆しちゃったかー」

 

……という訳で、ラニ、いつもの様に自分に護りを……

 

『……それがだな、我が王。……その……き、昨日……力を、使い過ぎたらしい……意識を、保つので限界だ……』

 

な、ななな、な、なっなっ、なんですってーーー!?

 

 

 

*1
※狭間比

*2
※狭間比




ワカモとラブ隊長をしろがね人扱いしてしまい、大変申し訳ございません。

ところで朗報(?)です。ようやく影の地編を書く準備が整いました。

多分……もう少しで投稿できるかも知れない気がすると思うので、よろしくお願いします。

もしも主人公がやって来たのが、原作開始前(アビドス編が始まる前)のゲヘナだったら?

  • 給食部ルート
  • 美食研究会ルート
  • 温泉開発部ルート
  • 激長!便利屋ルート
  • やっぱり激長!風紀委員会ルート
  • 全部書いて♡
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