共に流れた時の先で   作:鶴(鳳凰)

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独自解釈増し増し、独自設定増し増しなので苦手な方はブラウザバックお願いします。

『いつかの続きを』の裏話、まどほむ映画デート編となっております。

ほむばゆssはいくらあってもいいのになぜか少ないので自家発電ついでにネットの海へ放流することを決めました。
対戦よろしくお願いします。


いつかの続きを 裏

 まばゆと映画を観た夜の翌日。

 学校でまどかから耳を疑うような事を言われた。

 

「ほ、ほむらちゃん……明日、予定ある?」

「無いわ」

「そっか、良かった。じゃあ一緒に映画観に行こ」

「映画? いいけれど、なぜ急に映画なのかしら」

「映画にしたのは、朝優しい先輩に教えてもらったからで、ほむらちゃんを誘ったのはもっとお話ししたかったから……」

 

 私が過度にまどかと接触すれば、彼女が再び円環の理へと戻ってしまう可能性がある。

 だからと言って露骨に距離を置きすぎたかしら。

 こうなったまどかは絶対に折れないでしょうし、近くに居れば覚醒も防げるはず。

 

「構わないわ」

「本当? 良かったぁ。じゃあ一緒に明日の予定、考えよ!」

「そうね」

 

「おぉ、本当に誘ったよ、まどかのやつ。大丈夫かなぁ」

「あんたは心配しすぎなんだって。ほむらのやつは悪ぶってるが悪いやつじゃない。それにまどかがしてるあのリボンだって、元はアイツのだろ。心配無いって」

「まぁ、まどかはああなったら止まらないからね。なんかあったらあの悪魔をぶっ飛ばすだけよ」

「その悪魔ってのもよくわかんねえんだけど」

 

 


 

 放課後ね。

 まどかとの明日の予定が決まったわ。休み時間や放課後もその話をしていたから少し遅くなってしまったわね。

 昼もまばゆへの連絡を忘れていたし、まどかが帰ったあとも明日のことを考えていたから夕暮れ時になってしまったわ。

 まばゆは……もう帰ってしまったかしらね。

 

 ……! 下駄箱の辺りにいるのは、まばゆ? 

 律儀に待っていたのかしら。

 

「探しに行った方がいいでしょうか」

「その必要はないわ」

 

 とっくに下校時間も過ぎているのだし、先に帰っていてもよかったのに。

 それでも、待っていてくれたのね。

 

「あ、お疲れ様です。暁美さん」

「えぇ、帰りましょう」

 

 そういえば、まどかが私をお出かけに誘ったのはまばゆの入れ知恵って話だったわね。

 またこの人は変に気を回したりしてるのね。

 

「……ねぇ、一緒に映画でもどう?」

「ひゃい!?」

「ってまどかに誘われたのだけれど」

「あぁ、そういう……」

「どうすればいいのかしら」

 

 昨日も言ったはずだけど、あまり映画ってよくわからないのよ。

 

「いいんじゃないですか? 映画デートなら半日はずっと一緒にいれますよ。この機会に再び親睦を深めてみては?」

「そう……」

 

 やっぱり。また始まりの頃のように、私とまどかが居れるように手を焼いているのね。

 そんなことはもう無理なのだけど、まばゆは諦めないでしょうし、好きにさせてあげましょうか。

 

「未来を視ておきますか?」

「そうね。ただ、今晩の分までで構わないわ。明日はまどかと一緒に行動するから、何かあればすぐに対応できるもの。魔力は巴マミ達との魔獣退治に取っておきなさい」

「そうですか、了解です。……あ、そうだ。この後少し時間ありますか?」

「問題ないわ」

「なら、このまま私の部屋までお願いします。明日必ず役に立つ物を差し上げますよ」

 

 役立つもの……何かしら? そのまま彼女の部屋までついていき、今夜の分の未来視を済ます。今日もまどかは何事もなく朝を迎えるようね。

 まばゆは未来視が終わったあとから机の上を探っているようだけど……何を探しているのかしら? 

 

「お、ありましたありました。はいどうぞ」

「封筒? なにに使えるのかしら」

「中身は映画館の優待チケットです。二人分ありますので、鹿目さんとどうぞ」

「これはあなたのものでしょう、受け取らないわよ」

「いえいえ、むしろ受け取ってもらわなければ困ります。このチケット期限付きで、今月いっぱいでただの紙切れになっちゃうんですよ。でも私は今月中は映画館には行けなさそうですし……なので、使っちゃってください」

「……そう。貴女がそう言うなら、有難くもらっておくわね」

「はい、是非」

 

 嘘が下手ね。貴女が映画を見に行く時間を作れないはずないのに。

 

「じゃあ、帰るわね」

「はい、楽しんできてくださいね」

 

 


 

 

 翌日。

 まどかとお出かけの日。

 まどかを待たせるわけにはいかないから早めにでて家まで迎えに行くつもりだったけど、まどかから時間ぴったりに待ち合わせ場所へ来るように釘を刺されてしまったわ。

 

「そろそろかしら」

 

 時間はそろそろ待ち合わせの頃。

 手を叩き、部屋から移動する。

 ……便利よね、これ。

 移動した先は待ち合わせ場所のショッピングモール。目の前には腕時計で時間を確認しているまどかの背。

 

「まどか」

「わ、ほむらちゃ!? いつの間に?」

「今来たとろよ」

「むぅ、私のセリフ……」

「待たせちゃったかしら」

「! ううん、私も今来たとこだよ!」

 

 よく分からないけど、まどかが喜んでいるみたいでよかったわ。

 

「じゃあ行こっか!」

「えぇ」

 

 まずは映画から。

 昨日まばゆから貰ったチケットを上映券と交換し、二人分のポップコーンと飲み物を購入する。

 

「楽しみだね、ほむらちゃん」

「えぇ、そうね」

 

 待機スペースで様々な映画の予告を見ながら、上映の時を待つ。

 まどかが人としてのひと時を楽しんでいる。それだけで、私は救われる。

 

「あ、入場始まったよほむらちゃん、行こ!」

「えぇ」

 

 


 

 

 映画後、喫茶店。

 映画は観終わったら喫茶店に入って映画の感想を語り合うもの、とまどかが言っていたのだからそうなのでしょう。きっとまばゆの受け売りね。

 まどかが店員に適当な軽食と紅茶を、私はコーヒーを注文する。

 

「面白かったね」

「えぇ、そうね」

「最初の方から段々と二人がただのクラスメイトから恋人になっていって──」

「えぇ、そうだったわね」

 

 まどかが話し、私は相槌を打つ。

 まどかが喋っている。私の前で。

 まどかが映画を観ていた。私と一緒に。

 まどかが食べ物を食べている。飲み物を飲んでいる。

 まどかと目が合い、まどかが逸らす。

 

 まどかがここにいる。この世界に存在している。

 

 それだけで、死んでしまってもいいくらい嬉しい。

 それを守れるのなら、この身がどうなろうと構わない。

 これがあの偽物の見滝原を経て、私の中に残った気持ち。

 

 この気持ちが愛でなければ、なんだというのかしら。

 恋愛映画は、教えてくれなかったわね。

 

「そうだ、ほむらちゃん。帰りにDVDショップに寄っても良いかな? 色んな映画を見てみたくって」

「えぇ、構わないわ」

 

 その後は話も程々に、喫茶店を後にしてレンタルショップへと向かう。

 

「結構いっぱいあるんだね」

「星の数ほどあるそうよ。まどかは何を借りたいのかしら」

「えっと、特に借りたいものがある訳じゃなくて、どんなものがあるかなって見てみたくって。気になったら借りてみよっかなってくらい」

「いいと思うわ」

 

 店内を歩くまどかに付いて歩きながら、ふと棚に目を向けると、一昨日まばゆと観たあの映画があった。数本あるうちの一つだけ、端っこの物に貸し出し中の札が貼ってある。きっとまばゆが借りたものね。

 何となく立ち止まり、そのDVDが置いてある棚を眺めていると、先に歩いていたまどかが戻ってくる。

 

「どうしたの、ほむらちゃん?」

「いえ、先日観たばかりの映画が置いてあったから眺めていたの」

「どれどれ……へぇー、ほむらちゃんこういう映画が好きなの?」

「いえ、初めて観た映画なのよ」

「へぇ! どうしてこれを選んだの?」

「それは……」

 

 あの日の夜、珍しくまばゆが私のことを引き留めたから、どんな映画か気になって……。

 

「当ててあげる。まばゆさんでしょ」

「な──!」

「やっぱり」

「どうして分かったの?」

「教えてあげなーい。それより、ほむらちゃんはそれ、借りるの?」

「……いえ、これはもう観たもの」

「……そっか」

「借りるなら、続編ね」

 

 そう言って、私は貸し出し中の物の隣りのDVDを手に取った。あの夜に観た映画と同じタイトルに『2』と書かれたそれを。

 

「うん、うん! それでいいんだよほむらちゃん!」

「そうかしら……?」

 

 レジで料金を払い、手続きを済ませてお店を後にする。

 

「今日はとっても楽しかったよ。ありがと、ほむらちゃん」

「えぇ、私も楽しかったわ。さ、帰りましょう。あまり遅くなると、ご家族が心配するわ」

「そうだね」

 

 今日のお出かけはこれにておしまい。

 まどかを送り届けて私も帰りましょう。

 

「ねぇ、ほむらちゃん。その映画、どうするの?」

「そうね……明日も休みだし帰ってから観ましょうか」

「まばゆさんと観ないの?」

「……? なんでまばゆが?」

「だって一作目はまばゆさんと観たんでしょ? きっと楽しみにしてると思うなぁ」

「それもそうね。ならそのうち──」

「早い方がいいんじゃないかな」

「そうかしら? まどかが言うならその方がいいのかもしれないわね」

 

 明日にでもと思っていたけれど、早い方がいいならこれから向かいましょう。

 

「あ、もうお家だ。送ってくれてありがとうほむらちゃん」

「今日は楽しかったわ、まどか」

「私も楽しかったよ、また学校でね」

「えぇ、また」

 

 まどかが家に帰っていく。暖かな家庭。また、あの子をあの家に帰す事ができて良かった。

 誰よりも優しい子。そんなあの子が存在を奪われ、概念として宇宙に固定されるなんて事があっていい筈がない。

 イヤーカフスから耳打ちが聞こえる。

 どうでもいいような情報から、魔獣の動向まで。この街のあらゆる情報を見た手下たちがそれを報告をしてくる。

 

「まばゆはまだ帰らなそうね。なら先に挨拶をしておきましょう」

 

 辺りを見回し、人気(ひとけ)が無いことを確認して手を叩く。

 一瞬にして景色が切り替わる。

 目の前には街で人気のケーキ屋さん、レコンパンス。

 閉店間際のお店に入ると、工房の方から店長の声が聞こえてくる。

 

「いらっしゃいませ〜、あらほむらちゃん! いらっしゃ〜い」

「こんばんは、咲笑さん。まばゆはまだ居ますか?」

「ごめんねぇ。まばゆちゃん、今日はお昼から夕方までだったの。もうお家に帰ってるから、ほむらちゃんも上がってって。私はまだ明日の仕込みがいっぱい残ってるから〜」

「ありがとうございます。お邪魔します」

「どうぞどうぞ、ほむらちゃんなら大歓迎よ! 良かったら今度お店のお手伝いも!」

「バイトの勧誘はまばゆに怒られますよ」

「ほんの少し! ちょっとだけだから!」

「考えておきます。ではまた」

「はぁい。また後でねぇ」

 

 レコンパンスを後にして、まばゆの家へ向かう。

 いつものように力を使った瞬間移動ではなく、歩いて。

 レコンパンスでのバイトも、懐かしいわね。あの時はまどかとなぎさも一緒で──色々あったわね。

 

 まばゆの家に着いたわ。魔法で鍵を開けて入り、まばゆの部屋でまばゆの帰りを待つ。

 ──玄関の開く音。帰ってきたわね。

 

「ただいま帰りましたーっと」

「おかえりなさい、まばゆ」

「しぃ!? なぜぇ!?」

 

 ふふ。同じ事を、前もやったわね。

 不意にいじると結構大袈裟な反応をしてくれるから面白くてたまにやっちゃうのよね。

 

「咲笑さんから許可はもらっているけれど」

「そうじゃなくて! 今日は鹿目さんとデートに行ってたはずですよね!?」

「デートじゃなくてお出かけよ。楽しかったわ」

「じゃあなんで鹿目さんのとこじゃなくてウチにいるんですか!?」

 

 なんでまどかが出てくるのかしら。私は貴女に会いに来たのだけれど。

 

「まどかとのお出かけは楽しかったし、映画を観た後のまどかもとても楽しそうでよかったわ。でも、私はあまり面白く感じなかったのよ、あの映画。全員まだるっこしいのよ」

 

 そう。まどかには言えなかった事。

 まどかが連れて行ってくれた事は嬉しかったけれど、映画はあまり面白く感じなかった。

 他人の色恋にはあまり興味が湧かないし、そんなの気に掛ける余裕もない。まどかを救うためだけに動いてきたんだもの。

 だからなのか、分からないけれど。とにかくあの映画は面白く感じられなかったの。

 

「それが恋愛映画の醍醐味なんですけど」

「ともかく私には合わなかったから、前の続きを観ようかと思って、帰りに借りてきたわ」

 

 レンタルショップで借りてきたDVDを取り出すと、まばゆは驚いたような顔をした。さっきのような大袈裟な反応ではなく、心の奥底から驚いて、声も出ないような顔。

 

「なん、で……」

「本当は明日にするつもりだったのだけど、まどかがすぐに行けと。だから貴女と映画を観ることにしたの」

 

 私が思った事を、そのまま伝える。

 長い間一緒にいて、互いの事を知ったようで、本当は知らなかったから。

 胸の内に秘めていても、相手には伝わらないから。

 だから、伝わらなかったとしても言葉にするの。

 

「そう、ですか……鹿目さんがそう言うなら、仕方ないですよね……」

「さぁ、続きを観ましょう」

 

 まばゆが部屋の明かりを消し、モニターの光だけが私たちを照らす。

 

 


 

 

 映画の展開と勢いが早いと、時間もあっという間に過ぎる物ね。

 エンドロールが流れ始めた辺りでまばゆが部屋の明かりを点けた。

 

「どうでしたか?」

「面白かったわ。特にあの敵の女との一騎討ち、カーテンを使った銃アクションというのもあって巴マミを思い出すわね。同じ金髪だし」

 

 エンディングを聞きながら、まばゆと映画の感想を語り合う。

 これがお家映画の醍醐味というものらしいわ。

 

「マ、マミさんをあんなのと一緒にしないでくださいよ」

「敵には容赦ないところは似てると思うのだけど」

「優しい所もあるじゃないですか」

「そうかしら」

 

 巴マミと戦うことになった時のためにイメージトレーニングをしておくことにしましょう。前みたいに防戦寄りにならないように近接戦闘も……もう必要ないんだったわね。

 こういう映画を観ると自分だったらどうやって戦うかを考えてしまうのかしら。武器が銃だったのも相まって。

 

「今度は貴女のオススメが観たいわ」

「私の……ですか?」

「えぇ、なんでもいいわ」

「うーむ、悩みますねぇ……SF系やコメディ系、ホラーなど色々ありますが……んー」

 

 唸りながら棚を漁っているわね。色んな映画のケースがテーブルに置かれていくわ。蜘蛛の巣があしらわれた全身タイツに、炎上する車の近くで腕時計を見ているゴーグルの青年、赤い輪っかの中に……女性かしら。他にも色々と映画が沢山出てくるわね。

 こんなに持っているのに、レンタルまでしているというの? 

 

「お、これなんかどうですか? これを観れば暁美さんもきっとラブロマンス映画を面白く感じれるはずです!」

 

 そう言ってまばゆが取り出した映画は、大きな客船と、男女が抱き合っているパッケージ。

 名前くらいは、聞いたことがあるわ。

 

「そう、ならそれを観ましょう」

「えぇえぇ、是非とも観てください」

 

 再び部屋の明かりが消え、モニターに照らされながら、まばゆの隣で映画を観る。

 

 

 映画を観進めていくうちに、わかったわ。

 きっと私は、貴女と過ごすなんでもない時間が好きなのね。

 

 座っている体を支える貴女の右手へ、私の左手の人差し指を伸ばす。

 

「ひゃ! あ、暁美さん?」

 

 貴女の手の甲をなぞる。マルを描いたりバツを描いたり、への字だったり、摘んでみたり。

 

「あ、あの……手を……」

 

 手を重ねて、指を絡めて、揉みしだく。

 

「ひょわぁあぁあぁぁぁ」

 

 手を平へ回し、また指を絡めて握り合う。映画の彼らと、同じように。

 

「ねぇ、まばゆ?」

「はぃ……」

 

 魔女も魔獣も、魔法少女も関係ない、二人だけの時間。

 いつか貴女に言ったわね、貴女のいない未来は寝覚めが悪いって。

 貴女のいない時間なんて、もう考えたくない。

 

「名前で、呼んで」

「──ほむら、さん……」

 

 例え貴女が、もう一度私から記憶を切り取ったとしても、思い出せなくなったとしても、もう一度──何度でも見つけ出してみせる。

 

 この気持ちが愛でなければ、なんだというのかしら。

 この映画は、教えてくれるのかしら。

 

 




以下、後書きです。

まどかさんが難しいよ。なんだこの娘。
まどかさんファンの方々に深くお詫び致します。
浅すぎる……修正が必要だ……。
鶴(鳳凰) 鹿目知久が腹を切ってお詫び致します。

もしこのssがR18だったら悪魔さんはまばゆの手ではなく太腿内側辺りをなでなでしまくっていたんじゃないですかね、知らんけど。そんなsceneが見たかったら画面の前の貴方が書いてください。今宵の私はほむばゆに飢えています。

今年の水着枠は誰なのかなって。波打ち際のリボン復刻来たのと個人的希望で暁美だと思ってます。ついでにまばゆもお願いします。まばゆの供給をください。顔だけでも見せてぇお願いよぉ……。
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