あなたは決意した。必ず、かの(推定)しろがね並の穢れた戦法を用いるキヴォトス人を壊滅させねばならぬと決意した。
……『
さて、現実に戻るとしよう。まずは状況の整理から。
ここに居る戦力は自分とホシノ先輩と先生の3人、内戦闘出来るのは2人。ラニは力をほぼ使い果たし、ダウン寸前。大ルーンはモーゴットの物を起動中。
現在使える魔術や祈祷は、あの距離まで届かない。手持ちの武器も同様だ。
狭間の地の全ての魔法の中で、最長の射程距離を誇る魔術『ローレッタの絶技』すら届かない、遙か遠方からの攻撃。もはやあなたにはどうしようも無い。便利屋の陸八魔社長の持つ様な『狙撃銃』でもあれば良かったのだが。ああ、買っておけば良かった。
さて、手出しが出来ないのは先輩も同じ。彼女の持つ銃は『散弾銃』。射程距離と引き換えに、拡散する弾丸による高い制圧力を得た、近距離特化の銃だ。
さらに、彼女は少し前までは持っていた大盾(鞄形に変形する機能付き。正直ちょっと欲しい。何処かで買えないだろうか)を持っていない。あれは、ユメ先輩に返却してしまったのだ。故に、防御面に不安がある。だが、この点は今は問題ない。何故なら、あなたが居るのだから。
あなたは狭間の地を隅から隅まで冒険し尽くした褪せ人だ。*1大盾の10枚や20枚、持っていないはずが無い。
「先輩、これを」
「お、ありがとー!」
あなたが取り出した『城館のタワーシールド』を左手に構えた先輩は、あなたの隣に立ち、共に先生の前に立ち塞がる。
……しかしどうしたものか。取り敢えず後でモーグウィン王朝へ至る例の崖路にて劣等殲滅に励むのは確定として、今この場をどうするか。
この様な遠距離への攻撃手段と言えば、それこそ『ローレッタの絶技』や『空裂狂火』と言った長射程の魔法だ。だが今はそれらを記憶していない上、もし記憶していたとしても、流石にこの距離は届かない。
それ以外は弓矢やクロスボウがあるが、やはりそれらも射程不足だ。
後は……しろがね人共の本性を知る前にはよく世話になっていた霊体、『しろがねのラティナ』の放つ弓か。彼女の放つ魔力の弓矢であれば、この距離でも狙撃が出来るだろう。あるいは『彼』の大弓か……。だが、ここには遺灰を使って霊体を召喚するための還魂碑が無い。
……それに、あなたはもう彼女の遺灰を持っていない。
約束通りに、彼女の半身である狼、ロボの傍らに埋めてしまったからだ。
……待てよ?遺灰が使えないのは、あくまでも『還魂碑』が無いため……つまり、それさえあれば問題なく霊体の召喚が出来るのでは?
「……先輩、そして先生。一つ、妙案を思いついた。ある物を、狭間の地から取ってくる。だから、ほんの少し耐えてくれないか?遠距離攻撃の得意な、援軍を喚ぶ」
「「"オッケー!望むところ!"」」
「……感謝する」
あなたはモーグウィン王朝へと瞬時に移動出来る道具、『純血騎士褒賞』を取り出し、それを使った。
胸の前に聖槍を象った赤黒い紋章が現れ、あなたはキヴォトスを旅立つ。
……待てよ、先程ワカモに海へと投げ飛ばされた時も、これを使えばルーンを失わずにすん───
無事に転移を終えたあなたは、王朝に出現した。だが、今はここに用はない。さっさと真の目的地に移動しよう。
あなたは祝福へのワープにより、再び転移を開始した。
あなたの目的地とは、ここ魔術学院は『レアルカリア大書庫』。その部屋の奥に、あなたは出現した。
その入り口の辺りに、目的の還魂碑はある。
「……あら、貴方……もしかしてまた、生まれ直したいのかしら……?」
「いや、今はいい」
「そう……怖がることはないのよ」
レナラの傍を通り過ぎ。
『我……が………弟子、よ…………』
「……」
もはや人ではなくなったセレン師匠の前を横切って。
あなたは足元に目的物を発見した。
屈んで、両手でそれをしっかりと握りしめる。
渾身の力でもって引っ張れば───少しも動かない。
……落ち着け。まだ焦るな。
タリスマンを筋力を向上させる物に切り替え、今度こそはと力を込める。
と、床がメリメリと音を立て、ゆっくりと還魂碑が引き抜かれ始め───やがて完全に、あなたによって持ち上げられた。
『還魂碑』
カテゴリ:槌
装備重量
100.0
要求能力値
筋力:99(補正:D)
技量:5(補正:E)
知力:13(補正:E)
信仰:13(補正:E)
神秘:0(補正:ー)
攻撃力
物理:300 -200
魔力:30 +2
炎 :0
雷 :0
聖 :30 +2
狭間の各所にある還魂碑、それを無理矢理地から引き抜いたもの
当然、これは武器としての運用を想定しておらず、故に人間には扱えない上に鍛石による強化ができない
だがもしも万全に振るえるとすれば、これはその巨人の如き重量でもってあらゆる敵を粉砕するだろう
世に言う。『重さとは力である』
専用戦技『霊体召喚』
武器に宿る、霊体を世に繋ぎ止める力を解放し、選択した霊体を召還する戦技
アイテム『霊喚びの鈴』による召喚と、その効果は全く同一である
「……えぇ…………」
何だこの産業廃棄物!?
ふざけた重量。余りにも低い能力補正。無強化とは思えない攻撃力はあるが……補正値が低すぎる為に、『巨人砕き』を使った方が良いのでは無いだろうか。
場所を選ばずに霊体を呼べるという利点はあるものの、しかし要求能力値を満たさなければ戦技は使えない。
よって、筋力をかなり必要とするだろう。
「……産廃、か…………?いや待て、今はこんな事をしている場合では無い」
そうだ。ひとまず急いであの場に戻らないと。
「……は、早っ!?3秒と経たずに帰ってきた!?」
「"えっと……援軍って……また攻撃が来た!"」
何はともあれ、あなたは目的を果たしてキヴォトスへと帰還した。
盾で爆風を軽減。そのすぐ後に、あなたは召喚の準備を開始する。
地面に成果物を置き、インベントリからある遺灰を取り出し、右手に高く掲げ、左手で霊喚びの鈴を鳴らした。
「出でよ───『赤獅子騎士、オウガ』!」
運び出した還魂碑は、遙か異界においてもその能力を発揮した。
「「"っ!?"」」
あなたの前方から立ち上る霊炎、その中から甲冑を纏った大柄の騎士が現れる───!
その名を、『赤獅子騎士、オウガ』。かつてラダーンに仕えた騎士達、『赤獅子騎士』の最古参にして、ラダーンと共に重力の技を修行した、紛うことなき英雄の霊体だ。
かつてあなたと共に腐敗の女神に挑んだ彼は、重力の力を纏う矢による精度の高い遠距離攻撃と、卓越した剣技による接近戦の両方を熟す、勇猛な騎士だ。
……しかし、彼の身体がやけに透けている様な気がするのは自分の気のせいだろうか……?
キヴォトスでの霊体召喚について
無理矢理召喚した影響で、召喚した霊体は弱体化してしまう(強化値が半減し、それに伴って能力が低下する)
不正は良くない。
律は、それを破る者に、何らかの罰を与えるものだ
もしも主人公がやって来たのが、原作開始前(アビドス編が始まる前)のゲヘナだったら?
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全部書いて♡