Tarnished Archive   作:助動詞

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うわーん!影の地編を書くのが難し過ぎます!最悪一話でエタるかも知れません!(現在プロローグしか投稿出来てない人間の屑)

と言う事で、大変更新が遅れました。今回は対策委員会のグループストーリーです。……正直ちょっとふざけ過ぎた気がします。
次回はゲヘナ行き編の投稿になると思います。


この先、キャラ崩壊があるぞ(主にアヤネ)
つまり低評価ダンク会場

後半部は、かなり口調や言うことが本来の彼女から別人レベルでかけ離れています。ご了承ください。


奥空閣下は対策委員会のメンバーにお怒りの様です

「……」

 

この場を───対策委員会の教室を支配する少女、奥空アヤネは現在とても良い笑顔を浮かべている。それと同時にとてもとてもお怒りのご様子だ。

 

「……『資金を宝くじに全投入!人生は一発勝負だよね大作戦』を提出された方?」

 

「うへっ、私の出した奴だ!」

 

「……」

 

それもそのはず。今後の身の振り方として提出された案が、上記の様な有様だったからだ。

 

「『作戦:生徒を人質として大量に捕獲して、強制的に転校させる15の方法』を提出された方?」

 

「私。実現性は検討済み。隣の学校の朝礼の時間を狙って、講堂を襲撃して……」

 

「…………」

 

「……えっと、アヤネ?」

 

「……『旅行計画表:今週末みんなでピクニックに行きましょう☆』を提出された方?」

 

「は〜い!私です!」

 

「………………っ」

 

先輩方の壊滅的な案出しに、彼女は一切表情を変えず。ただ、内心に怒りを溜め込むばかり。

 

「……『砂漠に宝探しに行こう作戦RETARNS』を提案された方?」

 

『はいっ!私だよ!』

 

「……『リターンズ』の綴りは『returns』です」

 

『……あっ。……いや、違うんだよ!だってしょうがないじゃん、かれこれ二年間も英語なんて「エゥア……エゥアアアアアッ!?」しまった、ホシノちゃんが!?』

 

「……『再生可能石油農場への事業投資説明書』を持って来た方?」

 

「この状況で続けるの!?わ、私だけど……?」

 

「石油農場?……妙だな。私の記憶によれば、石油とは地下深くに埋蔵されている資源の筈だったが」

 

「そ、それは私も知ってる!でもこれは最近発見された『ポンジー石油』っていう新資源で……!」

 

「……セリカ、それ以上は辞めておけ。見ろ、アヤネの眉間の皺を。深いぞ」

 

「えっ、でも……」

 

「……。…………」

 

「……ああ、これは手遅れだな」

 

「っいい加減にして下さい!!!

 

ほら見ろ、爆発した。

 

かくして、この教室に机が舞った。アビドス高校恒例の、アヤネによるちゃぶ台返しである。

 

「なんなんですか……っ、本当に、なんなんですか!?なんで!どうして!こんなのばっかり!!!」

 

「こ、こんなの!?私のはちゃんとした事業だし、説明会でも確実な利益がって……!あ、星見のは!?絶対に星見の意見よりはマシでしょ!?」

 

「……おい」

 

「……『堅実に稼ぐ。具体的には劣等種の殲滅各自治区の賞金首を倒す、或いはアルバイトに励む』」

 

「……えっ?アヤネ、今なんて───」

 

「星見さんから出された意見は───『堅実に稼ぐ』ですよ」

 

「「「「『……えっ』」」」」

 

「……ひとつだけ、お聞きしますね。…………なんで星見さんの意見が一番まともなんですかぁーーーッ!?!?…………っ、みなさん……もっと、ちゃんとして下さい……!」

 

大爆発を起こした涙目の同級生の姿を見つつ、あなたは小さく呟いた。

 

「……アヤネ、君は私を何だと思って───」

 

 

 

 


 

 

 

 

「……ほ、本当にこの道で合ってるの……?」

 

「うん、そのはず……」

 

かくして、あなた達は他学園の自治区へと訪れていた。アヤネが『明日の学芸祭の為に、体育館に溜まっているゴミの掃除をして欲しい』というアルバイトを斡旋してくれたからだ。

 

「こんなアルバイト、いつの間に探してたんだろうねぇ。いや〜、あの子は計画的で良い子だね〜」

 

「アヤネちゃん、いつも頑張ってくれてますが、時々無理してそうで心配ですね……」

 

「だからその結果、アヤネちゃんがストレスで寝込んじゃったんでしょ!」

 

そう。何とアヤネは、あなた達のかける余りにも大きなストレスにより、発熱して寝込んでしまったのだ。現在、ユメ先輩の看病を受けつつ自宅にて療養中である。『ほら、私の身体って冷たいし、こういう時に便利だと『カッ!?』ホシノちゃーん!?』とは本人の談。

 

「ま、まあ、この機会にアヤネちゃんにはしっかり休んで貰おうよ。それに、『やれば出来るじゃないですか!』って言って貰えるチャンスかもよ?」

 

「先輩……!」

 

「とは言っても疲労には勝てないね。誰か私の事目的地までおんぶしてくれない?」

 

「先輩……!?」

 

「じ、冗談だよ〜。そ、そんな怖い顔しないで……。所で、目的地がそろそろ見えても良いはずだけど。もう30km歩いてるんだよ?これじゃあ私たちがまるで迷子みたい迷子迷子迷子まいごマイゴマイゴマイゴマイゴマイゴマイゴマママママママママママママママママママ……」

 

なんと言う事だろう、先輩がまた壊れてしまった。

 

彼女はユメ先輩の死因(砂漠で長期間迷子、そして脱水と熱中症)に近い事柄を見聞きすると、こうして発狂してしまう体質になってしまったのだ。

因みにユメ先輩本人は常にコンパスと地図と水筒と食料を持ち歩く様になった。

 

彼方を虚ろな目で見つめながら高速で何かを呟くその姿には、少しの正気も感じられない。王都地下で発見した糞喰いの本体の方がまだ正気がある様に見える。

 

「あっ!先輩がまた壊れちゃった!」

 

「ん、これはまずい!誰か早くユメ成分を供給して!」

 

「はい!おまかせ下さい〜☆」

 

と、ノノミ先輩は自らのスマートフォンを取り出し、その画面を発狂中のホシノ先輩に見せた。

 

「ほーら、『星見君が持ってた『黄金律原論』っていう難しそうな本を読もうとして、その難しそうな雰囲気だけで本を開く事も出来ずに一秒で寝ちゃったユメちゃんの動画』ですよ〜」

 

「マママママママママ……こ、これ、は……ああ、見える、見えるよ……我らが素晴らしい先輩…………ユメ先輩が!」

 

「よし、直った」

 

「……ほんとに?」

 

最早恒例行事と化した先輩の大発狂を鎮めたあなた達は、再び目的地を目指して歩き出した。

 

 


 

 

「うーん……うーん……」

 

『だ、大丈夫?アヤネちゃん……』

 

ここは自室のベッドの上。そこで、私はユメ先輩に看病されつつ療養していた。おばけ(?)の先輩は手……と言うか体全体が冷たい。氷嚢代わりに、おでこを冷やして貰っている。

 

今日は私が探しておいた、校内清掃のアルバイトの日。みんなは無事に目的地に辿り着けただろうか、何か面倒事に巻き込まれていないか……少し、不安になってくる。

 

まあでも、きっと大丈夫のはず。バイトの内容はただのお掃除だし、道中で何も無ければ戦闘になる事は無い。アビドス高校で生活するに当たって清掃は基礎技能だし、きっと大丈夫のはずだ。

 

 

 


 

 

再び歩き始めて、数十分後。あなた達はようやく目的地と思われる体育館に辿り着いていた。……が。

 

「誰だお前達は!」

 

「お前達は誰だ!」

 

「ダリナンダアンタイッタイ!?」

 

「……えっと、本当にここが目的地で合ってるの……?」

 

そこは不良達がたむろする、どう見ても違法な改築がされた建造物であった。おかしい。確かアルバイトの内容は『体育館のゴミ掃除』だった筈だが。

 

……なるほど、さてはいわゆる『騙して悪いが』案件だな?或いは『ゴミ(不良)』掃除と言う訳か。

あなたは理解した。……いや、セリカ以外は皆理解できた様だ。全員武器を構え、シロコ先輩に至っては手榴弾を取り出している。

 

そこで、ホシノ先輩は一言。

 

「……さて、愉快な『お掃除』の始まりだよ!」

 

戦闘の開始を宣言した。

 

 

───この時のあなた達は、まだ知らない。アヤネの斡旋したアルバイトは、本当に唯の体育館の清掃であった事を。あなた達が、行くべき場所を間違えてしまった事を。

 

 


 

 

「あ……ありがとうございます、ユメ先輩……。お陰で、楽になって来ました……。」

 

『うん、よかったー……』

 

「……ええ……先輩の、お陰で……あれ?私がこうなった原因、ユメ先輩にも『大変っ!アヤネちゃん、うわ言を呟いてるよ!?安静にしないと!考えるとストレスになっちゃうよ!おやすみなさいっ!!!』……あ、はい……。その、しばらく寝ますね……。みんな、今頃掃除を頑張ってるかな……」

 

『(……ふう、危なかった……。アヤネちゃんに余計な事を気づかれちゃう所だった……)』

 

「……先輩」

 

『う、うん!?どうしたのかな!?』

 

「やっぱり、もう起きますね。……ああ、もう大丈夫です。大分良くなりました」

 

『……そっか』

 

「……それに、アルバイトを頑張った皆さんに、お菓子でも準備してあげたくて」

 

『……うん!そうだね!よぉーし、それじゃあ先輩がとっておきのお菓子屋さんを教えてあげようか!』

 

 


 

 

「お仕置きの時間ですよ〜☆」

 

ノノミ先輩のマシンガンによる連続射撃が、体育館に巣食う不良生徒達をなぎ倒して行く。

 

「ユニット起動。火力支援を始める」

 

シロコ先輩のドローンが、逃げ惑う不良達を次々に仕留めて行く。

 

……そして前線では。

 

「「「#◎□▲▽◎$¥☆♯¥$◆◆◇△◆$ー!」」」

 

『高揚の香り』をキメて最高にハイになったあなたとホシノ先輩とセリカが大暴れしていた。

 

先輩の放つ散弾銃が、投擲する手榴弾が。

 

セリカの連射するアサルトライフルが、放つ祈祷(雷の槍)が。

 

『霊薬の聖杯瓶(魔力纏いの割れ雫(魔力攻撃力上昇)青色の秘雫(FP無限化)の配合)』を服用し、FPの制限から解き放たれたあなたが次々にぶっぱなす数々の魔法が。

 

体育館内部の不良達を、次々に戦闘不能に追い込んで行った。

 

ある者は大きく吹き飛ばされ窓を突き破り。

ある者は断末魔の叫びと共に爆発し。

ある者は雷に打たれ。(セリカが何かの機械に祈祷を誤射したのは見なかった事にする)

ある者は叩き潰され。

ある者は噛みつかれ。

ある者は魅了され、同士討ちを始め。

 

あなた達が起こした惨劇は───異変に気付いた本来の体育館の所有者達があなた達を引き止めるまでの一時間。止まる事は無かった。

 

 

 


 

 

『……二年前にはあったのにぃ……ひぃん……』

 

ユメ先輩の言っていたお菓子屋さんは、結局この二年の間に退去してしまっていた様だ。

 

「な、泣き止んで下さい、ユメ先輩……あれ?」

 

そこで私は、教室に置かれている固定電話が鳴っている事に気付いた。……もしや、皆に何かあって……!?

 

私は恐る恐る受話器をとって、電話に出た。

 

「……もしもし。こちらはアビドス対策委員会の奥空アヤネです」

 

『……ああ、もしもし?アビドスさんであってるんだね?』

 

「……は、はい」

 

……もしや。

 

……みんなの身に、本当に何かあって……!?

 

…………胸騒ぎを必死に抑えながら、私は話の続きを促した。

 

『その……お宅の生徒が、我々の町の過激派スポーツ団体と交戦していて、ですね……?』

 

「……………………はい?」

 

……え?交戦?なんで?

 

『……その、戦闘の影響で、機材が破壊されたり、壁が崩壊したり、クレーターが出来たり、吹っ飛ばされた生徒が窓をつき破ったりですね……?』

 

「 」

 

『勿論こちらにもある程度の責任はございますので、按分にはなりますが……そちらに、損害賠償請求をさせていただきます。詳細は今後紙面にて伝えますので。では』

 

「……あっ、ちょっ、ちょっと待って下さい!?待っ───」

 

ガチャン。

 

ツー、ツー、ツー……。

 

そこで、電話は無慈悲にも切られてしまった。

 

頭の中の整理がつかない。正直もういっぱいいっぱい。なんでみんなはよくわからないしゅうだんとたたかったの?なんでくれーたー?かべがほうらく?ふっとばされたひとがまどをつきやぶった?What did she say?

 

『……その、アヤネちゃん?』

 

「 」

 

『あ、アヤネちゃーん!?』

 

「ヴェ!?」

 

はうっ!?

 

い、いけない!わたしは しょうきに もどっ───

 

───プルルルル……プルルルル……

 

そこで、私は本日二度目の電話の鳴る音を聞いた。

 

……正直さっきの電話でもういっぱいいっぱいだ。これ以上なにか言われると、きっと私はどうにかなってしまうだろう。

 

でも、電話を無視する訳にもいかない。私は、再び恐る恐る受話器を手に取った。

 

「……もしも『貴様!アビドスか!?』……はい」

 

『どうなってんだよ!?今何時だと思ってる!?何でまだ来ないんだよ!!!!こうなったら違約金を払って貰うからな!!!覚悟しておけ!!!』

 

ガチャン。

 

ツー、ツー、ツー……。

 

電話は、再び一方的に切られてしまった。

 

一方の電話は、戦闘の余波出壊れた諸々の損害賠償請求。もう一方は、バイトに来なかった事による違約金。それら二つが私にかける莫大な二重のストレスに───

 

「フタエノキワミ、アーーーッ!」

 

───私は、堪える事が出来なかった。

 

 

 

 


 

 

 

 

「………………」

 

目の前の同級生の放つその気迫に、あなたは───いや、あなた達は圧倒されていた。その気迫たるや、気配だけでゴドリックくらいなら殺せそうな程である。

 

「……ああ、鯛が食べたいな……それかボルシチ……」

 

「シロコちゃん、現実から逃げないで下さい……」

 

「……………………………………お分かりですよね、皆さん。なぜ、私が怒っているのかを」

 

「その……いや〜、まさか目的地が別の体育館だったなんて、このホルス・アイを持ってしても見抜く事が出来なかったよ」

 

「………………………………………はぁ……」

 

「やばいね、余計な事を言っちゃった」

 

「その通りよ!何よ『暁のホルスアイ』って!?ふざけてるの!?」

 

「……いやー、しかしねセリカちゃん。これはふざけないとやってられないよ」

 

「ふざけてたの!?もう、信じられない!今はふざけてる場合じゃないでしょ!?……その、ごめん、アヤネちゃん!これはその、理由があって……いや、理由になってないとは思うけど、ホントごめん!……あと、パン食べる?」

 

セリカの懸命な訴えを聞き、椅子に座るアヤネは動きを見せた。

プルプルと震える左手で、ゆっくりとメガネを外し、そして小さな声で呟く。

 

「……今から呼ぶ人は、ここに残って下さい。……ユメ先輩、セリカちゃん……以外の全員です。あんぽんたん」

 

「「「「っ!?」」」」

 

その呟き……否、絶対の宣告に、ユメ先輩とセリカは扉を開け、そして退室した。

 

その扉が、閉まるや否や。

 

「……なんでこうなったんですかシロコ先輩!?目的地を間違った挙げ句に戦闘の余波で建物の崩落!?そんな事した後の第一声が『鯛が食べたい』!?『ボルシチ』!?大体ですね!あなたはいつも『銀行を襲う』やら『ブラックマーケットを襲撃する』やらアァイタタタハンフゥ(熱のぶり返し)とにかくそんな事ばっかり言って、大っ嫌いだ!」

 

アヤネは激しく詰問しながら、椅子から立ち上がった。

 

「それは違うよアヤネ、私は手っ取り早く大金を入手する方法がこうした犯罪「『犯罪』!?大っ嫌いだ!(前科一犯)シロコ先輩のヴァーカ!」ひぐぅ」

 

「ちょっと!そんな言い方はダメですよ!確かに、色々やらかした私たちが悪いですけど……」

 

「ええそうです、その通りです!」

 

……そこで、アヤネの中の何かが切れてしまったらしい。いつの間にか持っていたペンを、思い切り机に叩きつけて───

 

畜生めぇぇぇぇー!

 

───大きく、叫んだ。

 

「大体何ですか建物が崩壊する程の戦闘って!?人が吹っ飛んで窓を突き破る!?スマブラですか!?ウォッ!(威嚇)良いですか!?───……」

 


 

教室の外、廊下にて。

 

『良いですか!?───……』

 

そこでは、二人の少女が、扉の向こうで行われている説教への余りの恐怖に震えながら身を寄せ合っていた。

 

『だ、大丈夫……きっと大丈夫だからね、セリカちゃん……』

 

「ヒッ……ワッ……わァ……」

 

……いや。正確には違う。その頭上に光輪を持たない少女は、猫の耳を持つ少女を懸命に慰めていた。なんと優しい少女だろうか。その包容力たるや、正に何処ぞの死衾の乙女を彷彿とさせるだろう。

 


 

場所を戻して、教室内にて。

 

「それで!?結局何故こんな事が起こったのか!根本的な要因は何ですかホシノ先輩!?」

 

「……It's地図見力足らんかった……」

 

「そうです!私が熱を出してナビゲーションが出来なかったとはいえ、何で初手で反対方向に進むんですか!?」

 

数時間に及ぶ激しい説教にて、あなた達は最早極限の状況であった。

 

「うっああ……」

 

そうして。

 

「……っゔぁ」

 

最初に一人、限界を迎えた。

 

いつも大発狂しているホシノ先輩が?いや、それは違う。

 

「目の前の事象を躱しつつ生きるので手一杯!誰か、助けてね(^^♪」

 

「っシロコちゃん!?どうしたの!?」

 

最初に狂ったのはシロコ先輩であった。

 

「誰か、助けてね(^^♪」

 

「っシロコちゃん!しっかり!」

 

「誰か、助けてね(^^♪」

 

「先輩っ……!もう、駄目なのか……!?」

 

「誰か、助けてね(^^♪」

 

「……ああ、これはもう駄目だね……。じゃあ私、シロコちゃんを保健室まで連れて行くから「逃がしませんよ?」うへぇ……」

 

虚ろな目のシロコ先輩を連れ教室から脱出しようとしたホシノ先輩を、アヤネはむんずと腕を掴んで引き止めた。

 

「……逃げようとするなんて、悪い先輩ですね。……覚悟の準備をしておいて下さい!良いですねッ!?」

 

「出来ない!覚悟の準備は出来ないからどうかお慈悲───」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今、負けそうで、泣きそうで、消えてしまいそうな僕は────」

 

アヤネの執拗な説教(精神攻撃)に耐えかね、とうとうホシノ先輩まで様子がおかしくなってしまった。所でキヴォトスの住人には気が狂うと虚ろな目で歌い出す習性でも有るのだろうか。

 

「っ星見さんも!ちょっと『真面目に頑張ってくれてるな』って思った矢先にこれですよ!なんで床に大きなクレーターなんて作ったんですか!?」

 

「わ、私は悪くない!ちょっと竜のそれに変身させた左手で思い切り叩いただけでどうにかなる床が脆すぎただけだ!私は悪くない!」

 

渾身の言い訳を決めたあなたは、素早く制服の上着の内ポケットから『ある物』を取り出した。

そう、毎度お馴染みの瞬間移動アイテム、『純血騎士褒賞』である。

 

それなりの精神力に由来するそこはかとなく高い正気耐性を持つあなたであるが、正直な所そろそろ限界が近い。謎の歌をブツブツと歌い続ける二人にマジギレのアヤネに扉の向こうから僅かに聞こえるすすり泣きは、現在進行形で確実にあなたの精神を蝕んでいるのだ。

 

「悪いな。説教なら後で幾らでも受けよう、今は一時の休息「確保ォ!」ぐはぁっ」

 

なんとアヤネは、あなたが移動するよりも早くあなたを取り押さえて瞬間移動を阻止したのだ。

 

「私、言いましたよね?逃がしませんって」

 

現在あなたの身体は床に押し付けられ、視界いっぱいに怒りに顔を赤くしつつあなたに馬乗りになったアヤネの顔面が広がっている。

 

「っ大胆!アヤネちゃん、凄く大胆で「そこ!茶化さないで下さいッ!」ご、ごめんなさ〜い……」

 

「───良いですか、星見さん。よーく、聞いて下さいね……」

 

 

 

 


 

 

 

 

アヤネによる零距離での小一時間の説教は、壊れかけていたあなたの精神にとどめの一撃を放った。最早あなたには、弱々しく慈悲を乞う事しか出来ない。

 

「……イナァフ……アイハブエンデュード……モア…ザイナァフ……アイアスクュフォギブミー……ディアレストアヤァネェ……」

 

「なんて……?」

 

「……母国語、出てますよ。星見君」

 

「……もう……もう、いいだろう……許しておくれ、アヤネ……」

 

息も絶え絶え、うっかり狭間語が出てしまう程に疲弊したあなたの渾身の命乞いは。

 

「耐えてください」

 

しかし、呆気なく突っぱねられた。

 

 

 

 


 

 

 

……先輩、後輩あわせて、発狂数人

生き残りは、殆どなし

教室は、アビドスもっとも悲惨な説教の舞台となり

その地には、怒りに囚われた鬼が出たという……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






お知らせです。私事で本当に申し訳ないのですが、今後リアルが忙しくなるので、更新ペースが遅くなります。

大変申し訳ごさいません。

もしも主人公がやって来たのが、原作開始前(アビドス編が始まる前)のゲヘナだったら?

  • 給食部ルート
  • 美食研究会ルート
  • 温泉開発部ルート
  • 激長!便利屋ルート
  • やっぱり激長!風紀委員会ルート
  • 全部書いて♡
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