Tarnished Archive   作:助動詞

67 / 72
投稿が過去一番で遅れました。大変申し訳ございません。ちよっと忙しくてですね(言い訳人間屑)

ていうかどうしましょうね。投稿出来ずにいた間にナイトレインがでましたしフロム・ソフトウェアの新作がスイッチ2で発表されてなんならスイッチ2が発売されてキヴォトスにはSAIKYOU IKKAKU RAIONが登場して今日のメンテナンス明けからティーパーティーの水着姿を拝めますけどね。
(現状輝石数1天井未満)




「くっ……! 魔法さえ使えればこんな奴らに負けない(かも知れない)のにっ……!」

 

 

───祝福だ。

 

今朝、目覚めた際に居た家の一室に、祝福がある。

 

……なぜ、(恐らく)狭間の地や影の地から遠く離れたこんな所に祝福があるのだろうか。

 

もしかしたら『祝福擬き』という呪物かも知れないと思い暫く観察してみたが、消える気配は無い。それに、『祝福擬き』と異なり光の帯による導きも出ていない。……十中八九、これは本物の祝福だろう。いつものように右手をかざして、それを起動した。

 

 

LOST GRACE DISCOVERED

 

 

 

……自分の感覚を信じるならば、これで問題無く祝福を起動出来た筈だ。これで死んでもこの場所から復活出来る。……筈。

 

ふと外の様子が気になり、窓から空を見上げた。月が登っている。いつの間にか、夜になっていたらしい。

この地の空の様子は、私のよく知る狭間の地の空と大きく異なっていた。何か巨大な光輪が───丁度『ヘイロー』をそのまま大きくした様な外見だ───が浮かんでいる。昼夜問わず空に見えるあれは、一体何だろうか。よく見れば光輪はとても高い塔(サンクトゥムタワー)を中心としている様だが、あの塔と何か関係があるのだろうか。時間があれば探索してみよう。

また、外は夜だというのに明るい。あちこちに立っている柱に取り付けられた眩く光る何かと様々な建物から漏れ出る光が、闇を照らしているからだ。……もしかしたら、今いる家にもああした光源があるのかも知れない。

 

……それに。

 

……夜空に見える星の数が狭間の地と比べて異様に少ないが、大丈夫だろうか。当時の記憶は無いが、『星見の一族』である私としては少々気になる所だ。この夜空の様子がキヴォトスにとって通常のものでなく、何らかの力や存在によって奪われたり隠されていたりするならば、もしかしたらアステールがやって来て、かつて永遠の都をそうした様にゲヘナを───もしかしたらキヴォトスをも滅ぼしてしまうかも知れない。

魔術も祈祷も使えない今の私が、果たして奴に対抗出来るだろうか。

 

……まあ、ここは狭間の地では無い。自分自身という例はあるが、まさかここキヴォトスに狭間の地の存在が侵攻してくる訳が無い。

……いや待てよ、そういえばアステールは宇宙からやって来た存在。となると、キヴォトスに奴がやって来る事は有り得るのでは?

 

……まあ、今は気にしないでおこう。本当に来たらその時対処を考えれば良いか。

 

さて、私の夜空の知識がここキヴォトスでも通じるならば、月の高さからしてまだ夜は長い。これから何をしようか。

 

───寝室のベッドで眠る?

 

冗談じゃない、危険過ぎる。少なくともこの家の中では『不戦の約定』は結ばれていない。即ち、眠っている時に侵入者に殺されても文句は言えないという事。

近くに祝福はあるが、しかし私には己の屍を不必要に積み上げる趣味は無い。

 

───空崎が言っていた様に、『明日の予習』とやらをする?

 

……それをやっても良いが。

 

個人的には、そんな事よりもこのキヴォトスを探索したい。もしかしたらまだ見ぬ武器や道具、遺灰に戦灰などがあるかも知れない。

 

という事で、レラーナの双剣───強化素材の関係上、最大まで強化する事が叶わなかった悲しみの武器───を背中に背負い、左手には真鍮の盾を、右手には弾切れの銃の代わりに連射クロスボウを、そして腰には最大強化の魔力の慈悲短剣を挿し、ランタンを灯した私は夜のゲヘナへと足を踏み出した。

 

 

 


 

 

 

……落ち着かない。

 

街の探索を始めて数分後、私はどうにも落ち着かない気分になっていた。

何故なら人の数が余りにも多すぎるからだ。

 

もしかしたら、向こうから歩いてくるあの生徒が突然私に向かって銃を撃ってくるかも知れない。

もしかしたら、今後ろを歩いている獣人が突然背後から襲いかかってくるかも知れない。

もしかしたら、あの曲がり角から今にも敵が飛び出してくるかも知れない。

もしかしたら、足元に隠されたスイッチを踏んでしまい何かの罠を作動させてしまうかも知れない。

もしかしたら、完全に姿を隠した敵に今にも刺し殺されるかも知れない。

今は夜だから、もしかしたら死儀礼の鳥や夜の騎兵といった強敵に遭遇するかも知れない。

 

もしかしたら。

もしかしたら。

もしかしたら。

 

警戒せずにはいられない。予測せずにはいられない。

それらを怠った瞬間、きっと私は命を落とす事になる。……かも知れない。

 

……現に。

 

「……ねぇ。何、あの人」

「あの人ってどの人だyあー分かったアイツだな? あの金属製らしき盾構えて右手になんか持ってて謎の双剣背負ってランタンと短剣っぽいなんかを腰にぶら下げてめっちゃキョロキョロしながら歩いてるアイツだな? ……何アイツ?」

「私が聞いてるんだけど!?」

「ゴメン。……ってかどうするよ? カツアゲでもしてみる?」

「いや……やめとこうよ。あの場違い感、異様な雰囲気……もしかしたら、オバケかもよ?」

「怖いこと言うなよ!?」

「……まあ、関わらないでおこうよ」

「そ、そうだな……。 ヤッベ、今夜トイレ行けっかな……怖くなって来た……」

 

 

……現に、あの二人組が私の方を見ながら何やらひそひそと会話している。私に襲いかかる計画でも立てているのか、或いは───

 

「……ん? あっ! おい、テメェ!」

 

と、不意に背後から声をかけられた。振り返ると、何故かこちらに敵意をむき出しにした数人組の包帯ぐるぐる巻き少女が居た。

……どこかで見た様な気がすると思いしばらく記憶を辿ってみると、どうやら彼女らは昼間に巨人砕きで叩き潰した生徒達の様だ。

 

「さっきは良くもやってくれたな! 調子乗ってんじゃねぇぞオイ! オメェら、報復の時間だ!」

 

そう叫ぶと、彼女らは一斉に銃を構えた。

それに呼応する様に、私は背中に背負っていた双剣を抜き放ち───

 

 

 


 

 

 

数秒後。

 

「ぐっ……くそっ!」

 

敵は全員地面に倒れ付し、取り押さえられていた。尚───

 

ここで言う「敵」とは()()()()()()()()()()()()()()敵であり、つまり地面に無様に押さえつけられているのはエルデの王(予定)であるこの私一人である事に留意して頂きたい。

 

……よく考えて見れば、私───に限らず、褪せ人とは多対一が非常に苦手な生き物である。

魔法の使えない現状、先程の最適解は何も考えずにその場のノリで抜剣して愚かにも応戦しようとするのではなく、速攻でトレントを召喚して無様に逃げおおせる事だった。数秒前の自分自身に渾身の発勁を叩き込んでやりたい。

 

「あははっ! ざぁこざぁこ♡」

「それ寒気するからやめてくれませんかね……?」

「おらっくらえおらっ!」

 

かくして、私は不良生徒共から殴る蹴る撃つなどなど様々な暴行を振るわれているのである。

一応詳しい戦闘の流れを述べておくと、

 

抜剣→頭部に被弾→ヘッドショットの衝撃に怯んだ所に一斉に攻撃を仕掛けられる→無事敗北

 

……という流れだった。

 

悔しい。とても悔しい。魔法さえ使えれば、きっとこんな事にはならなかった筈なのに。

 

『拒絶』や『黄金の怒り』さえ使えれば、この状況からでもこいつらを吹き飛ばして戦闘を続行する事が出来るのに。

 

腹の奥から、ふつふつと怒りが湧き上がって来て。

 

「『黄金の怒り』っ! ……『拒絶』っ!」

 

気付けば私の喉からは、叫び声が流れ出ていた。

 

「『グレイオールの咆哮』っ! ……『ベールの暴虐』っ!」

 

「すみませんちょっと静かにして頂く事は可能ですか? 突然未知の言語で叫び声を上げる事を一旦やめて頂いてもよろしいでしょうか?」

「きゃ〜♡ お兄さんこわぁい♡(心の底からの恐怖)私、逃げたくなっちゃったぁ♡(逃走本能)」

 

頭では理解している。魔法はもう使えないし、そもそもこんな祈祷は今記憶していないし、今は聖印すら握っていない。

いくら叫んでも祈っても、何かが起こる訳が無い。

 

それでも。

 

───それでも、私は。

 

「『帯電』っ! 『火よ、焼き尽くせ』っ! 『黒炎の儀式』っ!」

 

声の限り、力の限り。

 

「『毒霧』っ! 『朱きエオニア』ああぁぁっ!」

 

息の続く間、まだ口が開く間。

叫ぶ事を、止められなかった。

 

───私の叫びは、祈りですら無い、怒りをぶつけるだけのそれは。

やはり、神には届かない。

「───ねぇ、」

 

───しかし。

「───そこで、何してるの?」

 

──────一人の少女を呼び寄せた。*1

 

「あ? なんだテメェ見せもんじゃあねぇぞコラおおっと()()()()()()()()()()()()の様ですねいやはや恐れ入りましたよへへへへへ」

「Japanese YAKUZAの方ですか? それともナチュラルに悪魔の方ですか?」

「今すぐにここから逃げ出せば生命を助けてくれるタイプの化け物の方ですか? それとも私たち今この場で辞世の句を詠む必要がある感じですか?」

 

「いや……何? 人の事化け物みたいに言って……」

 

不良生徒共の人に向けるには余りにも惨い言葉の数々に、どうやら白髪(一部黒色)に赤目の彼女は大変機嫌を損ねたらしい。……彼女から何か凄まじい「圧」を感じる。

 

「いやああああああ見るからに不機嫌になっている! お前ら逃げるぞ今すぐにあの人が赦す間力の限り!」

「「「了解!」」」

 

と、不良生徒共は全速力でもって何処かへと逃げ去ってしまった。

自由の身になった私は立ち上がり、自分を助けてくれた少女に感謝を述べた。何かお礼の品物を渡さなければ……

 

「別にいいよ。私、何もしてないし。あいつらが勝手に怯えて逃げただけ」

「確かにそうかも知れないが……それでも礼をさせてくれ。ルーン……は、こちらでは使えないか。そうだな、他には───」

「いや、良いから。それよりも貴方、もしかしてゲヘナの一年?」

「……ああ、そうらしい。何故知っている?」

「噂になってるから。ゲヘナに珍しく男子生徒が入学したって。」

 

……自分が噂になっている?

これは面倒な事になった。妙な連中に絡まれるかも知れない。用心しなければ……。

 

「……そうだったのか。知らなかった。所でそれを知っているという事は───」

「そう。私は鬼方カヨコ。貴方と同じ、ゲヘナの新入生。クラスは違うみたいだけど、まあよろしく」

「……星見だ。……よろしく」

「うん。……所で、お礼代わりに一つ聞いても良い?」

「……分かった。何だ?」

「えっと……」

 

そこで鬼方は一度言葉を切って、思い切った様に口を開いた。

 

「……私の顔って、そんなに怖い?」

「そうだな……」

 

私は目の前の少女の顔面と、己の脳裏にこびり付く恐怖の象徴達───ギザ山の暴竜やら腐敗の女神やら狂い火の王やらその他大勢とやらと比べてみた。

 

……鬼方の顔面は、紛れもなく、人の顔面だ。腐っている訳でも、黄色い炎が灯っている訳でも無い。両眼には確かな正気の光が宿っている。

怖くは無い、と言おうとして思いとどまった。自分の中の「怖い顔面」の基準が盛大に狂っている可能性に気付いたからだ。何せ比較対象が殆ど人間ですら無い。何なら普通の人間の素顔を殆ど見たことが無い。ほぼ全員フードやら兜やらを被って顔を隠していた。

 

「そうだな……私は怖いとは思わない」

「……!」

「だが怖くないとは言えない」

「……。………………そっか。うん。ありがとう。じゃ、また会ったらよろしく。気をつけて帰ってね」

 

そういうと鬼方は夜の闇へと消えて行った。

去って行く彼女の背中には、どことなく哀愁が漂っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
大層な書き方をしてるけどただ単に夜中に奇声を上げまくったから人が寄ってきただけだね




なんで風紀委員会編だってのに便利屋のメンバーと関わってんだこいつ?

……という訳で今回はここまで。
読んで下さりありがとうございました。
繰り返しになりますが、投稿が遅れ大変申し訳ございませんでした。

……あっそうだ感想欄でのナイトレインのネタバレはご遠慮下さい。……いえ、諸事情あってまだ買えてなくてですね……。

それと新しくなった(?)ブルアカのログイン画面に出てくる桜の木の下に佇むミモリたん美しくないですか? 個人的にはど真ん中どストライクなんですけどねこれ初めて見た時声出ましたものうっひょーwwwおほほほほwwwウェヘヘヘヘヘヘヘwwwって流石は()()お嫁さんですねグへへへへへえへへへへへへひひひうひひひひひ(殴

今後の展開について

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。