Tarnished Archive   作:助動詞

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ヨーグルトに醤油をかけたら美味しかったです。(執筆時は4月1日)(エイプリルフール2日目)

ここすき、評価・感想など、どうぞよろしくお願いします。





ヤギとネコ

拝啓 早瀬ユウカ様

 

シャーレの私の机の上が、書類で埋め尽くされたであろう今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。

私は最近、魔法使いに会いました。

 

というのも、実はアビドス高校のとある生徒が、『魔法使い』だったのです。

 

私と同じく、キヴォトスの外からやって来た人型の男性です。

 

彼が厨二病だとか、妄想を拗らせているだとか、そういった事ではなく、彼は本物の魔法使いなのです。にわかには信じられないかも知れませんが、私は実際に彼が魔法を使う所を目撃しています。ヘルメット団の大群に、次々と小隕石を落としていました。

 

所で、少し唐突ですが、あなたは『魔法使い』について、どんなイメージを持っていますか?

 

様々な魔法を使って、敵を攻撃したり妨害したり、或いは自分や仲間を強化したり。それから、体力が無くて打たれ弱かったり、力が弱かったり、接近戦が苦手だったり。 

 

私の持つイメージはこんな所でしょうか。

 

…あなたはきっと、『どうして先生はこんな事を聞いてきたんだろう?』と考えた事と思います。

 

…本題に入りましょう。

 

そんな本物の『魔法使い』である彼は現在、『便利屋68』の社長を相手に、大剣を始めとする近接武器や投げナイフ、岩投げを用いた接近戦で大立ち回りを演じています

 

…脳内であなたに手紙を書き始めるほどに、私は現在極度の混乱に陥っています。誰か助けてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

あなたがぶっ飛ばした戦車の破片から、ヘルメット団の裏に居る存在への手掛かりを得たあなた達は、翌日、借金を返済する為の具体的な方法やあなたの使う魔法についてを話し合っていた。

 

まず前者。───結果。『他校の生徒の拉致』、『銀行強盗』、『アイドルグループの結成』など、ふざけた意見しか言わない皆とそれらの意見に賛成してしまった先生に対し、アヤネがキレた。それはもうガチギレだった。

 

あなたの脳内に、『逆らってはいけない人間』がまた新たに刻まれた瞬間である。

 

 

後者。───結果。

 

「それでは星見さん、まずはあなたの使う魔法について、詳しい説明をお願いします」

 

「分かった」

 

「私の使う狭間の地に存在する魔法は大きく二つに分けられる一つは殆どの場合扱いに知力を必要とする『魔術』もう一つは殆どの場合扱いに信仰を必要とする『祈祷』だまあ今はこの内の魔術について説明しようでは魔術とは一体何なのか?それは大雑把に言えば『輝石』それに宿る『星の生命』の探求なのだつまり魔術とは輝石の内に力を見出す学問の一種であり見出された力こそが私の修めている『輝石の魔術』であるだから魔術には星に関する名を持つ物が多く存在する例えば『輝石の彗星』『ほうき星』『流星群』『星明り』などだなそれらは狭間の地に存在する『レアルカリア』という学院で研究されてきたのだよ」

 

「「「「「…は?(Huh?)」」」」」

 「勿論それ以外の魔術も存在する私が修めている物の中では謎多き結晶人の使う結晶の魔術カーリア王家の輝剣の魔術深き根の底の死王子『黄金のゴッドウィン』に由来する死の魔術などが挙げられるだろう中でも死の魔術は特別で魔術に属するにもかかわらず私の様にある程度の信仰がなければ使う事ができない特徴を持っているまあ『祈祷』にも同様に扱いに知力を必要とする物もあるがなそれから先程も言った様に魔術とは学問の一種であるから十分な才覚がある者ここでは知力及び精神力の事だがそれらを持ち合わせている者に対してならば魔術を教える事も可能だ」

 

「「「「「…は?(Huh?)」」」」」

 

 

 

残念ながら、あなたは人に物を教える事がとんでもなくヘタクソである事が判明した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

ホシノ先輩によりあなたの説明能力の向上を目的とした国語の授業の補習が決定され、意気消沈となったあなたは、現在セリカと共にアルバイトに励んでいた。

 

ちなみに、今は完全にブチ切れたアヤネの機嫌をラーメンの奢りで直すべく、対策委員会の面々と先生が来店している。

 

「…あ……あのう………」

 

「いらっしゃいませ!何名様ですか?」

 

と、そこへ、普段見慣れない新顔の客───紫色の髪とヘイローを持つ、恐らくは他校の生徒───が来店した。

 

その生徒は『この店で一番安いメニュー』をセリカに聞くと、彼女に感謝を伝え、店から出ていってしまう。

 

数秒後、彼女の連れだろうか、新たに三人の───件の紫色少女を含めれば四人だが───お客様が来店した。

 

聞けば、彼女達は会社を立ち上げており、最近請けた『とある仕事』の為に傭兵を雇い、その為に所持金の殆どを使い果たしてしまったらしい。

 

……。

一瞬。そう、一瞬の出来事であった。

 

まずはセリカから店長への合図。それを受け取った店長は、『分かった』と言わんばかりに頷き、そしてあなたに『GOサイン』───あなたの考案した『新作メニューの試作品』を提供せよ、との合図───を出した。

 

この間、僅か約一秒。全ての合図は目配せのみ。

 

共に働く中であなた達が生み出した、一種の連携技であった。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

「お待たせしました!こちらご注文頂いた柴関ラーメンです!」

 

「えっと…?す、すみません、み、身に覚えのない料理があるのですが…?それに随分量が多い様な…?」

 

「ああ、これらの事か?…すまない、ついうっかり試作品の新メニューを作ってしまってな。そのまま廃棄、という訳にはいかないし、君達に提供させて貰った。勿論、お代は必要無いぞ」

 

「でも…本当に良いのかしら?」

 

「ああ、勿論だとも。こちらのミスだからな。…それから、ラーメンの量については、店長は『ちょっと手もとが狂った』と言っていたな。まあ、遠慮せずに食べてくれ」

 

「よくわかんないけど、ラッキー!それじゃ、いただきま〜す!」

 

「…ひとつ聞いてもいい?これは一体…」

 

「ああ、それか。それは蟹たまだよ」

 

「『カニ玉』?私の知ってる料理と随分見た目とかが違う様な…」

 

「…ああ、そうか。名前は改良の余地ありか…。それは蟹たま、蟹の卵だ」

 

「何ですって!?蟹の卵って食べられる物なの…!?」

 

「そうか。君達はまだ知らないか。…ならば教えてやろう。……カニはな、肉より卵なのだよ

 

「蟹は…肉より卵?本当に言ってるの?言っておくけど、もしも酷い物を食べさせるつもりなら…私達は、容赦しないわよ?」

 

「アル様…。わ、私が毒味をさせて戴きます!」

 

パクリ。

 

「ハルカ!?」

 

「…っ!?ア、アル様、これ…」

 

「は、ハルカ…?」

 

「お、おいしい…!」

 

「へー、なかなかイケるじゃん!」

 

「む、ムツキまで…ほ、本当に…?そ、それじゃあ私も…って何よコレ!?冗談抜きで肉より美味しいじゃない!」

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

無事にあなたが考案した新メニュー及び大盛りの柴関ラーメンを完食した彼女達は、対策委員会の面々と交流を深めたのち、店を後にした。

 

遠ざかる彼女達の背中に向けて、あなたは問いかける。

 

「君達!…カニは、好きか?」

 

「うん!大好き!」

 

「は、はい!…私なんかに好かれても嬉しくないとは思いますが…

 

「…うん。私も好き」

 

「ええ、あなたのお陰で更に大好きになったわ!ありがとうね、親切なアルバイトさん!」

 

「そうか。…『カニ好きには、いい奴しかいない』。これからも当店をよろしく頼むよ、諸君」

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「総員!攻撃!」

 

柴関ラーメンからアビドス高校へ戻って来たあなた達は現在、大量の傭兵を引き連れた便利屋───あなた達が無償でラーメンを特盛りにした上で、茹でエビと茹でガニ、蟹たまを提供し、対策委員会の面々と交流を深めたあの四人組の少女───による襲撃を受けていた。

 

おかしい。非常におかしい。

何か異常な事が起こっている。

 

何故彼女達があなた達を襲っているのか。

 

理解出来ぬ。

理解出来ぬ。

理解出来ぬ。

 

パニックを起こしかけたあなたは、しかし彼女達がカニ好きである事を思い出した。

 

カニ好きにはいい奴しかいないのだから、当然彼女達がここを襲っているのは何かの間違いなのだ。

 

そういえば、彼女達は『こっちも仕事で云々』と言っていたではないか。

 

受けたくも無い仕事をうっかり請けてしまい、退くに退けなくなった───大方、こんな所か。

 

良く見れば、社長と名乗った赤毛の少女の表情が、どこか引き攣っている様にみえる。

 

そういう事ならば話は早い。手早く傭兵達をぶっ飛ばして、便利屋の四人にホシノ先輩の指弾きを喰らわせれば良い。

 

そう考えたあなたは獅子の大弓を取り出し、傭兵達に向けて戦技『ラダーンの轢雨』を放った。

 

傭兵達の頭上から、槍の如き矢の雨が降り注ぎ、当たった者を昏倒させる。

 


 

「あの人は───!!」

 

「どうしたのよ、カヨコ?何か知ってるの?」

 

「聞いたことがある。最近、アビドス高校に入学した人───人形の男性───が、ヘルメット団の一人に毒矢を撃って殺しかけたって」

 

「ふーん、そんな事が……何ですって?アビドスで、人形で、男性で、弓矢ですって?……まさか!?」

 

「うん、私達も傭兵達を援護した方が良いかも」

 

「…分かったわ。それじゃあ三人は前へ、私はここから…!」

 


 

矢の雨から逃れた傭兵達を攻撃しようとしたあなたの近くに、敵が放った銃弾が着弾する。幸い、当たることは無かったが───

 

しかし。あなたの脳に蘇る、忌まわしき記憶。

 

典礼街オルディナのしろがね人。

 

祖霊の民。

 

エルデの獣。

 

それは安全な遠所からチクチクチクチク遠距離攻撃をして来る敵に対する、おおよそ総ての褪せ人が持っているであろう感情。

 

こちらの持つ攻撃手段の射程外から一方的に嬲り殺された時、おおよそ総ての褪せ人が抱くであろう感情。

 

即ち、怒りであった。

 

見れば、遠くからあなたに銃口を向ける社長の姿が。

 

───殺してやるぞ、陸八魔アル。

 

 




『ちゃぶ台返し』

アヤネに宿る戦技
その両手で、目の前の机を乗せられた物ごとひっくり返す

その光景は、見たものに恐怖を植え付ける

普段温厚な性分の者こそ、怒りに我を失った時、より恐ろしい鬼と化すのだと

もしも主人公がやって来たのが、原作開始前(アビドス編が始まる前)のゲヘナだったら?

  • 給食部ルート
  • 美食研究会ルート
  • 温泉開発部ルート
  • 激長!便利屋ルート
  • やっぱり激長!風紀委員会ルート
  • 全部書いて♡
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